『APART』
「新メンバー増員、大大大決定です!」
ぽかーん。
開いた口がふさがんなかったぁ…。
私はその決定事項を聞いてからぽけぽけしながらうちに帰った。
「ただいまぁぁ。」
「おかえり。」
お母さんにドライな声で返される。
「んぁ?何で家にいんの?」
「今日は定休日、どうしたの。」
「…モーニング娘。増えるんだって。」
「…へぇ。」
またまたドライな返事が返ってきたから話す気を失った私は自分の部屋に戻った。
「まきちゃん!」
「ちょぉっとぉぉ!ノックしろっつってんでしょ!」
「ふぇぇぇぃ。すみませんでしたぁ。」
「なによ。」
「腹筋しないの?俺もするから。」
「ぁあ。しよっかな。」
弟のユウキが私のMDコンポをつけた。
だららだららだららだららだっだ♪
リズムに合わせて体をあげさげ。
ユウキが毎日誘ってくれるおかげで私の腹筋は今にも6つにわれそうだ。
「…はぁっ、はぁっ。まきちゃん、」
「なに。」
「なんでイライラしてるっぽいの。」
なんでわかるのよ。
私は曲が終わるまできちんと腹筋を続けて、それから話し出した。
「モーニング娘。が増えるらしぃ。はぁあ。」
「何で息切れしないの…ぜぇぜぇ」
「お前がヒヨワなんだよーだ。」
「まぁ、まきちゃん頑張れば大丈夫だよ。」
「…そうかな。」
「そうだよ、じゃあね。」
腹筋するためだけにきたユウキは腹筋が終わるとかえっていった。
私はまたため息をついた。
『ため息わぁ!1回つくと幸せが1個逃げてくんですよ〜ん♪』
?!?!
何かいまどっかから声がした気がする。
けど、気にしないことにした。気にしてないフリをした。
カサコソ、カサコソ。
「もっもしや…。」
後から考えるとなんでそう思ったのかはわからない。
一瞬でさっきの声のことなんて忘れたのかもしれない。
そばにあったティッシュの箱をつかんで高くふりかざした。
「でぇぇぇぇいいい!!天誅っっ!!(?)」
『ぎぃやぁぁぁぁぁ!なにすんね〜んっ!!』
声が聞こえたのは勘違いじゃなかったらしい。
『考える娘。』終了後のみなさまのコメントありがとうございますm( )m
あと、263、264のINDEX嬉しかったす。ありがとうございます。
〜〜〜〜〜 I N D E X Part3 〜〜〜〜〜
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§§§ 「APART」 §§§
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>>265-268 §§§
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§§§ (INDEX Part1
>>263 §§§
§§§ 〔「ひとりぼっちのクリスマス」・ .§§§
§§§ 「クリスマスドリーム」目次〕) §§§
§§§ (INDEX Part2
>>264 §§§
§§§ 〔「考える娘。」目次〕) §§§
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〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
お、始まってる!期待してますよ〜
作者さん、オカエリ。新作おめ!
また、ガンガッテ下さい。
「なっ…なに?!」
『ししょ♪こんにちはぁ』
目の前にあらわれたソレは人の形をしていて、ちゃんと声もでてて。
昔可愛いってゆってた、キキララのララに似ている気がする。
私は親指と人さび指をひらいてソレの横にあてた。
10cmくらい…?
『なんやねん!』
「あ、いや…。そりゃこっちのセリフ…。」
『あ、すんません、じゃあ自己紹介から♪亜依っていいます☆』
は?ララじゃねぇの?
『なんで自分がこんなにちっちゃいのか、なんでここにいるかは良くわかんないんですけど、でも多分ししょぉに会うために来たっぽいんで今日からお世話になります。よろしくお願いしまぁすっ!』
ララはそう言って手を<敬礼っ>の位置にあてた。
「…?????????」
わかんない。
なんだかわけわかんない。
そうだこうゆう時は寝よう。
寝たら見えなくなるかも。
そうだよ、幻覚だ。
今日あんなびっくりな事があったから疲れてて幻覚見るんだ。
「…おやすみなさい。」
『ああっ、ちょっ、ししょぉ〜…』
ちゅんちゅん。
すずめの鳴き声がする。
カーテンの間から朝の日差し。ちょっとまぶしいけれど目をひらく。
「ふあぁぁぁ」
『おはようございますっ☆』
……。
「ぐぅぅ。」
『寝ないでくださぃっ』
「…今何時、」
『9時半ですけど』
「っっ!お母さん!なんで起こしてくれなかったの!!!やばい!遅れるっっ」
『あっ、あの、』
「よくわかんないけど、話は後で聞く!」
『ししょ…』
いったいなんなんだよぉ!
新メンバー募集だし、部屋になんかいるし、遅刻するし!!
スタジオについたときは汗だくではぁはぁいっていた。
「ごっちん、おせぇよ〜」
「あ、やぐっつぁん!疲れたよぉ〜」
「メイクしろよぉ〜。」
たわいもない話で今日も始まったってゆう気分になった。
「あのさ、やぐっつぁん。」
「なに??」
「…や、なんでもない。」
「忙しいんだからよぉ〜」
危うく私はララのことをいいそうになった。
一瞬考えて多分キ○ガイ扱いされるの間違いなしだと思ったから、やめた。
「お願いします〜…ぐぅ。」
「後藤〜、寝てない??」
「ねっ、寝てないよ〜…。」
しばらく無言でメイクをしてもらうわたし。
隣にいるのはいちーちゃんだ。
やっぱりララの事言おうと思ったけど、やっぱりやめといた。
本当に気のせいかもしれないし、朝急いでたし。
昨日はイロイロ考えがごちゃごちゃしてたからかもしれないし。
そういえばなに考えてたんだっけ…?
