仮面ライダーののX

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193白い名無し娘。
妻が夫に肩をかし、夫は子供の手をひいて何とか廃墟と化した病院にたどり着けた。
途中にある監視所は無人になっていたが、家族はわき目も振らずにこの場所を目指して
いたので気がつかなかった。当然無人になっていたのも、元老院の計画のうちなのだが…。

 廃墟の文字が示す通り、病院の半分以上は崩れ落ちていた。まるで何十年も放置され
ていた様な崩れ方であるが、どことなく人為的に破壊されたような感じを受ける場所もある。
しかし、この家族にとってはどうでもよい事であった。隊員から身を隠し、一晩やり過ごせ
る場所を確保できればそれでよいのであった。廃墟化した病院を散策していた家族が1つの
扉を見つけた。黒く煤けた金属の扉である。この区画は比較的崩壊が少なかった。この扉の
向こうで夜を過ごす事を決めた家族は、力を合わせて扉を開けた。扉は重く徐々に開いてい
った。扉の向こうには鎖を体に厳重に巻かれた少女が、何かの台の上に縛りつけられていた。
台は衝撃かなにかで動いたかしたのだろう。扉を開けたら正面に少女が張り付けになっている
様に見えた。
194白い名無し娘。:02/12/17 20:44 ID:uUnU7H99
 家族はそれに驚いたが、気にしている場合ではなかった。部屋を散策した妻は夫の応急処
置に使えそうなものを探してきて手当てを施した。家族は1つの場所に固まると、寄り添う
ように横になった。決して夜になったわけではないのだが、精神的に疲れたのであろう。
子供と妻はすぐに寝息を立て始めた。
 
しかし、その静寂は簡単に破られた。後を追ってきた隊員達がこの部屋に踏み込んできたの
だ。家族はあっという間に3人の隊員に囲まれてしまった。そして、隊員の1人が
慎重に、この部屋にいたもう1人の人物に近づいていく。まるで張り付けにされてるかのように、
鎖で拘束されている少女。いくらジーザスタウンの治安部隊といえども、こんな光景は有り得
ないと思ってしまう。