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156『考える娘。』
「あいぼん!つぎはあそこ!」
そういってののは近くのデパートを指差した。
「ののこないだここで服かったから、あいぼんもかお!」
あんまり乗り気じゃない。
やっぱり後に残るものはこわい。援助交際って犯罪でしょう?
「のの、私はいいよ。」
ののは一瞬説得しようとしたみたいだったけど、私の気持ちがなんとなくわかったらしく
「じゃああいぼんはみててね、ごめんね」
と言った。
157『考える娘。』:03/01/09 21:08 ID:izRmPhXl
「これとこれとこれとこれと…。」
ののはちゃんと見ずにかごにいれている。
見てるだけっていっても、見てるとほしくなる。
あ、このオーバーオール可愛いな…。
このかばんも可愛い。学校にいいかも…。
「…あいぼんも欲しいものあるの?」
「…ううん!早くかいなよ!」
「あ、ごめんね。あとこれも。」
ぽいっぽいっぽいっ。
見てないみたいだけど可愛い服いれてる。
ののセンスいいから。
あ、あのオーバーオール…買うんだ。
ぽいっぽいっぽいっ。
「…こなもんかな、これお願いします。」
店員さんが驚いている。
「ありがとうございます。」
ぴっぴっ。1つずつレジに通している。
「9万6千円になります。」
「あ、足りないや、」
えへへ、ってののが笑った。
158『考える娘。』:03/01/09 21:09 ID:izRmPhXl
大きい袋をよいしょよいしょかついでいたから私も1つ持ってあげた。
「こんくらいなら、2回カラオケ行くだけだよ。」
ののがボソッと言った。
口の中が渇いた、ゴクリと音をたててつばがのどを流れた。
「本当になんにもしなかった?カラオケだけだったの?」
「ののは嘘ついてないよ。よっ!」
ののはずりおちてくる大きな袋を持ち直した。
「ふぅ。さすがに買いすぎたね!自転車に乗るかなぁ。」
「そうだね。」
頭では全く違うことを考えていた。
服が気にせず買える。
今までの私にありえないステータス。
ののは手に入れてる。
高校に入ったらおしゃれになるって決めてた。
ののだけおしゃれになっちゃう。
置いてかれる。
私は、そんな事をする自分よりも、
ののについてゆけない自分の方が恥ずかしかった。

明日またののと会う約束をした。
ののとリカちゃんに会う約束を。