1 :
1:
あか組4の赤い日記帳っていう歌あったじゃないですか。
昔COUNT DOWN TVをビデオに撮った時、あの歌のサビ前の
「あ〜」「い〜」「が〜」「い〜つまでも〜…」っていうところの、
「あ〜」の部分(信田美帆が歌っているところ)だけが
バックの音は聞こえるのに、声が聞こえないんですよ。
まるで信田美帆が口パクで歌っているかのように。。。
でもテレビで見てた時は普通に聞こえたはずなんですよね。
たしか他の歌番組でも同じようにビデオで見ると「あ〜」の部分だけ聞こえないという
不思議な事がありました。
誰か同じような経験された人いませんか?
2 :
:02/11/18 04:59 ID:Zfx1T5xU
ウンコ
3 :
:02/11/18 05:08 ID:CbBDyadi
うんこ
4 :
名無し募集中。。。 :02/11/18 05:23 ID:k413WHaR
過去、稀に見る糞スレですね。
5 :
K:02/11/18 16:17 ID:8CFvknBx
まあまあそういうなって。
確かに糞スレかもしんないけど、結構丁寧な感じで書いてるしさ。
ここじゃなくてどっか他んとこに書いたらいいんじゃない?
そういえば昔そんなこと言ってた友達がいたような・・・
6 :
ななし:02/11/18 16:45 ID:S/IWnATa
左右の音出力をチェックしる
信田の時は知らんけど、吉澤の時は確かに「あ〜」が聞こえなかった
we
10 :
名無し:02/12/02 23:11 ID:UHZK+w85
11 :
加護の日記:02/12/06 01:55 ID:ATXmZO6o
あたしは恋に落ちた
ts
14 :
:02/12/15 21:28 ID:6lSivhMa
夏コンDVDで後藤のソロ聴いて、初めて名曲だったんだと気づいた。
15 :
名無し:02/12/15 21:31 ID:rNU2A5GB
ゴマキ、このときのレコーディング中に高熱出してダウンしてたね。
なんかなつかすぃ〜。
16 :
14:02/12/15 21:51 ID:6lSivhMa
17 :
名無し募集中。。。:02/12/18 21:27 ID:aXYDWL5L
小説書きますので、このスレ頂きます。
このお話は、大槻ケンジ氏の「クレーター」という詞を、
私なりに解釈して利用して、それを娘。メンバーに当てはめて具体化したお話です。
人によって「え?」とか、「違うだろ。」とか思うところがあると思いますが、
私なりの解釈ということで一つよろしくお願いします。
20 :
1.王様:02/12/31 03:14 ID:Po5ggvXm
「はぁ、ほんとやってらんないわよ。」
カオリにしては珍しくちょっと、いや、結構怒ってた。
だってとくばんのオンエア、あんなん無いっしょ!?カオリほとんど出番無いよ?
5期メンを売り出したいっていう事務所側のキモチも分かるけど、
面白い事言えなかったカオリも悪いけど、そんなの知らないよ、怒るよ、カオリ。
でも、カオリはリーダーだから皆の前で不満は顔にも口にも出せない。
だから自分の部屋では自然と独り言が多くなる。
普段から独り言が多いって言われるカオリのことだから、
傍から見たら誰かと会話してるように見えちゃうんだろうなぁ。
「まあいいや、ジュースでも飲んで気分変えよ。」
また独り言、あーあ、カオリ本当に宇宙と交信しちゃいそうだよ。
すぐ傍にある飲み物専用に使ってる冷蔵庫をガチャリと開ける。
21 :
1.王様:02/12/31 03:14 ID:Po5ggvXm
「オレンヂヂュースにします?りんごジュースにします?
のの的には…、いや王様的にはオレンヂヂュースがお奨めですよ?」
あー、カオリ大変だカオリ。ついに、本当に、宇宙と交信しちゃってるよ?
だって冷蔵庫を開けたら小さい、本当に小さい緑の色のののちゃんが居て、カオリに話し掛けてるんだもん。
でももしかしたら夢かも知れないから、試しにカオリのほっぺたをつねってみる。
痛い。
じゃあこれは夢じゃないのかー。あはは、カオリ納得。
「どうした?のの。冷蔵庫の中に居たら寒いでしょ?こっち、出てきなよ。」
とりあえずののちゃんが寒かったらいけないから冷蔵庫から出してあげるカオリ。
ああカオリって優しいなあ。なんて優しいんだろう。それはまるで聖母マリア様のように……
なんて、カオリがナルチシズムに浸っていると、ののちゃんが言うんだ。
22 :
1.王様:02/12/31 03:16 ID:Po5ggvXm
「ののじゃないです!ののは…、いや、王様は、王様なんです!」
え?ののじゃないの?なーんだ。カオリが落ち込んでるからののが慰めに来てくれたのかと思ったのに、
ののじゃないんだ。ふーん、だ。
そのままカオリがちょっとふて腐れてると、冷蔵庫から出て食卓の上に居る王様は、
なんだか怯えているけどちょっと暖かい目でカオリを見ながらこんなことを言うの、
「あの…?飯田さん?王様、悪いことしましたか…?」
カオリはハッとして、王様を見る。王様はちょっと怯えた仕草。
そんな王様を見てカオリはにこりと笑顔を作って言ってあげた。
「ううん、王様は悪くないよ。カオリが悪いんだ。」
23 :
1.王様:02/12/31 03:17 ID:Po5ggvXm
カオリの笑顔で王様は安心したみたい、まるでののちゃんみたいな笑顔を見せてくれる。
ののちゃんみたいな気の弱いその王様は、本当にとっても小さくて、輝くケープをまとって、
「私は誰も愛しはしない 途方にくれる だけさ」
と、妙に真面目ぶった顔をして言った。
なんだかカオリは心がふわりふわりと軽くなって、今度は自然にふわりと笑ったんだ。
そんなカオリを見て王様も自然にふわりと笑ってくれたんだ。カオリはそんな気がする。
「ところで飯田さん。お腹すきました。」
ところで王様。あんた本当にののちゃんじゃないの?
カオリはどうしても王様がののちゃんなような気がしたんだけど、
王様が違うって言うんだからしょうがない。カレーうどんを作ってあげた。
24 :
1.王様:02/12/31 03:17 ID:Po5ggvXm
「雲と人との行く果てを 食事のお礼に そうだお前に見せてやろう」
王様はカオリが作ってあげたカレーうどんを嬉しそうに食べた後、
また妙に真面目ぶって、かしこまって、そんなことを言った。
カオリは小さな頃から、
「この白い、くじらの形をした雲はどんな形になって、どこに行くんだろう。」
とか、真剣に考えてた子だったから、見せてくれるなら見てみたいなあ。
と思って、王様の顔をじっと見つめていたんだけど、
王様はおびえた顔をして冷蔵庫の中に戻っていっちゃった。
そんなにカオリの顔怖かった?
「ねぇ、笑って?」
25 :
1.王様:02/12/31 03:18 ID:Po5ggvXm
誰もいなくなった食卓の上にまた独り言。
なんだか王様のことを思い出していると、カオリまで臆病になってしまいそう。
その日は、まるで小さい子のようにトイレに行くのも怖かったから、
お風呂にも入らずにベッドに入ることにした。
もちろんベッドに入っても眠れるわけがなくって、結局眠ったのは夜が明けた頃。
「途方に暮れちゃったのはカオリの方だね。」
また誰に言うでもなく独り言。カオリ、最近ほんとに独り言が増えたなぁ。
とりあえずここまでです。
もしこの小説を見つけて読まれた人が居たら、
感想、批判、戯言、なんか書いてちょうだいな。
お待ちしておりますですよ。
27 :
いわ。:02/12/31 15:52 ID:MkvSEipK
原作は知らねどもメルヘンチックなのとかファンタジックな話
好きなので期待します。
がんがってくらさい。
>>27 レスありがとうございます。がんがります。
その日以来、カオリの部屋の冷蔵庫の中に、緑の色の王様がいる。
カオリがまたあの日みたいに腹を立てて、ジュースを飲んで気分を変えようとして、
冷蔵庫のドアを開けると、緑の色の王様がいる。
それはもうカオリにとってすごく普通なことになっていて、
王様をののちゃんのようだと感じない日もあった。
よくよく考えてみると、王様は、カオリの気分によってなっちみたいでもあったし、
ヤグチや圭ちゃんみたいな時もあった気がする。気がするだけだけどね。
そんなことを考え出すと、緑の色の王様は娘。のメンバーの誰みたいでも無かった気がしてくる。
ああ、なんでカオリの脳みそはこんななんだろう、
定かでない。
絶対なんて言い切れない。
そんな考えだけでカオリの脳みそは形作られてる気さえしてくる。
一度その疑いに疑いを重ねる思考の深みにはまると、なかなか現実の世界に戻って来れなくなる。
それを他人が見ると「交信してる。」とかなんとか言って笑うんだけど、
カオリにとっては笑い事じゃないんだよ。
それがたとえ、
「今日の仕出し弁当はなんでまずいんだろう。」
とかいう、辻加護でさえ鼻で笑うような問題だって、
カオリにとっては「人生とはなんだ?」って問題と同じことだもん。
もし、仕出し弁当が美味しかったら、
そのお店は一気に有名になって、儲かって、みんなニコニコかもしれない。
でも、もし、仕出し弁当が美味しかったら、
辻加護は、おかずを勝手に「取った。」「取らへん。」って喧嘩してるかもしれない。
それはつまり人生の1ページ。どんなくだらないように思えることだって、
もしかしたら大切なことに繋がってるかもしれないじゃない。
だからカオリはどんなことを考えるにしても思考の深みにはまってしまう。
そういえば、緑の色の王様、今日はどんな風に見えるんだろう……。
なんてことを考え出した時、心配そうな顔をしたヤグチに肩を叩かれた。
そうか、そういえばここは楽屋で、今はミニモニ。の撮りが終わるのを待ってたんだった。
ののちゃんと話したいことがあったんだった。
「ごめんごめん、ちょっとぼーっとしてた。で、どしたの?」
ヤグチと目を合わせないようにしながら早口で言う。
あれ?カオリ、なんでヤグチと目を合わせるのがこんなに怖いんだろう?
