【ハッピー】石川梨華性的虐め小説2エプ目【グッチャー】

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266 ◆mzDS5UZe1U
ここは、ホテルのラウンジ。

ファミレスでの一件があって以来、梨華はそれほど仲も良くなかった斉藤と何度か電話やメールを交わしていた。
そして今日。斉藤からこのホテルに来て欲しいと、早く終わったラジオ番組の収録後に、電話で誘われて出てきた。

(でも、斉藤さん。急に何の用だろう?)
梨華は、ここに来るのに不安が無かった訳ではない。
盲目的に斉藤に恥態を晒し、後先を考えず感情ままに行った、自らを慰める行為。
そうした結果、時間が経つに連れて涌いてくる恐怖心と羞恥心。

今度、斉藤に会った時には、普通の顔で会話できるのだろうか? と、思い悩んだ事もあった。
しかし、あの晩から梨華は斉藤との何度かの電話を交わした。
不思議な事に、斉藤は全くその事には触れなかった。

何度か話すうちに、お互い色々な事を話までするようになり、
最近では最後に「そのうちに遊ぼう」と、社交辞令のような会話をしていた。

(あぁ、なんか緊張するなぁ)
そんな斉藤が、待ち合わせに指定された場所は、高級なホテル。
普段、公演先で宿泊するホテルとは、外観も風格も趣も異なるハイセンスなホテルだった。
シャンデリアが飾られるロビー。
訪れる人達の華麗な服装。
英語で談笑をする外国人。
どこを見ても、ラフないで立ちの梨華には似つかわしく無く、居心地も悪かった。

いたたまれない梨華は、ホテルの中庭を望むラウンジの隅で、イタリア製の黒いソファーに包まれるように身を埋めていた。
267 ◆mzDS5UZe1U :03/03/17 15:24 ID:DVFtSXI1
「どうも、梨華ちゃんおまたせ」

ぼんやりと中庭に置かれた裸婦像を眺める梨華の後部から、名を呼ぶ女性の声が聞こえてきた。

「あ、斉藤さん」

梨華が声の方に顔を向けると、黒いデザイナーズブランド物のショルダートートバッグを肩に掛け、同系色のツーピーススーツで身を包み、
アクセサリーの類いを華美なまで装飾した、バブル景気の忘れ形見という姿の斉藤がいた。

「さぁ、梨華ちゃん行こうよ」

「え? 行くってどこにですか?」

「いいから、早く」

高価そうなソファーから名残惜しそうにゆっくりと立ち上がる梨華を尻目に、斉藤はそそくさと立ち去って行った。
268 ◆mzDS5UZe1U :03/03/17 15:26 ID:DVFtSXI1
「ここだよ」

馴れた様子でホテル内を歩く斉藤の後ろを、梨華は迷子にならないように付いて歩き、訪れたのはホテルの屋内プールとガラスで一枚隔たれた所。

梨華が、曇りの一つもない、美しく磨かれたガラスに、へばり付いてプールを眺めていると、斉藤が梨華の傍に立った。

「さ、泳ごうよ」

「え? でも、私水着なんて持ってきてないよ」

「大丈夫。ちゃんと梨華ちゃんのも用意してきたよ」
そう言いながら、斉藤は肩に掛けたバッグをポンポンと叩いてみせた。

「さ、思いっきり泳ぐよ」

「あぁ、ちょっと待って下さいよ」
今まで知らなかった、斉藤のせっかちな一部分を目の当たりにしながら、梨華は小走りで斉藤について行った。
269 ◆mzDS5UZe1U :03/03/17 15:32 ID:DVFtSXI1
「え! この水着……」

プールの更衣室に入ると、斉藤から手渡された水着に、梨華は絶句した。
その水着は、いわゆる白色のビキニタイプ。
しかし、使用している生地の薄さと少なさは、梨華が持っている水着の比では無かった。
ビキニトップはチューブトップで、両乳房の谷間にあたる部分から、首の後ろで結ぶ紐がついる。
しかも、胸を包む部分は、パッドなどもついていないだたの当布。
ボトムの方は、どちらが前か分からない程の、ただの太めの紐。体格が良い人が着用すれば、力士の廻しと揶揄されてもおかしくない物だった。

