1 :
名無し募集中。。。:
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4 :
名無し募集中。。。:02/10/13 23:23 ID:mkiVJPBl
ほう
5 :
名無し募集中。。。:02/10/14 05:22 ID:wPNOVTjB
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...‐''゙ . ` ´ ´、 ゝ ''‐...
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´゙`゙⌒ゞ;iill|||lli|llii:;゙|lii|||||l||ilil||i|llii;|;_゙ι´゚゙´`゙
ほほほ
7 :
タケシ:02/10/17 20:50 ID:TVFrkGe+
m(_ _)m
ij
9 :
だれか:02/10/22 01:06 ID:0gQFJCLS
小説でも書こうかな。
10 :
だれか:02/10/22 01:15 ID:0gQFJCLS
とりあえずタイトルは
M。
11 :
だれか:02/10/22 01:16 ID:0gQFJCLS
「ねぇ」
ベッドの上。膨らんだシーツに投げかけた保田圭の声に、返事はなかった。
「……寝ちゃったか」
そうつぶやくと圭は再び窓にもたれかかる。
圭は星空をを見上げながらあの日の事を思い出していた。今となっては淡い幻
だったような気がするあの日々。無数の関心、声、視線。全てを費やし、駆け抜け
た何よりも濃密な数年間……。自分でかなえた夢だった。これ以上を望むことすら
贅沢なのかもしれない、そう思っていた。
12 :
だれか:02/10/22 01:18 ID:0gQFJCLS
風が一つ吹き込んでくる。なんだかひどく冷たい。もう冬が近いかもしれないと
感じつつ、窓を閉じるとベッドの端に座った。丸まったシーツが、うぅん、と転が
る。
(みんな何してるんだろう……)
もうあれから1年以上がすぎた。そう、つまりあの事件からも1年が経ったこと
になる。私達の運命を大きく変えた忌まわしいあの事件。それでも、脳が自らその
記憶を葬り去ろうとしているのか、その時期の印象だけが極端に薄れようとしてい
る。そのせいだろうか、圭は今更になってあの時決断した答えに迷いが生じている
自分に気づいて思わず苦笑した。バカみたい。そして虚。
13 :
だれか:02/10/22 02:39 ID:0gQFJCLS
圭は後ろに倒れこむと、真横にある寝顔に小さく問いかけた。
「ねぇ、辻は後悔してないの?」
無垢な寝顔は何も答えない。そんなわけないよね。でも私達はきっと間違ってい
なかった。
「そうでしょ? みんな」
結果的に”モーニング娘。”であることを放棄した私達。
だから、私達は今こうしているのだ。
14 :
だれか:02/10/24 07:09 ID:qxEfstgr
――人、殺した事ある?
そのまっすぐな瞳の中は圧倒的に深く、悲しみに満ちた翳りを含んでいて、一体、
人がほんの一年ばかりの間に何があったらこうまで変われるのだろうか、と真里は
視線をそらす事もせず、ただそのひとみを見つめていた。
15 :
だれか:02/10/24 07:54 ID:qxEfstgr
目を覚ますと真っ白な部屋の中にいて、すぐにそこが病院だと分かった。状況を
把握しかねて思わず身を起こすと体中に鋭い痛みが走った。
「痛っ!」
声をあげて再びベッドに倒れる。まだ体中がじわりと痛い。どういうわけだかか
なりの怪我をしているらしい。私は身を起こすのをやめて、冷静に部屋を見回した。
そんなに広い部屋じゃない、個室らしいがものものしい機械の類は見当たらない、
とりあえず命に別状はなさそうだ。ベッドのすぐ横に点滴が下がっていて、そこか
ら出たチューブの先は私の腕に刺さっていた。そして、その時ようやく私の腕周り、
いや顔を除けばほぼ全身に包帯が巻かれている事に気づいた。一体何があったんだ
ろう……
(あれ……?)
どうしてだろう? 詳しい事は分からないがこんな怪我をするくらいだ。相当な
事故か何かがあったに違いない。だけど、どうしても思い出す事ができなかった。
目を覚ます前の最後の記憶……って? あれ?