「どしたの?じゃないよ!カオリ、本当に大丈夫?なんか悩みがあるんだったら、
一人で抱え込まずにヤグチに話して。」
「一人で抱え込まずに」という言葉と、本気で心配そうなヤグチの声に、カオリはなんだか怖くなった。
たぶん怯えた目をしてるカオリは、びくびくしながらヤグチと目を合わせた。
すごく怖いけどここでヤグチから逃げると、なんだかいけない気がして、必死に言葉を紡いだ。
「大丈夫よ!大丈夫大丈夫。うん。ごっちんだって大丈夫きっと大丈夫♪って歌ってるじゃん?あはは。」
すごく心の篭ってない言葉。ごっちんの歌真似をして、ふざけておどけてみせるけど、
今、カオリはきっと目が泳いでる。怖い。なんでだろう?怖い。怖くてたまらない。
ヤグチはカオリの目をしばらくじっと見て、諦めたみたいに言った。
「分かった。でもカオリ、とりあえずちゃんと寝なよ。」
カオリはその言葉でふと鏡を見た。目の下にでっかい隈が出来ていた。
メイクとかしてる時に気付きそうなもんだけど、カオリ、気付かなかったんだ。
こんなんでメンバーに心配をかけている自分がとても情けなくて、臆病な気がして、
結局、ののちゃんと話すことも忘れてその日は家に帰った。
「はぁ、ほんと、どうしちゃったんだろ。」
家に帰って、鏡の中の自分に向かって問い掛けてみる。
緑の色の王様が、今日は冷蔵庫の中じゃなくて、カオリの見ている鏡の前に居た。
王様はいつも臆病だけど、今日は更に臆病に磨きがかかってるように見えた。
王様はふるえていながら、
「私は何も怖くは無いサ 死ぬ日の分かる だけだ」
と言った。
カオリは少し笑う。だって緑の色の王様が強がっているから。
死ぬ日が分かっていれば怖いさ。そんなの当たり前じゃない。
でも、そんなもんじゃない。緑の色の王様はそんなことを言いたいんじゃない。
だって、緑の色の王様は、カオリの臆病な心だから。
緑の色の王様の言いたいことは良く分かる。
王様がカオリの前に現れた意味も分かる。
そして、王様がもう少しでいなくなってしまう事も分かる。
でも、カオリはまだまだ子供だから、王様をもうちょっと引きとめることにしよう。
臆病で他人との付き合いを怖がるような自分ともう少し付き合おう。
今日の王様は、ののちゃんと、ヤグチ。カオリの心の動きによって王様はこの二人に変化する。
「さあ、王様、今日は何食べる?」
「8段アイス!」「焼肉!」
カオリはふわりと笑って8段アイスを買いに走り、その後、焼肉屋へ行った。
太っちゃうな。なんて思ったけど、しょうがない、カオリはまだまだ子供だから、
もうしばらくは緑の色の王様に甘えてしまおう。
ののちゃんみたいな王様は、8段アイスを嬉しそうにおいしそうに食べて、
ヤグチみたいな王様は、焼肉をあちち、うめぇ〜、とほおばった。
カオリはそんな王様の様子を見て、ふわりふわりと笑った。
王様もそんなカオリを見てふわりふわりと笑った。カオリはそんな気がする。
「雲と人との 行く果てを 食事のお礼に そうだお前に見せてやろう」
また真面目ぶった顔になって、王様はカオリにそう言う。
雲と人との行く果ても気になるし、それを考えることもカオリにとっては大切だと思うけど、
今は、今を生きるもの。それが一番大切。そんな風に思う。
今日はぐっすり寝れそうだ。
でも、
「なんでののちゃんはファッションは大人を目指してるのに子供ぱんつなんだろう?」
考え出すと深みにはまる……。
更新終了。
それにしても短い話だなぁと気付くも、もう遅く、
あと一回更新すればこのお話も終わりでございます。
読んだ方はレスよろしくでございます。
36 :
27:03/01/01 04:01 ID:mDsRXIqL
お、もう更新されてる、早いですねぇ。乙です。
次で終わっちゃうのは短!とも思いますが、なかなか考えさせられますね。
そういえばGS美神という漫画の小説版にも大槻ケンヂの歌が出てきます。
歌の歌詞が小説のネタになるのはありそうなのに
俺の周りではこことその小説でしかないので、
大槻ケンヂの歌はなかなか考えさせるものなのかなぁと思います。
こういう風に人に(良い意味で)影響を与えられるって、イイなぁと思います。
なんて書いてたら
>>34みたいに「考え出すと深みにはまる」なのでこの辺で。
>>36 続けて読んでくだすってありがとうございます。
大槻ケンジ、なかなかステキな詩がたくさんあります。
古本屋とかで詩集を買ってみることをオススメしてみたり。
それではこのお話の最後の更新。
カオリはその日夢を見た。久し振りに甘くとろけるような夢。
だけどちょっぴり涙が出そうになる夢。
緑の色の王様がカオリの前から居なくなっちゃう夢。
王様はカオリの前からいなくなる時に、
ちっちゃな指輪をカオリにくれた。
その指輪はほんとうに小さくて、でも暖かくって、カオリは涙が出そうになる。
カオリは本当はもっと王様を引き止めておきたかったんだけど、
いつまでも子供じゃいられない。いつまでも娘。のメンバーに心配かけてちゃいけない。
そう思って、カオリはその指輪を王様の手から受け取った。
「私は誰も愛しはしない けれどもお前は 何故だか好きだ」
王様はカオリみたいな気張った笑顔を作って、カオリに笑いかけて言った。
そんな王様を見てカオリは自然と笑ってしまう。カオリもなぜだか王様のことが好きだ。
王様がカオリの中にある臆病な心だって分かってるのに、憎めない。いや、むしろ寂しい気がする。
だから、王様に気張った笑顔は捨ててもらいたくて、カオリからも贈り物。
「雲と人との行く果ては、あの空の上、天国かもしれない。この地の果て、地獄かもしれない。
もしかしたらそんなことは全然無くて、カオリの手の中にあるのかもしれない。
でも、それならそれで何ら問題は無いとカオリは思うの。
だってカオリは今を生きてるんだから。今を生きなきゃいけないんだから。」
王様はふわりした笑顔を見せてくれた。
こればっかりはカオリの思い違いなんてことは無い。
だって、カオリがそう感じるんだもん。
カオリの感じた事は一つの事実で、それを疑う必要なんて無いもの。
そして王様からカオリに最後の贈り物。
「雲と人との 行く果てを 最後のお礼に そうだお前に見せてやろう」
雲と人との行く果ては
クレーター クレーター 月まで行くさ
クレーター クレーター 月まで 行くのさ
カオリはまだまだ子供だけど、これでも少しは大人になって、
リーダーの責任なんてものも分かるようになって来た。
でも、責任を感じるあまり、カオリは娘。のメンバーに、
リーダーとしてどうやって接していけばいいか分かんなくて、臆病になっちゃってたんだ。
そこに、昨日のヤグチの「一人で抱え込まないで」って言葉と王様というカオリの心の存在。
カオリは随分色んな人、ううん、自分にまで負担をかけちゃってたんだなぁって、
それがカオリは分かったから王様は役目を終えちゃったってわけ。
有名な人の言葉で言うと、「無知の知」って奴、それをカオリは知ったんだと思う。
もしそれに気付かなかったら、カオリは、いや、娘。もバラバラになってたかもしれない。
カオリのせいで。
だから、王様には本当に感謝するっきゃない。もちろんヤグチにも、他のメンバーにも。
今日、楽屋に行ったらみんなにありがとう、って言わなきゃ。
みんなまた変なの、って笑うだろうけど、カオリのまずするべきことはそれしかない。
よし、今日も張り切って行くぞ!
