仮面ライダーののX

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164名無しスター

東京に(走って)到着したソニンだったが、途方に暮れていた。
自分が東京の大学に来たことは分かったが、東京の大学と言っても星の数ほどある。
たとえ分かっていても高知と同じことになるだけだ。これ以上他人に迷惑はかけたくない。
病院に戻るわけにもいかない。今度は厳重に監視されるだろう。鉄格子に逆戻りかもしれない。

それにしても、先生は誰に記憶を消されたのか・・・
大きな組織が動いている気がする。
そしてその組織に自分は監視されている。
脱走した直後から何者かに尾行されている気配はあった。
最初は病院か公安の者かと思っていたがどうやら違うようだ。

どうして自分を直接拘束しようとしないのか?何故遠くから監視しているだけなのだろうか?
東京にいた頃自分とその組織とは何か関係があるのだろうか?
東京での3年間に自分の身に何があったのか?

手がかりと呼べるものは胸の刺青と、この常識外れの自分のパワーだけ・・・
165名無しスター:02/12/08 01:15 ID:w11Hj7Uw

あてもなく東京の郊外をさまよいながら野宿をする日が続いた。
脱走する時に拝借した医者の財布のお金も尽きてきた。
このままだと本当に病院に戻るしかないかもしれない。

何日目かの野宿の時、物陰から自分をじっと見ている男に気が付いた。
気付かないフリをして見ていると、明け方にもう1人やって来た。2人で何か話すと、
元から居た1人が帰って行った。

後を追いかけてみた。
するとさっきのもう1人が慌てた様子で現れた。
ソニンはその男の前にサッと立ちはだかると尋ねた。

「あなた達、一体何者なの?何の目的で私を監視してるの?」
「あ、いや・・」

そう言うとその男は振り返って逃げ出した。

「待って!お願い・・・」
「ぐあああああああ!!!」

ソニンに後ろから抱きつかれ、男は悲鳴を上げて気を失った。
少し力を入れ過ぎたようだ・・・

男の両腕が体の内側に向かって「くの字」に折れ曲がっている。

「しまった・・」
166名無しスター:02/12/08 01:18 ID:w11Hj7Uw

ソニンは仕方なく、もう1人の男の尾行を再会した。

尾行と行っても少し離れてついて行くだけだが、相手は全く気付かない。
監視のときも感じたが、まるで素人だ。新米なのだろうか・・・

男は山の中に入って行った。
大きな杉の木の下まで来ると、携帯のようなもので何か話し始めた。
足元から「カチッ」と金属音がすると男は扉を開け、地下にもぐっていった。

ソニンが男が姿を消した辺りを探すと金属の扉と取っ手が出てきた。
引っ張ってみるが動かない。ロックされているようだ。
力を入れると「バキッ」と音がして扉ごと外れた。中にハシゴがあった。

ハシゴを10mほど下りると長い通路があった。
通路の向こうは暗くてよく見えない。
少し迷ったが他に方法はない。
ソニンは通路を奥へと進み始めた。