1 :
窪塚よーすけ山:
犬の映画なんか見たくねんだよ!
素人のへたれた演技見せられても萎えるだけだ
演技不足はアクションでカバーだろ!
変身は顔が見える様に二段階変身。1回目は星矢風の
クロスっぽいバトルスーツ。2回目が覆面スーツ。
動きのとろい奴はすぐさま覆面スーツでスーツアクター
に任せりゃいい。で「トー!!」とか「ハッ!」なら
大根石川にもいえるだろ
吉澤と辻はスタント抜きだ!やせて一石二鳥だろ!
紺野は空手アクション爆発させろ! わかったか!
クソテキトーなマスコミにもピースだコノヤロウ!
飯田はえっちなスーツね。
サブタイトル未定
2 :
よーすけ山:02/10/01 07:41 ID:fHrvI+iB
ねみーな
3 :
名無しくん:02/10/01 07:47 ID:W5Gf4lmy
>>1 あんた えらく男前ね
悪役に藤岡 弘キボンヌ
4 :
よーすけ山:02/10/01 07:51 ID:fHrvI+iB
>>3 もちろんそうよ。クレジットは特別出演。
宮内洋もだよ
6 :
よーすけ山:02/10/01 07:56 ID:fHrvI+iB
ソニンたんは関係ない。
友情出演で黒部進ってのは?
だれとの友情かはしらんが、、、
8 :
名無し募集中。。。:02/10/01 09:22 ID:oKxiACv4
モーニング刑事2も当然ミチャーンが主演だろうな?
9 :
名無し募集中。。。:02/10/01 09:29 ID:KYWGIU0W
今度は前編ハワイロケで衣装はビキニでお願いします。
10 :
名無し募集中。。。 :02/10/01 10:34 ID:jTLjzm1d
>>7 友情出演というのはキャストやスタッフと仲のいい人が
まさしく「友情」で、端役やチョイ役でTVや映画に出演することをいいます
ノークレジットやノーギャラなのが一般的なので、みっちゃんが適役だと思いますw
12 :
名無し募集中。。。:02/10/01 11:39 ID:i+v48fzW
龍騎・・・紺野
オーディン・・・平家
タイガ・・・中澤
ベルデ・・・吉澤
王蛇・・・前田有紀
マグナギガ・・・辻
メタルゲラス・・・安倍
13 :
名無し:02/10/01 12:04 ID:O+1+D+KQ
全作が酷すぎたんで期待できねぇ。
なんでもいいから、ちゃんとした映画にしてほしい。
ま、、特撮ものってのは、ありかもね。
巨大化した辻加護が、街を破壊しまくる、、、とか見てみたい。
てか、ミニモニじゃムービーには、そういうのを期待してるのだが、、、、
無いか、、、。
14 :
名無しくん:02/10/01 19:18 ID:8eBY5/rS
特撮よりもワイヤーばりばりで
引っぱりまくりの感じで、やってほしい
15 :
7:02/10/01 19:35 ID:8eBY5/rS
16 :
名無し募集中。。。:02/10/01 19:39 ID:6bGHDbz7
ブリブリアイドル衣装が意外と似合ってた保田
17 :
名無し募集中。。。:02/10/01 23:15 ID:5wgv1y+G
みちよみちよみちよみちよみちよみちよみちよみちよみちよみちよみちよ
みちよみちよみちよみちよみちよみちよみちよみちよみちよみちよみちよ
みちよみちよみちよみちよみちよみちよみちよみちよみちよみちよみちよ
みちよみちよみちよみちよみちよみちよみちよみちよみちよみちよみちよ
みちよみちよみちよみちよみちよみちよみちよみちよみちよみちよみちよ
みちよみちよみちよみちよみちよみちよみちよみちよみちよみちよみちよ
みちよみちよみちよみちよみちよみちよみちよみちよみちよみちよみちよ
みちよみちよみちよみちよみちよみちよみちよみちよみちよみちよみちよ
みちよみちよみちよみちよみちよみちよみちよみちよみちよみちよみちよ
みちよみちよみちよみちよみちよみちよみちよみちよみちよみちよみちよ
みちよみちよみちよみちよみちよみちよみちよみちよみちよみちよみちよ
みちよみちよみちよみちよみちよみちよみちよみちよみちよみちよみちよ
みちよみちよみちよみちよみちよみちよみちよみちよみちよみちよみちよ
みちよみちよみちよみちよみちよみちよみちよみちよみちよみちよみちよ
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みちよみちよみちよみちよみちよみちよみちよみちよみちよみちよみちよ
みちよみちよみちよみちよみちよみちよみちよみちよみちよみちよみちよ
みちよみちよみちよみちよみちよみちよみちよみちよみちよみちよみちよ
みちよみちよみちよみちよみちよみちよみちよみちよみちよみちよみちよ
みちよみちよみちよみちよみちよみちよみちよみちよみちよみちよみちよ
みちよみちよみちよみちよみちよみちよみちよみちよみちよみちよみちよ
モーニング刑事。サントラは隠れた名盤!
「おねがいネイル」は名曲と思う。
特撮版スチュワーデス物語でいいよ
それかレッドビッキーズ
20 :
名無し募集中。。。:02/10/02 06:51 ID:f+PwmVQf
モーニング刑事2ではだれがトミ−で
だれがマツなんですか?
21 :
名無し募集中、、、:02/10/02 08:12 ID:7jiZGBCP
「殺しか?さぁ出動だ!一癖も二癖もある優能なデカがモーニングにはそろっている。
モーニング殺人捜査課。捜査に銃はいらない。カンと経験をたよりに物的証拠をあげ、
犯人に気持ち良く自白してもらう。それが俺達デカの仕事だ。
俺達は推理ドラマや派手なアクションドラマなんて信じない。信じるのは生身の人間の心理ドラマだ。」
22 :
名無し募集中。。。:02/10/02 10:37 ID:2Jp4BCZs
モーニング刑事2ではだれがロッキーで
だれがジーパンなんですか?
23 :
--:02/10/02 15:34 ID:AKVb8ROq
モーニング刑事2ではだれがタカで
だれがユージなんですか?
まあとにかくミチャーンが主演なことは決定なわけだが。
25 :
名無し募集中。。。:02/10/02 21:00 ID:1+AQmTXl
とゆうことは、ミチャーンがボスで
ゆゆたんが大門ですか?
26 :
:02/10/02 21:01 ID:WfzcYCUQ
27 :
(|| ゚Д゚):02/10/02 21:11 ID:jNIO3wQp
かおりん祭りまだ?
>>27 糞スレ立てるやつが多いんでその都度新しいAA出すのが大変だとこぼしておりました
29 :
名無し募集中。。。:02/10/02 22:38 ID:oa683Ku9
30 :
名無し募集中。。。:02/10/02 22:40 ID:l5K+gt3B
水着映像付で
31 :
名無し募集中。。。:02/10/02 23:30 ID:o2cBSgnH
噂の刑事トミーとマキ
(よっすとごちん)
小犬モロボシダンの物語 EPISODE6
新作楽しみですな
33 :
名無し:02/10/03 12:01 ID:AkGy+IZC
>32
サトミ隊員は殉職ですか?
34 :
名無し:02/10/03 13:37 ID:TG1u/z2t
モー娘。でスケバン刑事やってほしい(古!)
35 :
名無し募集中。。。 :02/10/03 22:05 ID:NjJridIV
ののたんの役はやっぱり
食いしん坊刑事になるの?
>>34 ホクロの位置からして二代目麻宮サキは保田ですか?
( `.∀´)<おまんらゆるさんぜよ
( `.∀´)<おまんこゆるゆるぜよ
38 :
34:02/10/05 15:03 ID:T30s9Ine
>>36確かにほくろの位置は一緒だけど南野陽子と保田を一緒にするのは
やめとーせ
39 :
名無し募集中。。。 :02/10/05 15:28 ID:uIgF4grd
吉澤「どすこい〜」
なるほど
死すべし
ダンの予告編ってもうやってるの?
てst
てst
te
?
aa
aaa
50 :
test:02/10/28 16:14 ID:b3C2fM+Q
ここまで読んでない
51 :
名無しさん:02/10/28 19:14 ID:AUtr49UN
若気のITALY的な映画だった
パート2はIRAN
52 :
名無し募集中。。。:02/10/30 07:34 ID:zeFq2vAT
hozen
53 :
名無し募集中。。。 :02/10/30 07:53 ID:sewCoX9X
「モーニング刑事2」はいらん、2時間ドラマ「モーヲタ刑事」を製作しる。
主演は野沢トオルだ。
なんでハロプロタレントの映画って、?っていうのばっかりなんだ?
普通にまともな映画作ればいいのに・・・。
どれもこれも一般受けしなさそうなのばっかり。
ヲタ的に見ても、引いてしまうのがちょっと・・・。
55 :
:02/11/02 17:56 ID:YHnjnfD4
おまけの映像で
ビキニ水着満載なら、
ドラマなどどうでもいい。
56 :
名無し募集中。。。:02/11/02 18:35 ID:Ze4AbaTU
57 :
名無し:02/11/11 21:11 ID:ZGxhP1YA
モーニング刑事2
妖魔が蔓延る都市、東京、今日も彼女達の戦いは続く!
「月光演舞殺!」
ケイは手に持っていたリング状の武器を魔物めがけて投げつけた。
スパッ!
ケイの放ったリングは魔物を八つ裂きにした。
「任務完了!」
ケイはそう呟くと携帯を取り出し何処かに電話した。
プルルル・・(もしもし?)
「あっ、裕ちゃん、終わったよ」
(はーい、おつかれ。今日はそいつで終わりやから帰っていいで)
「了解!」
今、魔物倒したばかりのこの女性、名を『保田 圭』と言った。
妖魔ハンター、『モーニング刑事』の一人だ。
モーニング刑事、彼女達の戦いは、まだまだ続く!
こんな感じで作ったらエエンかいの?
58 :
名無し:02/11/12 23:27 ID:Uegw1oNe
今日もコソーリ書く
『モーニング刑事』それは警察では手に負えない怪事件を担当する組織
プルルル・・ナツミの携帯が鳴る。
「もしもし?」 (なっち?今何処にいる?)
本部の裕子からだった。
「河口湖だけど・・」 (そうか、ちょうどええわ、本栖湖でスクランブルや)
「えー!今日はお休みでしょう?」 (ごめん、人がおらんねん、頼むわ)
「じゃあ、後で休み貰うよ。で場所は?うん、うん、解った。すぐ向かいます」
ナツミは本栖湖に向かった。いや正確には本栖湖の近くの樹海だ。
「あれー、おかしいなー?」
ナツミの手にしたレーダーには何の反応もない。
「本当にここなのかなー?何の反応も・・」と言いかけた時【ピー】
ワーニングシグナルが鳴った。
「わっ、すぐ近くだ。やばい、後ろだ・・」ナツミは振り返った。
「ナニモノダ・・スグニタチサレ・・」
そこには、ファイルNO・03邪鬼の姿が・・
「そうは行かないの、妖魔撲滅法において、貴方を清めます」
ナツミは戦闘態勢に入った。
59 :
名無し:02/11/13 23:26 ID:849EDdND
今夜もコソーリ
そうは言ったがナツミは考えていた。
{邪鬼か、封印が解けたばかりとは言っても強そうだな。}
そこでナツミは
「あのね、今はね貴方の住める環境じゃないの。だからさ
そうなるまでもう一度封印されない?」
なんとナツミは説得をはじめた。
「・・・ナニヲイッテイル・・サラネバキサマノカラダヲイタダク・・」
{やっぱり駄目かー。仕方ない、やるか}
ナツミは覚悟を決め腰から何やら取り出した。
「双龍槍!」 ナツミは手にした槍を伸ばした。
「キサマ・・ノウリョクシャカ?・・イヤ・・タイマシカ?・・」
「どちらでもない、とにかくおとなしくしなさい」
ナツミは、邪鬼に切りかかった。しかし・・スカッ!