そして、カオリは目が覚めた。
カーテンの空いたすき間から光が差し込んでいて、朝になったんだと分かる。
こんなにすがすがしく起きれたのは久し振りだなぁ。なんて思いながら、
ベットから立って窓際まで行き、カーテンを思いっきり開ける。
朝日がまぶしい、一瞬目がくらむ。そしてカオリに何かを思い出させる。
握っていた右手を開くと、ちっちゃな指輪が。
カオリはまたふわりと笑って、ふと壁にかかっている時計を見る。10時。
「あーーーー!!」
すごく大きな独り言。自分でも耳がキンキンする、でも言わずにはいられない。
だって、今日の仕事は9時入りだもん。1時間の遅刻。
カオリは慌てて服を着替えて、髪をセットして、化粧をして、準備をする。
っていうか、メンバーの誰かでもマネージャーさんでも電話入れてよー、
なんてちょっと他人に責任なすりつけながら携帯を見ると、
12通のメールと一つの着信。高橋・紺野
一つの着信はもちろんマネージャーさんから。留守電に、怒ったマネージャーさんの声が入ってる。
あちゃ〜、やっちゃった怖いよぉマネージャーさん。
そして、11通のメールはメンバーからだった。
時間は無いんだけど一通ずつ丁寧に読む。
ちょっと間違えた。
>>41は脳内あぼーんしてください。
「あーーーー!!」
すごく大きな独り言。自分でも耳がキンキンする、でも言わずにはいられない。
だって、今日の仕事は9時入りだもん。1時間の遅刻。
カオリは慌てて服を着替えて、髪をセットして、化粧をして、準備をする。
っていうか、メンバーの誰かでもマネージャーさんでも電話入れてよー、
なんてちょっと他人に責任なすりつけながら携帯を見ると、
12通のメールと一つの着信。
一つの着信はもちろんマネージャーさんから。留守電に、怒ったマネージャーさんの声が入ってる。
あちゃ〜、やっちゃった怖いよぉマネージャーさん。
そして、11通のメールはメンバーからだった。
時間は無いんだけど一通ずつ丁寧に読む。
「カオリどしたの?調子悪いんだったら無理しないで休んじゃいな。
マネージャーが許さなくっても道産子娘、なっちが許す(笑)
それから、困ったことがあるんならなっちに言うんだよ? なっち」
ふふっ、なっちらしいなぁ。
「ちょっとちょっと最近カオリ元気無かったと思ったら、無断欠勤?
ダメよそれじゃあ。プロでしょ?一緒に頑張ろうよ。
悩みがあるんだったらこのケメコが相談に乗るよ、
とにかくみんな連絡待ってるから、早くマネージャーさんに連絡してね。 ケメコ」
やっぱり圭ちゃんは厳しいなぁ。でもそんなとこが頼りになるし、ほんとは優しいんだよね。
「あはは、カオリもしかして昨日ヤグチが、しっかり寝なよ、って言ったのを利用して、
ぐっすり寝てやがるな?ずるいずるーい。まあ、マネージャーさんの怒りはこのマリー様と、
ケメコとなっちで静めといてやるから、目が覚めたら安心して出てきなよ! ヤグチ」
ほんと色々気が利く子だよ、ヤグチ。ありがとう。
カオリの目から思わず涙がこぼれる。
「飯田さん、かっけー!なんか無断欠勤って不良っぽいっす!かっけーっす!
吉澤も今度飯田さん見習ってやってみるっす!なんかマネージャーが近づいてきたんで、
このメール見られたらヤバイんでもう送ります。 吉澤」
よっすぃー……、やりかねないから怖いのよね。
「ごめんなさい飯田さん。最近飯田さんが元気なかったのって、石川が飯田さんに、
「ねえ、梨華ちゃんってさ、するの?」って訊かれた時に、「しないよ♪」って、
答えなかったからですよね?そうなんですよね?ほんとうにごめんなさい。
今度から本当のことは本当だと言える人間になります。
だから飯田さん、こんな石川のこと嫌いならないでくださいね。 石川」
石川、あんたのそういうところ含めて好きよ。
「ののは飯田さんがいないと寂しいんです。飯田さん早く来てください。 のの」
ののちゃんの甘えんぼうさん。
「すいません飯田さん。加護がいっつも飯田さんのこと交信してる交信してるって言ってたから、
最近元気無かったんですよね?ほんますいません。ごめんなさい。今度からそんなこと言いませんから、
ウチのこと冗談でも「はげぼん」って呼ぶのは辞めてください。 加護」
だって加護ってハゲて……、いや、今はそんな時じゃないもんね。
「飯田さん、いやカオリって呼ぶね。カオリもリサのことリサって呼んでくれても良いのよ?
UFAなんてリサのパパに頼めばいくらでも動かせるんだから、
辛かったらいつでもリサに言いなさいよ。これはカオリだから言ってあげてるのよ。
だってリサ、カオリのこと好きだもん。 新垣」
カオリって呼ぶのはまだ早い。会ったらとりあえず叱っておかなくっちゃ。
「元気があればなんでも出来る。1、2、3、ダー!!飯田さーん、元気だしてくださーい!? 小川」
ダー!
「なんかマネージャーさんがピリピリして怖いです。飯田さん、早く来てください。 高橋」
きっとあの吃驚顔がすんごく情けない顔になってるんだろうなぁ。
「どういう経緯なのか知らないけど、みんなが飯田さんにメール書いてたので私も書いてます。
飯田さん、最近目の下の隈がすごかったですけど、あの隈はあれですか?
夜な夜な、シャケを食べながら、これが本当の「くま(熊)だ」みたいな?
ぷぷっ、斬新です。紺野笑っちゃいました。完璧だと思います。それではこのぐらいで。 紺野」
紺野、間違ってるぞ。
11通のメールを読み終えて、カオリは目を潤ませながらふわりと笑った。
5期メンや、辻加護吉澤石川も、各々が自分なりにカオリのことを見てるんだと分かって、
ただただ嬉しくなった。
そして、最後の12通目の無題のメール。誰からなのかは薄々気付いているけれど、
「私は 誰も愛しはしない けれどもお前は 何故だか好きだ 王様」
みんなみんなありがとう。カオリはそう思って、この思いが届くように強く念じる。
クレーター クレーター 月まで行くさ
クレーター クレーター 月まで 行くのさ
−了−
終わりでございます。ありがとうございました。そして今更あけおめ。
また、ネタがあったら書こうと思っております。それでは。
49 :
名無しさん:03/01/03 00:43 ID:CrAxuxMi
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\
Λ_Λ | 君さぁ こんなスレッド立てるから |
( ´∀`)< 厨房って言われちゃうんだよ |
( ΛΛ つ >―――――――――――――――――――‐<
( ゚Д゚) < おまえのことを必要としてる奴なんて |
/つつ | いないんだからさっさと回線切って首吊れ |
\____________________/
(-_-) ハヤクシンデネ… (-_-) ハヤクシンデネ… (-_-) ハヤクシンデネ…
(∩∩) (∩∩) (∩∩)
(-_-) ハヤクシンデネ… (-_-) ハヤクシンデネ… (-_-) ハヤクシンデネ…
(∩∩) (∩∩) (∩∩)
(-_-) ハヤクシンデネ… (-_-) ハヤクシンデネ… (-_-) ハヤクシンデネ…
(∩∩) (∩∩) (∩∩)
50 :
27=36:03/01/03 21:39 ID:wLFQpfCh
乙です。
2chっぽいメンバのメールにヮロタ。
んでは落ちる前に少しでも多くの人に見てもらえることを願ってます。
作者さん、また機会があれば。
>>50 メールのとこは書くのにかなり困ってあんな風になってしまいました。
笑ってもらえたなら、良かったなぁといったところでございます。
また次の話の構想が出来上がって、このスレがまだ残ってたら、
書かせてもらおうかな、と思っております。
最後まで読んでくれてありがとう。
作者のために保全しようではないか
53 :
50:03/01/06 21:46 ID:oKeCQNw9
うぉっと、ヤパーリROMってる人いたのね。
漏れしかおらんかったら…とオモテ迷ってたのよ。
54 :
山崎渉:03/01/10 04:43 ID:pIJVPYa4
(^^)
55 :
山崎渉:03/01/10 17:03 ID:pIJVPYa4
(^^)
56 :
:03/01/10 17:38 ID:WfIGE3Yj
保全しとくよ。
57 :
恋の話:03/01/11 01:48 ID:6X+1tINo
>>52-56 保全ありがとう。
少しネタが思い浮かんだので少しだけ書きました。
今回はありがちったらありがちなお話です。
奥田民生氏の歌詞をいくつかお借りして、
お話を進めて行きたいと思っております。
ごゆるりとお付き合いください。よろしくです。
58 :
1.手紙:03/01/11 01:49 ID:6X+1tINo
『朝顔のような、百合のような、菫のような、あなたのことを見てるだけで、
いいや、見なくても、ふとあなたのことを思うだけで、胸がしめつけられるんです。
まるで、淡い初恋の時の忘れられないトキメキが、甘く懐かしく思い出されるようで、
でも、今の想いと昔の淡い初恋をダブらせてるわけじゃないんです。
それだけ、あなたが魅力的ってことで、
何度もした恋のはずなのに、何度も泣いた恋のはずなのに、
この押さえきれないトキメキは、もしかしたら初恋なのかも知れないんです。
本当の意味で、初恋なのかも知れないんです。
私と一緒に初恋のお付き合い、してくださいませんか?』
59 :
1.手紙:03/01/11 01:50 ID:6X+1tINo
彼女の魅力にクラクラ君のうちは、暇さえあればこないな手紙を何度も何度も書く。
同じような中身の手紙を何度も何度も書いては、うちの心にしまっておく。
それならなんで手紙なんて書くんや?
