そして24日。
朝もはよからAちゃんとYちゃんが
「おはようございます〜」
とやってきたので私は
「じゃあKちゃんちにいってきます」
と家を飛び出した。
…どこ行こうかな。
電車で乗り継いで、一番大きな駅の近くの
一番大きな本屋さんで私は立ち読みを開始した。
お腹がなり始めるころ、ティーン向け雑誌のところを
全部読み終わったので、いったん本屋の外に出て
マックを探した。
今日はクリスマスイブだから、街の中はカップルがいっぱいで、
しかもちょうどお昼頃にマックに入ったもんだから
いちゃいちゃした人たちで
マックはぎゅうぎゅうになっていた。
「グラコロとぉ…」
選んで席を探そうとすると席が1つも空いていなかったから
「やっぱりこれお持ち帰りにしてください。」
ってお持ち帰りにしてもらった。
それで、公園を探してベンチに座って食べた。
火曜日だってゆうのに頭がちょっとはげたおじさんが
はとに餌をあげていた。
私も真似してポテトをはとにあげた。
まだまだ今日は終わらない。
だってAちゃんたちは5時頃まで帰らないんだもん。
「あと…4時間か…。」
リストラされても家族に言い出せなくて
会社に行くフリをしているお父さんはこんな気持ちなのかなって
となりのおじさんをチラッと見た。
「いらっしゃいませー」
またさっきの本屋に入って立ち読みを続けた。
どれくらいたった頃か、背中をとんとんとたたかれて。
「君、学校は?」
と聞かれてビクッとして振り向くと
「へへ、」
とKちゃんが笑っていた。
「どうしたの?クリスマスなのに…。って私もか。」
さっきのマックでKちゃんと話す。
「あ…家にAちゃんたちがいるの。」
「あぁ!ののちゃん苦手だってゆってたもんねぇ。
私はねぇ、塾☆クリスマスなのに塾なんだよ〜ママ熱血だから。」
「塾!大変だぁ…。」
今自分がKちゃんちにいることになっているのも
Kちゃんに話した。
「どうして?」
「だってあいぼんきっと私が1人って知ったら、無理にでもパーティにいれようとするよ。」
「そっかぁ。OK!話あわせるからさっ」
「ありがとう〜><」
Kちゃんはその後、塾に戻って。(これから夜の部だって)
私は時計を確認して、6時をまわっているのに慌てて
電車を乗り継いで家まで戻った。
けど駅から帰る途中の道で。
「のっ!ののーーーー!!おったぁ…。」
「あっ、あいぼん?!」
「ばかぁ!今日1日どこにおったん!?」
「へっ!?Kちゃんち…。」
「嘘!Kちゃんちはあっち!」
あいぼんは今来た道と反対を指さした。
「ののちゃん…。」
家に戻った、その瞬間。
パシッ!
「いっ…。」
私はおばさんにほほをひっぱたかれた。
そして。
「ののちゃん、嘘はあかんよ…?亜依にはええ。けどおばさんに嘘ついて
どこかに行っちゃうのはやめて、おばさん言わんでって言われたら
亜依にも言わん。けどおばさんにはちゃんと伝えて行くの。」
そうゆうとおばさんは瞳から涙をこぼした。
「おばさ…ご、めんなさ…」
「そうやで!なんで今日Kちゃんちに行くなんてゆったん?!
あんまり遅いからKちゃんちに電話かけたらKちゃん今日ずっと
塾ってゆわれたんよ!」
「ごめ…、あいぼ、に…気を使わせ…たくなかっ…」
おばさんが初めて私をたたいた事。
久しぶりに怒ったあいぼんが、いつもと違う怒りかたなこと。
きっとそれは私を心配してたこと。
きっとそれは私を大事にしてくれてるってこと。
私のために泣いてくれる人がいる。
「心配したんやからぁぁぁぁ!!!!!」
あいぼんが私に泣きながら抱きついた。
涙が止まらなかった。
今日の夜はおじさんが遅いから
パーティーは明日が本番。
今日はあいぼんと私が夜ご飯を作った。
あいぼんがグラタンが食べたいってゆったから、
「2人で作ってみたら?」
っておばさんがゆったから。
おばさんは横に立って指きんなや〜とか、こげるで〜とかゆっている。
おばさんの助言もあって、おいしいグラタンが出来た。
その日、初めてあいぼんの家に来た日以来に
あいぼんとお風呂に入った。
クリスマスイブだからっておばさんが泡お風呂にしてくれた。
「見てみて、サリーちゃんのパパ!」
「ありがちやなぁ…今年はベッカムやろ!」
「あははは!おぼっちゃまくんみたい!」
「なんでやねぇぇぇん!」
あいぼんと背中をながしっこして今日はあいぼんと一緒に寝ることにした。
「はいりまぁ〜す」
「はいぃどぉぞぉぉ」
「あいぼんの部屋いい匂い…。」
「そぉかぁ?久しぶりにはいったからちゃう?」
「そっかなぁ。」
ふふふ。と2人で向き合って布団にもぞもぞはいる。
「のの足つめたっ!おばちゃんやん!」
「うるさいなぁ〜ほれほれ」
「つめたぁ!あ!のの〜あっちむいとって!」
「なんで〜?」
「いいからいいから。」
ごそごそと机の1番下の引き出しから何かをだしている。
そして私の頭にちょこんと乗せた。
「ん・・・?」
頭にのったものを手に取った。
「あいぼん、これ…。」
「ふふん、ののへのプレゼント♪」
綺麗にラッピングされたそのプレゼントはメッセージカードがついていた。
『☆☆☆ののへ☆☆☆
メリークリスマス!略してメリクリ!