攻撃は簡単にかわされ、逆に背中に一撃喰らってしまった。
「・・・痛ったー!もうやだよー、いつもこれだべさ」
愚痴りながらも体制を整えたナツミは、構えを取りこう言って飛び上がった。
「双龍天降!」 今度は槍を回転させながら邪鬼の頭上から切りかかる。
槍先は確実に邪鬼ダメージを与えた。
60 :
名無し:02/11/14 21:30 ID:ju3PHuMJ
今宵もコソーリ
「ヤルナ・・ノウリョクシャデモタイマシデモナイ・・ナニモノダ・・」
邪鬼に問われナツミは答えた。
「M刑事・・」
「ナンダソレハ・・」ナツミはまた答える。
「モンスター何たらかんたら刑事ってのを略して、モーニング刑事
更に略してM刑事、簡単に言えば妖魔の専門機関かな」
「・・ワカラン・・トニカクオマエハワレヲタオシニキタノカ?・・」
「うん」ナツミは普通にそう答えた。
「オモシロイ・・オモシロイゾコムスメ・・ワレヲタオセルノカ?・・」
邪鬼の問いにナツミはゆっくりと話始めた。
「そんなの解らないよ。でもね、さっきも言ったけど今の環境じゃ人類と
あなた達の共存は無理なの、それに今貴方になっちがやられたとしても
いつか他の人が来て貴方を倒すだけ・・結局一緒だよ」
61 :
名無し:02/11/14 21:49 ID:IzamjkUj
も一つコソーリ
「デハ・・オマエハ・・ドウスルツモリダ・・」
「約束は出来ないけど・・いつか私達があなた達と共存できる日が
きっと来るよ。それまで貴方を封印します」
「ソウカ・・ドノミチコノキズデハ・・シバラクハウゴケンダロウ・・
キョウゾンノヒガクルトハオモエンガ・・イイダロウフウインスルガヨイ・」
邪鬼の意外な答えにナツミは驚きながらも言った。
「本当に?・・ありがとう。共存の日、きっと来るよ。」
邪鬼は薄笑いを浮かべながら聞いてきた。
「サキホドノ・・ナッチ・・オマエノナカ?」
「そうだよ、私はね、なつみ、安倍なつみだよ」
「ナツミカ・・ヨイナダナ・・デハナツミヨ・・ヤッテクレ・・」
邪鬼はそう言うとナツミの前に立った。
62 :
名無し:02/11/16 01:31 ID:X/POeBmX
今晩もコソーリ
「それじゃ、始めるよ」 ナツミは小さい石版を取り出した。
「大地に宿りし者達よ・・その光を持ってこの者を封印せよ!」
石版が輝きだした。その光が邪鬼を包む。
「・・サラバダ・・ナツミ・・」 邪鬼は石版に吸い込まれた。
「終わった・・さてと・・ジリュ!」 ナツミはそう言って槍で地面を叩いた。
すると地面から小さな龍が出てきた。
「ジリュ、この石版を地面深くに運んで。誰にも荒らされたくないの」
ナツミはジリュと呼ぶ龍に石版を咥えさせた。
「お願いね。」 ナツミがそう言うとジリュは地面へと消えて行った。
「任務完了!」 ナツミは携帯を取り出しダイヤルした。
プルルル・・(もしもし?) 「なつみです。任務完了しました」
電話の相手は裕子だ (お疲れさん、どうだった?)
「裕ちゃん、ひどいよ、相手邪鬼だったよ」
(そうか、そら大変やったなー、でもよう倒せたな)
「・・封印しました・・・」
(またかい!そら倒すばかりが仕事やないけどなー、なっちあまいで!)
「解ってるよー」 (まあええわ、お疲れさん)
安倍なつみ・彼女もまた『モーニング刑事』の一人、戦いは続く!
63 :
名無し:02/11/17 01:08 ID:dap0qirU
コソコソ・・・
夕暮れ時の都内某公園。普段ならこの公園も人通りが多いのだが
今はなぜか、まったくと言っていいほどない。
その公園の中央付近にあるベンチに一人、ボーと座る女性が・・
その女性は何をする訳でもなく、じっとしている。
ただ背中まで伸ばした髪が夕暮れの風にゆれていた。
どれ位経っただろうか突然公園の木々がざわめき始めた。
いや、正確には彼女だけがそう感じていたのかもしれない。
「来た・・」彼女は立ち上がった。次の瞬間!地面に亀裂が走る。
ピシッ!地面は割れそこからは・・・
上半身は人型、下半身は蛇、そう表現すれば良いのか、そんな怪物が
彼女の前に姿を現した。
「やっぱり、こいつか・・牙羅蛇・・覚悟しなさい」
そう言うが早いか、彼女は間合いを取った。
64 :
名無し:02/11/17 22:51 ID:/ulOs/KE
今日もコソコソ・・
だが、牙羅蛇は彼女の方へは向かって来ず、その場から動かなかった。
見ると何かを食べている様に見える。牙羅蛇の顔の辺りには良く見ると
薄くもやのような塊が見えた。
「思った通りだね。瘴気を喰らう下等妖魔め・・」
彼女は呟いた。そう、このもやの様な物は瘴気の塊で
彼女がここに仕掛けた物だった。
瘴気とは、人間の負の部分より発せられる気の集まりで今の世の中なら
何処にでも存在している。特に人の多いここ東京ならなおさらだ。
プルルル・・不意に彼女の携帯が鳴った。
ピッ!「もしもし・・」 (圭織、定時連絡がないよ)
「あっ・・ごめん、平家さん、もうそんな時間?」
(ったく、何やってんの?忘れてたでしょう)
「うん、でもさー、ビンゴだね、大物が釣れたって感じ?」
(はぁー?何言ってんの?解るように説明してくれる?)
「ごめん、今さー、目の前に牙羅蛇がいんの、だから電話切るね」
(ちょっと、圭織・・・) ピッ!圭織は携帯の電源を切った。
ここって読んでる香具師っているのか?
66 :
名無し:02/11/18 09:21 ID:kZ2Vi4jw
多分いない!
>>66 とゆうことは漏れと君と書いてる香具師
三人だけか・・・
68 :
名無し:02/11/18 21:10 ID:FXym3kdW
それでもコソコソ・・・
カオリは携帯をポケットにしまった。
「さーて、大物釣ったからには、さばかないとね。雷神降臨!」
天に突上げたカオリの両腕は帯電した。
「雷の槍!」 カオリの右腕がスパークし雷が牙羅蛇を捕らえた。
「シャァァァァァァー!」 カオリの攻撃を受けた牙羅蛇は
カオリに襲い掛かる。カオリはもう一度雷を放った。
「シャァァー」 牙羅蛇はそれでも近づき両腕でカオリを持ち上げると
近くの木に叩きつけた。そしてもう一度掴み上げ今度は地面に叩きつけると
蛇の様な身体でカオリを締め付けた。
「くうぅぅぅ・・思ったより強敵だ・・でも・・負けない」
カオリはそう言うと静かに目を閉じ両手を牙羅蛇の身体にあてた。
「・・・爆雷破!」 カオリの手のひらで落雷の様な爆発が起こる。
69 :
名無し:02/11/18 21:13 ID:1MRROoGH
>>67 66は書いている香具師なので二人かと・・
>>69 オマイは読んでね〜のかよ
二人でスレ回すのはかなり寂しいぞ
71 :
67だが:02/11/19 00:31 ID:T8peVpDy
70もオイラ
気が付けば日が変わってた
>>69 いや、庵も一応読んでるからヤパーリ三人だ。
73 :
名無し:02/11/19 22:41 ID:2zzmtWnt
>>70.72
感想はどうであれ読んで頂いてどうもです。
ちなみに66.69及び書き人は同じです。
それでは、続きをコソコソ・・・
カオリの攻撃で牙羅蛇の身体の一部は吹き飛んだ。
身体を吹き飛ばされ牙羅蛇はその場でのたくっている。
カオリのダメージも相当の物だった。それでもカオリは最後の力を振り絞った。
「大電撃!」カオリの両腕から凄まじい稲妻がほとばしる。
稲妻は牙羅蛇を包み込むとその身体を焼き尽くした。
カオリはふらふらになりながらも先程座っていたベンチに腰をかけた。
そして、携帯を取り出すと電源を入れダイヤルした。
プルルル・・(もしもし・・・) 「平家さん?やっつけたよ」
(その様ね、よくみえてるわ) カオリは振り返とそこには
平家が立っていた。平家は携帯をしまうとカオリの横に座った。
74 :
名無し:02/11/19 23:03 ID:HrAvXOYq
も一つコソコソ・・・
「圭織あんたねー、何考えてるの?一人で無茶して・・」
平家は座るなりカオリを叱った。
「・・・ごめんなさい・・でも・・」
カオリの言葉を無視するかの様に平家は続けた。
「まったく、こんな化け物一人でやるなんて・・ここまでの相手なら
もう私達の仕事じゃなくって上の仕事でしょ?」
「そうだけどさー、退魔師とか能力者とか上の連中が・・あいつら絶対
バカにしてるよ。私達の事・・裕ちゃんもなっちもそれにみんなの事も
私はそれが許せないの・・だから・・私達も・・M刑事だってやれるんだって
あいつらに見せたかったんだよねー」
平家は呆れた様な顔をしたがこう言った。
「圭織・・それは私にも解るけど・・だったらみんなでやる事じゃないの?
全部自分で被る事じゃないよ」
そう平家に言われたカオリの目には涙が浮かんでいた。
75 :
名無し:02/11/19 23:22 ID:B27UjBCS
さらにも一つコソコソ
「ちがう・・違うの、みんなの為とかじゃなくって・・意地かな?
そう、私の意地・・私リーダーだし、みんなにも見せたかったのかも知れない
でも・・だめだよね、これじゃまたバカにされるかな・・」
平家はカオリの頭に手をおいた。
「上の連中はともかく、誰も圭織をだめだなんて思ってないよ。
だってそうでしょう?圭織はリーダーなんだよ。みんなしっかり
ついてきてるじゃない。焦っちゃだめ、大丈夫だよ」
「うん、ありがとう。そうだよね、だって私、みんな大好きだもん」
そう言うとカオリは笑った。
「よっしゃ、今日はみっちゃんのおごりや、なんでも好きなもん食いや」
そう言って平家と圭織は夜の公園を後にした。
モーニング刑事・・戦いはまだ終わらない!