あぁ、そうだ。増員のことだ。
「後藤?やっぱ寝てんでしょ。器用だな、目ぇ開けたまんま…」
「寝てないよっ!起きてるってば!」
「…なんで怒るの…」
いちーちゃんはちょっとムッとしたみたいだった。
「あ、ごめん…。」
「…新メンバーの事?」
さすがいちーちゃんだ。
「私さぁ、後藤がはいってきたとき自分から教育係になったじゃん。」
「うん。」
「ちょっと目立ちたかったのもあったんだけど。」
ちょっとじゃないだろ。
「ねぇ、後藤。新しい子が入ってきても後藤よりもすごいってーか…
なんかそうゆう子ははいってこなさそうだよ。なんかそんな気がする」
「なんでわかんの?」
「それはねぇ…私が後藤の教育係だからだよ、だから後藤が沈んでるときには
後藤を励ますのさ!それも仕事だからねぇ。」
・・・・・・。
アリガトウ、
照れくさくていえなかったけど。
「後藤も新メンバーが入ったら先輩になるんだぞ。」
「うん。」
「しっかりしないと私目はなせないじゃない。」
「え?」
「ほら、前向いて!」
「あ、うん…」
いちーちゃんに促されてメイクのために前を向く。
いちーちゃんの顔がちょっと難しい顔になったのを、わたしはちゃんと見ていた。
ゲッ・・・間違えた・・・
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三日たったし、保全。
誰もいないのね...
いないよ。
po
保全してくれてありがとうございます;;
保全してくれてる方がいるのに更新しなくてすいません。
保全してくれてる人がいるのは書き続ける理由になるよなぁ…??
がんがる。
さっきのいちーちゃんの表情も気になったけど今はあのララの方が気になったから
私は気にせずにララの事を考えることにした。
後で後悔することになるんだけど。
あいつはそもそもなんなのか。
問い詰めたい。小一時間問い詰めたい。
ゴキブリなのか、妖精とかだったりするのか。
そういえばししょうとか呼んでたな。師匠って事なんだよね??
師匠って…拳法?中国3千年の歴史??
あ〜やっぱりわかんない!
「んぁ〜…」
「後藤!撮影行くよ!」
「いちーちゃんのとなりぃ?」
「そうだよっ」
「わぁぁぁい☆」
私はひととき、ララのことは忘れていちーちゃんの腕に腕をからめた。
カシャカシャカシャ!
カメラの音が響いてたくさんのライトが私たちをてらした。
私はまた気づかないうちにぼぉっとしてたようで、
「はーい!後藤さんこっち向いてくださ〜い!」
と言われて隣のいちーちゃんにひじでこづかれた。
「おつかれさまでしたぁぁ」
スタッフの人たちに挨拶をしつつぞろぞろとスタジオをでていく私たち。
早く家に戻ってあいつを確かめるんだ。
私は撮影中ずっとそのことを考えていた。
今日のお仕事はこれでおしまい、私はハイスピードで帰る用意をして楽屋を出ようとした。
「あっ!後藤!今日これからなんかあんの?」
「あっ、いちーちゃん…今日はのっぴきならねぇ野暮用が…」
私はその場かけあしで答えた。
「どっちだよ!…じゃあいいや、また今度の撮影のときにでも言うよ。」
「…?うん、ごめんねぇ、バイバーィ!」
「…圭ちゃん、ちょっといい?」
「おぅ、どした?」
とりあえずここまでです。
かいたらすぐ更新するので!
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投げ出したのかとおもいますた。がんがって!楽しみにしてます。
期待保全
「何か今日のいちーちゃんなんかヘンだったな…ただいまぁっ」
「おかえりー。」
「店行かないの?」
「まだ昼なんですけどー。」
「あ、そっか。」
私は自分の部屋へとかけ戻ってベッドにかばんを放りなげて自分も倒れこんだ。
『うごぉぇあ?!』
「えぇぇぇぇ?!」
私は寝ていたからだを起こしてベッドに座った。
『きぃつけてくださぃよぉ…』
「あっ!あはごめん、あははは」
『早いんですね、今日はお仕事はないんですかぁ?』
「さっき行ってきたでしょ。ってか…あんたと話すために帰ってきた。」
『あぁ…そうだったんですか…おおきに。』
「…関西の子なの?」
『そうです、奈良県からぁ、…わけあって東京に出てきたんです』
「ふぅぅぅぅん。で、どうして私のとこに?どうしてそんなに小さいの?」
『わかんないんですけど…けどうちはししょぉの事知ってました。』
「…?」
『後藤真希さん、モーニング娘。のエースですやん?』
「え、エースかはわかんないけど…。」
『にっぽ〜んの未来は♪ですやん?』
「あんた…、何者?」
『うちはぁ、加護亜依12歳。奈良で普通に学校行ってて普通にテレビのモー娘。とかも
知ってて、普通に…。よぉわからんのですけど、ここにきたら、ここにきたらちっちゃくなってました。そいで、ししょおにあっていました。』
「…わからん。」
『ですよねぇ、ほなもん、よぉうちもわかりませんわ。』
「うー。」
『でもここにいるのもきっと何かの縁だし、仲良ぉしてくださいよ。』
「…よくわかんないけど、いっか。じゃ、握手ね。」
こうして、わたしとララ(もとい加護)は人差し指と、小さな右手とで握手を交わした。
奈良県の中学生だった加護。
なぜか小さくなって私の部屋に出てきた。
未だにわからないことがたくさんだけれど、加護もあんまりわかっていないみたいなので
とりあえず仲良くしてみようと思った。
『なぁ、ししょぉ』
加護が小さな手で私をパシパシたたく。
「ん?」
『あんなぁ、うちのこと誰にもいわんとってな。』
「え!?なんで!?」
私は市井ちゃんにメール作成中だったので焦った。
『…人疑うみたいで悪いんやけど、自分でもおもうんやけど、うちなんかおもろいやん?』
「…は?」
『いや、なんか人間なのにちっこくて。そやから色んな人に知れたら色々面倒なことに
なると思うんや』
「面倒?」
『ししょぉってクールに見えてただの天然やったんやな…ま、とにかく
いわんとって!お願い〜』