しばらく自問自答を繰り返している内に、枕元にナースコールがある事に気づい
た。どうもさっきから頭がはっきりしない、人にでも聞いたほうが手っ取りばやそ
うだ。私は腕を伸ばす体の不自由さと痛みに苛立ちを感じながら、ナースコールを
押した。
16 :
だれか:02/10/24 11:56 ID:qxEfstgr
ナースコースを押すと、すぐに看護婦とともに医師もやってきた。一通りの検査
と問診を終え、とりあえず問題はないと医師は診断を下した。内臓に異常がなかっ
たのは幸運だったとの事だった。話によると私は丸三日眠りつづけていたらしい、
点滴もそのためのものだとの事。私はここで医師にさっきの疑問をぶつける事にし
た。
医師達は私の質問の内容に、最初はとまどいを隠せないようだったが、専門では
ないながらも医師が簡単な認知機能検査の後に下した結論は
『逆行性健忘症』
つまり、現在からここ最近二週間程の記憶がすっぽり抜け落ちているようだとの
ことだった。
「つまり記憶喪失って事ですか?」
もちろん、まだ意識が戻ったばかりという事もあり、一時的なものかもしれない。
むしろパーセンテージ的にはそちらの方が高いだろうと医師は言ったが、それでも
その事実は私を驚かすには十分なものだった。
それ後、私は専門医による一通りの検査を受ける事になった。やれ、脳波だ、C
Tだと様々な検査を行ったが結局のところ結論は一緒で、私自身もその頃にはもう、
どうでもいいやといった感じになっていた。
17 :
だれか:02/10/24 11:59 ID:qxEfstgr
>>16 一行目 「ナースコース」→「ナースコール」
18 :
だれか:02/10/24 13:38 ID:qxEfstgr
>>16 一行目 「看護婦とともに医師も」→「看護婦と医師が」
十五行目 「それ後」→「その後」
ガンバレ
期待
21 :
だれか:02/10/26 13:51 ID:KpnnJcMk
うわぁ、もう見つかった……。見つかるもんだなぁ。
>>19-20 ありがとうございます。気負わない程度にやってきます。
22 :
だれか:02/10/26 13:52 ID:KpnnJcMk
『……
ぴ〜えす
よみずらいぶん
しょうでごめん
なさい。
たいいんしたら
ごはんつれてっ
てくださいね。
やくそくですよ
(はぁと
あさみ』
23 :
だれか:02/10/26 14:19 ID:KpnnJcMk
その平仮名だらけのメールを読み終えた飯田圭織はため息混じりに携帯を閉じた。
当初、事故前二週間程の経験だけだと思われていた記憶の喪失は、意外にも圭織の
送ったメールによって新たに明らかになった。
――文字の記憶の喪失。
口に出す『言葉』と『文字』の間のつながりの一切の記憶を失ってしまい、心に
思っている事を文章で表現できなくなったという。このメールが返ってくるまで三
日あった。その間、彼女にはまず単語と平仮名の間を結びつける作業が必要だった。
実は圭織がメールを送った当日、本人からすぐに電話があり話をしてはいたので、
無理をしてメールを送る必要もないのだが、なんでもメールを打つ作業をする事自
体が記憶を取り戻すきっかけになるかもしれない、のだそうだ。それを聞いた圭織
もそんなものか、と妙に納得してしまったが、それにしたってあまり楽な作業では
ないだろう事は容易に想像できた。さすがに漢字まではとても無理だったと言うが、
それでも十分にすごい事だと圭織は感心していた。
24 :
だれか:02/10/27 07:19 ID:2GYwQdyj
ポーンとテレビから時報が聞こえた。目をやると、狭い舞台の上でお馴染みの音
楽とともに二人の若者が踊っている。毎日のように見たことがあるはずなのに不思
議とこの二人の顔に見覚えがない。こういう事も記憶喪失と言うんだろか? そう
思う間に二人姿は画面の端に移り、入れ替わるように舞台の奥から男が現れた。20
年以上、私が物心つくまえから幾度となくと繰り返されている映像、そういえば
2000回超えたとか言ってたっけ……。
「グラさん……」
ふとつぶやいた言葉。間違いに気づいた圭織は自分の発言に驚き、そして一人笑
う。タモさんだっての。タモリさん。何回もあったことあんじゃん。やっぱり記憶
喪失だな、こりゃ。
もう一度、圭織は苦笑いし、そしてまたテレビに視線を戻した。番組はオープニ
ングを終え、CM明け、これまたお馴染みのトークコーナー。ゲストはまったく知ら
ない、記憶にもかすらない人だった。
25 :
だれか:02/10/27 07:31 ID:2GYwQdyj
私もあそこに座ってたんだよなぁ。あの頃の娘。はまだ5人だった。どんな感じ
だったろう? まだ東京住みだしてまだ間もない頃。あの頃は右も左も分からない
まま忙しさに流されて、物事を深く考える余裕もなかった。
16才の飯田圭織。まだ子供だったカオリ。でも、あの頃の私がどんなに考えたっ
て、こんな未来が待っていたとは考えつかなかっただろう……いや、いつだって数ヶ
月先さえも満足に見えない。そんな日々だった。
――今だってそう。
圭織は想う。そして、あの頃と今とでは何かが決定的に違う事を圭織自身が認め
ていた。
21才、飯田圭織、職業ファッションモデル。