76 :
名無し:02/11/20 22:25 ID:ztlJ1omI
今夜もコソっと・・・
私がM刑事になって一年が経ちました。やっと一人前になれた気がします。
M刑事は私が考えていた以上に大変な仕事です。
そんな仕事のお話をする前に、M刑事について少し説明しましょう。
M刑事が誕生したのは、数年前から頻発し始めた人間の仕業ではない事件を
解決する為に、当時警察省の寺田室長が提案したハロープロジェクトが
きっかけでした。寺田室長の提案は首都圏に集中するモンスター事件を
警察ではなく、専門のスペシャルチームを組織しこれにあたると言う物でした。
この提案は採用され特殊機関として、M刑事は組織されたのです。
結成当時は、6人の捜査官で事件にあったていましたが人員や経験の不足から
能力者や退魔師の人達に協力をお願いしました。
ちなみに能力者とは、風や炎など自然の力を操る能力を持った人達の通称で
これだけだと、飯田さんもこの中に入りそうですが、違うんです。
77 :
名無し:02/11/20 22:47 ID:/WKTtEt1
さらにコソっと・・・
彼らの場合、先祖代々妖魔退治の家系である人達で、飯田さんは
特にそう言った家系ではないので違うらしいのです。
また、退魔師とは平安の時代の陰陽師や密教の力を駆使し戦う人達の事で
簡単に言うと漫画の孔雀王の世界の人達だと思っていただければ良いです。
その人達に協力をお願いしていたら、いつの間にか話が進んで
「妖魔撲滅法」なんて法律ができ、気がついたらM刑事は彼らの下部組織
みたいな扱いを受けるようになっていました。
まあこれは政治の世界のお話で私には、よく理解できません。
そんな中でもM刑事は組織として大きくなり、今は警察省の特務部、妖魔対策室
として寺田室長指揮の下、日々頑張っています。
説明が長くなってしまいましたね。ごめんなさい。話を戻します
。
78 :
名無し:02/11/20 23:07 ID:5LTKpqB5
またまたコソっと・・・
私も一人前に認められついに捜査官として仕事をする日が来ました。
今までは、他の同期の3人と見習として行動を共にして来ましたが
今日からは一人です。とは言っても他の先輩と一緒ですが・・・
M刑事は最初は首都圏を中心に行動していましたが、今は人員も増え
関東甲信越地域までカバーできる様になりました。
そこで誕生したのが、M刑事移動司令局です。凄そうな名前ですが
ぶっちゃけ、ただの車です。その車の中に本部機能を持たせた物だと
思って下さい。今日はたまたま出動メンバーに私が選ばれたのです。
私は朝の引継ぎが終わると移動指令班、班長の稲葉さんに呼ばれました。
稲葉さんの部屋に行くとそこには先輩の吉澤さんもいました。
私が部屋に入ると稲葉さんは作戦の説明を始めました。
79 :
名無し:02/11/20 23:35 ID:+w9CjOgs
も一つコソっと・・・
「今からあんたらとうちの三人で奥多摩に向かう。作戦内容は車の中で
話すんで、すぐ仕度しいや」
事実上の私のM刑事としての初仕事です。そんな私に稲葉さんが言いました。
「どや?緊張しとるか?でもな、もう見習いと違うんやで、頑張りや」
そう稲葉さんに言われ私も張り切って返事をしました。
「はい!大丈夫です。体調も完璧です!」
しばらくして私たちは本部を出発しました。車での稲葉さんの説明によると
現地の国有林で何かに襲われた人が何人も出たとの事でした。
もっともその人達はいわゆる密猟者がほとんどで、普段人が入らない様な場所
で襲われた例が多い様です。しかし、そこに何かがあるのは事実で
その為に私達に出動要請があったのです。
作戦と言うほどの指示はなかったのですが、着いたらすぐに現地調査を行い
それを基に今後の行動を考える事になりました。
80 :
名無し:02/11/21 00:00 ID:owA4SiTf
しつこくコソっと・・・
現地に着いた私達は早速行動を開始しました。稲葉さんは車に残り
吉澤さんと私は二手に分かれ現場の調査です。事件現場はそれぞれ違いましたが
一定の区域に絞られている様でした。MTBでの移動はかなり疲れますが
今の時期の奥多摩は、ちょうど紅葉の季節でちょっとしたサイクリング気分
で私は事件の発生現場の調査をしていました。
そして四箇所目に向かう途中でした。道路脇の茂みから男の人が飛び出して
来ました。彼の足には大きな裂傷が確認できました。
彼は私を見つけると「助けてくれ!猿だ・・猿の化け物だ・・」
と叫んで足を引きずりながら私に助けを求めてきたのです。
すぐに彼に近寄り傷の手当てをしました。その時私は彼の腰から下がっている
籠の中に松茸を見つけてしまい(この人も密猟者か・・)などと呆れましたが
そうもしていられないので仕方なく彼に私のMTBを渡し稲葉さんの
所まで行く様に言いました。
81 :
名無し:02/11/21 21:22 ID:1WIRQLSw
続きをコソっと
「これで止血は出来ました。でも直ぐに治療が必要です。でもその足じゃ
歩けないだろうし、私の自転車使ってください。ここからなら下りだけ
だし、下りきった所に私の仲間がいますから、そこで治療してもらって
ください。連絡はしておきます」
彼はそこで今の自分の立場を思い出した様です。バツが悪そう私を見るので
「私は環境省から依頼を受けて地質を調査しているグループの者です。
ですから、あなたがここで何をしていたのかについては一切関知しません。
それより早く行ってください。治療が先決です」
私は咄嗟に嘘を言いました。一応M刑事は非公式組織なので一般の人はその存在
を知らないのです。
彼は安心した様な顔をして自転車にまたがると思い出したように言いました。
「姉ちゃん、ありゃ化けもんだ、気をつけな。森には入るんじゃないぞ」
そう言うと彼は稲葉さん達の所へ向かいました。
私が稲葉さんに連絡しようと無線機を手にした時です。
82 :
名無し:02/11/21 21:47 ID:/UurdDq8
やはりコソっと
ガー(稲葉さん、吉澤です。今、巨大生物を確認しました。追跡します)
ガー(了解!気いつけや、あまり深追いするんやないで)
ガー(了解!)
吉澤さんが何かを発見したとの交信が私の無線にも入ってきました。
私も今の出来事を報告しました。
ガー「稲葉さん、私も今、怪我人を保護しました。猿の化け物を
見たと言ってました。怪我人はそちらに向かわせました。
フォローを願いします」
ガー(了解!身分は言わなかったやろな?)
ガー「はい、打ち合わせ通り、地質の調査と言いました。それより私も
森に入ります」
ガー(了解!上出来や、気いつけや、この様子やと複数の固体がおるかも
知れんからな。あと、GPSのスイッチ入れてや場所がわからんと
困るからな。無茶するんやないで)
ガー「了解!注意します」
83 :
名無し:02/11/21 22:05 ID:Yl/4KBcP
こりずにコソっと
見ると直ぐ近くに森に入る小道があったので私はそこから森に入りました。
GPSとセンサーのスイッチを入れ先へ進みます。
しばらく歩くと一台の車が滅茶苦茶になっています。ボディーはボコボコ
ガラスは砕けちって、小型の4WD車でしたがとても人の仕業とは思えません。
まだ新しい血痕があったのでさっきの人の車でしょう。
(こんなとこまで車で入って・・何考えてるの?)
なんだかよく解りませんが、なんとなく腹が立ちました。
そんな時です。ガサガサ・・ガサガサ・・奥の方で何かが移動しています。
センサーには反応がありません。(野生動物かな・・)
そう思った私の目の前に見たこともない位巨大な日本猿が・・・
84 :
名無し:02/11/21 22:34 ID:JPxtBMio
まだコソっと
見た目は普通の日本猿ですが大き過ぎる、北米のビックフット、グラスマン、
サスカッチ、はたまた、中国の野人、ロシアのアルマス、ヒマヤラのイエティ
オーストラリアのヨーウィ、あっ、日本にもヒバゴンなんていましたね。
とにかく、思いつく限りの、いわゆるUMAを連想しましたが、こいつは
明らかに日本猿でした。でもその身体は2メートルを超えてたし、二足歩行
してたんです。某猿軍団も二足歩行したりしますが、こいつはもっと滑らかな
動きでした。
「・・でも、センサーに反応しないって事は、普通じゃないけどやっぱ・・
猿?・・突然変異かな・・おっと!」
独り言を言っている私にその猿は襲い掛かって来たんです。
(やっぱりおかしいよ、どうしよう。) 私は迷いましたがとりあえず
攻撃に出ました。猿の素早い攻撃をかわしながら、隙をついて正拳を一発
腹部に放ちました。すると猿はあっけまく気絶してしまいました。
「こいつが今回の騒ぎの犯人か・・」 猿を動けないように持っていた
ワイヤーロープで近くの木に縛りつけ連絡しようとしていると
ピー!センサーが反応しました。
85 :
名無し:02/11/21 23:03 ID:a8bwbr1s
もう一丁コソっと
センサーの指示する方向は私の後ろ側、とりあえず猿はそのままにして
そちらへ向かいます。50メートル位行った所で怪物が姿を現したのです。
妖魔ファイルNO11狒狒、センサーに接続されているPDAはこの怪物
のデータを私に教えてくれます。しかし、名前と容姿の特徴以外のデータは
記録されていませんでした。「役立たず!」それでも私は戦闘態勢を取り
構えました。両腕のプロテクターのボタンを押すと鉤爪が飛び出します。
「破ぁー!」狒狒に二段突きを放ちましたが、その皮膚は硬く鉤爪も効果が
無いようです。一旦間合いを取って再度攻撃に移ろうとした時でした。
狒狒は左に吹っ飛びました。見ると狒狒の右サイドから吉澤さんが
「気孔弾」を放った所でした。私は吉澤さんに叫びました。
「こいつの皮膚硬くて武器が役に立ちません」 すると吉澤さんは
「腰にぶら下げてるのは、ただの飾りなの?」
私は焦っていたのか、もう一つの武器をすっかり忘れていました。
86 :
名無し:02/11/21 23:24 ID:5q86YgVL
もう一つコソっと
もう一つの武器「カタール」これは私がM刑事になりたてのころ
矢口さんから貰った物です。イメージとしては、そうですね・・
ドラゴンクエストのドラゴンキラーみたいな感じでしょうか。
「前後から挟み撃ちにするよ」吉澤さんの指示に従い、立ち上がった狒狒を
前後から挟む形になりました。
「行くよ、気孔列弾!」吉澤さんが気孔弾を連続で放ちます。狒狒はそれを
両腕で防ぎましたが、私はその隙に狒狒のわき腹に切りかかります。
今度は手ごたえがありました。狒狒が私の方を見ると、すかさずその傷めがけて
吉澤さんは気孔弾を打ち込みました。さすがにこれは効いたようです。
狒狒はその場に倒れました。私がとどめを刺そうと構えた時
「待って・・」 吉澤さんは私を止めました。
吉澤さんは狒狒に近づくと首の辺りから何かを抜き取りました。
すると狒狒はどんどん縮んで、小さな猿の様になりました。
87 :
名無し:02/11/21 23:48 ID:5igR3elV
またしてもコソっと
小さくなった狒狒を見て吉澤さん驚いていました。
「山子・・・でもどうして?・・それにこれは・・異形の法・・」
吉澤さんの言っている意味が私には解りません。
そんな私を見て吉澤さんが説明してくれました。
「この子は狒狒なんかじゃない。山子って言って家の実家の方では山の守り神
だって言われてる。それより問題なのはこれだ・・異形の法の札が・・
いったい誰がなんの為に・・この子はこの札で狒狒にされたみたい」
その後、稲葉さん達もここに来て一部始終を話しました。
稲葉さんも考えている様です。「どや、あさみ何か解るか?」
稲葉さんにそう言われ、私は「えっ?何がですか?」と聞きました。
すると稲葉さんは、「あっ、わるい、わるい、こっちのあさみや」
今回の出動には、私達捜査官の他に資料課の木村さんと車輌課の大谷さんが
一緒に来ているのです。そう、木村さんは私と同じ名前だったんです。
88 :
70だが:02/11/22 21:50 ID:zRjNhuje
出張で三日ほど見てなかったんだが
あいかわらず人イナイ
あと今さら薄情すると漏れは3ダターリする
89 :
名無し:02/11/23 01:22 ID:SZ+Vo/Lw
>>88 出張ですか、お疲れです。藤岡さんは出ないですよ。
最初は1の設定を使おうかとも思いましたが、もろに仮面ライダーののと
かぶるのでやめました。
それでは続きをコソっと
「うーん、この札だけじゃ誰がやったかは解りませんね。データが足りないです
でも、異形の法なんて使う連中は、そうはいないですよね」
木村さんの資料を持ってしても、犯人は特定できないようです。
「それじゃ、こっちの方はどうや?」
稲葉さんが山子の方を見ていいました。
「ちょっと待ってください・・・出ました。えーと、(山子・山彦の別名、
山彦とは、山奥に住むと言われる精霊で、猿の様な容姿が特徴と言われる
山の守り神として祭られている地域も多い。古くは、やまびこの
返事をする物として信じられていた。地方によっては山子または山呼とも
呼ばれている)・・へぇー、この子が山彦か・・」
90 :
名無し:02/11/24 00:16 ID:2Ip4GOfF
今日もコソっと
山子は山彦が正式な名前の様です。
「別にこいつ自体が、何か悪さするとかそう言うわけやないんやな?」
稲葉さんは確認する様に聞きました。
「そうですね、精霊の仲間みたいですし、守り神でもあるみたいですから」
木村さんは持っていたPCを稲葉さんに見せています。
「そうか、なら問題なさそうやな。あとは、でっかい猿がおったとか
言っとったけど、そっちはどうなん?」
稲葉さんの言葉で私は、猿をそのままにしていた事に気づきました。
慌てて見に行くと、猿はまだ気絶していました。身体を調べるとやはり
札が刺さっていたので抜いてみると、こちらも縮み始め、普通の猿に
戻りました。猿を抱きかかえてみんなの所に戻るともう二匹猿が。
どうやら吉澤さんが倒した個体の様です。
猿は治療をすると元気になり、すぐにどこかへ行ってしまいました。
91 :
名無し:02/11/25 19:59 ID:MIFIs/Hg
本日もコソっと
「さて、次はこの子だ」 吉澤さんは山子の治療を始めました。
吉澤さんは気孔を使うので治療も出来るのです。
私も何度かお世話になりました。しばらくして山子の治療も終わりました。
「ごめんね、私がもっと早く気がついていれば怪我もしなかったのに」
吉澤さんが山子に謝っています。そこで初めて私は山子の顔を見たのです。
身体は猿に似ていますが、目が一つしかなくやはり普通の動物じゃない
そんな印象でした。そのあと稲葉さんが山子に声をかけました。
「もう悪さするんやないで、きいつけて帰りや」
山子がその後すぐに山に消えて行くのをみんなで見送るとその後が大変でした。
「よっしゃ、それじゃ証拠消すで」 稲葉さんの号令の後みんなで戦いの跡を
消したり、潰れた車を道に出したり、と重労働が続きます。
やっと終わった頃には日が暮れていました。
92 :
3:02/11/26 20:37 ID:/xqyRoxU
藤岡 保全
平家さんの能力に期待
下がり過ぎの気も・・・
94 :
名無し:02/11/26 22:50 ID:rLeGNot9
保全がついたうれしいな!
