目が覚めるともう8時をまわっていた。
やばい!今日は終業式なのに!!
「のの!起きんと!そろそろ出るでぇ〜」
「あっ!あいぼん、待って!」
結局あいぼんには置いていかれちゃって(私がわるいんだけど)
また1人で走って学校にむかう。
「おはよぉ〜!」
チャリ通のKちゃんが声をかけてくれる。
「荷物持ってってあげるよ!」
そういって荷物を持っていってくれた。
あと学校まで200m。チャイムが鳴る中、また息を吸い込んで
全力疾走した。
「せぇぇぇぇふ!はよ並ばんと出発やでぇぇ!!」
あいぼんが廊下で私に言った。
荷物はKちゃんが持っていってくれたから
私はあいぼんの後ろに並んだ。
「ののぉ、今日は背の順じゃなくって出席番号順やでぇ」
そうだった。終業式だから。
私はAちゃんの後ろに並びなおした。
校長先生の長い長い冬休みにむけての話と。
生徒会長の話と。
誰も歌わない校歌と。
寒い体育館でそれが終わったらみんなが楽しみにしていた通知表。
あんなのもらってもな〜んもおもしろくないよぉ
だってどうせ1と2しかないんだから…。
「安部さぁん〜」
先生が出席番号順に呼び始める。
「飯田さぁん〜」
もらった人から順にクラスがざわざわしはじめる。
「加護さぁ〜ん、頑張ったね。」
「まじでぇ??」
あいぼんが受け取る。笑顔がぱぁっと明るくなる。
成績が良かったんだ、いいなぁ。
「辻さぁ〜ん」
はぁっ。
ため息が出た。
やっぱり通知表には1と2しかなくて。(体育は5で音楽は4だった。)
家に戻って交換したあいぼんの通知表は3,4,5が並んでいた。
やっぱりすごいなぁとおもった。
あいぼんが私立を受けたいのは制服が可愛いからって言っていたけど
本当はその学校に音楽科があるからだって私は知ってる。
あいぼんは頑張りやさんなのだ。
私は、高校に行く理由も見つからない、おばかさんなのだ。
学校も終わって土日があって。
土日は久しぶりにあいぼんと2人でカラオケ、買い物とかして
めっちゃおもしろかった。
プリクラもたくさんとって半分コした。
そのときあいぼんのプリ帳を見せてもらったら
AちゃんとYちゃんとプリクラとってて
なんか悔しかった。
何か恋してるみたいに、やきもちやいたみたいに悔しかった。