心にある異物感。それが私を苦しめていた。手にした携帯、送信メールの数がこ
こ最近でずっと増えた。そのくせ、返信がこない事に憤りを感じている自分が嫌
だった。
抜け道が見つからなかった。
逃げ道を探していた。
26 :
だれか:02/10/27 07:51 ID:2GYwQdyj
コソーリ‥‥更新乙です。オモシロソウ‥‥
28 :
だれか:02/10/29 06:57 ID:dyomJEXv
お腹空いたなぁ……
新垣里沙は退屈そうにビリヤード台の端に座ったまま、足をぶらぶらとさせてい
た。窓の外から見える狭い空は濁った灰色。里沙は目の前の台で、自分とは一周り
ほども年齢の違う男と賭けビリヤードに興じる加護亜依に声をかけた。
「加護さん。雨降りそうですよ。ぼちぼち行きません?」
「あ!」
里沙のかけた声に、ちょうど手玉を打とうとしていた亜依の手元が大きく狂った。
手玉はよろよろと転がり、いくらも進まずに止まる。
「新垣ぃ〜」
ふてくされた様に睨み付ける亜依に、里沙は当然のような顔で答える。
「私のせいじゃないですよ」
「はぁっ?」
「これくらいの事でミスってるようじゃダメです」
そこでもう一度何かをいいかけた亜依に、割り込むように男が叫んだ。
「うるさい! 気が散る」
どっち道同じやって。そんなカッカしてまともな玉打てるかいな。
「ま、せいぜい頑張り。これが5敗目にならんようにな」
「よかったらレート上げましょうか?」
里沙がにこりともせずつぶやく。
「黙ってろ!」
亜依と里沙は、黙って肩をすくめた。
29 :
だれか:02/10/29 07:15 ID:dyomJEXv
「はぁっ!?」
店内に亜依の声が響きわたる。別の台で遊んでいた大学生風の団体が何事かとこ
ちらを振り返った。
今にも崩れそうなビルの中にそのビリヤード場はあった。入り口のカウンターに
は初老の店長が一人、タバコを吹かしながら座っている。店内はおせじにもきれい
とは言えず、広さも8台あるビリヤード台でいっぱいになる程度。今まで一度だっ
て全部の台が客で埋まっているのを見たことがない。ましてや昼過ぎなんて、一人
でも客がいればいいほうだというのに、それが今日は2台”も”埋まっている。大
盛況。
「冗談だろ? 冗談。第一賭けなんてやっていいと思ってんのかよ?」
あの後、結局亜依にあっさり5敗目を喫した男は、約束どおりの金も払うそぶり
も見せずに軽く亜依をあしらおうとした。少しも悪びれた様子がなく、里沙はそれ
を見ながら「あぁまたか」と思わず言葉を漏らした。
30 :
だれか:02/10/29 08:36 ID:dyomJEXv
「お前からふっかけてきたんちゃうんかぁっ!」
瞬間、男が亜依に思いっきり張っ倒される。何が起きたか男は理解しかねたよう
だった。ぼんやりと座り込む男の前に、亜依はゆっくりと歩みよると、まったくド
スの効かない声で言った。
「兄ちゃん、約束は約束やでぇ……ちゃんと守ってもらわんとなぁ?」
里沙は今までの経験から男が金を払う事を確信した。予想通り、間もなく男は亜
依と目も合わす事もなく立ち上がると、財布から10000円札を取り出し、台に叩きつ
けた。
「これでいいだろ?」
にこりと亜依はそれを受け取る。それを見て苦々しく立ち去ろうとする男。
「ちょっと待ってください」
里沙は台に座ったまま男を呼び止める。
「今度はなんだよ!」
「場代、忘れてますよ」
31 :
だれか:02/10/29 14:54 ID:dyomJEXv
「ほい、じいちゃん。釣りはいらんで」
男が場代を置いて帰った後。亜依と里沙もそろそろ帰ろうと、その金をそのまま
カウンターに持っていった。亜依に”じいちゃん”と呼ばれた店長は仏頂面のまま
それを受け取り、言う。
「当たり前だ」
「ひどいなぁ、これだけ売上に貢献してんのにぃ〜」
冗談っぽく茶化してみせる亜依。しかし、店長はまったく取り合う様子がない。
「お前等みたいな子供が毎日のように賭け玉できるのは誰のおかげだと思ってんだ」
そんな事言って相手が踏み倒そうとしたら助けてくれるくせに……。
亜依はこの一見、さえない老人がじつはこの辺一帯の有力者――しかもなぜかヤ
バイ方に太いパイプが多かった――だという事を知っていた。それでいて、本人は
その事を無闇に振りかざす事もせず、こんな寂れたビリヤード場を経営している。
亜依はそんな老人の生き方をなんとなくかっこいいと思っていた。――そんな事、
死んでも口には出したくないけど。
32 :
だれか:02/10/29 15:39 ID:dyomJEXv
「……それとお豆!」
店長に、突然呼ばれた里沙はその呼び名に腹を立てる様子もなく答える。
「はい?」
「あれだけ、客がいなくても台の上には座るなって言っただろうが」
「はーい」
いつもの説教にいつもの様にまったく表情を変えずに答える里沙だったが、店長
もさして気にとめる様子もなかった。いつもと同じ光景、いつもと同じ会話。
「……しまいにゃ、ハウスキューに自分の名前まで書く始末だ。ちゃんと買い取っ
てもらうからな」
「え〜っ!!」
これにはめずらしく里沙も感情をあらわにする。
「当たり前だろ、営業妨害もいいとこだ。ほら、玉打たないならさっさと帰りな」
店長はタバコに火をつけると、二人に向かって手で追い払う仕草をした。それに