「…わかったぁ…よくわかんないけど承知した。」
『おおきに。さ、交流を深めましょぉ〜!!』
加護は大きく手をあげた。
それから私たちはいろんな話をした。
加護の家族のこと。私の家族のこと。
加護の学校でのこと、私の娘。でのこと。
私は色々話してるうちに加護が娘。にいたら楽しいだろうなと思った。
『でな、うちが…ししょぉ聞いてる??』
「それよ!」
『!?』
「なんで師匠なの?なんか聞こうと思っててど忘れして気持ち悪かったのよ!」
『なんで怒るねんっ!いやぁ、何かな、後藤さんみたらししょぉ!って感じがしてん!』
「意味わかりまへんな。」
『真似すんなや〜、うちもわからへんけど、ふふふ。』
「ふふふ。」
加護との話は寝る前までつきなかった。
加護が私の枕のとなりで小さな寝息をたてるまで。
なげだそうかと思ったんですけど
保全してくれた方がいて嬉しかったんで続けました。
ありがとうございます><
投げたらアカソ! by300勝投手
『ししょ〜!!朝でっせー、携帯のアラームが3回ぐらい鳴り終わりましたよぉぉ』
「…えぇぇえ??」
『8時ですけど、ししょぉ学校とか行ってへんの?』
「!?!?8時!?おかぁぁぁっぁぁさん!!!」
だだだだだだ…
『ほんっま…ははは…ししょぉが楽しい人でよかったわ…ええ人やし…』
だだだだだだだ…
「か、帰ってくるまで待ってて、じゃね!」
『はぃな。』
「おか〜〜〜〜〜さん!起こしてっていったじゃん!」
「言ってないわよぉ、だってあんた昨日帰ってきてから居間に来てないじゃない。」
「あ…そっか、いってきまーす!」
私は玄関をでたあとほんの少し自分の部屋の窓を見た。
もし妹がいたらあんな感じなのかな…
長い長い学校も終わって(まぁほとんど寝てたんだけど。)私は家に戻った。
今日は家に戻って少ししたら雑誌の撮影のお仕事がある。
帰りが遅くなるし、行くまでの間加護と話していよう。
なんて考えながら自分の部屋に入った。
『あ、おかえりなさ〜い』
「あ、加護。ただいま。ねぇねぇ、私がいないときって何してんの?」
『…ん〜…まぁいろいろと』
「あっ!部屋荒らさないでよ!ぜっったいに!」
『んな事しませんっ!!ししょぉひどいわぁ。』
「ごめんごめん、今日はさぁ、6時にスタジオ入りなの」
『なんのお仕事なんですか??』
加護は本当に楽しそうに話を聞いた。
私も話してて楽しかった。
加護は芸能界の裏話?みたいのをよく聞きたがった。
そりゃそうかもね、私もゲイノウジンになるまでそういう事気になってたし。
ぴぴぴぴぴぴ。
『あ、アラーム鳴ってますよぉ、5時やて。』
「あ、じゃあそろそろ行かなキャ。」
私はかばんにいるものをほおりこんでドアを開けた。
『いつ帰ってくるんですか??』
「ん〜…わかんないけど…遅くなるかも、なんで?」
『あっ、いやなんでもないんです。行ってらっしゃい!』
加護はちっちゃな手をあげた。
私も軽くあげて、ドアを閉めた。
寂しいのかな?
加護本人もここにどうやってきたかわかんないんだもんね。
早めに帰ろう。うん。
「後藤、今日は帰り暇?後藤んち寄ってこっかな?」
「えっ!う、うち??!今ちらかってんだよね、しかも今日遅くなるし…」
「じゃあ泊まってくし。」
「明日平日じゃん!私学校あるし…」
「…だよね、ゴメンヨッ!またいつか行かせて!」
「うぅ〜…ごめんね〜…」
市井ちゃんごめんなさい、嘘つきました。
うちはヤバイようちは…。
「後藤、ちょっと。」
その後、圭ちゃんに睨まれて自販機の前に呼び出された。
「…な、なぁに?」
「今日どうしても駄目なん?」
「え?何が?」
「サヤカが後藤んち泊まるのさ。」
「え、何で圭ちゃんが。」
「答え!」
「あ、あぁ、今日はちょっと…」
「今度さぁ、サヤカが話あるって言ったら聞いてあげてよ。」
「…?話があったの?市井ちゃん。」
「…あ。とにかくそうゆうことなの!じゃね。」
わけわかんない。
市井ちゃんが話があるのに何で圭ちゃんがいうの。
はい!がんばりますですがす。ありがとうございます・゚・(ノД`)・゚・
あ、300ゲトですな。ありがとう。
301 :
:03/03/03 22:35 ID:D0OGyC5d
age
更新乙です!
続きがね...めっちゃ楽しみです。
そんでもってなんか釈然としないまま撮影に入った。
「だって、話があるなんていってなかったし…ううむ」
「何ブツブツ言ってんの?ほら、後藤こっち。」
市井ちゃんに手を引かれて移動する。
ほら、いつもの市井ちゃんじゃん。
話なんてなさそうじゃん。圭ちゃんめ。
「市井ちゃん、なんか変わった事とかあったの??」
「…なんで?」
「圭ちゃんが、なんか市井ちゃんが話があるらしいって。」
「あ〜…ううん、ないよ!後藤!前向けっ!」
「はいっ!」
ほら、いつもの市井ちゃん…。
ふと、隣にいる市井ちゃんが私に耳打ち。
「あ、なんかね。今結構もう決まってるらしいよ?」
「何が?」
「ほら。新メンバー。」
忘れてた。
「あぁぁぁぁ、加護起きてる?」
『寝てまふ。』
「起きてんじゃん。」
『遅かったやないですか。』
「そりゃ仕事だから…って寂しかったの?」
『ちゃうわぃ!』
「あら〜、加護ちゃん可愛いでちゅね〜。んふふふ。」
『…ししょぉ。今度新メンバーが入るやんか。』
「…そんなことも知ってたの?」
『ASAYAN見とるさかい、なぁどんな子がはいるんやろ。』
「私もそう思ってるんだぁぁぁ〜。それ今師匠の悩み。」
『師匠も悩むんやな…。』
「こら!そこ!さりげに失礼だよ!」
加護が笑った。
帰ってきたときは心なしか曇って見えた表情がいつもの加護に戻った。
(良かった。)
お母さんってこんな気分なのかな…。
『何で新メンバーが入るのにししょぉが悩むん?』
「…そりゃ、仲良くなれるかとかもあるしさぁ、やっぱ…追い抜かれないかとかさ。」
『エースが気弱でんがな。』
「エースって…そうでもないよ。なっちもいるしさ。」
『なぁなぁ。ししょぉ、聴いて?うちもー娘。はいれるかな?
