しばらくそこで、三角帽子を眺めていたがふと下を見ると
小学生だろうか?背の低い女の子がとぼとぼ歩いていた。
へぇ、こんなとこにも子供がいるんだ。
そう思った俺は、エレベーターに乗って一階のボタンを押した。
一回に着くと、すぐ目の前に今見た女の子が立っていた
紙をお団子に結び、大き目の目をこちらに向けている。
話し掛けようと口を開けたがあっちの方が一足早かった。
「あ、もしかして新しいパイロットの方ですかぁ?」
間抜けに開いた口を慌てて閉めて返答した
「あ〜うん・・・昨日連れてこられちゃってね…君は…?」
ニコッと可愛らしい笑いを見せて、ビシッと敬礼をして女の子は自己紹介を始めた。
「はぃ!私は第二補充パイロット兼、セクシー担当の加護あい
14才でありますです!」
えぇ!14才!?中学生だったのか…言わなくて良かった。
あ〜…それにしてもかわいいなぁ…加護ちゃんかぁ…うちに持って帰りたいなぁ…。
よだれを垂らしそうな顔で見下ろしている俺に対して
別段不信感も抱かずに加護ちゃんは
「何てお名前ですか?」
と、問い掛けて来た。
「あぁ…俺は吉澤ひとみ、17才! えっと・・・そのくらいしか言える事は…」
「あ!自分の事『俺』なんてカッコイイですねぇ!じゃあ吉澤さんは
ボーイッシュ担当でお願いしま〜す!」
笑顔が耐えない子だなぁ・・・空気が和むよ。
「何て呼べばいいですか?『吉澤さん』じゃ堅すぎますよね?
『吉澤ちゃん』…?」
「なんでもいいけどみんなには『よっすぃ〜』って呼ばれたりもするよ」
「いいですね!『よっすぃ〜』!イメージにぴったり!」
っとその時、いきなり後ろから男の人声がして、
俺も加護ちゃんも跳ね上った
「あぁっ!!もしかして君、5人目のパイロット?」
何て言うか・・・第一印象が『エロそう』で、しっくり来るような
ひげを生やしたおっさんが、こっちに近づいて来た。
「うへ〜・・・田代さんだ・・・」
加護ちゃんがちょと嫌な顔をして俺の後ろに隠れた。
「ほら、ヤッパリそうだ!パイロットなんだろ?」
「はぁ、一応…」
田代は俺の体を下から舐めるように見た後、必要以上に近づいて
「うん!やっとまともな感じのが入って来た!いいよぉ!君!
実はね、君を数あるパイロット候補からつんく♂のやつに
勧めたのは俺なんだよ!いやぁ〜よかったなぁ選ばれて!
めったに無いぞ?こんなチャンス!」
俺の背中に隠れている加護ちゃんが小さく
「よっすぃ〜目ぇ付けられてたんだ・・・かわいそ〜、気を付けてね!」