亜依は苦笑いしながら答える。
「まぁ、安心してよ。ウチラ、明日からしばらく来れなくなるからさ」
気のせいか今までと違う、妙に大人びた声に聞こえた。店長が思わず顔を上げる
と、目の前に頭を下げる里沙の顔があった。
「それじゃ、失礼します」
言葉の出ない自分を置き去りにして、去っていく何十も下の年齢の二人の子供を
見送りながら、気を取り直した店長は言った。
「もう来なくていいからな!」
「あいよ〜」
そう言って振られる手がドアの影に消える。
「まったく……」
そうつぶやくと、下手くそに名前の刻まれた二本のキューを手に取りカウンター
の裏側に立て掛ける。店の反対の隅でにぎやかに盛り上がる学生達、その向こう側
の窓。
雨が降り出した。
33 :
だれか:02/10/29 15:45 ID:dyomJEXv
>>29 十一行目「約束どおりの金も」→「約束どおりの金を」
34 :
だれか:02/10/30 15:50 ID:rVfw4sj6
――雨か。
コンサートのリハーサルに日本武道館へ向かうタクシーの中、安倍なつみはまど
ろみながらで窓を叩きつける雨粒のリズムに身をまかせていた。
今日は安倍なつみ、初めてのソロコンサートの日。しかも場所は武道館……一人
ではまったくの初めてだったが、ひょっとしたら5年前には一人で立っていたかも
しれない舞台。
遠回りだった、と人は言う。何度も娘。でメインを張りながらもついにこの日ま
でソロデビューする事がなかった。娘。に入った時16だった年齢ももう20代、後に
娘。に加入した後藤にも追い抜かれ。当然、傍目には”遅すぎるソロ”と映ってい
たのだろう。そう、あまりにも遅すぎるソロ。
しかし、なつみはそうは思わなかった。5年前、ロックボーカリストオーディショ
ンに落ちた事も、つんくさんに呼ばれモーニング娘。としてデビューした事も、そ
れからの娘。としての数年間も、この日のためになに一つ無駄な事なんてなかった。
この寄り道が何よりも大きく、他では得がたいものだったと、今の私は確信を持っ
ていえる。
そんななつみの思考に割り込むように雨はひたすら降っていた。さっきより少し
強くなってきたかもしれない。雨は嫌いではなかったが、やはりなんとなく縁起が
悪い。お客さん、いっぱい入ってくれるかなぁ……。
そんななつみの思いを乗せながら、タクシーは水かさの増した千鳥ヶ淵に差しか
かっていく。やがて、その対岸の木々の間に見えてくるのは、現代の東京の街には
およそふさわしくない荘厳な構えの建物。
いよいよ、この時が来たんだ。
35 :
だれか:02/10/30 16:00 ID:rVfw4sj6
>>34 九行目「追い抜かれ。当然」→「追い抜かれ、当然」
十九行目「そんななつみの思いを乗せながら、」→「なつみを乗せた」
(・∀・)イイ!
37 :
だれか:02/11/02 19:47 ID:JiMUlT6p
雨の羽田空港。昼過ぎに出た新潟からの便は約10分遅れで到着した。小川麻琴は
手荷物を取り、”出会いの広場”と示されたゲートに向かう。
ゲートをくぐった麻琴はいきなり度肝を抜かれた。
「あ……頭痛い」
そこには目もくらむようなピンク一色で身を固めた石川梨華が立っていた。頭を
よぎるあのピンク色の夫婦。周りの客の一部もそれが『元モーニング娘。の石川梨
華』と気づいているようだったが、それでも思いっきり引いているのが麻琴の目に
も明らかに見て取れた。
「きゃー、まこっちゃ〜ん! ここ! ここ!」
手を振りながら大声で麻琴を呼ぶ梨華。その距離10m。
「お久しぶりです。石川さん……っつーかなんですか、その格好」
「かわいいでしょ〜? 今日はまこっちゃんのために石川頑張っちゃいました(はぁと
……あぁ、冗談だって、そんなに引かないでよぉ〜」
そう言って麻琴の肩を叩きながら笑う梨華。二人の周りに人が近づかないのは決
して偶然ではない。麻琴は気を取り直すと疲れたように言った。
「……石川さん。とりあえずどこか落ち着きません?」
このスレ削除依頼出て種。
まぁ再利用中の削除は甘いっていうから…作者がんば
39 :
だれか:02/11/02 23:19 ID:JiMUlT6p
>>38 情報アリです。とりあえず消されない事を祈りつつやっていきたいと思います。
40 :
だれか:02/11/04 01:12 ID:7FHS5ata
麻琴が上京してきたのは1年前交わされたある約束のためだった。モーニング娘。
が”モーニング娘。”である事を捨てたあの日、皆で交わした約束。
――1年後、またみんなでそろって会おうね。
誰が言い出した事だったろうか? 今となってはそれも定かではないが、実現の
可能性はともかく、皆でそれを約束し、麻琴は故郷での学生としての生活へと戻っ
ていった。そんな事も忘れかけていた、今年の夏休みの久しぶりの梨華からの電話……。
「……でもね。全員集まらなそうなんだよね」
そう言って梨華がミルクティーの入ったカップを置く。
「ふぉうなんへすふぁ?」
空港内のカフェ。麻琴が少し遅めの昼食――サンドイッチ、をほおばりながら尋
ねた。
「なに言ってるか分かんないよ。まこっちゃん」
そう笑う梨華。麻琴はあわててコーヒーで口の中のモノを流し込み言いなおした。
「……ごめんなさい。そうなんですか?」