あんたにゃっもぉったいないっ♪あたしゃホントなーすばでばでばで♪』
「ん、結構うまいんじゃないの?なんか物まねはいってる気もするけど。」
『物まねも趣味やしな☆』
「あ、じゃあカオリの真似!圭織ぃえっとぉ。」
『あ、似とるな!うちも犬とかなら得意なんやけどな。』
あぉぉぉぉん
「あ、うまい、普通にうまい。」
夜もふけて。
布団の中で少し話したあと。
『ししょぉおきてる?』
「寝てます。」
『パクんなや!なぁ、うちどうしてここに来たんやろ。』
「…さぁ。」
『身も蓋も無い返事やな。』
「どうゆーいみぃー?」
『なんでもあらへん。おやすみなさい〜〜ぃ』
「…おやすみ。」
加護はどうしてここにきたんだろう。
どうして私のところにいるんだろう。
加護の質問を私は頭の中で考えてみたけど。
私は知らない間に眠りについていて、やっぱり次の日も寝坊した。
ごまかごキタ━━━(゚∀゚)━━━!!!!
p.s.作者さん交信乙&300ゲトオメ。
309 :
:03/03/09 15:52 ID:B8gwJWOj
ほぜむ
『けほっ。けほけほ。』
「どうしたの?風邪…とかあるんかな?」
『いや、なんでもあらへ、けほっ』
「…ゆっくり休んでなよ。今日は学校だけだから。」
『ならすぐ帰ってくるんやぁ、いってらっしゃい、げほっ』
「おぅ。まかせて。」
私は加護の頭に小さくちぎった濡らしたティッシュをのせて
カバンを持った。
「じゃあ、行ってくるけど…なんかあったら…そだな。」
Pipipi。
「このリダイヤルボタン押して、そしたら携帯にかかるからさ。」
『あぃ』
あの不思議な状態で風邪とかあるんかな…。
ってゆうかそもそもあの状態はなんなのさ。
ってゆうかってゆうか…。
〜ぶーっぶーっ〜
加護!?
私は震えた携帯を先生に見つからないようにこっそり取り出した。
〜着信 ☆市井ちゃん☆〜
市井ちゃん…?
「先生〜トイレ行ってきまぁ〜す。」
「もしもし??」
「あ、後藤?ごめんね、学校?」
「そうだよ、しかも授業中だよ。」
「ごめんごめん…ねぇ、今日オフでしょ?もう予定はいってる?」
「あ…特に予定が入ってるわけじゃないんだけど…」
加護が…。
「…そっか!しゃあないわな!じゃあまた明日ね、遅刻すんなよ!」
「わかってるよぉぉ、じゃあね、ごめんね。」
Pi!
電話を切った後に、
圭ちゃんが言ってた話を思い出した。
市井ちゃんはなんか私に話すことがあったんかな…?
でも加護が…。
今日は加護がなんかヤバそうだし、仕方ないよね。
市井ちゃんとはまた明日もあえるんだし。
明日からは仕事が毎日のようにはいってるから、いつでも話せるし。
私はそう思いながら教室へと戻っていった。
私は授業もそこそこに、早退の理由もないのに家に帰ってきてしまった。
や、理由がないわけではないんだけどね?
「ただいまぁ〜…」
「あんた学校は。」
「早退した〜。」
「今日は仕事ないでしょうが。」
「ないけど…、早退したかったの〜」
「…ま、いいわ。」
「んぁ。ありがと〜」
自分の部屋に入るとベッドを確認。
加護が小さく横たわっていた。
「お〜い…加護ぉ〜…?」
『…ししょぉ?がっこは??』
「なんかアンタが心配で帰ってきた。」
『…そですか、おおきに。』
「どうなの?体調は?」
『ん〜…咳もとまったし、大丈夫ですわ。』
「あ、良かったじゃぁん。なんだ早退することなかったぁ。」
『でもちょっとラッキーって思ってへん??』
「思ってる。…っくく。」
『あはは。ししょぉらしいわ』
それからまた私たちはいろんな話を続けた。
市井ちゃんから電話があったことなんて忘れて。
>>308さん ありがとうございます、出来れヴァ読者様がとってほすぃ…かな。
>>309さん 感謝です;;
ちっちゃいあいぼむ、なんかイイネ(�∀�)
それからちょっとたって。
たまに暖かい日があるようになった頃。
加護とすごく仲良くなった頃。
4期メンバーが加入した。
1人目は石川梨華ちゃん。教育係は圭ちゃん。
私より1学年年上で、お嬢様みたいで、声が高い
(市井ちゃんいわく声優さんのよう。だそうだ。)
2人目は吉澤ひとみちゃん。
私と同じ学年で、美人さんだ。でもちょっとかっこいい。
そして3人目は辻希美ちゃん。教育係はカオリ。
まだ中学1年生で八重歯の可愛い女の子。
この子が私に代わって最年少になった。
この10人でしばらくは活動してゆくんだ。
このときはまだそう思っていた。
「ただいまぁぁ。今日ね、辻ちゃんと話したよ。」
『うちと同い年の?』
「そうそう、何か天然っぽくって可愛い。」
『ほぉ、うちと仲良ぉなれそぉ??』
「そだねぇ、加護はツッコミっぽいからね、漫才が出来そう。」
『アイドルちゃうやん!なんでやね〜ん。』
「はは、まぁ私からしてみたら加護の方が可愛いけどね。」
『…何か嬉しいことゆうてくれるやん、でへへ。』
何かツボにはまったらしく加護はお酒を飲んだ裕ちゃんみたく
だらしなく笑った。
そんな加護が最近よく言う質問がある。
『うちがもしモー娘。入れたらうまくやってけると思う?』
加護は娘。にはいりたくてはいりたくてしょうがない普通の女の子だったから
なんかの拍子に私のところにきてしまったんじゃないかって、
最近思い出した。
それからまた少し。
4期の子がたまに敬語じゃない言葉で話しかけてくれるようになった頃。
加護と何でも言い合える仲になってきた頃。
私たち10人はミーティングと言われてある部屋に集められた。
「じゃ、市井、こっち。」
つんくさんとマネージャーさん達。そして市井ちゃんが前に立った。
彩っぺを思い出した。
喉がカラカラになった。
胃が痛くなった。
頭が真っ白になった。
市井ちゃんの顔が見れない。
そして、圭ちゃんのあの一言が頭の中でうずまいた。
「私、市井紗耶香は5月の武道館ライブを最後にモーニング娘。を卒業します。」
にわかにざわつくミーティングルーム。
声がでない。
涙も出ない。
どうして?
