323 :
:03/03/13 20:29 ID:UfvtF1GA
泣くだけ泣いて、圭ちゃんと私は荷物の置いてある場所に戻った。
市井ちゃんのカバンはもうなくて
他のメンバーももう帰ろうとしていた。
辻ちゃんが心配そうな顔で私を見ていた。
「大丈夫。」
そういうと少しホッとしたような顔でお疲れ様です。と言って
帰って行った。
「大丈夫?」
「うん、大丈夫…ほんと。」
「うん…じゃあまた明日の撮影でね。」
「お疲れ様。」
本当は誰かと居たかった。
本当は誰かに話を聞いていてほしかった。
帰れば…加護に会える。
「ただいま。」
しん、とした家の中。
ユウキはこんな時間までどこに行っているんだろう。
こんな日に限ってお母さんもお店らしい。
私は足早に部屋へと入った。
「…加護?」
返事がない。寝ているんだろうか??
「加護?」
もう一度呼んでベッドの方に歩いてゆく。
「…んん…」
「寝てんのか。…はぁ。」
もうあんなに泣くほどではなくなったけれど
冷静に考えれるようになったから余計辛い気がする。
確かシンガーソングライターになるためだっけ??
シンガーソングライターってなんだよ。
このままうちらと一緒にいて何がまずいんだよ。
ねぇ。なんでやめちゃうの?
ねぇ。なんで?
「ふっ…」
また涙が出てきた。
私が悪いだけ。
私はあのあと泣きつかれたらしく机につっぷして寝ていた。
それに気づいたのは朝方の事。
『…ぉ、ししょ、ししょぉ〜』
「んあ!?」
『風邪ひくで!』
「…加護、何で昨日寝てたの?」
『え?』
「あんた、居候の身でしょう?主人が帰ってくるまで起きてなさいよ!」
『…へ?』
「自分ばっかり話したがって何で私が話ししたいときだけ寝てんのよ!!」
『…ごめ、な、さ…』
加護が泣いた。
「あ…ごめ…ちがう…。」
最悪だ。もう何もかもが最悪だ。
あのあと私はメイクもしずに昨日帰ったカッコウのまま家をとびだした。
そういえば財布も携帯も置いてきちゃった。
「あはは。」
なぜか笑いがこみあげた。
多分加護は私を嫌いになっただろう。
もうあの楽しい関係には戻れないんだ。
妹が出来たみたいで楽しかったな。
市井ちゃんの話もきいてあげられなかった。
加護にもやつあたりしてしまった。
「あはは、私駄目駄目だ。」
私は歩いて事務所まで向かった。
今日は4時から。充分間に合うよ。
よく見てみるとサンダルだし、ユウキのだし。
ショップのウィンドウにうつる私はひどい顔をしていた。
「アイドル失格じゃん。」
無事に4時までにはついたものの酷い顔だった分
メイクさんに迷惑をかけ、結局は時間は押してしまった。
迷惑かけこだ、私は。
途中市井ちゃんが話しかけてこようとしていたのを
避けてしまった。
怖い、今は。怖いの。
市井ちゃんがいなくなるのも。加護に嫌われるのも。
撮影が終わって事務所に戻ると辻が声をかけてきた。
「後藤しゃん。」
「…辻、どしたの??」
「面白いもんが見れるのれす、こっちきてくらさい!」
私は辻にひっぱられるがままに連れて行かれた。
着いたのはいつもの応接室だ。
「何があんの?」
「これれす、すごいれすねぇ…。」
それはたくさんの履歴書とテープの山だった。
「これ…。」
「それな、オーディション落選したやつの。」
「つんくさん。」
「元気ないんやて??これみてみ、後藤には負けませんってのがいっぱいおる。
今の後藤じゃこの子ら負けてしまうかもしれんなぁ。」
「…。」
私は辻と一緒に履歴書に目を通した。
「この子、つぃとおないどしなのれす。かわいい。」
「おっ、辻、お目が高いな。その子最終審査までのこっとった子やねん。」
「どの子?」
私は履歴書を見て自分の目を疑った。
「その子なぁ…病気やったんやて、今入院してんねん、俺目つけてたんやけど。」
「こっ…これ、貸してください!お疲れ様でした!!!!!!!」
どうゆうこと?!だってこれ…。
加護じゃん!!!!!!