「うん。あいぼんにも頼んでるんだけど連絡つかないみたいなんだよね」
41 :
だれか:02/11/04 02:39 ID:7FHS5ata
「やっぱり保田さん達ですか?」
「うん……」
1年前、結果的に事務所を首になった元娘。の面々は、別々の道に歩まざるを得
なくなった。芸能界に残ろうと思えば、どんな形であれ、メンバー全員残る事が可
能だったのかもしれない。しかし、あるものは娘。以前の生活に戻る事を選び、ま
たあるものはまったく別の道を選んだ。もちろん芸能界、もしくはアーティストと
いう世界にこだわり、そこに留まろうとしたものもいる。圭と希美は後者だった。
二人はそろって、同じ事務所に売り飛ばされるように移籍した。
「圭ちゃん達、どうしてるんだろう」
梨華が誰ともなくつぶやく。
事務所を移籍して間もなく、二人は姿を消した。ただでさえ、元娘。のメンバー
の動向がマスコミ注目されていた時期である。この事件はテレビ、雑誌を通じて様々
な報道がなされた。全国各地のあやしい目撃談に始まり、海外へ渡ったとか、実は
整形して普通に生活しているだとか、果てには拉致監禁、無理心中による死亡説ま
で、根拠のない説がもっともらしく飛び交いだした。
もちろんその影響は娘。ファンの間にも広がり、一部の先走った者等は「もうこ
れ以上被害者を増やしてはならない」と『娘。を守る会』なるものを発足させ、日
夜集会を開いては「どうすれば娘。達を守れるのか?」と対策を練り続けたほどだっ
た。
42 :
だれか:02/11/05 15:26 ID:aQxDP1We
事件からしばらくは梨華や麻琴、それに他のメンバー達も引っ切り無しにマスコ
ミから追い回された。しかし事件から1ヶ月経ち、2ヶ月経っても事件になんの進
展も見られないと、さすがに取り上げる事もなくなったのか、あれほど騒いでいた
マスコミもめっきり静かになり、クリスマスが近くなる頃にはまったくと言ってい
いほど話題になる事もなくなった。
「事務所の関係者もまだ見つからないんですか」
「らしいね」
圭と希美が姿を消すのと時を同じくして、二人が所属していた事務所も存在を消
していた。その理由も未だ不明。
「そうですか……」
この先、二人と会う事はできないのかもしれない。麻琴が肩を落とす。
「……それと、紺野もやっぱり来れないって」
「あぁ、はい。私もメールもらいました。色々大変みたいですね」
梨華がうなずく、そして言いづらそうに「あとね」と付け加えた。
「はい」
「よっすぃーとも連絡つかないみたいなんだ」
言いまわしが読みやすくて面白いです
fdaf
te
48 :
:02/11/09 02:38 ID:sAb27t79
t
49 :
test:02/11/10 02:49 ID:6NfO079B
test
ll
↓だれか
てs
tes
test
55 :
:02/11/10 17:15 ID:qMwrkj9H
56 :
だれか:02/11/10 23:36 ID:iMtXbro4
これはどういう事なんだろう……
保全兼ID(串)チェック?
58 :
だれか:02/11/11 00:01 ID:xrysxrK3
なるほど……。確かに串通してるみたいですね。
どちらにしてもここ3日ばかり、ネットにつなげなかったんで助かりました。
とりあえず続きは明日中には。
t
てす
て
て
63 :
だれか:02/11/13 02:01 ID:28ftnosm
遅くなったけど、続き。
64 :
だれか:02/11/13 02:03 ID:28ftnosm
「みたい? 石川さんが連絡したんじゃないんですか?」
「いや、電話してくれたのはあいぼん」
「……もうね。よっすぃーと連絡とってないんだ」
「えっ?」
あんなに仲が良かったのに? 二人は娘。を辞めた後だって、よく一緒に遊んで
いた。何度か二人で暇つぶしに自分のところにメールを送ってきた事だってあった。
他愛もなかったけど、なんとなく二人の親密さが伝わってくる「あいかわらず仲が
いいなぁ」と思わせるようなメールだった。
――なのに何故?
そう問おうと口にしかけた麻琴を「分かってる」というように梨華が手で制す。
「……まぁ、色々あったんだよね。色々」
梨華はさみしそうに笑って、言った。
tes
てすと
テスト
69 :
sage:02/11/13 21:09 ID:saOSQbMH
sage
70 :
だれか:02/11/14 05:57 ID:BNC1qnDv
――あぁ、やっぱ、東京になんて戻って来るんじゃなかった!
「……だからってなんでこんなにすぐ見つかんのよ!?」
圭はそう叫びながら希美の手を引いて、目に付いた公園に全力疾走で飛び込んだ。
公園は、ちょっと見渡したくらいでは把握できないくらい広く、しかも茂みが多
かった。偶然ではあったが雨上がりの曇った空といい、夕方という時刻といい、な
にかと身を隠すのに好条件だ。状況は最悪ながら、なんとか逃げ切れるかもしれな
い。
圭は首を振り回すように当たりを見回した。そして辺りよりも一際深い茂みを見
つけると、希美を抱え込むように突っ込んだ。雨上がりの茂みに入るなんてぞっと
しないが、この際しょうがない。このまま奥へ奥へ……
途端、希美の手を引く圭の腕にぐっと負荷がかかる。なによ!? もどかしいっ!