なんて思うたりするけど、それはうちのとめどなく溢れる気持ちを何か形にしたいからで、
うちが彼女の魅力にクラクラなのを何か形にしたいからで、自己満足でしかあらへん。
それなのにまだまだ手紙を書く、
『あなたと私が、もしも一つになれたなら、若草色をした立派な家建てましょうね。
キンキラキンに光ってる、あの星に願いを掛けて、雲の布団で眠るから、
あなたにどうしても振り向いて欲しいんです。
こんな恋したの初めてだから。』
彼女の魅力にクラクラ君なうちは、暇さえあればこないな手紙を書いてんねん。
60 :
1.手紙:03/01/11 01:52 ID:6X+1tINo
うちが若い頃には、本当の恋なんて知らんとたくさん手紙を書いた。
たくさん失恋らしきものもした。たくさん泣いた。
でも、それってほんまに恋してたって言うんか?
あの子の魅力にクラクラになり始めた頃から、
うちは恋についてまるで思春期の女の子のように考えるようになってしもた。
三十路を間近にして、こないなことを考えるようになってしもうたのや。
昔、まだ若かったうちは、恋という名のアクセサリー、恋という名のプライドを、
ただうちの周りの友達に流されて、身に付けようと必死んなって、身に付けれへんと泣いた。
その涙は失恋の涙なんかやなくって、物を無くした時の悔し涙やった。
自分のためだけに流したとても自分勝手な涙やった。
なんて恋してたんやろう。それって恋してたんやろうか?
そう考え始めて、ふと不安になりよった。
うちが今書いとるこの手紙も自分勝手なものであって、
彼女に何か与えることができるわけではあらへんのやから。
本当の初恋をしたとなんぼうち自身が言ってみたって、
それはただの自己満足なんやから。
61 :
1.手紙:03/01/11 01:53 ID:6X+1tINo
「うちはまた恋という名のアクセサリーを求めているんやろか?」
口に出して言うと恥ずかしくなって、周りに誰かおったらどうしようと思って、辺りを見回す。
せやけど、こういう時に限って居てほしくない人が、実はいるもので、
「おーい!裕子!何ぶつぶつ言ってんだ!?遂にボケたか!?」
なんて結構きついジョークを飛ばしながらうちに突っ込んでくる矢口が視界全体におった。
うちが「こ、これはまずいんとちゃうか?」と思った次の瞬間、
矢口が突っ込んできた衝撃でうちと矢口は二人とも、うちの座っとったソファーに倒れとった。
「あいたたたた。」
「ごめ〜ん、裕ちゃん。冗談のつもりがなんか思わぬ勢いがついちゃってさ、ごめんね?」
口ではすまなさそうなことを言うとるが、矢口の目は明らかに笑っとる。
一発しばき倒してやろうか。なんて思いながらも、うちは今の状況を思い出して、
急いで身体を起こし、机の上に置いてあるさっき書いた手紙を片付けようと手を伸ばす。
「ん〜?これなんだ〜?」
速い。まさに電光石火とはこのことか、とうちは思った。
だてにミニモニ。やってへんな、とも思った。
せやけど今はそないなことはどうでもええねん。
問題は、うちの想いが綴られた手紙が矢口の手の中にあるっちゅうこと。
手紙を矢口に取られて内心焦るうちを尻目に、矢口は手紙を読み出す。
62 :
1.手紙:03/01/11 01:54 ID:6X+1tINo
「朝顔のような、百合のような、菫のような、あなたのことを見てるだけで・・・、
って何これー?ラブレター?」
後悔先に立たず。なんぼ暇があれば手紙を書く言うたって、
わざわざテレビ局での待ち時間でまで書くんやなかった。
しかもこないなどなたはんでも通るロビーのソファーで。
せやけどなんぼ悔やんでも今更仕方があらへん、うちはもう開き直ることにした。
「そうや。きょうび、想いを込めた手紙なんて誰も書かんやろうけどなぁ。」
「へー、でもいいじゃん。ラブレターなんて、ロマンチックだよね。オイラは好きだよ。
で、これは誰からもらったのさ?裕ちゃんも隅に置けないね〜?」
む。これはチャンスや。矢口の奴この手紙が誰かからこの裕ちゃんへ渡されたもんやと思うとる。
チャンスや!ついでにうちの優しさもアピールや!
「ん?いや〜、これはファンの人から貰った手紙なんやけどな。
優しい裕ちゃんはや、こないに真剣な手紙には返事書かにゃいかんやろと思っ・・」
「マジ!?ヲタキショ!やめときなよ。こんなのに返事出すのは。
それじゃあヤグチはこれから娘。の収録だから、じゃあね!」
うちが話終わるのを待たんと、矢口はさっさと楽屋に戻っていってしもた。
「ラブレターなんて、ロマンチックだよね。オイラは好きだよ。」って言うたやないか矢口。
63 :
1.手紙:03/01/11 01:56 ID:6X+1tINo
うちはこの一件があって以来、暇があってもうちの想いを込めた手紙を書くことを辞めた。
やっぱりいくら自分だけのためとは言うても、自分の想いを形にしてしまうと、
ふとした弾みで相手を傷つけてしまいかねんからや。
別に、矢口に「キショ!」って言われるのが嫌なんやないからな。
矢口の気分を悪うしてしまうのが嫌なんや。
うちはふと気付いた。
「やっぱり、これが恋なんやな。」
また口に出して言うと恥ずかしくなって、自分の部屋にいるのに辺りを窺う。
タンスの上にある写真立ての中の矢口がこちらを見て微笑んでいるように見えた。
64 :
1.手紙:03/01/11 02:01 ID:6X+1tINo
更新終了。
このお話はあと3つのお話に分かれておりますので、
あと3回更新したら終わりかな。これまた短い。
それでも愛想を尽かさないで読んでくれると嬉しいです。
飯田といい中澤といい、漏れの想像してる性格とそっくりでつ。
恋か・・・・・・・してみてーなぁ…。
66 :
ごっちん:03/01/11 21:00 ID:SavaSIBN
後藤のソロアルバムに入るらしいよ。でもあのアルバムは、既発曲が多すぎで魅力に欠けてます。でも買うけど。
67 :
名無しさん:03/01/12 01:01 ID:BX1ijq6S
赤い日記帳は名曲だ
68 :
名無し:03/01/12 01:02 ID:+aPY3xhP
赤い日記帳のメンバーって誰もいないな もう・・・(後からの吉澤除いて)
69 :
恋の話:03/01/12 20:12 ID:hcYhY0WD
今読み直したら関西弁がえらく不自然ですな。
そこはおめめをつぶっておくんなさい。
>>65 感想ありがとう。自分と感覚が似てる人がいるってのは嬉しいもんです。
>>66 紅茶飲んでく。ごっちんのソロアルバムはどんなんなるかなぁ。
>>67 レファのパートのとこだけ嫌いですた。
>>68 じゃあ次の卒業は吉澤かねぇ。さみしいねぇ。
本日は更新予定ないです。次の更新は来週ぐらいかなと。
<Shall We Love?>のごっちんソロバージョンも入ってるらしいけど、ならなぜあややのには入らないのかな??