では続きをコソっと
任務も終わり、今日はここで一泊する事になりなした。もっとも、予定では
三日間の調査だったので一日で終わったのは正直うれしいです。
車を道路沿いの河原に停めて私達は、夕食の準備を始めました。
「今日の夕食はバーベキューやで、材料もたっぷりあるしな」
稲葉さんはそう言うと何処に積んであったのか、沢山の肉や野菜を
出してきました。そしてそこには松茸も・・・
「稲葉さんこれってひょっとして・・・」私が聞くと
「これはな、助けてくれたお礼として、あの、おっさんがくれたんや。そやから
これが何処にあったかなんて、うちは知らんで。あんたかて知らんやろ?」
そう言われ私も思わず「はい、知りません」と言ってしまいました。
そのうち材料もいい具合に焼け始め、さあ食べようと思った時でした。
バロロロロー・・・一台の車がこちらに向かって走って来る音が聞こえました。
「あの車の音・・矢口達だ。」M刑事の使用する車輌は大谷さん達車輌課の
人達が特別にチューンした物なので、大谷さんにはエンジン音で
矢口さん達だと解ったようです。
95 :
名無し:02/11/26 23:19 ID:/yvQ1ljP
さらに続きをコソっと
車は私達のいる横の道で停まりました。
「あー、いたいた。やっと合流できたよ」矢口さんが車から顔を出しました。
その後、車をこっちに移動して、みんな降りてきました。
「わーい、バーベキューだー。いっただっきまーす」
「わっ、ほんとだ、やったー」「ラッキー、いい時にきたね」
辻ちゃん、加護ちゃん、ミカさんがこちらに向かって走ってきます。
「あっ、こらー待ちなさい」矢口さんも走ってきました。
「なんや、お前達、どうしてここにおんねん?」
稲葉さんが矢口さんに聞きます。「えっ?裕ちゃんから聞いてない?」
矢口さんがそう言うと「聞いてるも何も、まだ連絡してへんがな」
稲葉さんは言いました。「そう、ただオイラ達は稲葉さん達と合流して
秩父に行けって言われたから来たんだよ」矢口さんはそう稲葉さんに言って
そばにあったお皿を手にとりました。
「秩父?おかしいな、こっちが終わったってまだ言ってないで、なんで
解ったんやろ。まさか・・あさみ、おまえ連絡したやろ?」
そう稲葉さんに言われ、私と木村さんは同時に「してません」
と言いました。「それじゃ大谷か?」稲葉さんは大谷さんに聞きます。
「いえ、私もしてないですよ。稲葉さんがしてると思ってたから」
大谷さんも連絡をしていない様です。
96 :
名無し:02/11/26 23:40 ID:7zyCVy0a
も一つコソっと
「じゃあ残るはヨッスィーやな。」しかし吉澤さんも
「私もしてないよ、稲葉さん自分でしたんじゃないですか?」
そう吉澤さんに言われ稲葉さんは「アホ、三日の出動が一日で終わったんや
誰が連絡なんかするか」と言っています。なぜか誰も本部に連絡していないのに
次の指令が出ている様です。しかしすぐにその謎は解けました。
「あっ・・・やっぱ私かも・・」吉澤さんがそう言ったのです。
「証拠のかたずけの少し前に圭ちゃんから電話があって、そん時に・・・・
こっちは終わったよって・・・・言った・・」
「ヨッスィー、おまえなー、せっかく二日遊べると思っとったのに
なんてことしてくれんねん。それにしても犯人は保田か、あとでしばいたる」
稲葉さんは残りの二日を遊ぼうとしていたようです。
「まあええわ、で矢口、指令は?急ぎなんか?」稲葉さんは聞きます。
「急ぎじゃないみたい、だいいち急ぎならオイラ達じゃなくてGMTが
行くでしょ?それに、だだ合流して秩父に行けって言われてるだけだよ」
矢口さんがそう言うと「そうか、なんやろな」稲葉さんは呟きました。
97 :
名無し:02/11/27 00:07 ID:AJygc+Nm
も一ちょコソっと
M刑事は通常一人で行動しますが、矢口さん達みたいに常にチームを組んで
行動するグループが二つあります。一つが先程矢口さんの言ったGMT、
もう一つが矢口さん達MMK。MMKとはミニM刑事の略で矢口さん
ミカさん、辻ちゃん、加護ちゃんの四人で構成されています。
みんな私の先輩ですが、M刑事は先輩、後輩と言う意識があまりないので
辻ちゃんや加護ちゃんを私は、ちゃん付けで呼んでいます。
矢口さん達みんなもニックネーム呼びあったりしてるし、そんな所が私は
いいなって思います。また話がずれちゃいました。ごめんなさい。
ミニM刑事は、名前から解るように小さいM刑事です。小さいは何を意味して
いるかと言うと、小さい子供達がよくオバケを見たとか言いますよね。
その中には本当に何かを目撃した子供もいるのです。そう言った子供達の
情報を集め事件を解決しているのです。今回もそう言う事件なのでしょう。
MMKと一緒に仕事をするのは、初めてなのでちょっと嬉しいです。
98 :
名無し:02/11/27 00:26 ID:L1EFYo6P
夕食も終わりました。あれだけあった食材もすでにありません。
みんな良く食べますから、特に辻ちゃんは、いや、私もかな。
「食うもんも食ったし、明日に備えてもう寝るか」稲葉さんが言いました。
すると矢口さんが「大谷さん、辻が車のモニター壊しちゃったんだ、だから
こっち来るの大変だったの、直せる?」と言いました。
「何ぃー?」大谷さんはそう言うと矢口さん達の車に走って行きました。
数分後「こりゃモニター交換だね、こっちの車のスペアがあるから明日朝一
で交換しとくよ。辻!あんたも手伝いなよ」大谷さんは辻ちゃん
を睨みつけます。「・・はい・・ごめんなさい」辻さんは大谷さんに
謝りました。そんなこんなで、忙しい一日が終わりました。
今日のお話はこれでおしまいです。
明日は朝から移動なので、もう寝ます。明日のお話はまた今度しますね。
あっ、そう言えば私、自分の名前言ってないですね。
私はM刑事の【紺野あさ美】です。紺野あさ美は今日も完璧です。
99 :
名無し:02/11/27 00:35 ID:wF2qBt/O
上はコソっとが抜けている・・
「紺野あさ美」・彼女もまたM刑事の戦士、だが特別な能力を持って居る訳
ではない。常に完璧を目指し、武器の鉤爪とカタール使い戦う、しかし
今日も最後で完璧ではなかった様だ。
モーニング刑事2 つづけ
100
101 :
名無し:02/11/27 23:08 ID:OJEqNa2n
保全も付いたし、100にもなった。そろそろ、しっかり書こう。
タイトル、「モーニング刑事2」・サブタイトル、「邪悪狩人M刑事」
って事で
【邪悪狩人M刑事】第5話・出動MMK・
M刑事は通常、個人で行動及び捜査を行っている。それはM刑事が
非公式組織であるからに他ならない。二つのチームを除けば・・・
M刑事には特別に二つのチームが存在する。一つはGMT。
M刑事は事件が、まだ目立たない様な時期から既に行動を開始している。
これは地道な情報収集と今までに培われた経験が成せる事だ。
しかし、時には予期せず大騒ぎになる事もある。
その場合に、いち早く現場に駆けつけ事態の収拾に当たるのがGMTである。
そして二つ目が、そのGMTとは対称に些細な事でも調べ始め
特に子供を中心に捜査に当たるのがMMKである。
102 :
名無し:02/11/27 23:42 ID:ss2Z9EZ/
MMK誕生のきっかけは、このMMKメンバーの一人、辻希美
の捜査方法にあった。辻はM刑事とは思えぬ方法で捜査に当たっていたのだ。
その方法とは・・・公園で子供と遊ぶ・・ただしこれは辻本人が意識して
行っていた事ではない。辻はただ普通に遊んでいたのだ。
しかし、その後捜査会議などで辻が子供から集めた情報がヒントになる事が
少なくなかった。それに気が付いたのが、MMKリーダー矢口真里だった。
矢口は辻の掴んだ情報源が子供達だと知るとその事を上司の寺田に伝えた。
「そうか、子供の噂話もバカにできんなー。どうや、矢口、お前がリーダー
になって、そんな話を集めるチームを作らんか?」
寺田は矢口にそう告げた。「チームですか?私と辻で?」矢口がそう言うと
「いや、3、4人は必要やな。メンバーは・・お前と辻それに・・そうや
加護や、あいつは辻と同じ感じやし、あとは・・おうっ、ミカにしよ
あいつもアメリカから研修っちゅう事で来とるけど、お前面倒見たれや」
メンバーは決まった。
リーダーは、M刑事でもベテランの、矢口真里
そして残りのすっとこどっこい、じゃなかった、えーと
矢口の後輩で力自慢の辻希美、同じく矢口の後輩で状況判断力に優れる加護亜依
そしてアメリカから何しに来ているのか良く解らないミカ・トッド
の4人に・・・
103 :
名無し:02/11/28 21:52 ID:KjZEBTOv
MMKは他のM刑事とは勤務体制が異なる。時には他のメンバー同様
本部からの指令により個人で行動する事もあるが、通常はリーダー矢口の
判断によるチーム行動をとっている。
この日もいつもの様に四人が、各々子供の集まりそうな場所で
情報収集をしていた。矢口は、荒川の近くの公園に来ていた。
矢口にとって、あまり来たくない場所の一つだ。
チビ女、矢口はここでそう呼ばれている。普段からこのあたりを
うろうろしている矢口を子供達は、プータローだと思っているのだ。
そこで子供達に付けられたあだ名が「仕事もしないチビ女」
確かに矢口は、背は大きい方ではない。しかし、これにはかなり傷ついていた。
そして今日も・・・
「お前、嘘ばっか言ってんじゃねーよ」「鬼なんか居る訳ねーだろー」
二人の男の子が一人の女の子をいじめている。
「嘘じゃないもん、ホントにいたんだもん」
少女は必死に訴えていた。「だったらここに連れてこいよ」
「そんなの無理だよ。だって怖いもん」
少女は今にも泣き出しそうだ。