「保田さん! 保田さん!」
希美があわてて小さく叫ぶ。
「なによ、どうした!?」
「バッグ、バッグが引っかかってる」
そう言って見る希美の後ろ側はなるほど、確かにバッグが引っ掛かっている。こ
のままでは外から丸見えだ、捨てて行く訳にもいかない。圭はちっ、と舌打ちをす
ると希美を引き倒すように茂みの奥に押し込め、手提げ部分を半ば強引に引っ張り
スポーツバッグを引き出した。と、同時に茂みの外の様子を伺う。ちょうど追っ手
が公園の入り口に達したところだった。
1……、2、3……、4……
「4人……か」
まだ大丈夫。追っ手の人数が増える前の今なら逃げられる。気合入れろお圭!
「大丈夫?」
希美が心配そうに声をかける。圭は後姿のまま頷くと息を殺し慎重に後ずさり、
すでに泥まみれの辻をかばうように茂みの奥へと沈んだ。
71 :
だれか:02/11/16 06:04 ID:ru/UoGQW
何時間たっただろうか。圭達がこの茂みに隠れてしばらくの間、この付近は辺り
を探るような人間の声や、茂みを掻き分ける音が絶える事がなかった。最初4人だっ
た追っ手側の人間も間違いなく10人を超える人数に増えたようで、それが二人のす
ぐ目の前を幾度となく通るたびに圭は思い切って飛び出そうか、と決心しかけた。
だが、初めから強引に逃げる気もなかったし、それ以前に逃げれる気こそしなかっ
た。それこそ二人そろって逃げ切るなんて確立は限りなく0に近いだろう。
――でも、一人なら?
一人なら逃げ切れる?
今、圭と希美には武器が一つ、いや一丁あった。暗闇の中、すでに自分の手さえ
満足に見えない状況で、その内にあるのはさらに暗く、深い重厚な感覚。
この銃があれば……。
気付くと、圭は強くソレを握り締め、セーフティーロックに手をかけていた。カ
チリ、と自分でも驚くくらいに音が響く。
「や……すだ、さん?」
久しぶりに聞いた辻の声は震えていた。圭の傍ら、小さく丸まる辻の体温が暖か
かった。
72 :
だれか:02/11/16 08:01 ID:ru/UoGQW
>>71 1行目 「何時間」→「どれくらいの時間」
あと「希美」と書くべきところを「辻」と打ってしまった部分もちらほら
ガンガッテ
74 :
だれか:02/11/27 18:33 ID:/6gmkNei
圭はロックを戻すと銃を希美の目の前に差し出した。希美の目が「?」と暗闇で
訴える。
「辻が持ってて」
ぶんぶんと希美が首を振る。圭は半ば強引に、希美のパンツの後ろに銃を突っ込
むと、少しだけ笑った。私にはやっぱり脇役が似合ってるみたい。
圭は希美の手を引いて近くに引き寄せると、覆い被さるように両腕で包んだ。
「……寒い?」
圭が静かに希美の耳元で囁く。希美の体がさっきから小刻みに震えていた。
「ううん」
頭を振ったのが分かったが、二人は茂みに溜まった雨露のせいですでに全身びしょ
濡れで、圭に伝わる希美の震え方は普通じゃなかった。このままじゃ、体力を奪わ
れるばかりだ。このまま深夜になんかなったら命を落としかねない……。
75 :
だれか:02/11/27 18:35 ID:/6gmkNei
ボヤボヤしてる時間はない。もうなんだかんだで1時間近く以上こうしてここに
隠れてるし、今は物音も聞こえない。まだ近くにはいるだろうけど、どっちにせよ
この泥だらけの格好じゃ、遅かれ早かれ、すぐに見つかってしまうだろう。なによ
り、これ以上体力が落ちたらもう逃げ切れる自信がない。
よし、行こう。圭はさらに強く希美を抱きしめ、言った。
「行くよ」
希美が大きく深呼吸するのが伝わってくる。
「うん」
圭が希美から離れ、取った手はもう震えていなかった。希美の目が暗闇で力強く
光っていて、圭は少しだけ気圧された。私がこれくらい年齢だったとして、こう強
くいられただろうか?
「どうしたの?」
自分を見つめる圭に希美がとぼけた表情で尋ねた。圭はあわてて首を振る。
「ううん。なんでもない……それより、死ぬんじゃないわよ」
……少なくともアンタはね。
圭は希美の肩を叩くと、ゆっくり茂みの外に向かいだす。その背中に希美の小さ
な声が響いた。
「保田さんも、だよ」
76 :
だれか:02/11/27 18:38 ID:/6gmkNei
>>75 1行目「1時間近く以上」→「1時間以上」
ほぜむ
(・∀・)イイ!