どうしてなの?
「い…ち、ちゃ、」
「後藤ゴメンネ。」
涙が溢れた。
「なんや、ごっちん知らんかったんかいな!」
「もうサヤカが言ってると思った…。」
先に知らされていたと思われるメンバーからの言葉。
「後藤さん…。」
手が震えてるくせに背中をさすってくれる辻ちゃん。
心配そうにのぞきこむメンバー達。
そしてまた、
「ゴメン」
私はたまらずに会議室を飛び出した。
どうして?
どうして?
どうして?
私は走りながら考えた。
多分、すごく泣いてたと思う。
ねぇ、どうして?
「後藤!」
圭ちゃんの声がした。
「け、ちゃ…。」
「後藤、あんた…。」
「けぇぇぇぇちゃぁぁぁ…」
私は思わず圭ちゃんに抱きついた。
どうして私はあの時、市井ちゃんの話を聞こうとしなかったんだろう。
>>315さん
ありがとうございます、文章から可愛さが出てれば嬉しいです。
323 :
:03/03/13 20:29 ID:UfvtF1GA
泣くだけ泣いて、圭ちゃんと私は荷物の置いてある場所に戻った。
市井ちゃんのカバンはもうなくて
他のメンバーももう帰ろうとしていた。
辻ちゃんが心配そうな顔で私を見ていた。
「大丈夫。」
そういうと少しホッとしたような顔でお疲れ様です。と言って
帰って行った。
「大丈夫?」
「うん、大丈夫…ほんと。」
「うん…じゃあまた明日の撮影でね。」
「お疲れ様。」
本当は誰かと居たかった。
本当は誰かに話を聞いていてほしかった。
帰れば…加護に会える。
「ただいま。」
しん、とした家の中。
ユウキはこんな時間までどこに行っているんだろう。
こんな日に限ってお母さんもお店らしい。
私は足早に部屋へと入った。
「…加護?」
返事がない。寝ているんだろうか??
「加護?」
もう一度呼んでベッドの方に歩いてゆく。
「…んん…」
「寝てんのか。…はぁ。」
もうあんなに泣くほどではなくなったけれど
冷静に考えれるようになったから余計辛い気がする。
確かシンガーソングライターになるためだっけ??
シンガーソングライターってなんだよ。
このままうちらと一緒にいて何がまずいんだよ。
ねぇ。なんでやめちゃうの?
ねぇ。なんで?
「ふっ…」
また涙が出てきた。
私が悪いだけ。
私はあのあと泣きつかれたらしく机につっぷして寝ていた。
それに気づいたのは朝方の事。
『…ぉ、ししょ、ししょぉ〜』
「んあ!?」
『風邪ひくで!』
「…加護、何で昨日寝てたの?」
『え?』
「あんた、居候の身でしょう?主人が帰ってくるまで起きてなさいよ!」
『…へ?』
「自分ばっかり話したがって何で私が話ししたいときだけ寝てんのよ!!」
『…ごめ、な、さ…』
加護が泣いた。
「あ…ごめ…ちがう…。」
最悪だ。もう何もかもが最悪だ。
あのあと私はメイクもしずに昨日帰ったカッコウのまま家をとびだした。
そういえば財布も携帯も置いてきちゃった。
「あはは。」
なぜか笑いがこみあげた。
多分加護は私を嫌いになっただろう。
もうあの楽しい関係には戻れないんだ。
妹が出来たみたいで楽しかったな。
市井ちゃんの話もきいてあげられなかった。
加護にもやつあたりしてしまった。
「あはは、私駄目駄目だ。」
私は歩いて事務所まで向かった。
今日は4時から。充分間に合うよ。
よく見てみるとサンダルだし、ユウキのだし。
ショップのウィンドウにうつる私はひどい顔をしていた。
「アイドル失格じゃん。」
無事に4時までにはついたものの酷い顔だった分
メイクさんに迷惑をかけ、結局は時間は押してしまった。
迷惑かけこだ、私は。
途中市井ちゃんが話しかけてこようとしていたのを
避けてしまった。
怖い、今は。怖いの。
市井ちゃんがいなくなるのも。加護に嫌われるのも。
撮影が終わって事務所に戻ると辻が声をかけてきた。
「後藤しゃん。」
「…辻、どしたの??」
「面白いもんが見れるのれす、こっちきてくらさい!」
私は辻にひっぱられるがままに連れて行かれた。
着いたのはいつもの応接室だ。
「何があんの?」
「これれす、すごいれすねぇ…。」
それはたくさんの履歴書とテープの山だった。
「これ…。」
「それな、オーディション落選したやつの。」
「つんくさん。」
「元気ないんやて??これみてみ、後藤には負けませんってのがいっぱいおる。
今の後藤じゃこの子ら負けてしまうかもしれんなぁ。」
「…。」
私は辻と一緒に履歴書に目を通した。
「この子、つぃとおないどしなのれす。かわいい。」
「おっ、辻、お目が高いな。その子最終審査までのこっとった子やねん。」
「どの子?」
私は履歴書を見て自分の目を疑った。
「その子なぁ…病気やったんやて、今入院してんねん、俺目つけてたんやけど。」
「こっ…これ、貸してください!お疲れ様でした!!!!!!!」
どうゆうこと?!だってこれ…。
加護じゃん!!!!!!