71 :
名無し:03/01/12 23:03 ID:avfDW4/p
哀愁漂う曲だよな
72 :
恋の話:03/01/16 22:19 ID:d2rhdndT
>>70 あややにはあの曲は合わんからでしょう。
>>71 そう?
なんだか更新しないと落ちてしまいそうなので更新いたします。
私が娘。に入りたての頃。裕ちゃんは相当恐かった印象がある。
彩っぺも恐かったけど、裕ちゃんはなんだか恐さのレベルが違った。
今思えばそれだけ私達に親身になって怒ってくれてたんだなと思うけど、
入った当初は圭ちゃんとサヤカと私でよく文句言ってたなぁ。
「なんだよあのオバさん。」って、懐かしいや。
けど、いつからか裕ちゃんは優しくなって、私は可愛がられるようになって、
「おい、裕子!」なんて下の名前で呼び捨てにしちゃっても裕ちゃんは笑いながら、
「なんや〜やぐち〜。」って私とじゃれ合うようになった。
私はそんな裕ちゃんが大好きで、裕ちゃんに甘えまくってた。
私がそうしてる間に、圭ちゃんはいつの間にかしっかりして、裕ちゃんに良く頼られるようになってたし、
サヤカも後藤が入ってから急に大人びて、いつのまにか自分の夢なんてものもしっかり持っていて、
自分の夢に向かうために、娘。を卒業した。
私はそんな二人がすごく羨ましかった。
裕ちゃんに一人前に思われてる二人が羨ましくてしょうがなかった。
私だけ、私だけ昔から何も変わってない。
外面的には「よく喋るようになった。」とか「ギャルっぽくなった。」だとか言われるけど、
それはただ私が圭ちゃんやサヤカの変わり様に焦って無理矢理取り繕ったものだから、
私の本当の姿なんかじゃない。
ある日、私って娘。にいて何がしたいんだろう、なんて物思いながら、
ちょっと早目に娘。の楽屋に入ると、裕ちゃんが今までに見たことが無いくらい真剣な顔で、
何か書いてるのを見つけた。
「裕ちゃ〜ん、おはよ〜、何してんの?」
思わず気になって声を掛けたんだけど、
「な、なんや矢口!おるんならおるって言えや!アホか!」
真っ赤な顔して私に怒鳴る、普段ではありえないような裕ちゃんを見て、
私のおせっかいな性格が黙ってるはずがない。
けど、
「ああ、ごめんごめん。」
それだけ言って大人しく席につくことにした。
裕ちゃんも私の反応が予想と違ったのか、とりあえずさっき書いていた何かを、
大事そうにカバンにしまったあと、私のところへ来て私に抱きついてくる。
私はわざと裕ちゃんが抱きついてくるのを嫌がるフリをした。
「なんや〜やぐち〜、今日は冷たいな〜、裕ちゃん悲しくって泣いてしまうで〜。」
まだ冗談っぽくそういう余裕があったので私はさらに裕ちゃんを嫌がるフリをした。
それでもまだニタニタしながら執拗に抱きついてくるので、ちょっと力を込めて手をはらいのけてみる。
「やぐちぃ〜、そんなにうちのことが嫌いなんか〜?さっき怒鳴ったのは悪かった。
謝るから、お願いやから冷たくせんといてや〜。」
裕ちゃんが本気で泣きそうな頼りなげな顔をして言う。
私はそれが可笑しくて、こらえていた笑いを押さえきれずに顔に笑みを浮かべてしまう。
「ああ!なんやその顔は!矢口!この裕ちゃんをはめよったな!こうしてやる〜。」
「あははは!やめてよ裕ちゃん、くすぐったいって!いや、マジで!マジで!」
私の笑った顔を見て、裕ちゃんと私はいつものように他のメンバーが来ようとも気にせずじゃれ合う。
後から来たメンバーもいつものように私達に「二人とも今日もアツアツだねぇ〜。」なんて声を掛けながら、
仲のいいメンバーと話しをしたり、化粧をしたり、仮眠をとったり、
「裕ちゃんってさ、ほんとに矢口に甘いのよね。」
なんて圭ちゃんが文句を言ってたり、
「やぐちぃ、うちめっちゃやぐちのことすっきやねん!」
「オイラも裕ちゃんのこと大好きなんだよ!」
加護と辻なんかはうちらの真似して抱きついてたり、
石川は吉澤に何か一生懸命話してるけど、吉澤はだるそうに聞き流してたり、
娘。の楽屋には個性が溢れていた。
私は裕ちゃんとじゃれ合いながら、楽屋の雰囲気を感じながら、
今日来るまで物思ってたことに対する答えが少し見つかった気がした。
「ちょっとトイレ行ってくるわ。」
しばらくじゃれ合った後、裕ちゃんはそう言って楽屋を出ようとする。
そして、楽屋を出るところで石川に「するの?」って訊かれて、
嬉しそうに「するよ♪」って言っていた。
最近、便秘だ便秘だって言ってたからよっぽど嬉しいんだね。
祐ちゃんがトイレに行っている間に私は行動を起こした。
裕ちゃんのカバンをそっと開けて、朝、私が声を掛けたとき、
裕ちゃんが今までみたことないぐらい真剣な顔で書いてた物を取り出す。
それはどうやら手紙だったみたいで、そっと開いて読んでみた。
『私はあなたに恋をした。』なんだこれ?裕ちゃんラブレターでも書いてたの?
今更ラブレターなんて裕ちゃんらしいじゃん。
なんて思いながら、読み進めて行く。
それにしてこれは誰宛てのラブレターなんだろう?
もしかしてオイラ?朝の反応からするとオイラに向けてのラブレターだと考えても勘違いじゃないよね〜。
もうまったく裕ちゃんってばかわいいんだ・か・ら(はぁと
少し冗談っぽくそんなことを考えながら、またずっと読み進めて行く。
裕ちゃんがおそらく心を込めて書いたであろうその手紙からは、
ひしひしと裕ちゃんの想いが伝わってきた。
誰宛とは書いてないんだけど、これはなんだか私に向けて書かれた物であるような気がして、
ずいぶんと身勝手だけど1人で安心した。今朝の悩みも吹き飛んだ気がした。
全てを読み終えて、『私もあなたに恋をした。』とその手紙の端に書き加えて、
元のように裕ちゃんのカバンに、その二人の想いがこもったラブレターを返しておいた。
それは素敵ないたずら。ドキドキしちゃういたずら。
裕ちゃん気付くかな〜?