104 :
名無し:02/11/28 22:21 ID:1dPkPjaa
「それじゃあ誰かに頼んで連れてきてもらえ」「できないならやっぱ嘘だ」
少年達はさらに攻め続ける。
「誰に頼めばいいのよ、みんなチロみたいに食べられちゃう」
少女はついに泣き出した。
「誰って・・そうだ。チビ女に頼めよ、あいつ強いもんな」
「そうだ、チビ女なら大丈夫だ、あいつきっとボブ・サップより強いぞ」
それを聞いていた矢口は(あいつらまたチビ女ってしかもボブ・サップ・・)
「こらー、やめなさい。あんた達、何度言ったら解るの、チビ女言うなって
言ってるでしょう」矢口は子供達に割って入った。
「うわー!チビ女だー。逃げろー」矢口を見るなり少年たちは逃げ出した。
少年達はなぜ矢口が強いと知っているのか、矢口は過去にこの少年達に
絡んでいたチンピラを5人ほどぶっ飛ばした事があるのだ。
少年達がいなくなった後、矢口は少女に話し掛けた。
「大丈夫?どうしていじめられてたの?」少女は答える。
「私ね、鬼を見たの。鬼がチロを食べちゃったの」
それを聞いた矢口は「鬼?あなた鬼を見たの?」
「うん、でもね、誰も信じてくれないの。おねえちゃんは信じてくれる?」
「うん、信じるよ。だからお話聞かせてくれないかな?あなた名前は?」
矢口は少女に尋ねた。「ちさと・・おねえちゃんがチビ女?」
「そうだけど、チビ女はやめてくれないかなー、結構気にしてるんだよねー」
「ごめんなさい、でもおねえちゃんつよいんでしょ?チロの仇を取ってよ」
少女は矢口に事情を説明した。
105 :
名無し:02/11/28 22:39 ID:NgzLuWCp
「一昨日ね、私とチロで荒川をお散歩してたの。そしたらね、鬼が出てきて
チロが食べられちゃったの。でもお友達も、パパもママも信じてくれないの。
でもね、ホントにいたんだよ。嘘じゃないよ」
「うん、おねえちゃんは信じるよ。だからさ、ちさとちゃん、今からその場所に
おねえちゃんを連れってくれないかな?」
「うん、いいよ」
少女と矢口は荒川に向かった。しばらく歩いて少女が鬼を見たと言う
現場に着いた。散歩にはもってこいの場所だったがなぜか人がいない。
「ここ?」矢口は尋ねた。「うん、そうだよ」少女は答える。
「ふーん、別に変わった所はなさそうだけど・・ねえ、ちさとちゃん
その時は回りに誰かいたかな?」
「ううん、いなかった。だからチロが私を助けてくれたの。でもママは
逃がしちゃったんだって。」
その時矢口のレーダーに微かな反応があった。
(・・残留思念かな?川には死者の霊が集まり易いって言うし・・)
「ねえ、おねえちゃん、チロの仇取ってくれる?」少女は聞いた。
「うん、約束はできないけど頑張るよ、だから、ちさとちゃんはお家に帰りな」
「うん、じゃあお家で待ってるね」少女は矢口に住所を伝えると帰っていった。
106 :
名無し:02/11/28 23:05 ID:6CqQK8CA
それからすぐに矢口は残りの3人を呼び出した。
「と言うわけで、この辺を調査するんだけど、つかみ所がないんだよねー」
すると加護が「矢口さん、川ですよ。鬼は川から来たんですよきっと」
それを聞いた矢口が「川って言ってもなー、広いよー。どーすんの?」
そこに他の場所にいた辻が「矢口さーん、これ、骨じゃない?」
そこには無数の骨が散乱していた。
「うわー、本当だ、これではっきりしたね。ここには何かいる」
調査を開始してから三十分位経っただろうか。辻がまた何かを見つけた。
「ねえー、矢口さん、あの犬さっきからこっち見てるよ」
矢口がそちらを見ると確かに黒い犬が一匹、いつからそこにいたのだろか
こっちをじっと見つめている。
すると犬はこちらにゆっくりと近づいてきて四人のすぐ手前で立ち止まった。
その途端、四人のレーダーが一斉に反応を示した。
ピー!「えっ?この犬?こいつがそうなの?」矢口がそう言うと
(愚かなる人間共よ、貴様らは我々に何をした?今こそ償いの時だ全員死ね!)
犬の方から声が聞こえて来た。そして犬は妖気を放ち始め姿を変えた。
その姿は地獄の番犬ケルベロスそのものだった。
107 :
名無し:02/11/29 21:50 ID:twUnUgF3
「矢口さんケルベロスです」その姿を見たミカが言った。
「ケルベロス?あのよく神話とかに出てくる・・」矢口はピンと来ない様だ。
「そうですよ。私一度アメリカで戦いました。とても強力です。私は歯が
立ちませんでした。能力者数人掛りでやっと封印出来ました」
ミカはアメリカのM刑事とも言えるU−Copに所属している。
U−CopとはUMA−Copの略で未確認動物捕獲人とでも訳せば良いのか
やはりモンスターと戦っているのだ。そのミカがアメリカで苦戦を強いられた
ケルベロスが目の前にいる。矢口は迷った、自分達だけでやれるのか・・・
その時、矢口は少女の言葉を思い出した。「チロの仇」矢口は決心した。
「四方の陣!」矢口がそう叫ぶと4人がケルベロスを囲み東西南北に分かれた。
「矢口さん、勝算はあるんですか?」加護が聞く。
「かおりじゃないけどさ、私も能力者嫌いなんだよね。だから私達でやる。
みんな、私に命預ける気ある?」矢口は3人に聞いた。
「YES!私だってあれから成長したよ」ミカが言う。
「解りました。やるだけやってみましょう」加護も同意する。
「終わったら、クレープ買ってね」辻はこの状況をよく理解していないらしい。
「みんなありがとう、そんじゃいっちょやったるか」
108 :
名無し:02/11/29 22:29 ID:+fAIbI9y
4人は戦闘体制に入る。その時ケルベロスが話しかけた。
「人間よ、私と戦う気か?面白い、相手になってやる。だが私を見くびらない
方が良いぞ、我々ケルベロスは動物霊の集合体、一度我々の仲間と戦った事が
ある様だが、そいつと私では、恨みの度合いが違うわ!」
ケルベロスはそう言うと口から火炎を吐き出した。
「四式神よ来たれ!」矢口はそう叫ぶと文字の書かれた紙をほうり投げた。
すると矢口の投げた紙が龍に姿を変えた。その姿は四聖獣の青龍にも見えた。
矢口は四式神と呼ばれる者を操る。紙に四聖獣の力を宿し操るのだ。
青龍はケルベロスに巻きつき動きを封じる。そこに辻が「これでもくらえ!」
手裏剣を投げつける。辻は風魔の末裔である。手裏剣はケルベロスの身体を
素通りして反対側にいる加護の方へ飛んで行った。「わー!あっぶね」
突然手裏剣か飛んで来たので加護は慌てて避けたそして
「辻のアホー!どこ狙っとるんや!」関西出身の加護は怒るとこうなる。
「あいぼんごめん、ちゃんと投げたのに、こいつ物理攻撃が効かないみたい」
それを聞いたミカが「私に任せて!」そう言うと銃を取り出した。
「スクレイド・ウェーブ!」ミカは銃を放った。銃からは波動が飛び出す。
今度はケルベロスに効いた様だ。
109 :
名無し:02/11/29 22:56 ID:6lABXLjo
「少しはやる様だな。だがたいしたダメージではない」ケルベロスはそう言うと
また火炎を吐き出す、今度は加護一人を狙っていた。
「待ってたで」加護はそう言うと両手を突き出した。両手には鏡の様な物が
握られていた。火炎が加護を襲う、しかし加護は左手の鏡でそれを受け止めると
右手の鏡に反射させた。そして「太陽の鏡よ、輝け!」そう叫ぶと
右手の鏡が光りだした。その強烈な光はケルベロスを苦しめた。
「おのれ小癪な、これでもくらえ」そう言うとケルベロスは身体を振るわせる。
すると無数の動物霊がケルベロスの身体から飛び出した。
動物霊は矢口達に襲い掛かった。しかし、よく見ると辻がいない。
ケルベロスもそれに気付く。「おのれ、もう一人は何処へ消えた?」
ケルベロスがそう言うと「へへーん、ここだよ。」辻は足元にいた。
ケルベロスの足元には辻の仕掛けた結界針が打ち込まれている。
「臨、兵、闘、者・・・」辻は九字の呪文を唱える。
結界は動き出しさらにケルベロスの動きを封じた。
「あいぼん、今だ!」辻の合図で加護が動く。
「月と太陽の鏡よ、この者を浄化せよ!」加護は先程の鏡を翳した。
月と太陽の鏡・これが加護の武器だ。加護の家に伝わる退魔の鏡である。
鏡は先程より光を増し、その光がケルベロスを包む。
110 :
名無し:02/11/29 23:23 ID:AAPH0VPg
光はケルベロスを中心に序序に小さくなる。
「やるな人間、私が倒されるとはな・・・だが、最後に聞いてくれ・・
私はお前達の実験に使われた動物達の怨念が生み出した体だ・・・
そこに転がる無数の骨は、私に宿る動物達の物、つまりお前たちの仲間が
捨てた物だ。解るか?お前たちがこの愚行を繰り返す限り、私はまた現れる
それを忘れるな!」
それを聞いて矢口は言った。
「それじゃなぜ、ちさとちゃんのチロを殺した?」
「チロ?ああ、あの犬の事か・・あの犬は主人を守ろうと必死だった・・・
私の身体に宿る者達にはいなかった優しい主人をな・・・私はその魂を
恐れた、そしてその魂が欲しかった。だから殺した。だが魂までは
奪えなかった様だ・・」ケルベロスがそう言うと
「哀れね・・・」矢口はそう一言だけ言った。
「そうだな・・仲間の命を奪った時点で私は終わっていた様だ・・
人間よ、お前たちに頼みがある。あの愚行だけはやめさせてくれ・・」
ケルベロスがそう言うと
「言われるまでもない、安心しなさい。」矢口はそう言い放った。
「そうか・・・」ケルベロスはそう言って消滅した。
111 :
名無し:02/11/29 23:40 ID:rXuSyWr/
ケルベロスの消え去った場所には犬の首輪が落ちていた。
矢口はそれを拾い上げる。首輪には幼い字で「チロ」と書かれていた。
「これは・・ちさとちゃんの・・・」それを見た加護が
「なんだか、漫画みたいやな」まだ直っていない様だ。
