連れてこられたのは、広い司令室の一番端にある、
壁にぽっかり穴が空いたような部屋(?)だった。
司令室は、巨大スクリーンを付けたかったためか
天井が体育館くらい高くて、地下なのに開放感があったが、
この部屋は天井が低く、息苦しかった。
「吉澤、ケータイ持ってるか?」
「あ、うん」
スカートのポケットを探り、愛用のケータイを田代に手渡す。
「docomoか…えっと…電話番号とか見るにはどうしたらいいんだ?」
「ここを…こうです。」
「お〜そうかそうか」
田代は即座にそれを、近くのパソコンに入力していった。
「ところでぇ〜…何してるんスか?」
と、俺が聞くと田代は
俺の携帯と、ちょっと厚めのゴツイ携帯とを
アダプタで繋ぎなが答えた
「お前新しいケータイ欲しくないか?」
「……・嫌って言う事はできますか?」
田代はニヤリと笑うと、俺にその、二つのケータイを渡してきた。
「どっちを使おうがお前の勝手だ。新しい方は持って歩いてくれるだけでいい。」
「じゃあ…」
俺が喋るのを田代は阻止した。
「っしかし!そのケータイ端末は世界一の性能だ!!
俺が作ったんだからなぁ!!
i−modeにJ−sky、ezweb、全ての会社のネットワークに接続可能!
カメラもそこらのカメラ付きケータイなんかとは比べ物にならん!
ムービー撮影は連続2時間!!小うるさいシャッター音なんて無いから
盗撮しほうだいだ!!私も愛用してるぞ!!
さらに極めつけは!あの3号機と同じアシスタントシステムを積んである!
だからネットワーク接続が早い早い!データの保存はすべて
ネット上の専用秘書箱に保存できる!容量はほぼ無限だ!!
写真なら何十億とでも保存できるぞ!!
しかも、使用料はすべて当社持ち!
こんな夢のような携帯、今どきの女子高生なら喉に手を入れてでも
欲しいだろうに!?」
長いから飛ばしただろうけど、田代の言いたい事は良く分かった。
「使えって事だな…?」
「流石吉澤さんだ。」
貰ったからにはフル活用させてもらおうと思い、
電源ボタンを長押しした。
[寺田製鉄]
起動アニメだろうか
その文字が左右に安直に動いていた。