「ねぇ、梨華ちゃん、着替えないの?」

「でも……」

「いいじゃない、着てみなよ。浅黒い梨華ちゃんの肌には、その白い水着が映えるって」

「だって、斉藤さんは、そっちのおしゃれなワンピースタイプだけど、私の方はなんか……」

「だって、それしかなかったんだよ。あと私が持ってる水着は鮫肌タイプで、本格的な競泳用だったの。
梨華ちゃんは、オリンピック目指して泳ぐ訳じゃないだろうなって、これを持ってきたんだよ」

段々沈んだ表情になっていく斉藤に、梨華はわがままを言える雰囲気ではないと感じ、着る事を承諾した。

「じゃ、私も着替えてくるね」
一転して明るい表情に戻った斉藤と、シャワーが完備されている個別の更衣室に並んで入り、水着に着替えた。
姿見鏡で水着を着た自分を見て、改めて梨華は思った。
(ああん、もう、この水着。裸より恥ずかしいよ)
270 ◆mzDS5UZe1U :03/03/17 15:36 ID:DVFtSXI1
プールサイドに出た梨華は、紐状の股間部分を隠すように手をあてて、小股でよちよちと歩いた。

「ちょっと梨華ちゃん、もっと堂々と歩いたら?」

「だって、恥ずかしいじゃないですか」

「そんなの風にして歩く方が恥ずかしいよ。ほら、周りを見てみなよ。みんな女の人だけなんだから、大丈夫だって」

斉藤に言われ、梨華はプールの場内に入ってからずっと伏せていた顔をあげた。
梨華の目にまず入ってきたのは、二階分ある高い天井に描かれた、天使と女神の美しい西洋絵画。
そして、そこから目を下ろしてプールサイドに目を向けると、白いデッキチェアベッドがいくつか置かれ、何人かの人が寝そべる姿。
この空間の中央に陣取るプールは、25メートル程の長さで、プールの底から青白いライトが照らし、泳いでいる人達をプールの幻想的に照らし出していた。

「ここって会員制で、しかも女性専用なんだって。あ、もちろん、私は会員じゃないんだけど、
テレビの仕事で、私一人がここの利用券を獲得したの。
最初、メンバーを誘おうと思ってたんだけど、みんな都合がつかなくてさ。
そのうち、利用期限が迫ってきて、ただの紙切れになったらもったいないと思って、梨華ちゃんを誘ったの。
ほら、向こうにあるデッキチェアに座ろう」

梨華の股間を覆っていた右手を斉藤が握りると、梨華は左手で依然と股間を抑えながら、プールサイドを歩いた。
271 ◆mzDS5UZe1U :03/03/17 15:39 ID:DVFtSXI1
「さあ、梨華ちゃん。一緒に泳ごう」
チェアベッドの脇に、ビニール製のブランドバッグを置いた斉藤が、準備体操をするように体を伸ばした。

「あ、私はいいです」

「え〜、一人でても泳いでもつまんないよ」

「泳ぐ時は、誰でも一人じゃないですか?」

「そう? 分かった。じゃ一人で泳いでくるよ」
口に含んだ指を両耳に入れる斉藤を、梨華は笑いをかみ殺しながら見送った。
272 ◆mzDS5UZe1U :03/03/17 15:42 ID:DVFtSXI1
斉藤がプールから上がってきた。
梨華に並んでチェアベッドに座り、濡れた髪の毛をタオルで拭きながら、梨華に顔を向けた。

「ねぇ、なんでタオルをかけてるの?」
斉藤がプールで泳いでいる時、梨華は斉藤のバッグからタオルを拝借し体に掛けていた。

「この水着、パッドとかも無いし、下も……」
「恥ずかしいの?」
首を傾げなら問う斉藤に、
「うん」
梨華は小さく頷いた。

「でもさぁ、この前はもっとすごい事したじゃない」
「えっ?」
斉藤の一言で、梨華の全身の血の気がさっと引いた。
「ファミレスでは、もっと凄い事したでしょ?」
「斉藤さん、どうしたんですか? やめましょうよ」
「見て下さいって言ってよね?」
表情の消えた梨華に、斉藤は声を徐々に大きくしていく。