ののは最近元気がないから
あいぼんからののに元気の出る薬に
これをあげるよ!お返しのプレゼントはいつでもいいからね(笑)
じゃあにぃ〜ん
★★★あいぼんより★★★』
「な、中あけていい?」
「ええよぉ」
ガサガサ。
「じゃじゃ〜ん」
あいぼんの音つきで開けた袋の中には、
「かっかわいい〜!!」
クローバーの鍵型のネックレス。
「そやろ〜!!ののに似合うと思って買ってきたんやでぇ〜」
「あ、ありがとぅ…。」
「…ゆっとくけど、AちゃんのよりもYちゃんのよりも、のののが一番高いんやでぇ」
!
「なんで…??」
「あいぼんには何でもわかるんだよぉ〜ん。」
あいぼんはベーっと舌をだした。
「さて、もう寝よか〜」
「うん〜、寝よ寝よ。」
あいぼんが電気を消す。私は少しだけ目をつむる。
「あいぼん、ありがとう。」
「ええけど、今日みたいなことまたしたら絶交や!死ぬまで口きかへんぞぉ」
「ごめんね、あいぼん。」
「しゃあなぁいなぁ、まぁうちとののの仲ならいいけどねっ!」
「ふふふ。」
「なぁ、のの。通信制の高校って知ってる?」
「?なぁにそれ」
「週の1日か2日学校にでて、あとは家で勉強してればいいってやつ。」
「そんなんあるの?」
「あんでぇ、ありまくりや。何か入学金一回払ったらあとは払わんでええねん」
「へぇ…。」
「だからな、その最初の入学金だけママに借りて。その学校のない日だけ
バイトしてな、お金ためてママに返せば?それなら負担はかからんとちゃう?」
「あいぼん…。」
「ののが学校いきたがらんからうちが調べたった!」
「うん…ありがと、何かそれなら行きたくなってきた。」
「そやろ!なぁ、あいぼん様のおかげや」
「頼んでないけど〜」
「のの〜、感謝しなさい、うりゃっ!」
あいぼんの冷たい手が私の背中に入った。
「つめたぁぁ!」
「なぁなぁ、今日家におりたなかったのってやっぱ
あの2人がいたから?」
「うん…。そんなとこ。Aちゃんがののを馬鹿にすると
あいぼんが神妙な顔するから。」
「…ののはうちの事大好きなんやなぁ、うんうん。」
「…自惚れって知ってる?」
「素直になれやぁ〜」
「あいぼん大好き!これはホント!」
「うっちもやぁ、のの大好き〜。眠い!寝る!うちは寝るでぇ、ぐ〜」
照れ隠しなんだけど、隠れてないよあいぼん。
ふふってちょっと笑ってわたしも目を閉じた。
こないだと同じ夢をみた。
AちゃんとYちゃんがいて、私を指差して笑っている、
あいぼんがおばさんとこっちを見ている。
死んだママとパパが、真っ暗な中で
「 信じなさい。 」
ってゆった。
ママとパパが消えて、
おばさんがキッチンに向かいながら
「おかえり」
ってゆって、あいぼんが
「はよぉ、ママの手作りケーキ!」
ってゆった。
『ひとりぼっちのクリスマス』
なんかじゃなかった。
77 :
作者☆:02/12/19 19:42 ID:CNdjQOdD
終わりです!
読んでくれていた優しい方達ありがとうございました。
感想など書き込んでいただけたら
幸せです!
ハッピーメリークリスマス( ´D`)( ‘д‘)
うぅっ…。
染みるねぇ〜。
泣きそーになりますた。
また何か書いてちょ〜!
やっぱぶりんこマンセー!ですな。
MUSIXのQUIZも楽しそやったし。
まず始めに作者さんお疲れさまでした。とても面白かったです。ありがとうございました。
めちゃくちゃ面白かった!