「そうだね、でもこれは、ちさとちゃんに返さないといけない」矢口は言った。
その後4人は現場の骨を集め、お墓を作った。そして・・
「案外大した事なかったね」辻が言った。
「おかしいなー、私が戦ったやつはもっと強かったと思うけどナー」
ミカは首をかしげている。
「そんな事はどうでもいいよ。もしかしたらオイラ達の方が強いのかも」
矢口はミカにそう言った。「そうですよね、私も成長したんですね」
ミカがうれしそうに答える。
4人が移動用の車に戻ると矢口はトランクから犬のぬいぐるみを取り出した。
このぬいぐるみは以前矢口が中澤から貰った物だ。パチンコの景品らしい。
112 :
名無し:02/11/29 23:57 ID:TLtKNf5y
「オイラは、ちさとちゃんの家によってくから、みんなは先に帰っていいよ」
矢口は3人にそう告げると、少女の家に向かった。
少女の家に着くと矢口はインターホンを押す。
ピンポーン!・・・「はい?」少女の母親らしい人物の声で応答があった。
「あの、矢口と申しますが、ちさとちゃんはいますか?」
「はい、少々お待ち下さい。」少しすると玄関の扉が開いた。
「ちさとに何か・・・」母親は見知らぬ矢口にそう言った。
「おねえちゃん。」少女が母親の後ろ出て来た。
「おねえちゃん、チロの仇取ってくれたの?」少女の言葉に母親は
「まあこの子ったら・・そんなお願いを・・本当にすいません」
母親の言葉に矢口は「いえ、ちさとちゃんのおかげで助かりました」
そう言った。そして「ちさとちゃん、チロの仇は取ってきたよ、ほら」
矢口は首輪を少女に渡した。「チロはだめだったけど首輪は取り返して来たよ」
矢口にそう言われ「ありがとう、おねえちゃん」少女は言った。
「あのー、いったいどう言う事なんでしょうか?」母親が聞いてきた。
113 :
名無し:02/11/30 00:12 ID:iIGgWYcj
矢口は母親に事情を説明した。
「私は行政の依頼を受けて危険動物を駆除している団体の者です。今日偶然
公園でちさとちゃんの話を聞いて調査した所、あの場所に大型の野犬の
巣がありまして、幸い、ちさとちゃんの通報で被害者が出ずに済みました。
無事野犬の駆除も終わりましたので。本当にありがとうございます。」
それを聞いた母親は「まあ、そうだったんですか。それじゃあチロは・・・」
「はい、残念ですが野犬に襲われたようです。大型犬だったので
ちさとちゃんには鬼に見えた様ですね。」
「そうですか、私はてっきり・・ちさと、ごめんねママひどい事言っちゃって」
すると少女は、「ううん、もういいの。おねえちゃんありがとね」
そう言って矢口に頭を下げた。
「ちさとちゃん、おねえちゃん、プレゼント持ってきたんだ」
矢口はそう言うと持って来たぬいぐるみを少女に渡した。
「まあ、いいんですか?」母親が矢口に聞く。
「はい、私の上司がパチンコで取ってきた物ですから」
114 :
名無し:02/11/30 01:02 ID:CdY8/0tg
矢口にそう言われた母親は笑いながら「そうですか、じゃえんりょなく・・」
その後矢口は少し話しをすると少女に別れを告げた。
次の日、矢口はまたあの公園に来たすると
「おーい、チビ女」あの少年二人が矢口に駆け寄って来る。
矢口は近寄って来た少年達の頭を掴んだ「なんだってー?」
「いててて、ごめん、でも俺達チビ女の名前知らないぞ。なんて呼べば
いいんだよ」少年達にそう言われ矢口は手を放した。
「そうか、あんた達に名前教えてなかったね。じゃ、真里さんって呼びなさい」
「真里さん?なんかイメージ狂うなー、まりっぺでいいだろう」
少年達にそう言われ「じゃあ、それでいいよ」矢口は言った。
「まりっぺ、今日学校で、ちさとから聞いたぞ。悪い犬やっつけたんだってな」
「俺も聞いた、やっぱ、まりっぺは強いなー」
少年達にそう言われ「そうだよ。すごいでしょ。見直した?」矢口が言うと
「まりっぺ、今度ボブ・サップとやってみろよ。きっと勝つぞ」
そう言われた矢口は「あんたたちねー、いいかげんにしなさいよ!」
そう言って逃げて行く少年たちを追いかけて行った。
【邪悪狩人M刑事】第五話・出動MMK・終了!
115 :
3:02/11/30 06:27 ID:OjLot8x4
第五話一気に書き終えたのね。乙
あとカナーリ下がり過ぎの気がするんだがageるageないは
書き手にお任せするけど
116 :
名無し:02/11/30 23:49 ID:j4k8cm7A
やっぱりageないとやばいですかね、小説総合スレで下の方でも書き込みがあれば
OKだって言ってたので今のところsage進行。ageても良いんですが
まだ全員出てないし。
とりあえず続編です。
【邪悪狩人M刑事】第六話・GMTそして平家・
街中を颯爽と走る一台のバイク・250CC位だろうか
乗っているのはどうやら女性の様だ。フルフェイスのヘルメットをかぶって
いる為素顔は解らない。通信機を付けた彼女のヘルメットに連絡が入った。
「後藤聞こえる?スクランブルよ、すぐに戻って。」
彼女の名は後藤真希、M刑事のGMTメンバーの一人だ。
通信は本部の平家からだった。後藤はアクセルを開けると本部に向かった。
後藤が本部に到着すると「遅いよ、マシンの準備しとくから早く着替えて」
そう言ったのは藤本美貴、彼女もGMTメンバーだ。
「ごめん、お願い」後藤はそう言うとロッカールームに走った。
ロッカールームに入ると
「ユニフォームの準備は出来てます。私、先にガレージに行ってますね」
そう後藤に言ったのは松浦亜弥、GMT主メンバーの最後の一人。
117 :
名無し:02/12/01 00:31 ID:B/aAZt1+
GMTは主メンバーの後藤、松浦、藤本の3人で構成され出動時には
指揮官として本部司令室の平家みちよ、バックアップに車輌課と資料課の
メンバーがそれぞれ同行する。
GMTとはGovernment・Monsuter・Teamの略で
モンスターを支配するとか、そんな意味があるらしい。
けっして、ごまっとうではない。
後藤が着替えを終えガレージに入ると既に出動の準備は整っていた。
専用のヘルメットをかぶり後藤は自分専用のバイクに乗り込んだ。
後藤が普段使用しているバイクと違い、こちらはM刑事車輌課特製の
モンスターバイクなのだ。3人それぞれの癖に合わせて作られており
それぞれが違う特徴を持つ。
「準備完了!ガレージ開いて下さい」後藤はオペレーターの石井に伝える。
「了解!ゲート開きます。」後藤達の前のゲートが静かに開く。
「現場までの地図を送ります。モニターを見てください」
そう言ったのはもう一人のオペレーター木村、あさみではなく、あやかだ。
「地図受け取りました。最短コース入力、平家さん先に行きます。」
後藤がそう伝えると平家は「私もすぐに出るから、気を付けて」
「了解!GMTでます」後藤はそう言うとバイクを発進させた。
松浦と藤本が後から続く。けたたましいサイレンを鳴らし町を疾走する。
バイクには警察省と書かれ、パトランプも付いている。
傍から見ればただの警察の緊急車輌にしか見えない。
道路は既に警察の手によって交通規制が敷かれていた。その中を3人は
猛スピードで走る。まるでロッシかビアッジか、モトGPのライダーにも
負けない走りであった。
118 :
3:02/12/01 06:09 ID:hdGWojb5
>>116 たしかに書き込みがあればOKだけど、板の圧縮の時間帯の前後何時間かに
書き込みが無ければ落ちる事もあるらしいよ。
まあやばそうな時は保全かけていくし、
とりあえずsage
119 :
名無し:02/12/01 22:44 ID:bCtw76Qt
>>118よろしくお願いします。
つづき
後藤達が出動した数分後、ガレージの奥から一台のコルベットが姿を現した。
両サイドのフロントフェンダーにパトランプが見える。
二十代後半から三十代の方には西部警察のスカイラインをイメージして
いただければと思う。
運転席には、後藤達と同じスーツで身を包む平家の姿があった。
「平家でます」平家はそう言うとアクセルを踏み込んだ。
コルベットはホイルスピンをしながら勢い良く飛び出して行った。
その後ろに一台、これまた勢い良く飛び出して行った車があった。
シボレーアストロ。この車には車輌課の村田めぐみと資料課の戸田鈴音が
乗り込んでいる。二台とも外観はノーマルのそれに近いが当然エンジンから
足回りに至るまでまったくの別物だ。
M刑事車輌課の特別チューンが施されているのである。
ここで少しM刑事の装備について触れてみよう。
120 :
名無し:02/12/01 23:11 ID:6vRQCMWb
M刑事の移動に使われる車輌の多くは外国製が多い。例えば
平家のコルベット、それに続くアストロ、これは特に運転者は決まっていない。
出動毎に車輌課の誰かが担当する。MMKの車輌、これは外観は
フォルクスワーゲンのビートル(旧型)だが、やはり改造が施されている。
特に最近、エンジンがポルシェの水冷ターボに変わった。
稲葉の指揮する移動指令車、この車輌は、フォードのFトラック
がベースになっているが、外観はキャンピングカーの様で原型は留めていない。
そしてもちろんフルチューン。GMTのバイク、後藤のバイクはドゥカティ。
松浦はハーレー。藤本はBMW。こちらも原型はない。
その他のメンバーもそれぞれカマロだったりマスタングだったり・・・
中には国産を使用する者もいるがインプレッサやランエボなのだ。
ちなみに紺野が使用していたMTBもバネストの特注である。
これは、本人の趣味もあるが基本的に車輌課の趣味以外の何者でもない。
M刑事車輌課・・・趣味に走りすぎである。
121 :
