「矢口真里さん、私達の先輩。ふふふ。」
梨華ちゃんが愛想のいい笑みを浮かべた。
矢口さんはパソコンの前に座っている。
金髪でヤンキーみたいだ。
「どうもぉ〜。矢口です。今度の新人も若いねぇ」
「私と1こしかかわらないわよ〜〜!矢口さんとは3歳も違うけどね!」
パソコンの画面を見る。
メールの作成画面だったから慌てて目をそらした。
部屋をながめる。よく見ると色々な学校の制服がかかっている。
なんでだろう。
「をぃ!新人、自己紹介しなよ。」
矢口さんが厳しい口調でこっちを向いていった。私は慌てて自己紹介をはじめた。
「加護亜依です!よろしくお願いします。」
「高校何年なの?」
「1年生です。」
「辻と同じなんだ!わかった、加護ね。加護も辻と同じで何もしない人がいい?」
「あっ!はい!お願いします。」
「やっぱりH込みのほうがもらえる値段は高いけど。」
「いいんです。なにも無しの人がいいです…。」
「わかったよ。加護も処女?」
「しょっ…そうです。」
「OK!安全な人さがしてあげるよ。今日は無理、明日連絡するわ。携帯おしえて」
私は矢口さんのパソコンに携帯電話の番号を入力して
ののと梨華ちゃんと家をでた。
「私、今日も仕事なの。じゃあねぇ〜」
そういって梨華ちゃんは街へ消えていった。
残されたののと家への電車を待った。
私は今日あったことが刺激的すぎて外の風が涼しく感じるくらい気持ちよかった。
「のの、矢口さんて…。」
「なんかね、梨華ちゃんがつれてっておんなのこに、おじさんをしょうかいするみたい。
自分もそうゆうことしてるからお金もちなんだよ。」
「あの部屋にかかってたたくさんの制服は?」
「…ぷれい?とかいってた。」
ののが顔を真っ赤にしていったから、私も恥ずかしくなった。
なんにしろ変われるのは明日以降みたいだ。
ぶーっぶーっぶーっ。
ポケットの中でさっきからずっと電話が震えている。
わかっている。矢口さんだ…。
さっき見たから間違いない。
そうとういらだってるに違いない。
怖い。
けど出られない、なぜなら今は授業中だから…。
きーんこーんかーんこーん
このチャイムをどんだけ心待ちにしたことか!!
走ってトイレにかけこんで電話をとりだした。
ぴぽぺ。
リダイヤルで矢口さんにつなげる。
ぷるるるるる
『あ、加護ぉ?なんででないわけ?』
「すいません!授業中だったもんで…。」
『あ。そうか。ごめんごめん何回もかけて。メールアドレス教えて。』
「あ、aibon…です。」
『OK!じゃあそこにそのおじさんのデータ送るから。返信して』
「はい、わかりました!」
がちゃ、ぷーっぷーっ。
−サトシさん 54歳。 コンピュータ関係の仕事。
会って食事で1回2万円。制服で遊んでくれる子を募集。−
制服でって…。警察とかに会ったときすぐバレるんじゃ…。
自分一人で決めるのが心細くなった。
「のの…。」
『件名 ののへ
本文 今日もしよかったら会えない?
やっぱり1人で全部決めるのは不安だからののにいろいろ聞きたい。』
メール送信。
秘密の作業を学校のトイレで行う。
そのことにドキドキした。
「かごちゃぁーん??いるの〜〜!?」
「ひっ…。」
心臓がとびだすかと思った。
ドンドンドンドン!
トイレのドアを思いっきりノックする音。
「はっはい!何?」
「あっ!いた!次体育だよ!何してんの?」
「あっ…ごめん、まだなんも用意してない、先行ってて!」
「えぇ〜わかったぁ。麻琴!いこう。」
愛ちゃんの声が遠ざかってゆく。
ほっとする。
私はトイレの水を無造作に流してドアを開けた。
更新しますた。
まだまだ鬱なあいぼんが続きますが、
これから少しずつ話が変わってゆきます。
たくさんの感想とても嬉しいです><