あいぼむ病気すか〜
ん?なんか嫌な気配がするぞ(・∀・)
>>330さん
しーっ!もう少し待ってください(w
作者さん分かりマスタ。
おとなしく待ってます(≧∇≦)
333 :
丈太郎:03/03/19 06:04 ID:WHUM3Ap2
えっ!?な、何だろう
元ネタがわからないんで…。でも楽しみにしてよう(^^)
「加護!!!」
『ししょぉ…げふっげふっ。きのぉは、ごめんなさい…。』
「あ、あのね、これ…」
『あ…。』
私は加護の前に履歴書を広げた。
『あかんの…正体がばれてしもた…』
「え??」
『神様とのお約束やねん…ばれたら元の場所にもどらなあかん…。
まだ若いうちに神様がくれたプレゼントやってん。憧れの…ししょぉのところへ。って』
「…憧れの?」
加護のからだが微かに光を帯び始めた。
私はそれが何を意味しているのか悟った。
「加護…消えちゃう…。」
『うちな、ずっとモーニング娘。が憧れやってん、入りたくってママにも内緒で
オーディション送った!けどな、ちょっとして、うち病気やってわかった。』
「なんの!?」
『心臓のやって。そんなにたくさん説明されなかったけど、うちきっともうすぐ…。』
「…そんな…。」
『本当のうちは大阪の病院のベッドでねてんねん、きっともう何日も。』
「……。」
『そやから…お別れや…。』
「え!待って!イロイロ…私なんか話したいことあったような…。」
『…へ…??』
加護の小さなカラダが光を放った。
「加護!待って!!!!」
『おおきに、ねぇ生まれ変わったら、うちししょぉの子供になれるかな?』
「なっ、なれるよ!!!ねぇ、ごめんね!昨日!!!」
『うちもごめんなさい、今度会ったらきっとたくさん話すんや。』
「当たり前だよ!!!加護…。」
ぱしゃっ!!!
水がはじけるような音がして、
加護が消えた。
光の粒がキラキラ、ベッドの上で光って消えた。
「加護ぉぉ…。」
私は次の日、市井ちゃんと話す決意をした。
逃げていたんだ、私は。
そりゃ市井ちゃんがいなくなるのは辛いけど…。
それでも加護みたいにいきなり離せなくなるのは嫌だ!!
加護はそれを教えてくれたの…??
「圭ちゃん、圭ちゃん、私ね、市井ちゃんと話すよ。」
「…ふぅん。」
「!なぁんだ、ほめてくれると思った!!」
「ばっっかねぇ。それが当たり前でしょ〜。あんたが聞かなかっただけ!」
「…ま、そなんだけどね。」
「あ、さやか来たよ。いっといでよ。」
「…うん、話聞いてくれてありがと。」
「ううん、…なんかあったの?」
「何で??」
「すっきりした顔!」
「…そうかなっ!大事な事を教えてくれた子がいたの!!」
「市井ちゃん。」
「…後藤…。」
「市井ちゃん、お話聞かせて!!」
「…うんっ!」
私たちは自販機が並んでいる前にある椅子に座った。
「なんか飲む??」
「じゃあ…くー。」
私はQOOのオレンジ。市井ちゃんはウーロン茶。
一口飲んで市井ちゃんが ふうっ と息をはいた。
「ごめんね、後藤になんにもいわなかったこと。」
「…私こそ…聞こうとしなかったし…。いつでも話せるって、思ってた。」
「うん。」
市井ちゃんはウーロン茶を口のところに持ってって、止まった。
「私ねぇ、シンガーソングライターになりたいんだ。」
「…うん。」
「自分の言葉でみんなに伝えたいの。」
「それは…娘。じゃ出来なくなっちゃったの?」
「うん。きっと私がメインになれる事はないわけよ。」
「プッチがあるじゃん!?」
「伝えたいもの違いかな。はは。」
市井ちゃんは止めていた缶を口につけてかたむけた。
「けどさ、シンガーソングライターになった時にさ。」
「うん。」
「自分の言葉でみんなに伝えられるの!わかる?」
「そりゃわかるけど…。」
「私は今からそれが楽しみでさぁ…。」
私は市井ちゃんをチラっとみて思った。
何て素敵な顔で笑うんだろう。
「う〜ん、止めても無駄だってわかった。」
「うん、わかってくれたか、ありがとう!」
「頑張ってよね!がんばらないと承知しないから。」
「当たり前でしょ、誰があんたみたいに生意気な子を育ててきたと思ってるの。」
「はは。」
「根性はあるからさ。母さん頑張る。ふふ。」
市井ちゃんが一息ついて言った。
「私がさ、今一番気がかりなのはあんただよ。」
「…私??」
「いい先輩になりなよ。」
「…うん。なる。」
「うん。よし。じゃあみんなのとこ戻るか!」
「待って、頭なでなでして。」
「…甘えん坊さんねぇ〜、おいで。」
市井ちゃんの手が頭をなでてくれる。
それがもうグッときてしまった。
「ひぐ。えぐえぐ。」
「もぉ〜。泣き虫さんなんだから…。」
「最後はっ、笑顔でっ、送りだすもん、えぐえぐ。」
>>333さん
元ネタがあるわけではなくて330さんが気づいてしまっただけですよ><
更新乙です。
作者☆さん申しわけm(_ _)m
余計なこと言っちゃたかな?