名無し:02/12/01 23:38 ID:EgvqBX5o
次に個人装備についてだが、武器は当たり前だが個人の持ち物が多い。
標準装備の武器としてあるのは、特殊合金製のナイフ位だろうが戦闘で
使用される事はほとんどない。これとは別にGMTの3人には共通の武器が
存在する。Mシューター、これはミカの使用する銃、Uバスターのデータ
を基に、M刑事車輌課が製作した銃である。UバスターはU−Copで開発され
敵に応じてカートリッジが交換できる銃であるが、銃になれない日本人には
扱いづらく、Mシューターはマルチカートリッジのスクレイド・ウェーブが
装填されているだけである。M刑事の装備はデータ収集は資料課、
設計は資料課と車輌課、製作は車輌課が行っている。
レーダーやデータ・通信用モバイル、GPSシステムなどは共通で
その他は個人の必要性に応じて支給されている。
装備については以上だ。話を戻そう。
122 :
名無し:02/12/02 00:08 ID:ClUtQchk
本部を出てから数十分後GMTは現場に到着した。
現場は警察の手によって野次馬などは排除されていた。そこにいるのは
怪物と怪物の進行を必死で止めている機動隊、それを指揮してる警官が数人
それだけだった。後藤はバイクを降りると現場の責任者らしき人物に話かけた。
「M刑事の後藤です。怪物は私達が引き受けます。なので付近の警戒に
あたって下さい。よろしくお願いします」
その人物は振り返り言った。「待ってたよ。じゃあ後はよろしく頼む」
振り返ったその顔を見て後藤は驚いた。「和田さん・・・」
和田は後藤がまだM刑事になる前にいろいろ世話になった人物だ。
「・・失礼しました。和田警視、お久しぶりです」後藤は思わず敬礼した。
「ははは・・そんなに硬くなるなよ。俺達とお前たちじゃ親分は一緒でも
違う組織なんだから、階級は関係ないだろう。それにしても久しぶりだな
後藤、見違えたぞ」和田は敬礼する後藤を見て笑った。そんな和田に後藤は
「そうですね・・・それじゃあ始めますので・・お願いします」
和田は機動隊に指示を出す。「M刑事の到着だ、全員退避、後は任せろ」
和田の指示で機動隊が下がり始め怪物との距離が出来た。その隙間に
松浦と藤本が飛び込んだ。
123 :
名無し:02/12/02 00:48 ID:kUl7QYVr
後藤も和田に一礼すると二人の後に続いた。
3人はMシューターを手にすると横一列に並ぶ。そこに爆音をとどろかせ
平家のコルベットと他の二人の乗ったアストロが到着した。
「りんね、データ照会」平家が車を降りながら指示を出した。
「はい、えーと、こいつは・・・」りんねはPCのキーボードを叩いた。
【・・・・・NO、Data・・・・】PC画面にはそう表示された。
その頃怪物の前にいた3人は
「さあ、みんないくよ!」後藤の掛け声と共に攻撃を開始した。
3人はMシューターを同時に放つ。が怪物にはあまり効果が無いようだ。
「平家さん、こいつデータがありません」りんねが平家に伝える。
「またか・・まいったなー」平家はそう言うと後藤達3人に指示を出す。
「そいつデータないねんて、どうしよう?」そう言われた松浦が
「どうしようって・・みきすけ、こいつ何に見える?牛みたいな顔に
蜘蛛みたいな身体・・・」松浦に聞かれた藤本は
「うーん、ミノタウロス?・・違うなー、あっ、こいつ妖怪だよ。
ゲゲゲの鬼太郎で見たことある。確か・・牛鬼、そう牛鬼だよ」
124 :
名無し:02/12/02 11:44 ID:Dxehz7/V
「弱点は?」後藤が藤本に聞く。「えーと、たしか・・あっ、こいつ不死身だ」
「そんなの漫画の話でしょう、とにかく・・・」松浦がそう言いかけると
「みんな聞こえる?Mシューターの焦点を絞って一点を狙ってみて。
波動を集中させるの、そうすれば、かなり強力な破壊弾になるはずだよ」
通信は村田からだった。「了解!・・とにかくやってみよう」松浦がそう言うと
3人は狙いを定める。「スクレイド・ウェーブ!」3人の銃は同時に放たれた。
その集束された波動は怪物の身体を撃ち抜いた。「いけるかも」松浦が言った。
3人はもう一度引き金を引いた。しかし・・エネルギー0・・
エネルギーゲージは銃にエネルギーが無い事を告げていた。
「村田さん、今のでエネルギー無くなっちゃたよー」藤本が村田にそう告げると
「ごめん、今の一撃で仕留められると思って・・波動を収束させると一気に
エネルギー使っちゃうから・・」村田の言葉に「先に言って下さい」
後藤がつっこんだ。「仕方ない、接近戦だ」後藤の指示で3人は背中から
刀を取り出す。その姿こそ違うが3人の持つ刀は妖刀と呼ばれる物で
GMTにこの3人が選ばれた理由はここにある。3人の能力はほぼ同じで
戦闘スタイルも似ていたからだ。
125 :
名無し:02/12/02 12:08 ID:JkFGZmPN
「闘気集中・・」3人は刀に気を集中させる。そして・・・
「倒魔剣術一の太刀!」後藤はそう言うと怪物に切り掛かった。
松浦、藤本もそれぞれ素早く攻撃する。怪物にダメージを与えているものの
致命的な一撃がをするにはかなり厳しい、そこで松浦が「突っ込むよ」
松浦の一言で3人は怪物の前に松浦、左に藤本、右に後藤の位置に
陣取った。「いくよ!1.2.3」松浦の掛け声と共に3人が動いた。
松浦は飛び上がり怪物の上から、他の二人はサイドからそれぞれ切り掛かる。
「桃割剣!ピーーーチ!」松浦の叫びと共に怪物の身体は、四つに切断された。
桃割剣・・それは昔話、桃太郎でおばあさんが、あの大きな桃を一撃で割った時
使ったと言われている、伝説の剣術の技の一つでそれを使える剣士は
そうはいないと言われている。
126 :
名無し:02/12/02 13:34 ID:5zZwdtPc
その頃平家とりんねは「牛鬼か、漫画の話やろ、まー、データがないよりは
ましだけどさ。りんね、何か解った?」平家の問いにりんねが答えた。
「あー、出ました。牛鬼。人間に乗り移って、その人間が牛鬼になる。
カルラ様に退治された・・水木しげるの世界、ってこれ鬼太郎の話じゃん。
他は・・信州の民話がありますねー」りんねがそう言うと平家は
「聞かせて・・」
「えーとですね・・簡単に説明すると、昔ある村が牛鬼に襲われて、その時
に退治したのが、真田十勇士の、筧十蔵って書いてあります」
「退治した方法とかって出てる?」平家がさらに質問する。
「あっ、ありました。『筧はその時、呪文を唱えた。すると空には八つの
門が現れた。筧はその門の一つを開く、すると牛鬼はその門に吸い込まれ
消えた・・』・・なんか忍法みたいですよ・・辻ちゃんに聞いてみます?」
りんねは平家の方を見てこう言った。
「八つの門・・・筧十蔵・・・なるほど、私の出番みたいね」
平家は怪物を見た。怪物は松浦達の手によって切り裂かれた所だった。
「やったか?」後藤は怪物の方を見た。そこには四つに分断された
怪物が倒れていた。3人は怪物を倒したと確信した。だが・・・
127 :
名無し:02/12/02 14:16 ID:yc7Rs+ig
四つに切り裂かれた怪物の身体が、それぞれ同じ怪物となり
怪物は四体に増えた。「げっ、何こいつ?増殖したよ」藤本は驚いた。
いや、驚いたのは他の二人も同じだった。「どうしよう・・・」
攻撃すれば増える、かといってほっとく訳にもいかない。
「やっぱり・・こいつ不死身なんだよ、カルラ様を呼んでこないと・・」
「みきすけ、ふざけてる場合じゃないでしょ。」松浦が言った。
「ごめん、でもどうするの?」藤本が後藤に聞く。
「解らないよ、平家さん指示をお願いします」すると平家は
「3人とも下がりなさい。後は私がやる」そう言うと平家は3人の所へ
歩いてきた。「えっ?でも・・・」後藤は驚いた。平家の実力は知っているが
今回の相手は平家でも勝てない様に思える。何しろ相手は不死身なのだ。
平家は普段、本部の司令室にいる為戦闘を行う事はない。
GMT出動時も後藤達に指示をするだけだ。しかし後藤は一度だけ平家の
戦いを見たことがある。それは後藤がまだ見習いの頃、平家と捜査を
していた時だった。平家は飯田や矢口の様に特別な力を使う事はなかった。
どちらかと言うと紺野と同じで武器と技で戦うタイプである。
安倍や保田はこの中間に位置するタイプで後藤たちもそのタイプである。
128 :
名無し:02/12/02 14:44 ID:ItnMlIGV
後藤の知っている平家の戦闘スタイルは刃の付いたブーメランと鞭を
巧みに使い分け敵が消耗した所でとどめを刺す。と言う物だった。
その力は後藤達より上に思えるが今回の相手には通用しない。
「平家さん、どうするんですか?」後藤は聞いた。
平家は軽い笑みを浮かべながら「いいから下がりなさい。黙って見てな」
そう言うと怪物の前に立った。ブーメランと鞭で怪物にダメージを与える。
怪物たちは少しずつ弱っていった。しかし下手をするとまた増殖する。
その場の者たちは、ただ成り行きを見つめていた。
しばらくすると怪物達の動きが止まった。そして・・・
「太陽の子供達、その力をもって降臨せよ・・水・金・火・木・土・天・海・冥
八門よ姿を現せ!」平家がそう言うと空に八つの門が姿を現した。
「開け冥王の門。かの敵を冥府へと誘え!」すると空の門の一つが開いた。
その門の中の様子はまるでブラックホール、怪物四体は一気にその門に
吸い込まれた。後藤、松浦、藤本、りんね、みなあっけに取られていた。
特にりんねは「平家さん・・民話と同じ・・・」そう呟いた。
しかし村田の反応は一人違っていた。「八門流退魔術・・・」
村田はそう言った。「なにそれ?」りんねは村田に聞いた。
129 :
.:02/12/02 18:17 ID:l7xn5RRU
.