保全
80 :
だれか:02/12/08 04:50 ID:KassDF56
――もう戻れないとこに来ちゃったから。
何も言うまい、と真里は思った。きっと理由を聞いたとしても多分この娘は話さ
ないだろう。とにかくひとみは一人の人間を殺し、今ここにいる。それだけだ。私
にできる事なんか何もない。
「変わったね。よっすぃ〜」
「もう、元がどうだったのかも覚えてないっすよ」
二人は誰もいないビルの軒下で壁に寄りかかりながら雨を見上げていた。
「それで……矢口さんは今何やってるんですか?」
ひとみからの問いに、真里は一瞬言葉がつまらせ、笑った。
「なーんにも。毎日適当に遊んで、適当に寝て、適当に食べて、それの繰り返し」
ひとみは何も言わずに曇った空を見つめる。
「娘。辞めてから気づいたんだけどさ。矢口から娘。を取ったら何にも残ってなかっ
たんだよね」
実は、娘。解散後に芸能界の様々な方面からのオファーが、メンバーで一番多かっ
たのが真里だった。しかしその全てを断り、真里は芸能界から身を引いた。
「マジで、笑っちゃうくらい何にもないんだもん。ヤんなっちゃうよね」
あはは、と乾いた笑いが小さく消える。
81 :
だれか:02/12/09 01:05 ID:edwRNd0G
「後悔してますか?」
「後悔? ……してないよ、もちろん」
わざと冗談っぽく言ってみせた。ひとみは壁から離れると言った。
「……吉澤はしてます」
真里は驚いてひとみの顔を見た。
「よっすぃー」
「じゃあ……行きますね」
嫌な予感がした。
「ちょっと、どこに行くんだよ」
問いには答えず、ひとみは雨の中へ踏み出した。真里がその背中にゆっくり言葉
を投げる。
「約束……忘れてないよね」
「約束?」
立ち止まるひとみ。
「もうすぐ一年だよ」
この一年間、吉澤が何をしていたのかは分からない。けど、これだけは……この
約束だけは娘……いや”元”娘。のメンバー全員が忘れるはずがない。そう信じて
いた。
82 :
だれか:02/12/09 01:36 ID:edwRNd0G
「覚えてるんでしょ?」
「……もう忘れましたよ。そんな昔の事」
ひとみは背中を向けたまま答えた。
「ウソだ!」
「じゃあ、ホントに行きますね」
「吉澤ぁっ!」
真里の声にひとみは一瞬びくりと肩を震わせたが、それでも真里の方を振り向く
ことなく、やがて雨の中に消えていった。
「バカ」
真里がそうつぶやき、ひとみを追おうかどうか迷った時、携帯から唐突にメロディ
ーが流れた。I&YOU&I&YOU&I。
(もー、ちょっとは空気くらい読んでよね)
ため息をつくと、真里はコートから携帯を取り出しディスプレイを見た。
”着信 圭ちゃん”
「えぇっ!?」
思わず声を上げていた。
83 :
だれか:02/12/11 04:34 ID:8wW/H8x8
更新楽しみにしてます。
\ /
\ /
\ /
\ ∧∧∧∧/
< 負 >
<予 >
< の け >
─────────<感 組 >──────────
< >
< !!!! >
/∨∨∨∨\
/ \
/ \
/ (`◇´) \
/ (∩∩) \
待ってるよ
保
ん?
待ってます
あがっがががががああ
91 :
:02/12/29 23:55 ID:A82K6e7d
?
ん?
94 :
名無し募集中。。。:02/12/30 09:47 ID:TfDcRxYp
結構あいてるけど続き期待ほぜ
圭ちゃんからの電話の内容が気になるyo〜
@ノハ@
(,, ‘д‘) スンスンスーン
/ \
⊂ ) ノ\つ
(_⌒ヽ
ヽ ヘ }
ε≡Ξ ノノ `J
頑張って
ishikawanomankonametai
101 :
77:03/01/10 15:10 ID:LmJSqbbt
102 :
山崎渉:03/01/10 17:04 ID:pIJVPYa4
(^^)
103 :
名無し。:03/01/10 17:32 ID:DcaGZjB4
>102
保全されちまうわけだが、、、確信犯か?
104 :
名無し募集中。。。:03/01/10 23:13 ID:AU9DaRkn
105 :
だれか:03/01/13 10:44 ID:4RijZTRI
「圭ちゃん……だよなぁ」
一呼吸置いて、改めて携帯を見る。
”着信 圭ちゃん”
薄暗くなってきた中、ぼんやりと液晶が光っている。やっぱり間違いなかった。
圭ちゃん……てっきりもう携帯は手放したものかと思っていた。なんで今頃?
……いや、今だから?
サビから流れ出したメロディーがもう一周目を終えようとしている。
余計な事考えてる場合じゃないな。真里は通話ボタンを押し、向こうの様子を窺
いながら言った。
「圭ちゃん……圭ちゃんなの?」
答えは返ってこなかった。その変わりに聞こえて来たのは荒い息遣い。真里は一
瞬卑猥な想像が頭を過ぎりつつも、慌てて気を取り直すと叫んだ。
「け、圭ちゃんでしょ!? どうしたんだよ!?」
電話の向こう、遠くから聞こえる雑踏や車の音。どうやら外からかけているらし
い、それに途切れ途切れの息遣いは女のものに違いなかったが、どうにも誰なのか
が分からなかった。
ちくしょう、なんで音しか聞こえないんだよ――真里は不条理な不満を漏らしな
がら、耳を強く携帯に押し付けた。何がなんだか分からないけど、なぜか嫌な予感
がしてならなかった。
そして郷を煮やした真里が、もう一度向こう側に呼びかけようと息を吸い込んだ
その時、振り絞るような声がかすかに聴こえた……気がした。
キタ━━━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━━━!!!