「梨華ちゃんがさぁ、ファミレスの店内で、コートを脱いで……」
斉藤の声に、プールを利用する数人の人が、何事かと振り向いた。
「斉藤さん、やめてください」
「だって、あんなに凄い事した梨華ちゃんが、こんな水着ぐらいで、恥ずかしいっておかしいでしょ?」
「斉藤さん、お願いですから、大きな声を出さないで」
瞳を潤わせて哀願する梨華に、やっと斉藤の口が止まった。
273 ◆mzDS5UZe1U :03/03/17 15:45 ID:DVFtSXI1
何か観念したような表情の梨華に、斉藤は今までの事を全て話させた。
もちろん、全てを見てきた斉藤にとっては、目新しい話では無かったが、梨華の口から聞く事に妙な興奮を覚えていた。

「じゃあ梨華ちゃんは、そのユニットを作ってから、そんな風になったんだ。
ふ〜ん、分かった。じゃ今日から私もパートナーになってあげるよ」

「パ、パートナーって何ですか!?」

「メールで指示されたりして、外で裸なりたいんでしょ? 見られて、恥ずかしがって感じるんでしょ?
でも、メールで指示されてもやり切れない事もあるでしょ?
だから、私が色々サポートしてあげる」

「そんなのしなくていいです」

「あ、そう。
ウチらのグループが出るある歌番組で、いつも扱いが悪い番組があるんだよねぇ。
だから、盛り上げる為に必死になって、この前のファミレスの事が口をついて出ちゃうかも」

「そ、そんな」

「どうする? 梨華ちゃんがイヤならイヤで、別に強制するつもりはないけど」
選択肢があるようで無い、脅迫じみた斉藤の要求が、梨華に伸し掛かった。
274 ◆mzDS5UZe1U :03/03/17 15:53 ID:DVFtSXI1
「わ、分かりました」
小さく震える声で梨華が口を開いた。

「え? 今何か言った? ちゃんと言わないと分かんないけど」
意地悪そうに斉藤が梨華に問い直した。

「斉藤さんにパートナーになって欲しいです。でも……」

「でも、何?」

「メールで聞いてみないと……」

困惑の表情をする梨華に、斉藤は顎の下右人差し指をあてて、少し考えるように頭を左右に何度か振り、
何かを思い付いたように、両手をパンと一つ打った。

「じゃあ、聞いてみてよ。もし、向こう人がが駄目だって言ったら、私は諦めるから」

梨華は、メールの送信者がきっと斉藤が加わる事を嫌がるはずと思い、斉藤のバッグに預けていた携帯を受け取りメールを送った。
275 ◆mzDS5UZe1U :03/03/17 15:55 ID:DVFtSXI1
『突然すみません。梨華です。
実は相談があってメールを送りました。
私に興味を持った人が現れました。
その人は、この前ファミレスにいた女性です。
そして、その人が私のサポートしたいって言ってきたのです。
その人がいる事で、メールを送りづらくなるなら、断ります。
どうしたらよいでしょうか?』

梨華がメールを送信してから数分が経ち、屋内プールの中に、梨華の今後を左右するメールが受信した音楽が鳴り響いた。

『いい事じゃない?
梨華ちゃんが、どんどん人に肌を晒す。
女の子って見られて奇麗になっていくし。
その機会が増える事は、決してマイナスじゃないよ。
だから、その人とが梨華ちゃんのパートナーになるって大賛成だよ。
でも、ひとつだけ。
その人と個人的に何かを行った時は、必ずメールで知らせる事ね。』

「よっし、決っまりだね!」
メールを読んでいた梨華の後ろから覗き込んでいた斉藤が、おちゃらけたような口調で言った。

「だけど……」

「何言ってんの、これで私も仲間だよ。梨華ちゃんには絶対に無茶な事は言わないし、何かあれば、私が守ってあげる。
当たり前だけど、これから行う事は、誰にも漏らさずに必ず秘密にする。
フフ、よろしくね、梨華ちゃん」
斉藤と梨華の契約が結ばれた。
276 ◆mzDS5UZe1U :03/03/17 16:01 ID:DVFtSXI1
緩い角度をつけ、プールに向かって足を伸ばす恰好でチェアベッドに横たわり、微かに震える梨華。
胸元から膝ぐらいにかけてに、大きめのバスタオルを掛けている。
梨華の隣では斉藤は、売店で買った薄い緑色でメロンリキュールベースのカクテルに口を付けている。