あいぼむ病気すか〜
ん?なんか嫌な気配がするぞ(・∀・)
>>330さん
しーっ!もう少し待ってください(w
作者さん分かりマスタ。
おとなしく待ってます(≧∇≦)
333 :
丈太郎:03/03/19 06:04 ID:WHUM3Ap2
えっ!?な、何だろう
元ネタがわからないんで…。でも楽しみにしてよう(^^)
「加護!!!」
『ししょぉ…げふっげふっ。きのぉは、ごめんなさい…。』
「あ、あのね、これ…」
『あ…。』
私は加護の前に履歴書を広げた。
『あかんの…正体がばれてしもた…』
「え??」
『神様とのお約束やねん…ばれたら元の場所にもどらなあかん…。
まだ若いうちに神様がくれたプレゼントやってん。憧れの…ししょぉのところへ。って』
「…憧れの?」
加護のからだが微かに光を帯び始めた。
私はそれが何を意味しているのか悟った。
「加護…消えちゃう…。」
『うちな、ずっとモーニング娘。が憧れやってん、入りたくってママにも内緒で
オーディション送った!けどな、ちょっとして、うち病気やってわかった。』
「なんの!?」
『心臓のやって。そんなにたくさん説明されなかったけど、うちきっともうすぐ…。』
「…そんな…。」
『本当のうちは大阪の病院のベッドでねてんねん、きっともう何日も。』
「……。」
『そやから…お別れや…。』
「え!待って!イロイロ…私なんか話したいことあったような…。」
『…へ…??』
加護の小さなカラダが光を放った。
「加護!待って!!!!」
『おおきに、ねぇ生まれ変わったら、うちししょぉの子供になれるかな?』
「なっ、なれるよ!!!ねぇ、ごめんね!昨日!!!」
『うちもごめんなさい、今度会ったらきっとたくさん話すんや。』
「当たり前だよ!!!加護…。」
ぱしゃっ!!!
水がはじけるような音がして、
加護が消えた。
光の粒がキラキラ、ベッドの上で光って消えた。
「加護ぉぉ…。」
私は次の日、市井ちゃんと話す決意をした。
逃げていたんだ、私は。
そりゃ市井ちゃんがいなくなるのは辛いけど…。
それでも加護みたいにいきなり離せなくなるのは嫌だ!!
加護はそれを教えてくれたの…??
「圭ちゃん、圭ちゃん、私ね、市井ちゃんと話すよ。」
「…ふぅん。」
「!なぁんだ、ほめてくれると思った!!」
「ばっっかねぇ。それが当たり前でしょ〜。あんたが聞かなかっただけ!」
「…ま、そなんだけどね。」
「あ、さやか来たよ。いっといでよ。」
「…うん、話聞いてくれてありがと。」
「ううん、…なんかあったの?」
「何で??」
「すっきりした顔!」
「…そうかなっ!大事な事を教えてくれた子がいたの!!」
「市井ちゃん。」
「…後藤…。」
「市井ちゃん、お話聞かせて!!」
「…うんっ!」
私たちは自販機が並んでいる前にある椅子に座った。
「なんか飲む??」
「じゃあ…くー。」
私はQOOのオレンジ。市井ちゃんはウーロン茶。
一口飲んで市井ちゃんが ふうっ と息をはいた。
「ごめんね、後藤になんにもいわなかったこと。」
「…私こそ…聞こうとしなかったし…。いつでも話せるって、思ってた。」
「うん。」
市井ちゃんはウーロン茶を口のところに持ってって、止まった。
「私ねぇ、シンガーソングライターになりたいんだ。」
「…うん。」
「自分の言葉でみんなに伝えたいの。」
「それは…娘。じゃ出来なくなっちゃったの?」
「うん。きっと私がメインになれる事はないわけよ。」
「プッチがあるじゃん!?」
「伝えたいもの違いかな。はは。」
市井ちゃんは止めていた缶を口につけてかたむけた。
「けどさ、シンガーソングライターになった時にさ。」
「うん。」
「自分の言葉でみんなに伝えられるの!わかる?」
「そりゃわかるけど…。」
「私は今からそれが楽しみでさぁ…。」
私は市井ちゃんをチラっとみて思った。
何て素敵な顔で笑うんだろう。
「う〜ん、止めても無駄だってわかった。」
「うん、わかってくれたか、ありがとう!」
「頑張ってよね!がんばらないと承知しないから。」
「当たり前でしょ、誰があんたみたいに生意気な子を育ててきたと思ってるの。」
「はは。」
「根性はあるからさ。母さん頑張る。ふふ。」
市井ちゃんが一息ついて言った。
「私がさ、今一番気がかりなのはあんただよ。」
「…私??」
「いい先輩になりなよ。」
「…うん。なる。」
「うん。よし。じゃあみんなのとこ戻るか!」
「待って、頭なでなでして。」
「…甘えん坊さんねぇ〜、おいで。」
市井ちゃんの手が頭をなでてくれる。
それがもうグッときてしまった。
「ひぐ。えぐえぐ。」
「もぉ〜。泣き虫さんなんだから…。」
「最後はっ、笑顔でっ、送りだすもん、えぐえぐ。」
>>333さん
元ネタがあるわけではなくて330さんが気づいてしまっただけですよ><
更新乙です。
作者☆さん申しわけm(_ _)m
余計なこと言っちゃたかな?
343 :
丈太郎:03/03/21 21:29 ID:JIvIfi/C
あ…いま思い出した。
南君の…?
>>342さん
いえいえ!どうなるかはまだわかりませんって(w
>>343さん
元ネタはないんですよ〜(w
>>343 元ネタ探りみたいなことして楽しいですか?
