亀井絵里はどうよ

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109小説【いじめられっこエリたん】
>>96の続き

そして日も暮れ、一日の仕事も無事終わりました。
(よかった、今日はあんまりいじめられなかったぞ)
しかし、帰ろうとすると私を呼ぶ声がします。矢口さんでした。

「OK亀井。ちゃんと準備は整えておいたから」
「えっ?えっと…何のことですか?矢口さん」
「もう、とぼけちゃってぇ〜。今日はいじめができなくて疼いてたんでしょー」
「へ?あの…」
「あっちの部屋に田中と道重いるから。ほら、これ持って」

渡されたのは、剣道の竹刀でした。
(こんな物、どこから…)
抵抗することもできず、私は矢口さんに背中を押され、その部屋へと押し込まれました。
そこで、恐るべき光景を目にすることになったのです。
110小説【いじめられっこエリたん】:03/02/23 00:02 ID:An4PLB1F
れいなちゃんとさゆみちゃんが半べそで立ち尽くしていました。
その足元には、ボロボロに叩き破かれたバック、鏡、携帯、その他が散乱してたのです。
(まるで竹刀か何かで叩き割った様な…竹刀?ハッ!)
私は自分の右手に握られているものを、持ち上げ確認しました。
竹刀には、鏡の破片や叩いた痕跡がありありと残っていたのです。
(ちゃんと準備は整えておいたから)
矢口さんの台詞がスーッと頭をよぎりました。
今やれいなとさゆみは、信じられないといった眼で、私のことを睨み付けています。

「ち、違うの…これは…」
「そう、これが昨日の仕返しって訳?最低や、信じられんと」
「ウワアアアン。お婆ちゃんの形見の鏡だったのに。許せない…絶対に許せない!」
「私じゃない!私じゃないってば!」
「じゃあ他に誰がいるとね?お前しかおらんじゃろが!」
「もう許せない!私、先輩達呼んでくる!」

さゆみが泣きながら部屋を飛び出して行きました。私は目の前が真っ暗になりました。