343 :
丈太郎:03/03/21 21:29 ID:JIvIfi/C
あ…いま思い出した。
南君の…?
>>342さん
いえいえ!どうなるかはまだわかりませんって(w
>>343さん
元ネタはないんですよ〜(w
>>343 元ネタ探りみたいなことして楽しいですか?
そういうことを連載中にされると迷惑です(少なくとも俺は
元ネタ探りなんてしないで、作品を楽しみましょうよ
346 :
丈太郎:03/03/23 09:50 ID:85BnKjRp
>>345 いや別に。気になっただけです。
お気を悪くさせたらすいません。
「後藤!今日こそイロイロ話そうよ!」
「…市井ちゃん、私今日は…そうだ!!一緒に行こう!!!」
「どっ、どこに!??」
「奈良!!」
「えええええええええええ!!!???」
私たちは仕事が終わったあと、電車に乗って奈良へと向かった。
電車の中で市井ちゃんに今までの加護とのことを話した。
にわかに信じがたいとゆう顔をしていたけれど
私があまりにも熱心だったから市井ちゃんも観念したようだった。
私の手には加護の履歴書。
つんくさんに下さい。と言って困る、と言われて今日一日だけの約束で借りたもの。
その住所を頼りにとりあえず加護の家を探すことにした。
「どうすんの?会えなかったら…。」
「会える。会えるって市井ちゃん。また会うって約束した。」
「うんうん。ごめんね、意地悪言ったね。」
私たちは奈良に着いてタクシーに乗って加護の家についた。
時間はもう夜の8時を過ぎていた。
「加護って、かいてある。」
「うん。」
私たちは決心してチャイムを押した。
「はい、どちら様ですか??」
チャイム越しに聞いた声は少し加護に似ていた。
「あ、あの、後藤真希っていいます。モーニング娘。の…。」
「…は??」
「あの、亜依ちゃんに会いに来たんですけど…。」
「…ちょっと待ってな。」
ちょっとして玄関がひらいた。
加護に似てるような似ていないような。
多分加護のお母さんが顔をのぞかせた。
「ほんまや…ちょっと!!お父さん!!すいません、もう少し待ってください」
「はい。」
私たちはもう少し待って、そして家にあがらせてもらった。
お茶なんかもだされて、どうして。といわれた。
本当に驚いているみたいだった。
しまった。理由を考えてなかったのだ。
私が思わず焦っていると市井ちゃんのナイスフォローが私を救った。
「ファンレターが来てたんですよ、私たちのファンだって。」
「そ!そうなんですよ!」
「そうですか…ほんまおおきに…。オーディションなんかも受けてたみたいで…。
電話がかかってきたんですよ、2次オーディションに来てくださいって。
けどそのときにはもう…。」
加護のお母さんは言葉をつまらせながらも私たちにわかりやすいように
話してくれた。
ちょうど履歴書を送ったぐらいに入院したらしい。
色々病気のことも話してくれたけれど、私にわかったことは命にかかわる病気だってこと。
でもそれもなんとなく予想出来ていたことだった。
私たちは明日また病院に案内してもらう約束をして
加護の家を後にした。
「…どうしよっか。」
「こっちに泊まってくかいったん東京に戻るか。かな。」
「うん…。」
市井ちゃんは市井ちゃんで本当に加護とゆう人物がいたことに驚いているみたいだったし。
私は私で予想が当たっていたことに少しへこんでいたりだった。
「明日はさ、午後からじゃん。だからこっち泊まってくか。」
「うん。」
市井ちゃんの提案で私たちは奈良に滞在することにきめた。
>>348 お父さん→パパ の間違いです。スマソ
>>345さん 大丈夫です、ありがとう!怒っちゃ(` )━ダ(Д` )━メ(´Д`)
>>346さん いえいえ、楽しんでくだされば><
おお〜更新乙彼ちゃんです。
あれ、もしかして、自分やっぱり余計なこと
言ってたみたいですね…気をつけます。
ハンカチ5枚必要なヨカーン!