そういうことを連載中にされると迷惑です(少なくとも俺は
元ネタ探りなんてしないで、作品を楽しみましょうよ
346 :
丈太郎:03/03/23 09:50 ID:85BnKjRp
>>345 いや別に。気になっただけです。
お気を悪くさせたらすいません。
「後藤!今日こそイロイロ話そうよ!」
「…市井ちゃん、私今日は…そうだ!!一緒に行こう!!!」
「どっ、どこに!??」
「奈良!!」
「えええええええええええ!!!???」
私たちは仕事が終わったあと、電車に乗って奈良へと向かった。
電車の中で市井ちゃんに今までの加護とのことを話した。
にわかに信じがたいとゆう顔をしていたけれど
私があまりにも熱心だったから市井ちゃんも観念したようだった。
私の手には加護の履歴書。
つんくさんに下さい。と言って困る、と言われて今日一日だけの約束で借りたもの。
その住所を頼りにとりあえず加護の家を探すことにした。
「どうすんの?会えなかったら…。」
「会える。会えるって市井ちゃん。また会うって約束した。」
「うんうん。ごめんね、意地悪言ったね。」
私たちは奈良に着いてタクシーに乗って加護の家についた。
時間はもう夜の8時を過ぎていた。
「加護って、かいてある。」
「うん。」
私たちは決心してチャイムを押した。
「はい、どちら様ですか??」
チャイム越しに聞いた声は少し加護に似ていた。
「あ、あの、後藤真希っていいます。モーニング娘。の…。」
「…は??」
「あの、亜依ちゃんに会いに来たんですけど…。」
「…ちょっと待ってな。」
ちょっとして玄関がひらいた。
加護に似てるような似ていないような。
多分加護のお母さんが顔をのぞかせた。
「ほんまや…ちょっと!!お父さん!!すいません、もう少し待ってください」
「はい。」
私たちはもう少し待って、そして家にあがらせてもらった。
お茶なんかもだされて、どうして。といわれた。
本当に驚いているみたいだった。
しまった。理由を考えてなかったのだ。
私が思わず焦っていると市井ちゃんのナイスフォローが私を救った。
「ファンレターが来てたんですよ、私たちのファンだって。」
「そ!そうなんですよ!」
「そうですか…ほんまおおきに…。オーディションなんかも受けてたみたいで…。
電話がかかってきたんですよ、2次オーディションに来てくださいって。
けどそのときにはもう…。」
加護のお母さんは言葉をつまらせながらも私たちにわかりやすいように
話してくれた。
ちょうど履歴書を送ったぐらいに入院したらしい。
色々病気のことも話してくれたけれど、私にわかったことは命にかかわる病気だってこと。
でもそれもなんとなく予想出来ていたことだった。
私たちは明日また病院に案内してもらう約束をして
加護の家を後にした。
「…どうしよっか。」
「こっちに泊まってくかいったん東京に戻るか。かな。」
「うん…。」
市井ちゃんは市井ちゃんで本当に加護とゆう人物がいたことに驚いているみたいだったし。
私は私で予想が当たっていたことに少しへこんでいたりだった。
「明日はさ、午後からじゃん。だからこっち泊まってくか。」
「うん。」
市井ちゃんの提案で私たちは奈良に滞在することにきめた。
>>348 お父さん→パパ の間違いです。スマソ
>>345さん 大丈夫です、ありがとう!怒っちゃ(` )━ダ(Д` )━メ(´Д`)
>>346さん いえいえ、楽しんでくだされば><
おお〜更新乙彼ちゃんです。
あれ、もしかして、自分やっぱり余計なこと
言ってたみたいですね…気をつけます。
ハンカチ5枚必要なヨカーン!
少し駅の方まで戻ってホテルをとった。
「ふ〜。何かさ、同じ部屋とか久しぶりじゃない??」
「ん〜。だねぇ。」
市井ちゃんは冷蔵庫をあけてアクエリアスをだした。
「ね、今まで話す時間がなかったのはその加護…さんのせい?」
「うん、まぁそうなんだけど」
「そうか。色々あったんだね、母さん彼氏でも出来たかと思っちゃったよ」
ふふふと笑って市井ちゃんがおどけた。
私も笑った。
「不思議だね。どうして加護さんは後藤のところに現れたんだろうね。」
「うん、私もずーっと考えてたんだぁ。なんでだろーって。」
「うん。」
「けどねぇ。多分私に憧れてたんじゃない?ぷぷ。」
「自惚れんなよ〜!ははは。」
「だね。…ねぇ、命にかかわるってどんなんなのかな…加護もうすぐ死んじゃうって、
何か加護も言ってたんだ。ねぇ、加護めっちゃいい奴なの。市井ちゃん。」
「うん。」
「でねぇ、何かねぇ、めっちゃ私になついてきたの、めっちゃ可愛かったの。」
「うん。」
「わかんないかも知れないけどね、わかんないかもしれないけど…私…、
なんなんだろ、本当…涙がでてくんだ…。」
「うん…。」
市井ちゃんは小さく返事をすると私を抱き寄せていつもみたいに撫でてくれた。
「うっ…加護といっぱい話したこと覚えてるの…えぐっ。」
「うん。」
「加護が私に色々聞いてきたこともっ、ふっ、私が色々っ教えた事もっ…。」
「うん。」
私が話すと市井ちゃんは返事をしてくれる。
ちゃんと聞いてくれている。
全然わかんないだろうに多分色々イメージして聞いてくれてる。
あぁ、市井ちゃんももうすぐ居なくなってしまう。
それで加護まで居なくなっちゃったら私はどうしたらいいの。
また泣けてくる。
泣いて泣いて泣きつかれて眠ったときまで、
ずっと市井ちゃんが撫でていてくれた気がする。
朝起きたらやっぱし私はすごいまぶたが腫れていて、
市井ちゃんと目があったときにブッと吹かれてしまった。
「ひど〜い。」
「それじゃあ加護さんは後藤だってわからないかもね。」
なんていわれながら
2人でまた加護の家まで戻った。
病院に案内してもらうために。
「亜依も喜ぶわぁ…ほんまにありがとうございます。」
って言われて2人で照れつつ、病院に向かった。
−207 加護亜依 様−
「ここです。」
そういって加護のおかあさんがガラガラと扉を開けた。
「どどどどうしよう、何か緊張してきた。」
