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147『考える娘。』
「あいぼん!嘘だよごめんね!あいぼんそんなことしないよね!」
ののは下を向いた。
「ついでにこんなことするののも嫌いだよね…。」
「ののを嫌いにはならない!絶対…。」
「あいぼん…いっしょにこの10万つかっちゃわない??ほら!中学のときにまえにならんでた高校生のひとがい〜っぱいプリクラとっててうらやましくなかった?」
「10万プリクラに全部使うのってかなり難しくない?」
「いいじゃん!あきるまでとろうよ!ね!いこ??」
ののは近くのアミューズメントパークの方向を指差した。
ののは多分早くこの10万も使ってしまいたいんだろう。
前にもらったお金もすぐ使ってしまったように。
手元にあると不安なんだろう。
「…いいよ、いこっか。後ろ乗って!」
「わぁ〜い!あいぼん大好き!」
「調子いいな〜…。」
うちらの出かける時はいつも2人乗り。
ののと私で1つみたいに。
中学の時はいっつもそうだったの。
いっつもばか笑いして、楽しかったの。
148『考える娘。』:03/01/07 17:43 ID:5AbeKrWy
「はぃっあい〜ん!」
「あい〜ん!」
本日10回目のプリクラ。
さすがに飽きてきた。
ポーズも似たり寄ったりで、マンネリ化している。
「のの…そろそろ疲れた。」
「…だよねぇ、ののも疲れちゃった。」
『最後の撮影だよ!』
機械が促す。
「あいぼん!最後いのきー!」
「ぁんだこのヤロー!」
149『考える娘。』:03/01/07 17:43 ID:5AbeKrWy
「どうする?まだ9万6千円も残ってんじゃない?」
ののは黙った。
「これだけあると困るんだねぇ、ののはらへったなぁ。」
「のののおごりで何か食べよぉ〜」
「さんせい〜!!」

「ご注文はお決まりですか?」
「いちごパフェとぉ…オレンジジュースにうにいくらどん、はんばーぐらいす。」
「のの、気持ち悪くなるんじゃないの?」
「だいじょうぶ!のののいぶくろは宇宙だ〜。あいぼんはなに?」
「…フライドポテトにアイスココア。」
「かしこまりました。」
150『考える娘。』:03/01/07 17:44 ID:5AbeKrWy
「あいぼん、そんだけでいいの?」
「多分うちにもご飯があるし…。ののは良いの?家のご飯。」
「ありゃくうけど、今おかあさんとケンカちゅうだからごはんないと思う。」
「…喧嘩?おばさんと?あんな仲良しなのに?」
「ののはぁ、なつやすみがあけたころから好き勝手しほうだいだから。だって。」
リカちゃんとゆう子の影響なのではなかろうか。
やっぱりののは私と同じ高校じゃないといけなかったんだ。
…ののには入れなかったけど。

151『考える娘。』:03/01/07 17:44 ID:5AbeKrWy
「あいぼん、おっきな声ではいえないんだけどね」
「なになに」
「梨華ちゃんはえんじょこうさいってやつをほんとうにしてるんだ。」
「ののもなんでしょ。」
呆れてしまった。のののやってる事も立派に援助交際だとゆうのに。
「ちがうの!ううぅんと…。」
もしや。
もしやして。
「その子、おじさんとかとHしてるって意味・・・?」
「そう!そうゆうことなの!」
頭がくらくらした。
私が何も言えないでいるとののが言った。
「だからあんしんなの。」
「何が?!」
何が安心だとゆうのだ、親父とHなんぞしてる奴のどこが安心なのだ!
「だってだれがどんなおじさんかわかってるから。この人はヘンなことしたがる、この人はおしゃべりだけでよろこんでくれる。とか」
あ、なるほど…。
「…ごめん、あいぼんにはかんけいないんだけどね。」
そういってののはパクパクと料理をたいらげた。