ドキドキソワソワしながら、すっかり熟睡している後藤のほっぺをツンツン突付いてみたり、
石川と吉澤が喧嘩し始めたのに茶々入れてたりしていると、裕ちゃんがすっきりしたって顔で戻ってきた。
石川がまた入り口で「したの?」って聞いてたけど、今度は裕ちゃんにしばかれていた。
「まったく、人様のおトイレ情報を訊いて何になるって言うんや。」
どうやら本当にすっきりしたみたいで、えらく調子がいい。
いくら久し振りにお通じがあったからって、人間ってここまで変わるものなのか、
ってぐらいいつもより饒舌に、情熱的に話をしつづける。
最初はドキドキしていた私だけど、裕ちゃんのペースにいつしか完全に取り込まれて、
その日の仕事が終わる頃には、素敵ないたずらのことなんてすっかり忘れてしまっていた。
そして、また悶々とした想いを抱きながら仕事をこなす日々。
いつの間にか、裕ちゃんは娘。を卒業することが決まっていた。
私はただ泣いた。
裕ちゃんは涙や、まだ娘。に居たいという素振りも私達の前では見せなかったけど、
私と二人っきりになるような時は、まだ娘。に居たいという顔をしていた気がする。
でも、裕ちゃんは卒業した。
私はますます悶々とした気分で、娘。を続けていくことになったけど、
表向きの私はいつもうるさいぐらい元気で、明るく振舞っていた。
時々、芸能界というものに、猛烈な虚無感を感じたりしながら、
それでも私が表向きの私を保っていられたのは、
あの素敵ないたずらをしたおかげだったと思うけど、
それ以上に裕ちゃんの存在というものがあった。
それを意識したのは、裕ちゃんが卒業して、
私がすごく悶々とした日々に慣れ始めていた時、
ロビーでいつか見たような裕ちゃんの真剣な顔を見た時だった。
私がそんな裕ちゃんをじっと見てると、ふいに裕ちゃんは何かボソボソッと独り言を言った後、
恥ずかしそうに周りを見回した。
「おーい!裕子!何ぶつぶつ言ってんだ!?遂にボケたか!?」
私は無意識にそんなことを言いながら裕ちゃんに突進していた。
そして私が裕ちゃんにぶつかった衝撃で二人ともそのソファーに倒れる。
その時、私はまた無意識の内に机の上の裕ちゃんが書いていたとおぼしき手紙を確認した。
内心やっぱりな。と思いつつも、
裕ちゃんにそのことを感づかれないように、いつものはじけた矢口ちゃんを演出する。
「あいたたたた。」
「ごめ〜ん、裕ちゃん。冗談のつもりがなんか思わぬ勢いがついちゃってさ、ごめんね?」
このときの微妙な目の表情が肝心で、もちろん意識する。
目は口ほどにものを言うってのはこの世界に入ってから知った。
そしてこれまた予想通り、裕ちゃんは慌てた素振りで机の上の手紙を取ろうとする。
「ん〜?これなんだ〜?」
裕ちゃんの手がその手紙に届く前に、私はすばやくその手紙を先に手にとる。
裕ちゃんの字だ。久し振りに見た裕ちゃんの字。
裕ちゃんがまだ娘。に居た時のある日に見た、素敵ないたずらを施したラブレターの字。
「朝顔のような、百合のような、菫のような、あなたのことを見てるだけで・・・、
って何これー?ラブレター?」
いつもより大げさにわざとらしく、矢口真里を演じる。
裕ちゃんがあの素敵ないたずらに気付いていてくれれば、
「知ってるくせに。」とでも苦笑いしながら言ってくれるんじゃないかと、
またドキドキしながら期待した。
久し振りのこのトキメキ。悶々とした気持ちなんかどっかへ行ってしまった。
「そうや。きょうび、想いを込めた手紙なんて誰も書かんやろうけどなぁ。」
恥ずかしがってるのか知らないけど、裕ちゃんがはっきりと言わないから、
「へー、でもいいじゃん。ラブレターなんて、ロマンチックだよね。オイラは好きだよ。
で、これは誰からもらったのさ?裕ちゃんも隅に置けないね〜?」
私は一発ジョークのつもりでこんなことを言ってみた。
もちろん、私の気持ちが変わってないこともさりげなく伝える。
「ん?いや〜、これはファンの人から貰った手紙なんやけどな。
優しい裕ちゃんはや、こないに真剣な手紙には返事書かにゃいかんやろと思っ・・」
私は失望した。また悶々とした気持ちが頭をもたげてくるのを感じた。
私が素敵ないたずらだと思っていたものは、ただのくだらないいたずらでしかなくなった。
「マジ!?ヲタキショ!やめときなよ。こんなのに返事出すのは。
それじゃあヤグチはこれから娘。の収録だから、じゃあね!」
言ってから心が痛んだ。
だけど負けん気だけは強い私は、そのまま楽屋へ戻って、
「あれぇ?矢口さん、ジュース買いに行ったんじゃなかったんですかぁ?」
なんて辻加護に言われながら、
裕ちゃんの素直じゃないところと、私の素直じゃないところを嫌って、静かに泣いた。
私は、素直になりきれなくて、裕ちゃん自身より、素敵ないたずらに恋していた自分と、
私に素直になれなくてくだらない嘘で私を失望させた裕ちゃんを嫌って、静かに泣いたんだ。
83 :
恋の話:03/01/16 22:30 ID:d2rhdndT
更新終了。
予定してたのより話が長くなりそうな雰囲気ですので、
読まれた方は暖かい目で見守ってやってくださいね。
なんかいいですね。
85 :
恋の話:03/01/19 15:16 ID:xc0M1tMz
圧縮の予感がするので、自己保全。
>>84 レスありがとう。やる気が満ち満ちてくる、気がする。
86 :
恋の話:03/01/20 20:55 ID:p0xiZ4c7
まだ危ないらしいので保全。
87 :
恋の話:03/01/26 19:08 ID:SsQVI2W8
更新に10日も日が空いてしまった。恥ずべきことでありますね。
「あのね、昨日ね、帰りにすっごいかわいいピンク色の犬を見たんだよ〜。
でね、それがさ、捨て犬だったみたいだったから家に連れて帰ろうとしたの。
そしたら、その犬の飼い主さんに怒鳴られてねー。チャーミーとっても反省!」
「うんうん。そいつはとてもかわいいんだろうねぇ。」
傍から見たら、おそらくわたしはだるそうに梨華ちゃんと接してるように見えるんだろう。
現にさっきも矢口さんが「石川の気持ちも察してやれ」って顔でこっちを見てた気がするし。
でも、本当は別に梨華ちゃんの話が寒いからだるそうに接してるわけじゃなくって、
まあ実際梨華ちゃんの話は寒いんだけど、
梨華ちゃんの顔を真っ直ぐに見て、話をするのが恥ずかしいわけよ。
いわゆる照れ隠しって奴?
好きな子を思わずいじめたくなっちゃうあれよ。
昔は「梨華ちゃんかわいいなぁ」と思いつつも素直に接していれたんだけど、
最近むやみやたらに、梨華ちゃんを意識してしまう。
誰だって梨華ちゃんと出会えばシビレる。
誰だって梨華ちゃんと接していれば興奮するし、好きにだってなっちゃう。
そんな風に「こんな想いにかられてるのは自分だけじゃないんだ。」と思う事で、
無理矢理になんとか梨華ちゃんに対する気持ちの整理をつけようとするのだけど、
「やぐちぃ、うちめっちゃやぐちのことすっきやねん!」
「オイラも裕ちゃんのこと大好きなんだよ!」
辻加護の騒々しい中澤さんと矢口さんの真似によって、わたしのその思考は中断される。
ああ、うるせぇなぁ。とは思うものの、声には出して言えない。だって梨華ちゃんが近くにいるから。
そういうところじゃあ嫌われたくないんだよね、わたし。
嫌われたくなかったら素直に接すれば良いのに、ちょっと矛盾してる、と自分でも思うんだけど、
梨華ちゃんが好き。
っていう気持ちが私の行動の第一原動力であることは間違いない。
英語で言うところの「ぷらいまりーぱわー」ってもんだ。違うっけ?
そんなことを、梨華ちゃんが話し掛けてるのに、わたしが思ってるもんだから、
自然と梨華ちゃんの話に、私は適当な、本当に適当な相槌を打つ事になる。
今思うと梨華ちゃんは内心結構傷ついていたんじゃないかと思う。
梨華ちゃんはわたしを楽しませようと一生懸命話をしてくれてるのに、この態度、
わたしは本当に馬鹿だった。
ずっと話掛けてくれた梨華ちゃんもそんなわたしの態度が面白くなくなったのか、
楽屋を出ようとする中澤さんに、「するの?」と、声をかけてらっしゃった。
それに「するよ♪」と嬉しそうに答える中澤さん。
何言ってんだかこの人たちは。
梨華ちゃんがそのまま保田さんの方に行って、話し掛けてこなくなると、
わたしはただただ暇になったので、ぼんやりと楽屋全体を眺めてみる。
ガヤガヤと騒がしい、いつもの楽屋の風景。でもいつもよりちょっと控えめな気がする。
いつものガヤガヤとした騒がしさには辻加護の騒がしさの他に、
矢口さんのよく通る笑い声の要素があるのだけど、
今日はそれが無かった。
不思議に思って矢口さんを見てみる。
いつもは中澤さんがいなくてもはしゃぎまわってるのに、
なんだか今日は大人しく手紙みたいなものを読んでいる。
何があったんだろう。あの手紙は一体なんなんだろう。
ってなことを考えつつ、矢口さんのことをボーっと、ボーっと眺める。
「・・・すぃー。」
矢口さんってばよくよく見ると整った顔してるよなー。
でもちょっと化粧濃いよね。
「・・ぇ、よっ・・ってば。」
それでもかわいいよなー、惚れちゃうなー、普段のはしゃいでる矢口さんもいいけど、
こういう静かにしてる矢口さんもなかなかステキなもんがあるなー。
あ!今の髪をかきあげる仕草、たまんねー。
「ちょっとぉ!よっすぃー!」
いつの間にか梨華ちゃんはわたしの傍にいて、どうやらわたしに話し掛けていたらしい。
でも、わたしは矢口さんを見つめてポーっとしていたわけで、
これが何を意味するか、といえば、
「もぉ!よっすぃーのバカ!そんなに私が嫌いなの!?矢口さんがいいの!?」
こうなることを意味するわけだ。
そりゃまあ矢口さんに見とれてたことは否定しないし、
矢口さんかわいいなぁと思ってたことも事実だけど、
なんでそれがイコール梨華ちゃんの事を嫌い、に繋がるのか、
わたしにはいつも理解できない。
「そんなに私のこと嫌いならもう私もよっすぃーのこと嫌い!この男女!」
慣れてるとはいえ、こういう悪意からじゃない梨華ちゃんの罵声には、逆に腹が立つ。
「もぅ、よっすぃーのバカバカ!このホクロマン!」
流石にホクロマンはいただけないとわたしは思った。
「なんだよ!梨華ちゃんだって黒いじゃんか!ホクロが多くって何が悪い!」
言ってからしまったと思った。喧嘩の方向が変わってる。
このままじゃ互いの欠点をとにかく言い合う小学生以下の喧嘩だ。
どうにかそのことだけは謝ろうかな、なんて思いながら梨華ちゃんを見る。
梨華ちゃんは申し訳なさそうな、怒ったような顔をしながら、目は半泣きだった。
「・・あ、ごめん梨華ちゃ・・」
「おいおい、お前らまたケンカか〜?あんまり見せ付けんなよ〜?」
わたしが梨華ちゃんに謝ってるのを遮って、悪びれない顔で矢口さんが割り込んでくる。
ふと、わたしは矢口さんを見たんだけど、矢口さんの目がすごく輝いてたのが印象的だった。
そこでわたしは矢口さんの目に吸い込まれるように見入ってしまった。
視界の端にはそんなわたしを恨めしそうにチラチラ見ながら、矢口さんと話を交わす梨華ちゃんがいる。
わたしは矢口さんの目に惹きこまれてしまっていて、梨華ちゃんと矢口さんの会話はまったく耳に入ってこなかった。
梨華ちゃんの少しやきもち焼きなところがやるせなくかわいいと思うし、そこに惹きこまれる。
そして、矢口さんの今みたいな輝いた魅力的な目はやるせなくわたしを惹きこませる。
わたしの心はぐらぐらぐらぐらとあっちへひっぱられこっちへひっぱられ、揺れる。
矢口さんと中澤さんが互いに好き合ってることはなんとなく分かってるけど、
分かっているんだけど、だからこそ惹かれてしまって、思わずじっと見つめてしまうわたし。
そして、そんなわたしを見て嫉妬しているだろう梨華ちゃんの態度の愛らしいさ。
その隙間で、今わたしは両極へひっぱられ訳がわかんなくなっている。
矢口さんと梨華ちゃんの意識しない引力に、惹かれきってしまって、
訳が分かんなくなっている。
誰か助けて。
梨華ちゃんの魅力。例えば小さな唇、魅力的なボディライン。
他にも、やきもち焼きなところ。色が黒いこと?
