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310『APART』 ◆SAKUgUdd02
『けほっ。けほけほ。』
「どうしたの?風邪…とかあるんかな?」
『いや、なんでもあらへ、けほっ』
「…ゆっくり休んでなよ。今日は学校だけだから。」
『ならすぐ帰ってくるんやぁ、いってらっしゃい、げほっ』
「おぅ。まかせて。」
私は加護の頭に小さくちぎった濡らしたティッシュをのせて
カバンを持った。

「じゃあ、行ってくるけど…なんかあったら…そだな。」

Pipipi。

「このリダイヤルボタン押して、そしたら携帯にかかるからさ。」
『あぃ』
311『APART』 ◆SAKUgUdd02 :03/03/09 20:29 ID:ozXcdhOk
あの不思議な状態で風邪とかあるんかな…。
ってゆうかそもそもあの状態はなんなのさ。
ってゆうかってゆうか…。

〜ぶーっぶーっ〜

加護!?
私は震えた携帯を先生に見つからないようにこっそり取り出した。

〜着信 ☆市井ちゃん☆〜

市井ちゃん…?
「先生〜トイレ行ってきまぁ〜す。」
312『APART』 ◆SAKUgUdd02 :03/03/09 20:29 ID:ozXcdhOk
「もしもし??」
「あ、後藤?ごめんね、学校?」
「そうだよ、しかも授業中だよ。」
「ごめんごめん…ねぇ、今日オフでしょ?もう予定はいってる?」
「あ…特に予定が入ってるわけじゃないんだけど…」
加護が…。
「…そっか!しゃあないわな!じゃあまた明日ね、遅刻すんなよ!」
「わかってるよぉぉ、じゃあね、ごめんね。」

Pi!

電話を切った後に、
圭ちゃんが言ってた話を思い出した。
市井ちゃんはなんか私に話すことがあったんかな…?

でも加護が…。
今日は加護がなんかヤバそうだし、仕方ないよね。
市井ちゃんとはまた明日もあえるんだし。
明日からは仕事が毎日のようにはいってるから、いつでも話せるし。

私はそう思いながら教室へと戻っていった。
313『APART』 ◆SAKUgUdd02 :03/03/09 20:29 ID:ozXcdhOk
私は授業もそこそこに、早退の理由もないのに家に帰ってきてしまった。
や、理由がないわけではないんだけどね?

「ただいまぁ〜…」
「あんた学校は。」
「早退した〜。」
「今日は仕事ないでしょうが。」
「ないけど…、早退したかったの〜」
「…ま、いいわ。」
「んぁ。ありがと〜」

自分の部屋に入るとベッドを確認。
加護が小さく横たわっていた。

「お〜い…加護ぉ〜…?」
『…ししょぉ?がっこは??』
「なんかアンタが心配で帰ってきた。」
『…そですか、おおきに。』
「どうなの?体調は?」
『ん〜…咳もとまったし、大丈夫ですわ。』
「あ、良かったじゃぁん。なんだ早退することなかったぁ。」
『でもちょっとラッキーって思ってへん??』
「思ってる。…っくく。」
『あはは。ししょぉらしいわ』

それからまた私たちはいろんな話を続けた。
市井ちゃんから電話があったことなんて忘れて。