「梨華ちゃん、気分はどう?」
「……」
「ねえ、黙ってちゃ分かんないよ」
斉藤は、プールで泳ぐ人を見て押し黙っている梨華に、体に掛けたタオルの中に手を入れ、滑らかな肌を撫でた。

「あんっ」
梨華の体が一瞬びくついた。
「梨華ちゃんって、何かを着てるか着て無いかで、こんなにも変わるもんなんだね」

梨華の掛けてるタオルの下は、一糸まとわぬ姿。
それは、数分前の出来事。
斉藤がうまく梨華の気持ちを揺るがす囁きからだった。

「脱ぐっていっても、ちょっとの時間ならいいじゃない」
(そうだよね、少しだけだったら)
「何かあったら、すぐに着ればいいんだよ」
(ちょっと恥ずかしいビキニだけど、着ればいいんだ)
「誰かが梨華ちゃんに言ってきたら、私が説明してあげるから」
(斉藤さんがそう言ってくれるなら)
「タオルをかけてれば分からないし、周りからの視線にドキドキしちゃうよ」
(タオルでカバーしてれば、気が付かれない)

「じゃ、脱いでみてよ」
「う、うん」
梨華は、斉藤に促されるまま、体をチェアベッドに横たえながら、胸元から覆い隠すタオルの下で、
もぞもぞと体を動かして水着を脱いだ。
277 ◆mzDS5UZe1U :03/03/17 16:04 ID:DVFtSXI1
「でもさ、梨華ちゃんってホントに凄いよね。水着を着てただけで濡れちゃうんだ。ほら、見てみなよ」

グラスのカクテルを一気に飲み干した斉藤は、紐のようなビキニのボトムの細いクロッチ部分をひっくり返し、梨華の目の前にひらつかせた。

「やめて下さい! みんな変な目で見てるじゃないですか」

「だって、本当の事でしょ? この水着が恥ずかしい恥ずかしいって言いながら、食い込ませるようにして感じてたんでしょ?」

「そんな事……」

「あるでしょ? だってこれが証拠だもんね」

梨華は、プールサイドを歩いていた時、手で前を隠しながら、紐を食い込いこんだ、プリンとはったお尻が丸見えという事に、
周りからの被虐的な視線を感じ、あそこに熱いものを感じていた。

「梨華ちゃん、正直になってよ。そりゃ柴田と梨華ちゃん程仲が良い訳じゃないけどさ。
あ、そうか、柴田に頼もう。何で梨華ちゃんが露出狂になったのか聞いてって」

「イヤっ! 柴ちゃんには言わないで」
大声を張り上げた梨華に、辺りから注目が集まった。

「へぇ〜、柴田には知られたくないんだ。
そりゃそうだよね。自分の親友の梨華ちゃんが、テレビでならまだしも、
どこでも裸を晒して感じる変態だなんて分かったら、きっと軽蔑しちゃうよね。
私は、梨華ちゃんの事を軽蔑もしないから、本当の事を言ってみて」

「か、感じてました」
梨華が一番弱い柴田というキーワードを使い、斉藤は巧みに自分のテリトリーに誘い込んでいった。
278 ◆mzDS5UZe1U :03/03/17 16:14 ID:DVFtSXI1
「梨華ちゃん。もう夕方だから、そろそろ帰ろうか」