具体的には挙げきれないけど、わたしはなんだかたまらなくコーフンする。
矢口さんの魅力。例えば愛らしい体つき、それでいて魅力的な目。
他にも、中澤さんに対するこちらにまで伝わってくる気持ち。
考えれば考えるほどわたしの頭んなかから溢れ出る矢口さんの魅力。
わたしはなんだか訳がわからなくなる。
誰か助けて。
わたしは頭ん中で、ぐるりぐるりと回る梨華ちゃんと矢口さんに支配され、
しばらく抜け殻のようになっていたようだった。
ふと気付くと矢口さんは梨華ちゃんからちょっと離れた位置にいて、
梨華ちゃんは楽屋のドア付近にいる、すっきりした面持ち中澤さんに、
「したの?」と聞いてしばかれていた。
中澤さん、機嫌がいいなぁ。
その後、矢口さんと中澤さんがしゃべってる様をまたしてもボーっと見る。
矢口さんの魅力的な目は、徐々にいつもの目に戻っていっているようだった。
わたしはその様子になんだか妙に納得して、
「梨華ちゃん。」
と呟いた。気付くと呟いていた。
決めた。今日からわたしは心の中で梨華ちゃんのことをハニーと呼ぼう。
表立っては出すのは恥ずかしいけど、梨華ちゃんへの想いを、せめて自分の内でだけでなら言える。
今までだってそうだったけど、これは自発的なものじゃなくて能動的なものだもの。
矢口さんに気持ちが揺らいだり、梨華ちゃんの話を上の空で聞いていたりしたことに対して、
わたしはこの言葉を心に持つ事によって、償いをしようと思った。
ハニー。トリコになりました。
わたしは中澤さんにしばかれて、
「くじけない・・、くじけない・・・。」と繰り返してる梨華ちゃんに、
優しく声を掛けた。
「ねぇ、梨華ちゃん。お話しよう。」
「イヤ!」
ハニー 何をすればいいの
ハニー 何がお望みなの
ハニー 君に愛を込めて
「梨華ちゃん、好きだ。」
96 :
恋の話:03/01/26 19:19 ID:SsQVI2W8
更新終了。
ぼちぼち続いて行きますので、暖かく見守ってやってくださいね。
たまにはレスなんかつけて貰えると、まったくもって嬉しい。
97 :
山崎渉:03/01/28 14:05 ID:3mTZ7UF2
∧_∧
ピュ.ー ( ^^ ) <これからも僕を応援して下さいね(^^)。
=〔~∪ ̄ ̄〕
= ◎――◎ 山崎渉
98 :
恋の話:03/01/28 22:21 ID:pCUCIc/a
山崎しか書き込んでないので申し訳ないのでカキコです。
いや、しばらく2chにこなかったもんで(w。
とりあえず更新乙。
なかなか人物ごとに話がリンクしててうまいですね。
こういうのんびりした(?)情景とか好きですよ〜。
今日発見した
なんか情景が頭に浮かびやすいっていうか
書き方上手いし、面白いね
今後に期待しつつ保全
101 :
恋の話:03/02/06 03:00 ID:1y07u+mv
>>99 レスありがとう。ほんとに励みになる。がんがる。
>>100 100getおめ。レスありがとう。新しい読者さんが増えると思うとほんと嬉しい。
ひとみちゃんが好き。
私は、娘。に入った当初から、ひとみちゃんになんかなんとも言えない気持ちを感じていた。
ひとみちゃんは女の子なのに、昔からなんか頼りがいがあって、かっこよくって、おもしろくって、
私は、ひとみちゃんの前では情けない姿を見せないようにお姉さんぶっていた。
私の方が年上だから。私は意地っ張りだから。
ひとみちゃんに、私の嫌いな部分を見せたくなかったから。
そんな意地を張って、しばらくひとみちゃんと接していたんだけど、
「梨華ちゃん。」
って、初めて私のことを呼んでくれた時。
私はひとみちゃんに対する意地っ張りがなんだか空虚なものに思えた。
そして、私のなんとも言えない気持ちは、見事に恋というものに昇華された。
その時のひとみちゃんのちょっと照れた顔は今でも覚えてる。
私の一番好きな人の、一番好きな顔として、しっかり覚えてる。
でも、いつからだろう、私のことをちゃんと見てくれなくなったのは。
なんだか態度がよそよそしくなって、私の話すことは全部受け流されてる感じで、
いつも気付けば矢口の方を向いている気がした。
本当に矢口さんの方を見ていたのかどうかは知らないけれど、私はそんな気がした。
矢口さんにひとみちゃんの気が向いてしまうのは嫌だったから、
私はたくさんたくさん、ひとみちゃんに話し掛けた。
あることないこと、無理矢理、私の思いつくままに喋りかける。
当然そんな話を聴いて面白いわけもないから、ひとみちゃんはまた、私の話を受け流す。
ひとみちゃんの、バカ。
ある日の楽屋、いつも通りのひとみちゃんの態度に私はたまんなくなって、
ひとみちゃんに話し掛けるのを止めて、中澤さんに「するの?」とか訊いてみたり、
保田さんのところに行って、歌の指導をしてもらったりした。
だけど、私の心はひとみちゃんばかりで満たされているから、
当然これらの行動には全く意味が無い。
保田さんはたぶんそのことに気が付いていたのか、普段よりとても優しかった。
だけど、私にとっては優しい保田さんなんか、逆に恐いだけだった。
「吉澤もねぇ……、あんたみたいにもうちょっと繊細だったら良かったのにねぇ。」
保田さんが急にそんなことを言い出すから、私は吃驚して、保田さんの顔を見たけど、
やっぱり保田さんは反吐が出そうなほど優しい顔をしていて、やっぱり気味が悪かった。
ふと、私はひとみちゃんのことが気になって、ひとみちゃんの方を見た。
ひとみちゃんはまた矢口さんに見とれていた。
私は悔しくなる。すごく悔しくなる。
「よっすぃー。」
ひとみちゃんはちっとも気がつかない風だった。
「ねぇ、よっすぃーってば。」
ちょっと声を大きめにしてまた声を掛けてみても、
ひとみちゃんのキラキラした目は矢口さんを追うだけ。
私の方を見ようとすらしてくれない。
「ちょっとぉ!よっすぃー!」
私は悔しくて悔しくて、どうしようもないぐらい矢口さんとひとみちゃんが憎らしくて、
「もぉ!よっすぃーのバカ!そんなに私が嫌いなの!?矢口さんがいいの!?」
思わず言ってしまう、ひとみちゃんがこういう言われ方を好きじゃないのを知っていながら、
いや、知っているからひとみちゃんに意地悪したくて言ってしまったのだと思う。
ひとみちゃんがまたか、って顔で見てるのがまた悔しくて、私は続ける。
「そんなに私のこと嫌いならもう私もよっすぃーのこと嫌い!この男女!」
別にひとみちゃんのことが嫌いなわけじゃない。でも言ってしまう。
私がひとみちゃんのことを本当に好きだから、悔しいから、言ってしまう。
「もぅ、よっすぃーのバカバカ!このホクロマン!」
「なんだよ!梨華ちゃんだって黒いじゃんか!ホクロが多くって何が悪い!」
私はただシュンとなるしかなかった。ひとみちゃんを怒らしちゃったことに凄く後悔した。
それでもって、ひとみちゃんから色黒のことを言われたのに結構傷ついた。
ひとみちゃんに悪いと思う心がありつつも、色黒と言われたことに対する怒りもあって、
