吉澤鉄筋系。

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173THE・地蔵 ◆jizouMjYBU

「お疲れ〜乙カレ〜!いきなり乗せられてあれだけの動きが出来きれば大したもんだ!」

うんうんと頷きながら田代が早足で向かって来た、
加護ちゃんチョット後ずさり…

「ほら、これ――――」

といって持っていた缶ジュースを渡そうとしたが、
俺がもう加護ちゃんからもらったのを持っているのに気がつくと、
少し慌てた様子でそれを背中に隠した。

「あー・・・なんだ、戻って来て早速で悪いが、
ちょっと社員達の紹介でもしようか?」

それを見た加護ちゃんが、小さくクスリと笑っていた。

「はぁ…」

本当はすぐにでもつんく♂に
辞める事を伝えたかったが、あいにく姿が見えなかったので
取りあえず了解した。

「よぉし!みんな初日出撃のスーパールーキーに
早く会いたがってたからな!」
174THE・地蔵 ◆jizouMjYBU :03/01/22 19:45 ID:/11N3O9a

だったら出迎えくらいしてほしい。
なんてことを思ったが、もちろんそれは胸の中に…

「田代!」

白衣を着た30才前後の女研究員に呼ばれて、
田代が振り向く

「なんだ中澤?俺はこれから忙しいのだが…」

明らかに嫌悪感丸出しの目で中澤と呼ばれた研究員に返事をした。

「別にあなたには用はないけど、あなたの
脳みそを借りたいのよ…」

こちらも負けないくらい睨み付けている。

「ふむ、俺の頭は下らん事には使えないのだが…?」

「四号機のACのモバイル通信なんだけど?」

田代は思い出したようにポンっと手を叩き

「アシスタントシステムの件か!
うんうん、そりゃお前らにゃ無理だろう!
すぐに向かう!吉澤!加護ちゃん!またあとでね!!!」

と、言い、通常の三倍のスピードで走っていてしまった。
175THE・地蔵 ◆jizouMjYBU :03/01/22 19:56 ID:/11N3O9a

ふっと、中澤さんの目つきが優しくなり
俺の方に向きかえった。

「あなたが5人目の吉澤さんね、私は中澤。
主にあなたが乗ってる四号機の監督をしているの。」

言葉は標準語だが、時々アクセントに関西の訛りが
入っていて、少し聞き取りにくかった。

「はぁ…どうも…」

少しビクビクしながら、ぺこりと頭を下げた。

「だからって訳じゃないし、昨日の今日で出来っこないのは分かってるけど…」

中澤の髪の毛をかき上げる姿を見ていると、
少しだけ額に小じわが見え、年齢を感じさせた。

「もうちょっと、丁寧に扱ってくれる?
戦闘兵器といっても精密機械だし、
四号機は基本的に格闘戦向きじゃなくて、
中距離が主体のデザインなの。
今回履かされた装甲だの、倒れた時に壊れた
部品とかの修理には億単位のお金がいるの、
もうすぐ国が私たちを必要として、経費を出してくれるにしても
それは無限じゃないし、万が一建物の中に人がいたりして、その建物を
破壊しちゃったりでもしたら…・・・・今度から、気を付けてね。」

176THE・地蔵 ◆jizouMjYBU :03/01/22 19:56 ID:/11N3O9a

人の命と聞いて、俺には罪悪感のような物が浮き沈みした。

「はい…。」

「解かればよろし!じゃあ私は戻るから、加護ちゃん!」

「へい!」

「吉澤さんに、これからお世話になる人を
紹介してあげなさい。あと、今日のお礼も。」

「え、私が・・・ですか…?
あんまり私も社員の人とかの名前…知らないんですけど…」

中澤がため息をつく

「じゃあ、覚えてる範囲でいいから…。」

「あ、解かりましたぁ〜!
よっすぃ〜!いこ!!」

「あ、うん。」

二人で中澤さんに頭を下げて、
その場を離れた。

それにしても、広いな…ここ…。