半ばあきらめかけてました。ありがとう
107 :
だれか:03/01/14 05:24 ID:Utgqkv2+
「え、何……?」
そう問うのももどかしく、真里は更に耳を澄ませる。
「……だ、れ?」
再びかすれた声が耳を突いた。やっぱり気のせいじゃない。さっきからの息切れ
は多少おさまって来たようだったが、それと同時に、今度はその声が異常に震えて
いるのに真里は気付いた。
「矢口、矢口だよ圭ちゃん! どうしたの!?」
何だよ。何があったんだよ。
「や……ぐち」
違和感があった。違う、この声……圭ちゃんじゃない?
「誰? 圭ちゃんじゃないの?」
その時、真里の頭の中を光が走った。この声、これってまさか……
「……辻? 辻でしょ!?」
怯え、疲れきって震える声。真里にとって一年ぶり、いや、今までに一度だって
希美のこんな声を聞いた事などなかったが、電話の向こうに希美がいると確信でき
る。
「や、ぐち……さん」
希美が真里の名を呼ぶ。泣いているのかと思ったがそうではないようだ。真里は、
そう思っていた自分自身がいつの間にか涙ぐんでいるのに気付いた。
スレがバンバンたって心配だからほz。
今日の特番で矢口と辻の信頼関係を垣間見ますた。
ののたんどうなったんだろう(;´Д`)
111 :
だれか:03/01/27 05:22 ID:PaoerDIw
毎度更新遅すぎですね。ごめんなさい。地道に続けます。
112 :
だれか:03/01/27 05:22 ID:PaoerDIw
「辻、どうしたんだよ!」
「助けて、矢口さん」
「何が……じゃない、どこにいるんだよ。辻」
「助けて……矢口さん。殺されちゃうよ」
「はぁ!?」
訳分かんないよ。辻が……殺される?
「殺されちゃうよぉ」
弱々しいがその声は悲痛に真里に響く。ヤバイ、なんかヤバイ。
「辻! 辻、聞いてる? 今どこにいんのよ」
耳を澄ますが返事がない。ただ希美の震える息遣いだけが聴こえてくる。
「辻ぃっ!!」
大声を張り上げた真里は、一呼吸置くと今度はゆっくりと言い聞かせるように続
けた。
「辻、よく聞いて。これから矢口がそこに行くから辻がいる場所を教えて、今都内
にいるの?」
「うん」
喘ぐように声を吐き出す希美。
「都内のどこ? 新宿? 渋谷?」
それとも天王洲か板橋か……どこにしたって都内ならそんなに時間はかからない。
(いや……)
今の辻の状況じゃそれでも遅すぎるかもしれない。ちくしょう、誰にも辻に手を
出させるもんか。
あり?なんであがってんの?
ともあれ更新乙です。ま、マターリでもおkでしょう。
できれば・・・・ってことで。
114 :
山崎渉:03/01/28 14:04 ID:3mTZ7UF2
∧_∧
ピュ.ー ( ^^ ) <これからも僕を応援して下さいね(^^)。
=〔~∪ ̄ ̄〕
= ◎――◎ 山崎渉
にゃん
(・∀・)イイ!!
ほ〜z
ほぜん
保z
ho
tes
test
tes
t
(& + #9685& + #3642´ー`& + #9685& + #3642)
t
127 :
774:03/03/01 20:32 ID:28LcTYX2
128 :
だれか:03/03/02 21:49 ID:GZeZVCxg
「辻?」
「分かんないよ。分かんない」
そうとう混乱しているのか、どうにも要領を得ない。
「じゃあ、今周りに何か場所が分かるような物は? ない?」
「物?」
「どっかに住所か地名か、書いてるモンあるでしょ」
「住所……探してみる」
携帯の向こうからザーっと車が水溜りを切る音が聞こえてくる。頼むよ、マジで。
「……なんとか、まち」
雑音の中、希美の自信なさそうな声が聞こえた。
「は? どうした、見つけたの?」
「電柱に書いてあったけど……なんて読むのか分かんない」
「読めない? どんな字だよ」
「ご、お? と、まち」
「ごおとまち〜?」
思わず真里は左手で頭を押さえる。分かんねーってそれじゃ。
二人の頭上には濁った空。街の光を反射して不気味に光っていた。
129 :
七誌:03/03/02 23:41 ID:gw1c/Io3
テスト
t
密かにコーシンキテター!
test
t
test
test
test
test
test
test
test
te
t
tes
test
test
test
名無し募集中。。。[
名無し募集中。。。[
名無し募集中。。
testtesttest
連続規制わけわからん
通りすがりの誰か教えてくれないかなぁいい方法
ここでtestしないなら
連投にひっかかるってことだよね
それなら語尾にスペースいれれば無問題なはず
聞きたいことが違ってたらスマソ
>作者さん
スレ汚しスマソ 更新期待してるんで
155 :
sage:03/03/07 11:58 ID:io/9Av56
156 :
優:03/03/07 22:48 ID:QmwP3FjE
なにここ?
>>156 小説スレでつ なのでsageでよろしく
>>154 それは2重カキコかと…
先生、ここが小説スレとは知らずtesuしまくってスマソ