私はなんだかとても困った顔になっていたと思う。
だけどひとみちゃんは大人だから、こういう時はすぐに私に謝る。
たとえ私が事の言い出しっぺだとしても、ひとみちゃんから謝る。
私はそこに引け目を感じて、もうこんなことは無いようにしようと思っても、
結局同じように、つまんないことで私はひとみちゃんに意地悪なことを言ってしまう。
今回も同じことで、ひとみちゃんは私の困った顔を見て、
すぐに私に謝ろうとする素振りをみせた。
私はなんだかもう申し訳ない気持ちで一杯になった。
「・・あ、ごめん梨華ちゃ・・」
「おいおい、お前らまたケンカか〜?あんまり見せ付けんなよ〜?」
ひとみちゃんの言葉を遮って、矢口さんがいつもの調子で私達の会話に割り込んで来る。
私はちょっと戸惑う。
ひとみちゃんにすまないと思う気持ちと、
ひとみちゃんの矢口さんに対する視線から覚える気持ちの、
二つの気持ちに挟まれて、なんだかすごく戸惑った。
そして、私は、ひとみちゃんに対するちょっとした怒りだけじゃなくって、
矢口さんに対するちょっとした嫉妬という感情を、自分の中に認めた。
だけど、矢口さんが悪いわけじゃない、
ひとみちゃんが私の気持ちに気付いてくれないからいけないんだ。
そう思って、私はひとみちゃんに対してまた少し意地悪な目線を送ってしまう。
矢口さんが揚々として私に話を振ってくるのだけど、私はただ受け流すだけ、
いつも私がひとみちゃんにされてるように受け流すだけ。話の中身なんて全く私の頭の中に入っちゃこなかった。
頭では矢口さんが悪いわけじゃないと思いつつ、こんな態度を取ってしまう自分がなんだか情けなかった。
もしかして、ひとみちゃんもこんな気持ちで私の話を受け流してたの?
やっぱり私はひとみちゃんに嫌われていたの?
気付くと、私は矢口さんの話を受け流す事もせず、
無口になって、たぶん表情も暗くなってたんだと思う。
そんな私を見かねたのか、ちょっと困った顔の矢口さんは私に、
「・・・まあ、石川はもうちょっと積極的になるべきだよ。なんにしても、ね。」
って言ったみたいだった。
今まで矢口さんが話し掛けていた話の内容はさっぱり覚えていないのに、
その言葉だけが、やたらに今の私の心に響いた。
とにかく、私は積極的に、ポジティブになろうと思って、この暗い気持ちをぶち壊そうと思って、
とりあえず今楽屋に戻って来た中澤さんに「したの?」って訊いてみた。
何故か、私は中澤さんに笑顔でしばかれることになった。
私、ちょっとくじけそう・・・。
このまま黙っていると、また更にどんどんと心が暗くなってしまいそうだったので、
私は、「くじけない。」と何度も呟く。
そう呟く事でなんだか落ち着ける気がした。
そうしていると、向こうの方で「梨華ちゃん。」って私の名前を呼ぶ声がした。
でも、たぶん気のせい。だって、ひとみちゃんの声だったから。
ひとみちゃんは矢口さんに夢中なんだもん、私のことは嫌いなんだもん。
私の名前を呼ぶ必要なんて、事務的な事しかあるはずが無いもの。
なんだか私は積極的という意味を取り違えて、ただただ卑屈になっていたようだったけど、
それもやっぱり、裏を返せばひとみちゃんの事が好きで好きでたまらないから。
そんな素直じゃない私は、ひとみちゃんの声を聞こえなかった振りをして、
ただ「くじけない。」と漠然と呟いていた。
「ねぇ、梨華ちゃん。お話しよう。」
いつのまにかひとみちゃんは私のすぐそばにいた。
そう言ってくれるだけで、内心とても嬉しかったんだけど、
私はもう、ひとみちゃんは私のことを嫌いだ、という意識に呑まれてしまって、
「イヤ!」
なんて、色気も何も無いことを言ってしまう。
本当は、ひとみちゃんとお話できるだけで、嬉しいのに。
ひとみちゃんが私の方を見ていてくれるだけで、嬉しいのに。
ひとみちゃんと一緒に居れるだけで、嬉しいのに。
こんなかわいくない態度をとっちゃうなんて、
私のバカ。
でも、ひとみちゃんはそんなかわいくない私にこんな言葉を掛けてくれる。
「梨華ちゃん、好きだ。」
ひとみちゃんの方がもっとバカだ。
私が一番望んでいた言葉を、いきなり、
しかもこんな時に掛けてくれるだなんて、本当にバカ。
それでもって、ひとみちゃんはズル過ぎる。
あれだけ私の心をかき乱すだけかき乱しておいて、
この一言で収めてしまおうだなんて、本当にズル過ぎる。
私の勝手な思い込みかもしれないけど、そんなのはズル過ぎる。
絶対、ひとみちゃん、許してあげないんだから。
私は、自分のなんともいえない顔を見られないようにひとみちゃんに抱きついた。
皆が私達のことを冷やかして、ひとみちゃんも恥ずかしそうにしていたけど、私はすごく幸せだった。
皆の反応が私を幸せにしたし、ひとみちゃんの照れた顔が私を幸せにした。
私はもっとひとみちゃんの照れた顔が見たくって、
「私も、ひとみちゃんのこと好きだよ。」
って言ってみた。案の定、ひとみちゃんは真っ赤な顔をして、
皆からの冷やかしに耐えてるみたいだった。
でも、ひとみちゃんの顔はすごく幸せそうだった。
私と同じぐらい。もしかしたら私以上?
幸せそうなひとみちゃんの顔を見ていたら、今まで悩んでたことが、
ほんとにちっぽけなことに思えてきて、笑えてくる。
そして、もうこれ以上、私がひとみちゃんに望む事は無いと心から思えた。
あ、でも、一つ望むことがあった。
私、ひとみちゃんのハニーになりたい。
ひとみちゃんの視線を独り占めにして、ずっと一緒にいる、ハニーに。
更新終了。
そして訂正。
>>103 >いつも気付けば矢口の方を向いている気がした。
いつも気付けば矢口さんの方を向いている気がした。
113 :
恋の話:03/02/12 01:21 ID:3b/zqLfj
自己保全。
最近、このお話の最大の欠点を発見してしまつた。
その欠点とは、ストーリーが極端に弱すぎるということ。
続きから急に書き方を変えるのも変なので、
こんなへろへろなお話ですいませんが、
お付き合いしてくださる方は、ごゆるりとお付き合いくださいましね。
114 :
名無し募集中。。。 :03/02/14 00:53 ID:08nRB19A
まあ確かに赤い日記帳はいい曲だったんだがな。
けっこう売れたんだよね。
シャッフルユニット最高の売上だったと思う。
保全しまっしゅ
一応もっかい入れとこう、保金。
117 :
恋の話:03/02/19 02:04 ID:Z85JTEyB
>>114 ごっちんのアルバムの赤い日記帳は良いようで何よりであります。
>>115>>116 保全ありがとう。なんとか頑張って落とさないように更新したいところであります。
と、言いつつなかなか筆が進まないんでございますの、
すみませんが、もうちとごゆるりとお待ちくださいましね。
つんく
ほぜむ
ほ
ワラ。スレ数550到達記念保金。圧縮まであと50です。
ほぜ
123 :
:03/03/14 15:01 ID:0AfqHDbQ
/lk
124 :
:
じょせん