亀井絵里はどうよ

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160小説【いじめられっこエリたん】
声は枯れ、喉はズキズキ痛み、足は痺れ、手の甲は痛みで腫れ上がる。
お返しにと私の荷物や洋服も引き裂かれる。ついには高橋さんに携帯まで取り上げられる。

「へー結構アドレスあるんだ。生意気に男のまで…やることやってんだー」

(何にもやってない!)
もう声にすらならない。頭を新垣さんに踏まれ、手を小川さんに踏まれ、身動きもとれな
い状態で私は必死で首を振り続ける。背中の上で高橋さんは携帯をいじっている。

『私はもう芸能人なんだから、てめえら無能は金輪際近寄んじゃねーぞ! 絵里』
(やめて!やめてぇ!やめてええええ!!!)
「はーい、メール全送信。アハハハ!」
(…っ!!)
「ギャハハハハハ!良かったなぁ亀井!愛先輩が邪魔な一般人を消してくれたぞ!」
「そんでアドレス全削除っと。うーん、すっきりしたねぇ。絵里ちゃん」

小学校からの親友の顔、中学校の友達の顔、親交の在った先輩後輩の顔。
いろんな顔が私の中で絶望へと変わってゆきました。涙が滝の様に頬を伝って落ちた。
161小説【いじめられっこエリたん】:03/02/25 15:20 ID:WghDppp6
「今日の所はこれくらいで勘弁してやっか。」

床にもだえ、打ちひしがれる私を残し、5人は帰っていきました。
それでも私は身動きとることができませんでした。
体中の痛みより、精神的な痛みが大きかった。
しばらくすると部屋に別の小さな人影が入ってきました。
私は床に横になったままそれを眺めました。矢口さんでした。

「なんだい情けねえ。やり返されたの?まぁいっか」
(…よくない)
「あの5人と、それと圭織も。おいらとなっちでそのうち消すから安心しな」
(……)
「そうそう、次おいらの名前出したら、お前も消しちゃうからな。覚えときなよ」

それだけ言うと、矢口さんはスキップして出て行きました。助けの一つもなく…
月明かりの照らす部屋で、ボロボロの姿のまま私はまた涙を流しました。
死にたい、と思いました。