「後藤!今日こそイロイロ話そうよ!」
「…市井ちゃん、私今日は…そうだ!!一緒に行こう!!!」
「どっ、どこに!??」
「奈良!!」
「えええええええええええ!!!???」
私たちは仕事が終わったあと、電車に乗って奈良へと向かった。
電車の中で市井ちゃんに今までの加護とのことを話した。
にわかに信じがたいとゆう顔をしていたけれど
私があまりにも熱心だったから市井ちゃんも観念したようだった。
私の手には加護の履歴書。
つんくさんに下さい。と言って困る、と言われて今日一日だけの約束で借りたもの。
その住所を頼りにとりあえず加護の家を探すことにした。
「どうすんの?会えなかったら…。」
「会える。会えるって市井ちゃん。また会うって約束した。」
「うんうん。ごめんね、意地悪言ったね。」
私たちは奈良に着いてタクシーに乗って加護の家についた。
時間はもう夜の8時を過ぎていた。
「加護って、かいてある。」
「うん。」
私たちは決心してチャイムを押した。
「はい、どちら様ですか??」
チャイム越しに聞いた声は少し加護に似ていた。
「あ、あの、後藤真希っていいます。モーニング娘。の…。」
「…は??」
「あの、亜依ちゃんに会いに来たんですけど…。」
「…ちょっと待ってな。」
ちょっとして玄関がひらいた。
加護に似てるような似ていないような。
多分加護のお母さんが顔をのぞかせた。
「ほんまや…ちょっと!!お父さん!!すいません、もう少し待ってください」
「はい。」
私たちはもう少し待って、そして家にあがらせてもらった。
お茶なんかもだされて、どうして。といわれた。
本当に驚いているみたいだった。
しまった。理由を考えてなかったのだ。
私が思わず焦っていると市井ちゃんのナイスフォローが私を救った。
「ファンレターが来てたんですよ、私たちのファンだって。」
「そ!そうなんですよ!」
「そうですか…ほんまおおきに…。オーディションなんかも受けてたみたいで…。
電話がかかってきたんですよ、2次オーディションに来てくださいって。
けどそのときにはもう…。」
加護のお母さんは言葉をつまらせながらも私たちにわかりやすいように
話してくれた。
ちょうど履歴書を送ったぐらいに入院したらしい。
色々病気のことも話してくれたけれど、私にわかったことは命にかかわる病気だってこと。
でもそれもなんとなく予想出来ていたことだった。
私たちは明日また病院に案内してもらう約束をして
加護の家を後にした。
「…どうしよっか。」
「こっちに泊まってくかいったん東京に戻るか。かな。」
「うん…。」
市井ちゃんは市井ちゃんで本当に加護とゆう人物がいたことに驚いているみたいだったし。
私は私で予想が当たっていたことに少しへこんでいたりだった。
「明日はさ、午後からじゃん。だからこっち泊まってくか。」
「うん。」
市井ちゃんの提案で私たちは奈良に滞在することにきめた。