U F A も う だ め ぽ    

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101 ◆hzXDSPxfjQ
プロジェクトM

リーダーは疑問を感じていた。
「最近UFはおかしい。私からタンポポを、命よりも大切なタンポポを奪った。
…それはまだ許せるとして、誰よりもmusumeを愛していたケメコを首にした。
誰よりもがんばっていたみっちゃんを捨てた。他にもあげればきりが無い。
はたしてこのままUFについていって、♂についていって良いのだろうか。」

ずっと感じていたこの疑問を思い切って阿部にうちあけた。
同期の阿部は真剣に聞いてくれた。
阿部も同じ事で悩んでいた。
阿部が言った。
「マリーに聞いてみようよ。彼女は賢い子だよ。何か答えが出るかも。」
102 ◆hzXDSPxfjQ :03/01/15 21:38 ID:UQTLG2mF
マリーは黙って二人の話を聞いていた。話が終わった。
マリーは立ち上がり、二人にこう告げた。
「また明日ね。」

次の日、マリーは二人をアパートに呼び出した。
寝ていないのか、目の下にひどい隈を作っていた。
「二人が相談してくれたとき、私涙が出るほど嬉しかった。
二人が私と同じ気持ちでいてくれたことが嬉しかった。一人じゃなかったんだって。
私だって許せない。確かにUFや♂さんのおかげでここまでこれたよ。
それは感謝してるの。でも、もう限界だよ。
UFや♂さんを恨むのはスジ違いかも知れないけど、限界だよ。そこでね…。」

彼女は驚くべきプロジェクトを二人に伝えた。それは、

脱退

驚く二人にマリーはこう説明した。
「みんなでmusumeを辞めるの。そして私たちで最初からはじめるの!」
103 ◆hzXDSPxfjQ :03/01/15 21:39 ID:UQTLG2mF
言葉を失うふたりにマリーはこう続けた。
「あんたたちだって0から這い上がってきたんでしょ?手売りで5万枚、
そのころの気持ちを忘れたの?」

阿部は口を開いた
「…やる!私やるよ!3人でもいい!今のままここにいるよりずっといい!
ダメでいいからやってみる!」
リーダーがそれに続いた。
「そうよね、細々とやっていこう。大好きな歌を歌えるのなら、私マリーを信じるわ。」
マリーは言った。
「みんな!」
マリーの後ろの部屋の扉が開いた。阿部とリーダーは目を疑った。
ケメコ、牧、理科、ヨッシー、ノノ、籠がそこから出てきたのだ。
104 ◆hzXDSPxfjQ :03/01/15 21:40 ID:UQTLG2mF
「昨日寝ないで一人一人にこの話をしたの!みんな気持ちは同じだった!
特に理科なんてわんわん泣いて大変だったんだから!」
理科は照れくさそうに俯いた。
リーダーは泣いていた。
「また…またタンポポで歌が歌えるの?」
「あったりまえじゃん!」
合図もないのに、皆が一斉にそういった。
105 ◆hzXDSPxfjQ :03/01/15 21:42 ID:UQTLG2mF
皆の気持ちが一つになったとき、マリーは言った。
「これからこのプロジェクトの核心を話します。」
場が一瞬にして静まり返った。
「最初に言っておくけど、テレビの番組も全部出られなくなる。そしてなにより、
独立して成功したアイドルなんていない。分かってる?」
牧が口を開いた。
「ウチら、だれもやって来なかったことをずーっとやってきたんだよ。」
マリーは大きく頷いた。
「そっか、テレビ局の人に迷惑かけちゃうね。Musumeがいなくなったら。」
理科が呟いた。
マリーがそれに答えた。
「そのために5期、6期を残してきたんだよ。この1年、5期達は不遇だったけど
、芯は強い子ばっかり。それに6期たちも4人加わるんだから、
8人で頑張っていけるよ。あの子達を信じよう!」
さらにマリーは続けた。
「これを発表する日は1月19日!」
「えッ!?」
誰とは無く、皆が驚きの声をあげた。
106 ◆hzXDSPxfjQ :03/01/15 21:43 ID:UQTLG2mF
「脱退するのに私達の力でメディアを呼べない。
6期の入ってくる生放送の19日が最高のチャンスってわけ!」
納得し、高ぶる皆をよそに、マリーはこう呟いた。
「でもUFを敵に回して、私達がこの世界で受け入れてもらえるかな?
多分UFは私達を消そうとするよ。」
ヨッシーはそれにこう答えた。
「それでいいよ。テレビになんて出れなくっていい。
コンサートの場所は体育館でも何でもいいじゃない!みんなで頑張ろうよ!」
いつもはバカやってるヨッシーが、この日はとても頼もしく見えた。ノノ籠と言えば、
深く考えず、みんなと一緒にいたいだけだと言う。
かくして、大革命計画は実行に移された。
107 ◆hzXDSPxfjQ :03/01/15 21:44 ID:UQTLG2mF
1月19日

予想通り6期は4人、番組がシメに入る直前、マリー以下7名が卒業を告げた。
UFは激怒し、追放しようとした。しかし、メディアがそれを許さなかった。
メディアにしてみればこんなおいしい事件はない。卒業のことを大々的に報じ、
各地のアナウンサーはこれに共感した。

数週間後、
皆のお金を叩いて大きな体育館を借り、卒業初のコンサートの日、UFは強硬手段にでた。
「人の会社の歌を歌うと警察沙汰にしてやる」とコンサート会場で叫んだ。
しかしそこはヲタと呼ばれる人たちが許さなかった。
このようなことをいち早く予期する能力をもつのがヲタ。
人知れず準備していた対策は万全であった。
コンサートは無事に進み、それは全国で流された。
この一連の事件は、人々の涙を誘い、共感を生み、
卒業組はあらゆるメディアに再び出演するようになった。
来年の1月19日は、赤穂浪士よろしくドラマになるらしい。題名は、

プロジェクトM


End