はじめてなの｡

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　2日間の撮影スケジュールの1日目、私はまた石井ちゃ…さんのお見舞いに行きました。

　石井さんは笑顔で迎えてくれました。

　撮影は順調に進んでいると伝えると、うれしそうな顔をしていました。

　…なんか、あの顔と声にやられちゃうんですよね。

　「スーパービッグキッチンズバーガーと（略）もつけてちょうだい!」

　あの声に。

　つんくさんにお願いして童謡の曲割り当てを考えてもらうことにしました。

　一緒に歌えればそれだけたくさんの体験とか感情を共有できるはずだから。

　病室では途切れがちだった会話も大分続くようになり、楽しい時間を過ごすことができました。

　そろそろふざけに入ってもいいかもしれない、と思いました。するともう一人の自分が「大人の友
達」とささやきました。

　「ファミレスで何時間も話し続けられる大人の友達。

　かわいがってくれるというか、付き合ってくれる大人の友達。

　ふざけて叩いても許してくれる友達じゃなくて、ふざけて叩く気にならない、大事な友達。」

　いつも葛藤が起きると「いいじゃん、食べちゃえよ!」としか言わないくせにめずらしい。

　自嘲気味に笑ったら不思議そうな顔をしていました。

　毎日来ますね、と強引に言い残してその日は病室を後にしました。

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