少し駅の方まで戻ってホテルをとった。
「ふ〜。何かさ、同じ部屋とか久しぶりじゃない??」
「ん〜。だねぇ。」
市井ちゃんは冷蔵庫をあけてアクエリアスをだした。
「ね、今まで話す時間がなかったのはその加護…さんのせい?」
「うん、まぁそうなんだけど」
「そうか。色々あったんだね、母さん彼氏でも出来たかと思っちゃったよ」
ふふふと笑って市井ちゃんがおどけた。
私も笑った。
「不思議だね。どうして加護さんは後藤のところに現れたんだろうね。」
「うん、私もずーっと考えてたんだぁ。なんでだろーって。」
「うん。」
「けどねぇ。多分私に憧れてたんじゃない?ぷぷ。」
「自惚れんなよ〜!ははは。」
「だね。…ねぇ、命にかかわるってどんなんなのかな…加護もうすぐ死んじゃうって、
何か加護も言ってたんだ。ねぇ、加護めっちゃいい奴なの。市井ちゃん。」
「うん。」
「でねぇ、何かねぇ、めっちゃ私になついてきたの、めっちゃ可愛かったの。」
「うん。」
「わかんないかも知れないけどね、わかんないかもしれないけど…私…、
なんなんだろ、本当…涙がでてくんだ…。」
「うん…。」
市井ちゃんは小さく返事をすると私を抱き寄せていつもみたいに撫でてくれた。
「うっ…加護といっぱい話したこと覚えてるの…えぐっ。」
「うん。」
「加護が私に色々聞いてきたこともっ、ふっ、私が色々っ教えた事もっ…。」
「うん。」
私が話すと市井ちゃんは返事をしてくれる。
ちゃんと聞いてくれている。
全然わかんないだろうに多分色々イメージして聞いてくれてる。
あぁ、市井ちゃんももうすぐ居なくなってしまう。
それで加護まで居なくなっちゃったら私はどうしたらいいの。
また泣けてくる。
泣いて泣いて泣きつかれて眠ったときまで、
ずっと市井ちゃんが撫でていてくれた気がする。
朝起きたらやっぱし私はすごいまぶたが腫れていて、
市井ちゃんと目があったときにブッと吹かれてしまった。
「ひど〜い。」
「それじゃあ加護さんは後藤だってわからないかもね。」
なんていわれながら
2人でまた加護の家まで戻った。
病院に案内してもらうために。
「亜依も喜ぶわぁ…ほんまにありがとうございます。」
って言われて2人で照れつつ、病院に向かった。
−207 加護亜依 様−
「ここです。」
そういって加護のおかあさんがガラガラと扉を開けた。
「どどどどうしよう、何か緊張してきた。」
「落ち着け、はい、すってーはいてー。」
「すーはー。よし!こんにちはぁ〜…。」
点滴につながっている加護の腕は、
私の部屋に居たあの加護よりもずっとずっと細くて。
私の部屋に居た加護よりもずっとずっと小さく見えた。
「亜依、お客様!ふふ。きっとすごくびっくりするわ」
「こんちわ〜…。」
「…!!ししょお!!!」
その懐かしい呼び方に、(っていってもほんの2,3日だけど)
私は思わず泣いてしまった。
「加護…、会いにっ、来たよ。たくさん、話しに!」
「ぶえー、ししょーやー、ママ〜、ししょおがきたぁぁぁ!!!」
感動の再会です。
やっぱり市井ちゃんは不思議そうな顔をしていたし、
加護のお母さんなんて意味不明って顔をしていたけれど。
そんなの気にせずに私と加護は抱き合って喜んだのです。
私達は、市井ちゃん、加護のお母さんそっちのけで
時間いっぱいいっぱいまで話した。
お互い覚えていたこと、加護は自分の夢だと思っていたこと。
とか、まぁいろいろ。
帰り際にまた来ることを約束して私達は病室をでた。
加護のお母さんが、病院の入り口に向かうまでの短い間に
加護がもうすぐ手術を受けることを話してくれた。
今受けないと体力的な問題で受けられなくなってしまうらしい。
完璧に成功するかは賭けの様なもので。
けれど受けないと確実に寿命が短くなるため、受ける事を決意したらしい。
「今日はほんまにありがとうございました…良かったら、またきてやってくださいね。」
「はい!絶対来ます!」
「ありがとう、じゃあまた…。」
「さようなら。」
「市井ちゃん、ごめんね、着いて来てくれたのに加護と喋ってばっかで。」
「いいよ〜、母さんは真剣に驚いてるから!どうゆう現象なんだろ…。」
市井ちゃんはあごに手をあてて、ううむ。とうなった。
