>601から
弘繁の脳裏に浮かんだもの、それは・・・
この事態に備えて“策”を練ったのではなかったか?今こそその“策”を使う時・・・!
「待て!!」
「!?」
弘繁の突然の声に、その場にいた者はすべて不意を突かれた。
骸丸はわずかに驚きつつも、弘繁に尋ねる。
「いかが召された、五木殿?」
「・・・余の負けじゃ。秘伝の書はこの通り・・・。
やはり家臣や民百姓らの命には代えられぬ・・・・・・!!」
無念の涙を流しつつ、懐中の一巻を骸丸に差し出す弘繁。だが・・・
「フフ・・・愚かな。そのような猿芝居や粗末な偽物ごときでは、
我ら血車党の目は欺けませぬぞ!!」
嘲笑とともに、骸丸は弘繁の手から巻物を払い落とした。
哀れ、弘繁の策は既に見抜かれていたのだ。
万策尽き果てた弘繁は、死を覚悟した・・・。
「皆の者、済まぬ。余が至らなかんだばかりに・・・・・・。」
と、そこへひとつの影が現われ、血車党の手中に落ちていた弘繁を救い出した!!