「はい。でもその前に水着を……」

「え? 何で? 駄目だよ。それよりも、そのタオルしまうから返して」

斉藤の言葉に驚愕した梨華。目を大きく見開いて斉藤を見遣った。

「あ、ごめんね。聞こえなかったのかな? そのタオルを返して」

梨華は、ぎゅっとタオルの端を握り、斉藤に無茶を言わないでという表情を浮かべた。

「何度言わせればいいの? そのタオルをしまうから返して」

瞳を潤わせイヤイヤする梨華に、斉藤はしょうがないなぁと、バッグにしまっていた財布から一枚の硬貨を取り出した。

「じゃあ、これで決めよう。これからこの硬貨を右手か左手のどちらかに入れるから、梨華ちゃんが当てて。
見事当たったら水着を着る。
でも、もしはずれた場合は、罰ゲームで、ここから家まで裸のまま、もちろん私が車で送ってあげるけど、帰る事ね」

普通ならば、こんな勝負などする事すら馬鹿げてると思う所だったが、
一度に色々な事が起こった今日の梨華には、斉藤との勝負をせざるを選ない気持ちにさせられていた。
279 ◆mzDS5UZe1U :03/03/17 16:19 ID:DVFtSXI1
「それじゃいい? さぁ、梨華ちゃんのThis is 運命。どうする? どうする?」
斉藤が後ろ手でにし、硬貨を何度か入れ替えたのち、グーに握った手を梨華の前出すと、
梨華は、タオルが捲れないように気にしながら、身を起こし斉藤の両手を交互に見た。
(右なの? 左なの? もう分かんないよ)

「あと3つ数える間に答えてね。
3、2、1」

カウントダウンが終え、梨華は意を決したように口を開いた。
「決めました。右手に……」
と、梨華が答えた瞬間、一瞬斉顔の表情が緩んだのを見た梨華は、
「やっぱり、左手にして下さい」
と言い直した。
(これで、私の勝ちだ)

「じゃあ開くよ」
斉藤は突き出した左右の手を、同時に人差し指、中指と開かせていく。
「はっ」
梨華があると信じ、凝視していた左手が完全に開かれても、そこには何も無かった。
もちろん斉藤の右手には、天井のライトにキラッと光る銀色の硬貨が握られていた。

「これで私の勝ちだね。さ、梨華ちゃん返してね」
梨華の横に立った斉藤は、梨華のかけているタオルを強引に取り去り、一人で脱衣所の方に向かって歩いて行った。
280 ◆mzDS5UZe1U :03/03/17 16:20 ID:DVFtSXI1
斉藤がプールサイドを歩いていく姿を、梨華はただ茫然と見つめていた。

「誰か、すみません。あそこの人をどうにかして下さい」
「ここは、あなたみたいな人がくる場所ではないのよ」
「せっかく気分良く泳いでたのに、何か嫌な気分になちゃったわ」

辺りの人々から様々な言葉が飛び交う中、梨華は、ここにいつまでも居てはいけないと、
温泉にでも来たかのように、胸と股間を手で隠しながら、チェアベッドから立ち上がり、プールサイドを小走りで駆けた。

「よくもまぁ、裸で歩けるわね」
「すみませーん、早くあの気持ち悪い変質者をなんとかして下さい」
「女の露出狂って、初めて見た」
「きゃ、変態!」
梨華が通り過ぎた後も、耳をふさぎたくなるような言葉に、梨華は半狂乱しかかっていた。
(違うの! ちょっとだけのつもりだったの。何かあれば、斉藤さんが言ってくれるって言ってくれたの。変態とか露出狂とかみんな言わないで!)

しかし、侮辱的な言葉を浴びせられると、下腹部、ちょうど子宮の辺りが、キュンキュンと収縮するような切ない疼きが涌いていた。
281roshuona:03/03/17 16:26 ID:DVFtSXI1
ようやく脱衣所に戻った震える体の梨華を待っていたのは、既に水着からスーツに着替えていた斉藤だった。
「プールの中が凄く賑やかだったね。さすが梨華ちゃんは人気者だね。じゃ、そのまま行こう」
胸を抑えていた梨華の手を掴んだ斉藤は、脱衣所からホテル内の廊下に連れ出そうとした。
「斉藤さん、もうヤメて下さい」
「い・や。だって、梨華ちゃんさっきの勝負で負けたじゃない」
斉藤は、今にも泣きだしそうな表情の梨華を、廊下に連れ出した。
「イヤ! 離して!」
廊下に出た梨華は、斉藤の手を払い腰を引いて座り込んだ。
「ほら、早く立って。そのままここにいるつもりなの?」
体を小さく丸め頭を振る梨華に、斉藤はおもむろバッグから自分の携帯電話を取り出した。

