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40『ひとりぼっちのクリスマス』
コンコン♪
「なにー?」
「わたしです。」
「のの?どうぞー!!」
「辻さんこんにちは〜。」
「ののこんちは!ってすっげ〜頭ボッサやん!」
Aちゃんにつっこまれる。
私はハッとして頭を抑える。
「こ、これおばさんが。」
そういってお盆を下に置いて慌てて出て行こうとした。
「ありがとな〜、」
あいぼんが全部言い終わる前に
私はドアを閉めた。
41『ひとりぼっちのクリスマス』:02/12/16 21:23 ID:QzbaupfH
「ふぁっ。」
私は息を思い切りはいた。
ずっと息を止めていたみたいに。
「おばさ〜ん、置いてきたよ。」
「おおきに♪ど〜してもねぇ…」
「わかります」
「え?ええ??」
疲れた。
せっかくの休みだってのに。
また明日から学校なのに…。
私とあいぼんの保護者会は木曜日の同じ日だ。
そうじゃないとおばさんが大変だから。
保護者会のある日は4時間授業でいつもよりも早く終わる。
早く帰ってきたらどこか行こう。
だってどうせまた隣でクリスマス会の計画たてるんだから。
42『ひとりぼっちのクリスマス』:02/12/16 21:24 ID:QzbaupfH
月曜日。また遅刻しちゃった私は、
罰として掃除をして帰ったので少し人より帰りが遅くなってしまった。
「ただいまぁ」
私は玄関に入ってギクッとした。
靴がいつもより多い。
台所がいつもよりもにぎやか。
43『ひとりぼっちのクリスマス』:02/12/16 21:25 ID:QzbaupfH
「ののちゃん、おかえりなさい〜」
おばさんがキッチンの方にむかい忙しそうにしながら言った。
「ただいまぁ。」
お皿とスプーンとコップといつもより多い。
そして…
「おかえり!」
あいぼんと。
「おじゃましてます〜」
AちゃんとYちゃん。
44『ひとりぼっちのクリスマス』:02/12/16 21:26 ID:QzbaupfH
今日のお昼はオムライス。
おばさんが腕によりをかけてつくったもの。
牛乳が入っているけど美味しい。
けど私は1皿分食べてお皿を流し台に置いた。
「あら?ののちゃん、もぉええのん?」
「そぉやん!ののいつももっと食べるのに」
「えー!まだ食うの〜!?」
「いつもわな!」
…余計な事を。
45『ひとりぼっちのクリスマス』:02/12/16 21:26 ID:QzbaupfH
私は自分の部屋に戻った。
多分、Aちゃん達は私の食欲について語っているのだろう…。
最近自分のなごめる癒しの場所がなくなってる、きがする。
「ふぅぅ〜」
自分の部屋で自分にしか聞こえないようにちっちゃくためいきをついた。
それから10分くらい。
また隣の部屋がにぎやかになってきたから
私は家から出た。
AちゃんとYちゃんの自転車がなくなるまで
家に戻る気はしなかった。
46『ひとりぼっちのクリスマス』:02/12/16 21:27 ID:QzbaupfH
それからいつものようにAちゃんとYちゃんは遊びに来ていて、
私はいつものように立ち読みをしていた。
おかげでもう読む本がなくなってしまった。
そして明日は…問題の保護者会…。