「ん・・」
白い天井
清潔そうな布団
ここは・・・
「梨華!あんた恥ずかしい事してるんじゃないわよ!車とぶつかってたんこぶ1つで救急車のって・・・」
「お母さん・・?」
「何よ。」
「私、生きて・・」
「あったり前でしょ!たんこぶ1つなんだから!」
「じゃ、じゃあ・・」
生きてる??なんで??
私確か車にひかれて死んだからあの世にいきそうになったんじゃ…。
なんか…。
そうだ!!!!
「よっすぃ!!」
「なによっ!??」
お母さんがびっくりして叫ぶ。
「い、いやなんでもないの…。」
そんな話信じるわけないよ…。
けど確かあの時…間違えて名前をよんでたのよね。
−その頃。−
「吉澤っ!お前ってやつは!また間違えおって!次やったら首じゃあ!!」
「すっすいませんんんん」
「今から彷徨っている『石川梨奈』殿を探してこぉぉぉい!!」
「はっはぃぃぃぃぃ!!」
「よっすぃって事はよしおとかそんな名前だったのかなぁ。」
病院でクリスマスを寂しく終えた私は、退院後事故現場に戻ってつぶやいた。
多分名前を間違えるくらいなんだからだいぶドジな天使だったんでしょう。
「ふふ。」
少し笑えた。
そういえばクリスマスイブ、あんまり寂しくなかったなぁ。
だってよっすぃクンがデートしてくれたし。
そういえば、私を無事連れて行けたら3級にあがれるって言ってた。
多分このぶんじゃまだ4級のままなんでしょう。
「ふふふ。」
人ごみで不気味に笑うわたしは、事故現場に花束をおいた。
私は生きているけれど。
イブを一緒にすごしてくれたよっすぃクンに、プレゼント。
メリークリスマス!
−END−