本当に何事もなかった。こっち負担も1つもなかった。
「楽かも…。」
帰り道に可愛い指輪を見つけたから買った。
5千円だった。
お腹がすいたからいつもはマックだけど今日はモスに行ってみた。
お金を早く使ってしまいたかった。
持ってるとこわいから。
ののの気持ちがなんとなくわかってきた。
服を2着かった。
それでも2万残った。すごい。まだ残ってる。
「加護!」
「ヒッ…」
後ろから急に肩を叩かれてめちゃどきどきして声のぬしを見た。
「梨華ちゃん…」
梨華ちゃんだった。
なんと彼氏をつれている。
「偶然だねぇ!これ私の彼なんだぁ♪じゃあまたネ!」
ふるふると手をふる梨華ちゃんを見つめた。
彼氏いたのか。
美人だからいて当然か…けどこんなバイトしてるからいないって思ったな。
それから私は学校の自分とその後の自分をうまく使い分けた。
サトシさんとのデートはいつもカラオケで1週間に1、2回会ってる。私はすっかりエンジョコウサイにはまっていた
そんな日が続いて久しぶりにののと会う事になった。
「あいぼん!」
「こっちー」
今日はののがおつとめ帰りだから駅で会ってる。
「久しぶり!社長さんとはどう?」
「ふつうだよぉ。あいぼんは?アクセふえてるねぇ」
私たち二人は景気のよさそうな恰好で駅を歩いた。それは中学の時思い描いてた自分だった。
おしゃれな恰好して街を歩く。
「のの、この仕事いいね。紹介してくれてありがと!」
「あ、うん…。」
「どうしたの?」
「あ、あれ…。」
…後藤さん…。
「あいぼん、あれって、」
「後藤さんだよ、ののよくみつけたね…。」
後藤さん。
私たちが少しだけバレー部にいたときの先輩。
バレー部だけじゃなくて学校全体もしきってたバレー部の部長。
すごく威厳があってはなしかけることすら出来なかったけど。
とにかくこわいイメージで私たちはそこから動くことが出来なかった。
後藤さんがこっちむかって歩いてきたから。
「辻?加護?でしょ?」
「こ、こんにちは。」
「こんにちは。」
「久しぶり。あんたら最近なんかやってない?このへんでよく見るんだけど。」
「か、買い物とか…。」
「バイトでもしてんの?」
「はい、ちょっと…。」
「高校生にしてははぶりいいよね。ディオール?このかばんはプラダ?」
「あっ…。」
「誰もあんたらのなんて取らないよ。どんなバイトか知らないけど
後先考えてやらないと知らないよ。親は泣かせちゃいけないんダカラ。じゃね。」
「あっ…」
急に後藤さんに話しかけられた私たちは話が終わった後もしばらく動けなかった。
「後藤さんなんで知ってるんだろう…」
「やっぱりあればれてるのかなぁ。」
「じゃなきゃあんなこと言わないでしょ…。」
とりあえずそのあと私たちはマックに入って会議中。
「けど後藤さんからお母さんとかに話がくるってことはまずないよね。」
「…そうだよね。」
……。
その日は後藤さんにあったってことで気持ちがおびえきって
さめてしまったからおひらきにした。
『サトシさんへ☆
学校の先輩にばれちゃいそうだから今度のデートは
もう1つ先の駅で会いませんか?あいぼんそれがいいなぁ☆』
メール送信。
つぎのデートは1つ先の駅からになった。