私は笑った。
「でもな〜。母さん正直ちょいとジェラシーだけどね。」
「え?」
「だってもうすぐ脱退だってのにさぁ〜。」
「市井ちゃん!大好き!こんなところまで着いてきてくれてありがとぉぉ〜♪」
「ざぁとらしいんじゃあぁ。」
でも、ほんと。
市井ちゃんが教育係で良かった。
言わないけどね。
>>353さん
だいじょぶ( ´∀`)
気にしないでけらさい。
>>354さん
ラストまでつっぱしりますZE
私はそれからも時間を見つけて加護のところへお見舞いに行った。
今度はメンバーのサインとか持って。
加護はとっても喜んでくれた。
お土産よりも私のお土産話に喜んでくれてたり。
私は加護のところに行くためにたくさん話を考えたりして
加護も加護で病院であることを話してくれたりして。
「じゃあね、またくるから。」
「…うん、わかった、ほななぁ」
もう結構何回か来てるけど、
加護とバイバイするときはやっぱり慣れない。
今日はいつもよりも暗い気もするし。
「…どうかした?」
「…あんな、ししょぉ、うち、手術の日が決まった。」
「いつなの?!」
「5月の、21日。」
「…その日は…ライブなの。市井ちゃんの最後の。」
「…そらあかんなぁ!来れる筈ないやんっ!うち頑張るから、ししょおも頑張ってな!」
「うん…。」
加護は明らかに強がってた。
−5月21日−
私は武道館に居る。
加護はきっともう、手術室だろう。
モーニング娘。のみんなは最後の確認に入っている。
私ももうはじめなくちゃ…。
「後藤。」
「市井ちゃん…。」
「大丈夫。ここであんたは加護さんに伝えるんだよ。」
「どどどどうやって…。」
「あんたが精一杯このライブを成功させるの。その精一杯がきっと、
加護さんに伝わる。そのパワーがきっと加護さんに届くよ。」
「…うん。そうだよね。」
「そうだよ、ね??私もパワーいっぱいの後藤に見送ってほしいし。」
「!そうだよね、うん。頑張るね。」
そう、このライブは市井ちゃんのモーニング娘。としての最後のライブなんだ。
ふぬけてちゃあ市井ちゃんにも加護にも失礼だよね。
<がんばっていきまっしょい!!!>
そして…。
加護、ライブはねぇ、大成功だったよ。
みんな最後の力を出し切ったの。
それで市井ちゃんを気持ちよく送ることができたよ。
最近ね、よっすぃ〜(吉澤)なんかとよく話すよ。
よっすぃ〜は市井ちゃんの後継ぎとしてプッチにはいったの。
タンポポには梨華ちゃんが。
辻ちゃんはまだどこにも入ってないけどね。
市井ちゃんが抜けてちょっと寂しいけど、プッチとか次のシングルとかあるから
落ち込んでもいられないんだけどね。
加護の事も…、私はずっと忘れないから…。
私、頑張るよ!
加護がどっかで見てる気がしてさ、この広い空で…。
「こらこらこらこら。勝手にころさんといてーな。」
「…あ、間違えた。こっちは加護がお亡くなりになった時用のだった。」
「縁起でもないっ!!」
「いやいや、手術成功おめでとー。ぱちぱち。」
「実は不成功だったほうが良かったとかおもてるやろ?そやろ?」
「思ってないってばぁー!もう加護さんたらっ。」
「ししょお!!!」
「…んぁ?」
「うちな、次のオーディションまでに完璧元気になってな。」
「うん。」
「モーニング娘。入るねんっ!!!」
「…やれるもんならやってみなー!!!あはははー。」
「…ちきしょー!見てろよ〜〜〜〜〜!!!!」
<終わり>
ありやとぉーございやしたぁぁぁ
(σ´Д`)σ・・・・…━━━━☆ズキューン!!
レスがねぇ…なかった時とかあったんですけど
それでも保全してくれてる人がいたりして
それがすっっっごい支えになったです。
ありがとうございましたm( )m
作者☆さん乙彼様ですm(_ _)m
最後に自分の予想を大きく裏切ってくれて
大満足です。
どの作品もやっぱりおもしろです。
次回?もがんがっちゃってくだせ〜
作者☆さんおつです!
毎回レスつけなかったけどちゃんとチェックしてましたぜ。
俺もあいぼむ死ぬかと思ってたんで予想裏切られましたw
ハッピーエンドは俺好みなんで逆によかった。
またいいのできたらゆっくりでいいんで発表よろしくです。