「しょうがなぁ、柴田に言ってもらおうか」
「何で、また柴ちゃんの名前をだすの? そんな事しないでって」
仔犬のように体を震わせ、涙声で斉藤に訴えかけた。

「だって、梨華ちゃんが言う事を聞いてくれないからしょがないじゃない」
「う、う、ぐすっ」
「泣いたってダメよ。柴田に内緒にしていたかったら行くの。ね、いい?」
諦め渋々頷き、梨華は壁に手をかけて力なく立ち上がった。

「じゃあ、バッグを持って。これを使ってなら隠してもいいから」
梨華は、斉藤が肩に掛けていたバッグを受け取り、ショルダーの紐を短く手繰り、両手で持って恥部を隠すように歩いた。
282 ◆mzDS5UZe1U :03/03/17 16:31 ID:DVFtSXI1
颯爽と歩く斉藤の後ろを、恥態を晒してびくつきながら、おどおどと歩く梨華。
その時、梨華自身も信じられない事に、内腿に伝う、熱いぬるっとした滴を感じていた。
しんとした毛足の短い赤い絨毯の廊下で、自分にだけ聞こえる、ヌチャヌチャっという淫音。
斉藤に知られないように、内腿をこすりあわせるように歩くと、梨華の体に官能の痺れが走った。

誰とも擦れ違う事なかった廊下を二度曲がると、二人が待ち合わせをしたラウンジに出た。

人の数はさほど多くないものの、一人肌を極限に露出して歩く梨華に、異性の好色的な眼差しと、同姓からの軽蔑に満ちた視線が突き刺さった。

「ほう、これは魅力的なお姿だ」
「Oh! It’s a Beautiful Venus!」

ざわざわとどよめきが起こる中、まだ着慣れていない制服に身を包む、「研修中」というプレートを胸に付けた、
若い男のホテル従業員が、顔を真っ赤にしながら二人に近付いてきた。

「あ、あの、お客様。当ホテルをそのような姿で歩かれては困ります。他のお客様に迷惑がかかりますので、身なりを正して下さい」
突然、前をふさがれ二人は立ち止まされた。

「ごめんなさいね。彼女は、その姿が普通なのよ。
常に裸でいて、人に嘲笑われて快感を得ない事には、自分の存在価値を感じられないの。
それともあなたは、人の慣習にまで口出しして、彼女のアイデンティティーを傷付ける権利があるの?」
斉藤は、抽象的な言葉を選びながら、梨華の事を露出狂の異常性欲者だと言い放った。

「そ、そんな言われましても……」

「それならいいじゃないですか。ほら、行きましょう」
困惑した表情の従業員を横に見遣り、歩きだす斉藤。

露出狂という烙印を多くの人の中で押された梨華は、
「はい」と消え入りそうな声で返事をし、ホテルの回転ドアから、夕暮れに染まる外の世界に一歩足を踏み出した。
〈完〉
283 ◆mzDS5UZe1U :03/03/17 16:34 ID:DVFtSXI1
梨華のメール
『今日、ホテルの会員制プールに行きました。
そこで、着ていた水着を脱がされ、プールに来ていた人に裸を見られ、汚い言葉をかけられました。
それから、ホテルのラウンジで、一緒にいた女性(今後は、Sさんと書きます)に、露出狂という事をみんなに告げられました。
Sさんが梨華の行った事は、今までメールでしていた事より、それほど恥ずかしい事ではなかったのですが、
とてもイヤだったし、精神的に辛かったです。
でも梨華の体は、いつもより熱くなっていました。

その後、Sさんの車で家まで裸のまま送ってもらったのですが、座った車のシートにびしょりと恥ずかしいモノで、汚してしまいました。

今、家に着いて数時間が経ってからメールを書いているのですが、今日はとても強制的で、イヤな事が多かった。
だけど、一つ一つ思い出しながら書くたびに、ジンジンとあそこが熱くうずいて濡れてきます。
追い詰められて感じている自分に、恐怖を感じています。
また何かあればメールします。梨華』