「落ち着け、はい、すってーはいてー。」
「すーはー。よし!こんにちはぁ〜…。」
点滴につながっている加護の腕は、
私の部屋に居たあの加護よりもずっとずっと細くて。
私の部屋に居た加護よりもずっとずっと小さく見えた。
「亜依、お客様!ふふ。きっとすごくびっくりするわ」
「こんちわ〜…。」
「…!!ししょお!!!」
その懐かしい呼び方に、(っていってもほんの2,3日だけど)
私は思わず泣いてしまった。
「加護…、会いにっ、来たよ。たくさん、話しに!」
「ぶえー、ししょーやー、ママ〜、ししょおがきたぁぁぁ!!!」
感動の再会です。
やっぱり市井ちゃんは不思議そうな顔をしていたし、
加護のお母さんなんて意味不明って顔をしていたけれど。
そんなの気にせずに私と加護は抱き合って喜んだのです。
私達は、市井ちゃん、加護のお母さんそっちのけで
時間いっぱいいっぱいまで話した。
お互い覚えていたこと、加護は自分の夢だと思っていたこと。
とか、まぁいろいろ。
帰り際にまた来ることを約束して私達は病室をでた。
加護のお母さんが、病院の入り口に向かうまでの短い間に
加護がもうすぐ手術を受けることを話してくれた。
今受けないと体力的な問題で受けられなくなってしまうらしい。
完璧に成功するかは賭けの様なもので。
けれど受けないと確実に寿命が短くなるため、受ける事を決意したらしい。
「今日はほんまにありがとうございました…良かったら、またきてやってくださいね。」
「はい!絶対来ます!」
「ありがとう、じゃあまた…。」
「さようなら。」
「市井ちゃん、ごめんね、着いて来てくれたのに加護と喋ってばっかで。」
「いいよ〜、母さんは真剣に驚いてるから!どうゆう現象なんだろ…。」
市井ちゃんはあごに手をあてて、ううむ。とうなった。
私は笑った。
「でもな〜。母さん正直ちょいとジェラシーだけどね。」
「え?」
「だってもうすぐ脱退だってのにさぁ〜。」
「市井ちゃん!大好き!こんなところまで着いてきてくれてありがとぉぉ〜♪」
「ざぁとらしいんじゃあぁ。」
でも、ほんと。
市井ちゃんが教育係で良かった。
言わないけどね。
>>353さん
だいじょぶ( ´∀`)
気にしないでけらさい。
>>354さん
ラストまでつっぱしりますZE
私はそれからも時間を見つけて加護のところへお見舞いに行った。
今度はメンバーのサインとか持って。
加護はとっても喜んでくれた。
お土産よりも私のお土産話に喜んでくれてたり。
私は加護のところに行くためにたくさん話を考えたりして
加護も加護で病院であることを話してくれたりして。
「じゃあね、またくるから。」
「…うん、わかった、ほななぁ」
もう結構何回か来てるけど、
加護とバイバイするときはやっぱり慣れない。
今日はいつもよりも暗い気もするし。
「…どうかした?」
「…あんな、ししょぉ、うち、手術の日が決まった。」
「いつなの?!」
「5月の、21日。」
「…その日は…ライブなの。市井ちゃんの最後の。」
「…そらあかんなぁ!来れる筈ないやんっ!うち頑張るから、ししょおも頑張ってな!」
「うん…。」
加護は明らかに強がってた。
−5月21日−
私は武道館に居る。
加護はきっともう、手術室だろう。
モーニング娘。のみんなは最後の確認に入っている。
私ももうはじめなくちゃ…。
「後藤。」
「市井ちゃん…。」
「大丈夫。ここであんたは加護さんに伝えるんだよ。」
「どどどどうやって…。」
「あんたが精一杯このライブを成功させるの。その精一杯がきっと、
加護さんに伝わる。そのパワーがきっと加護さんに届くよ。」
「…うん。そうだよね。」
「そうだよ、ね??私もパワーいっぱいの後藤に見送ってほしいし。」
「!そうだよね、うん。頑張るね。」
そう、このライブは市井ちゃんのモーニング娘。としての最後のライブなんだ。
ふぬけてちゃあ市井ちゃんにも加護にも失礼だよね。
<がんばっていきまっしょい!!!>
そして…。
加護、ライブはねぇ、大成功だったよ。
みんな最後の力を出し切ったの。
それで市井ちゃんを気持ちよく送ることができたよ。
最近ね、よっすぃ〜(吉澤)なんかとよく話すよ。
よっすぃ〜は市井ちゃんの後継ぎとしてプッチにはいったの。
タンポポには梨華ちゃんが。
辻ちゃんはまだどこにも入ってないけどね。
市井ちゃんが抜けてちょっと寂しいけど、プッチとか次のシングルとかあるから
落ち込んでもいられないんだけどね。
加護の事も…、私はずっと忘れないから…。
私、頑張るよ!
加護がどっかで見てる気がしてさ、この広い空で…。
「こらこらこらこら。勝手にころさんといてーな。」
「…あ、間違えた。こっちは加護がお亡くなりになった時用のだった。」
「縁起でもないっ!!」
「いやいや、手術成功おめでとー。ぱちぱち。」
「実は不成功だったほうが良かったとかおもてるやろ?そやろ?」
「思ってないってばぁー!もう加護さんたらっ。」
「ししょお!!!」
「…んぁ?」
「うちな、次のオーディションまでに完璧元気になってな。」
「うん。」
「モーニング娘。入るねんっ!!!」
「…やれるもんならやってみなー!!!あはははー。」
「…ちきしょー!見てろよ〜〜〜〜〜!!!!」
<終わり>
ありやとぉーございやしたぁぁぁ
(σ´Д`)σ・・・・…━━━━☆ズキューン!!
レスがねぇ…なかった時とかあったんですけど
それでも保全してくれてる人がいたりして
それがすっっっごい支えになったです。
ありがとうございましたm( )m
作者☆さん乙彼様ですm(_ _)m
最後に自分の予想を大きく裏切ってくれて
大満足です。
どの作品もやっぱりおもしろです。
次回?もがんがっちゃってくだせ〜
作者☆さんおつです!
毎回レスつけなかったけどちゃんとチェックしてましたぜ。
俺もあいぼむ死ぬかと思ってたんで予想裏切られましたw
ハッピーエンドは俺好みなんで逆によかった。
またいいのできたらゆっくりでいいんで発表よろしくです。