俺が名前を呼んだとたん、
今までじっと、暴れもせずに捕まえられていた
少年の目から涙が落ちた。
「うぅ…うあ…ご、ごめんなさい…。」
悲痛な嗚咽を漏らしながら、小川くんは俺に謝って来た。
「ほらっ!!小川くんが何したのか知らないけど、
謝ってんじゃん!放しなよ!泣いてるじゃん!?」
小川くんが泣き、俺が叫んでも、
肉の手錠こと、警備員二人は無表情のままで、
いっこうに放そうとしなかった。
「…ッ歩部さん!!放すように言ってよ!なぁ!!」
歩部さんは激しく首を横に振った。
「だ、駄目だヨー…」
「……」
歩部さんに頼んでも無駄だ。
小川くん…一体何をしたの?
なんでこんなとこにいるの?
取りあえず俺は、一呼吸置いてから、
小川くんに訪ねた。
「小川くん…何があった?」
項垂れて涙を流し続けながら小川くんは
悲痛の声で謝った。
「ごめんなさい…ごめんなさい…僕です…」
「え?」
「僕が…僕が石川さんを………・殺しました。」
「え?」
言葉の意味が分からなかった。
そしてその時…一瞬で静寂に襲われたこの空間に
それに合わせたかのように、俺のポケットの中の、
貰ったばかりのあの携帯から、メールの着信を知らせる声が響いた。
「( ^▽^)<メールが届きましたよ♪」
「え?」