出だしから最後まで涙滲ませながら読んじゃったよ
設定なんかも短編に近い割りに良くできてたと思います
次回作あればまた期待して待ってます
81 :
作者☆:02/12/20 19:00 ID:dtbSgOUC
何かたくさん感想がかいてあって
とても感動です、
今度は書きなれない人物での小説に挑戦しますので
今まで以上にへたれな小説が出来ると思うのですが
よかったらお付き合いください。
『クリスマス・ドリーム』
「ふぅ、寒い寒い。」
わたしはつぶやきながら、渋谷の街をせかせかと歩いた。
この時期はみんな忙しそう。彼氏彼女を焦って作って
LOVELOVEでいたがる。
とかゆう私も、テニス部のOBの人に紹介してもらった、
男の子と付き合った。
過去形なのはこの間フられてしまったからで…。
−3日前−
「梨華ちゃん、梨華ちゃん聞いてる?」
「え?あ、なんでしたっけ??」
「…俺はクリスマス用なわけだ。そんなずっとぼんやりなんてね。
からかうのもいい加減にしてくれ。」
「あ…。そゆわけじゃ…。」
「そう、それ、そのとぼけたみたいなやつ俺大嫌いなんだよ。
もう別れよ。じゃあね、頑張って他の奴探しなよ。あと3日でね。じゃあね」
…唖然。
何よ何よ。こうゆう性格なんだからしょうがないじゃない。
たまに話聞かずに考え事してるのもしょうがないじゃない。
何よ…。
クリスマス用に付き合ったわけじゃないなんて言い切れないけど。
みんながあんまりゆうんだもん。
そんなの、みんなに悪いから付き合っただけじゃない。クソォ!
とゆうわけで今日はクリスマスイブである。
なのに1人ぼっちでさびしく街を歩いているのである。悲しいッ。
で何をやっているかとゆうと…。
「クリスマスケーキに○○のケーキはいかがですかぁ〜?」
とサンタさんの格好でやっているわけである。
…虚しい。
今日限定のバイト。ギリギリのギリギリで見つかったバイト。
本当は部活があったけど、彼とクリスマスをする!と断言したばっかりに
部活に行くにいけなかったとゆう悲しい話。見栄?うるさいっ
なので私がフられてから3日。必死こいて探したのは彼じゃなくバイトでした。
もう男なんていいです、こりごりです。
「○○のケーキいかがですかぁ〜?あ、どうもありがとうございます♪」
なんて言いながら私はまたバイトに打ち込み始めた。
そぉしてイブもだんだん終わりに近づくほどに街は活気を増していった。
10時までバイトをして事務所に戻って、今日のお給料をもらって
渋谷の街をひとり寂しく歩き始めた。
グッスン。
けど、けどけどそこから私のイブははじまったのです。
86 :
作者☆:02/12/20 19:06 ID:dtbSgOUC
でもクリスマスまでに終わらなかったりして…。
わ〜い。新しい小説だー。ガバッテください。
やっぱ終わりそうにないです
実は今から旅行にいってくるので
帰ってきたらまた再開します!
それまでこのスレッドがありますように…
ダイジョブデース。無くならないように保全します。
ほぜ
なんかこれってスレの無駄使い?
そろそろかな?
まだかな?
94 :
作者☆:02/12/27 16:37 ID:0QTrhshD
戻ってまいりました!
保全してくれてありがとうございます!
これから続きかきはじめます、
季節はずれてるかもしれないけれど
楽しんでいただけるとうれしいです^^
車のヘッドライド。
街のイルミネーション。
きらきらきらきら。
目にしみるくらいにキラキラ。
横断歩道をわたりはじめたとき、
後ろで「危ない!」って聞こえたような気がした。
白い。
目の前が白い。
ここはどこ?
「こんばんは」
「…?」
「僕こうゆうものです。」
「は、はぁ。」
その人が差し出した名刺に、
−天使4級 よっすぃ−
と書いてあった。
悪夢だ。
そう思ってまた私は目を閉じた。
「寝ないでくださいよ〜。起きて起きて。」
「な、なんなんですかあなたは!」
「さっき名刺渡したでしょ、天使です。」
「あほな…。」
「あなた現実をみつめてください。ほら、下を見て。」
「え…。」
下を見る。
おかしい、私が街頭と同じ高さにいる。
「な、なにこれ…。!!!!」
私がいる。
私が倒れている。
車からドライバーが降りてきて何か声をかけている(聞こえないけれど)
「あなた、死んでしまったんです。」
「へ…」
「今、あなたは信号が赤だったにもかかわらずぼぉっと渡ってしまったばっかりに
車とぶつかってしまったんです。」
「へ…?!?」
死んだ?わたし??
どうゆう事…。
さっき、バイトを終えて。
遅くなっちゃったけど家でケーキでも食べて
クリスマス気分でも味わおうかと思ったのに。
「私…。死んだの?」
頭整理できない。
なんだかよくわからない。
「あの…これから私はどうなるんですか?ってか私誰?」
だってあっちの死んでる私が私。でも私も私。
「あなたは霊体になっています、1晩あなたに考える時間が与えられる。
その時間でお別れを言いたいひとや行きたい場所なんかをさがして行けるんです。」
「結局明日の朝には死んでしまうってゆうこと?」
「そうです。明日の朝まで僕、天使4級よっすぃがガイドとしてお供します。」
そういってよっすぃとゆう私と同じ年くらいの羽の生えた男の子は
私に手を差し出した。