130 :
名無し:02/12/02 19:20 ID:DdOG5tlS
M刑事は主に捜査戦闘を行う【捜査課】平家や中澤、稲葉のいる【司令室】
(石井、あやかは司令室に属する)りんねやあさみ達がいる【資料課】
大谷や村田達【車輌課】に分かれている。
どの課にいる者でもM刑事である以上はそれなりの力を身に付けている。
場合によっては資料課や車輌課の者が戦闘に参加する事もあるのだ。
村田は技術面では他の者より優れていたが戦闘となると他の者に
遅れをとっていた。そんな村田はその差を埋めるべくいろいろ研究していた。
「なにそれ?」そうりんねに聞かれた村田は答えた。
「八門流退魔術、正確には、天八星鳳翼洸って言ってかなり昔から伝えられて
たみたい。元々は八つの星と鳳凰の力を使うとされてたけど、いつの間にか
太陽系の惑星に置き換えられて八門流退魔術って呼ばれ始めたの。
でも最後の継承者が二次大戦で戦死してそれっきりって聞いてたけど・・
今のがもしそうなら平家さんは・・・退魔師・・・」
村田の言葉に皆ショックを受けた。飯田や矢口が言うようにM刑事は退魔師と
呼ばれる者達にあまり良い扱いをされない。むしろバカにされているのだ。
もし平家が退魔師であるなら、なぜM刑事として一緒に戦うのか
皆、平家を見つめた。平家は怪物を消し去るとその場に倒れ込んだ。
「平家さん!」他の5人が駆け寄る。平家は気絶している様だ。
131 :
名無し:02/12/02 19:40 ID:GUppkn2+
うわー!ageられた!どうしよう・・
とにかく続きだ。
任務は終了しているので5人は帰還する事にした。平家をアストロに乗せ
運転はりんねに任せ、コルベットは村田が運転して帰る事になった。
「時間があれば少しお話したかったんですが・・気絶してるだけみたいだけど
平家さんが心配だし、後の処理はよろしくお願いします。」
後藤は和田にそう告げると他の4人と共に現場を後にした。
本部に帰り平家を医務室に連れて行った後、後藤は任務の報告を兼ね、中澤の
所へ向かった。「失礼します。任務完了しました」後藤は中澤に言った。
「ご苦労さん、大変やったなー。後の事はいいから部屋で休んでいいで」
中澤にそう言われたが後藤は黙ってそのばに立っていた。
「何や?何か言いたそうやな・・みっちゃんの事か?それやったら本人が
目を覚ましたら直接聞きや、うちからはなにも言えへんよ」
中澤にそう言われ後藤は、医務室に向かった。
医務室に入ると平家はまだ眠っていた。他の4人はいなかったが稲葉と保田が
その場に付き添っていた。
132 :
3:02/12/02 19:56 ID:sbC6JOBT
とうとう上がっちゃたね
133 :
名無し:02/12/02 20:07 ID:PqFrJ0hd
「稲葉さん、平家さんは・・」後藤は稲葉に声をかけた。
「ん、まだ眠っとる。まーしかし無茶しよってからに・・」
稲葉はそう言うと続けた。「なー後藤、お前も見たんやろあれ・・」
そう言うと稲葉は後藤の方を見た。どうやら先程の平家の事を聞いている様だ。
「はい・・びっくりしました。でも村田さんの話の方が私は気になります」
「そうやろうな・・まさか村田があれを知っとるとは思わんかった・・・
まー研究熱心なんは悪い事やないけどな・・でもアカンな・・」
稲葉はそう言うと後藤に聞いた。
「村田が悪いって言ってる訳や無いで、ただな、つまりその・・後藤は
村田の話聞いてどう思った?」稲葉にそう聞かれた後藤は「どうって・・」
「八門の事や、みっちゃんが退魔師だって思ってへん?」
「・・・はい・・今は違いますが、あの時はそう思ったかも・・・」
「やっぱりな・・みっちゃんの本当の力の事知っとるんは、うちと室長
裕ちゃん、それにここにおる保田くらいやからな」
稲葉の言葉に後藤は「圭ちゃんも知ってたの?」保田に聞く。
「うん、でもね、ごっちん、平家さんはあいつらとは違う。退魔師でもないよ」
保田はそう断言した。
134 :
名無し:02/12/02 20:35 ID:JQ4pd/At
>>132まーいいです。面白いと思ってやってくれたならそれはそれでOK
既に下がり始めてるし。それでは続きを
「それは解るけど・・いったい何がどうなってるの?村田さんの話だと
あの力は退魔師の物だって・・・」後藤は混乱していた。
「確かに八門はかつて退魔師が使っていた退魔法や、そやけどみっちゃんはな
そうやないねん。うちは話せんけど、裕ちゃんも話さんかったんやろ?」
稲葉は後藤に聞く。「はい、知りたいなら本人に聞けって・・」その時
「話してもいいよ」平家は起きていた。「いや、私から話した方がいいか・・
後藤、他の4人も呼んできて」そう平家に言われ後藤は休憩室にいた4人を
連れてきた。「平家さん、ごめんなさい。私変な事言っちゃって・・」
村田が平家に言った。「別に気にしてないよ。本当の事だし、むしろ村田が
そこまで勉強してのに驚いてるよ」平家は村田にそう言って笑った。
「さて、じゃあ話をしようか、別に大した事じゃないけど。私がねM刑事に
なりたての頃の話なんだけど、捜査中にある人物に出会ったの。
その人は、はたけとしか名乗らなかったけど捜査の関係上少しだけ
手伝いをしてもらったのね、それで任務も終わってそれっきりなんだけど
別れ際に真田十勇士って本と一枚のFDを貰ったのね。誰にも見せるなって
その本にはちょっと違うけどりんねが言ってた話と同じ話が出ててFDには
八門流の事がデータとして入ってた。私はそれを研究したのそれであの力を
手に入れた・・」
135 :
名無し:02/12/02 20:52 ID:MVoDiwAV
平家は経緯をあの場にいた5人に聞かせた。
「でもね、あの力は危険だと思うの。私もまだコントロールしきれてないし
現に使ったあとはこうして倒れちゃう。だからみんなにはその事あまり
話してないし、秘密も教えられない。ましてや上の連中になんか絶対教えない
それは室長も解ってくれてるし、知ってる子達も解ってくれた。
みんなも解ってくれるよね?」平家は5人に言った。
「はい、私達はただ平家さんが上の連中と一緒なんじゃないかって
それだけが心配で・・後は別にどーでもいいです」村田の言葉に皆が頷く。
「当たり前やろ、それより後はどーでもいいってどーゆー事?」
平家の言葉にその場にいた全員笑った。
【邪悪狩人M刑事】第六話・GMTそして平家・終了!
136 :
3:02/12/02 22:06 ID:VozMLEgh
第六話乙
現実では超冷遇のみっちゃんだが
こうして小説の中だけでも優遇されてると嬉すぃ
平家の血&名張(忍者)の里出身
の2つの要素がまだ残っているので
また後で登場して貰いたい。
138 :
名無し:02/12/02 23:26 ID:1L4pu1Wd
寝ようと思ったけど昼寝のせいで眠れないので続きを書こう
>>137 平家の血の方は多少考えていますが、名張の里は盲点でした。そのアイディア
いただきます。
それでは続きです。
【邪悪狩人M刑事】第七話・石川梨華と愉快な仲間達・
紺野には同期でM刑事になった仲間が3人いた。小川真琴・高橋愛・新垣理沙
の3人だ。見習い期間を終え任務につくはずだったが、前の日に紺野だけ出動し
残りの3人は本部に残いた。そして今日も出動はなさそうだ。
3人は中澤にガレージに降りて車輌課の手伝いをしろと言われ
地下に向かっていた。先輩の石川梨華と共に・・・
「あーあ、何であさみちゃんだけのかな・・私も行きたかったなー」
そう言ったのは小川だった。
「私もそう思う、あさみちゃんだけずるいよ、そう思いません石川さん」
そう言って新垣は石川の方を見た。すると石川は
「あら新垣さん、私をからかっているのかしら・・・」
新垣をみる石川の目は冷え切っていた。
「理沙ちゃん、石川さんは置いてかれたんだからさ、そんな事言っては
いかんのよ」そう言ったのは高橋だった。
「あー、腹立たしい、なんで私があんた達と雑用なんかやらなきゃいけないの」
苛立つ石川に「八つ当たりはよくありません」と高橋が言った。
139 :
名無し:02/12/03 00:03 ID:By7emtHm
石川は本来、吉澤や紺野達と一緒に行くはずだった。しかし稲葉の手違いで
本部に置いて行かれたのだ。それは、昨日の事だ、石川はその前の日は非番
だったので、引継ぎが終わって指令があるのを待っていた。しかし指令はなく
何をしようか考えていた。MMKの4人は前の日からいないし、GMTの3人
も既に出かけていた。紺野と吉澤も稲葉と一緒に出かけて行った。
飯田、安倍、保田、小川、高橋は引継ぎが終わり出動はない。
仕方ないので、石川は新垣と二人で資料を整理していた事務の前田を
手伝っていた。そこに中澤がやって来たので新垣が
「中澤さん、私は出動ないんですか?」と聞いた。
「んー、今の所はな、稲葉も3人いれば用がたりるやろ、だから待っとき」
そう中澤に言われ「えっ、でも稲葉さん吉澤さんとあさみちゃんしか
連れていきませんでしたよ」と中澤に言った。
「えっ?石川も行ったやろ?」中澤に聞かれた新垣は
「石川さんあそこにいますけど・・・」と石川を指さした。
「石川!なんでお前ここにおんねん?稲葉に出動や言われたやろ」
そう中澤に言われたが石川は「えっ?何も聞いてませんけど・・・」
少しして原因が判明した。中澤のデスクの下に石川の名前が書かれた紙が
落ちていたのだ。中澤は寺田から渡された指令書を稲葉に渡す時いつも
メンバーの名前を書いた紙を一緒に渡す。今回はその過程で稲葉が石川の名前
が入った紙を落としたそれで石川は置いて行かれたのだ。
140 :
名無し:02/12/03 00:35 ID:vbHeI0DD
「石川、スマン。でもな稲葉が悪いんやで、私はちゃんと渡したんやから」
そう言われた石川は「もういいですよ、それで私は何をすれば・・・」
「今からじゃ、間に合わんし、大谷達もいるからあっちは大丈夫やろ
そのまま続けててええよ」中澤にそう言われ石川は新垣と手伝いを続けた。
この日の石川は散々だった。整理した資料を棚に乗せようとして椅子から落ち
昼ごはんに頼んだ出前は飯田と安倍に食べられて、最後は階段から落ちた。
だから次の日の今日も機嫌が悪いのだ。
「あーあ、今ごろの奥多摩は紅葉がきれいだろうなー」
石川はそう言ったが誰も怖くて返事ができない。
「稲葉さんの事だから、昨日はきっとバーベキューだよ羨ましいなー」
石川がまだ続けそうだったので高橋が言った
「石川さん、もういいでしょう。まこっちゃんも理沙ちゃんもビビってますよ」
そう言われた石川は「何がいいのよ。私は置いてかれたのよ」そう言って
高橋につっかかった。そこで高橋が切れた。
「石川さん、私達はチームワークが大切なんですよ。石川さんは今それを
乱してますよ。私達の先輩がそれじゃいかんのです」
高橋は怒っている様に見えるがあまり迫力がなかったので石川は笑い出した。
「ははは・・ごめんごめん、そうだよね。チャーミー反省!」
石川は自分の事を時々チャーミーと呼ぶ、しかしあまり評判は良くない。
そんな事をやっている内に4人はガレージに到着した。
141 :
.:02/12/03 13:00 ID:cUpG3OFW
.
142 :
.:02/12/03 18:31 ID:3w/pFp9X
.
143 :
名無し:02/12/03 23:00 ID:Lw1+oG3B
また上がってる・・・
それでも続きを書く
ガレージに到着するとそこには車輌課の柴田が車の整備をしていた。
エンジンルームを覗き込み、石川達には気が付かない様だ。
「柴田ちゃん」石川が声をかけた。その瞬間、ゴン!柴田は顔を上げようとして
ボンネットに頭をぶつけた。「痛ったー・・・あー、梨華ちゃん」
柴田は苦笑いをしている。「どうしたの?4人揃って。出動?」柴田は聞く。
「ううん、中澤さんにこっちの手伝いをしろって・・・」石川は答える。
「・・何も聞いてないけど・・斎藤かな?奥にいるから行ってみて」
柴田にそう言われ4人はガレージの奥に入って行った。
ガレージの奥には数台の車が並んでいる。その横の方が射撃場になっていた。
「いつの間に・・・」石川が数日前ここに来た時にそれは無かった。
「あー、来た来た」振り向くと、これまた車輌課の斎藤が大きな箱を持って
こちらに歩いて来るのが見えた。
「斎藤さん、これは?」石川は射撃場を指差す。「かっこいいでしょ?」
斎藤はそう言うと箱を下に置き、その箱からMシューターを取り出した。
「試作品をいくつか作ったからみんなに試してもらおうと思って」
そう言うと斎藤はMシューターを4人に手渡した。
144 :
名無し:02/12/03 23:35 ID:k9IRBHA7
「ここでやるんですか?」小川が心配そうに聞いた。
「大丈夫、しっかりGフィールドで囲ってあるし、一度は私達が試してるから」
斉藤は自信たっぷりにそう言った。
Gフィールドとは、戦闘で被害が拡大しないようにM刑事達が時々使う
エネルギーガードの事である。
「でも、これって一度も使った事無いんですけど」新垣が言った。
「だから試してもらうんじゃない。みんなの意見も聞かないとね」
最初は石川が試し撃ちをする事になった。「それじゃあ、行きます」
石川は引き金を引いた。すると銃口からはシャボン玉が飛び出した。
「・・・なんですかこれ?」石川は斉藤を見る「あれっ?」
斉藤も不思議がっている。「なんだこれ?誰が作ったんだ?」
よく見るとグリップの所に・柴田作・と書かれている。
「柴田の奴、名前まで入れて何考えてんのよ」斉藤はそう言うと柴田に向かって
叫んだ。「柴田!あんたでしょう、このシャボン玉銃作ったの」すると、ゴン!
また鈍い音が柴田の方から聞こえた。「シャボン玉?」柴田は頭を押さえながら
こちらに歩いてきた。「これ!何考えてんの」斉藤が柴田に銃を手渡す。
「あれー、なんでこれ、ここにあるんだろう?」柴田がそう言うと
「こっちが聞きたいよ。なんなのこれ?」斉藤が柴田に聞く。
「この前辻ちゃんに頼まれて作ったシャボン銃なんだけど、三日前に辻ちゃんに
渡したからここにあるはず無いんだけど・・なんでだろう?」
そう言う柴田に斉藤は「なんか違う物渡したんじゃないの?」
そう柴田に言った。
145 :
名無し:02/12/04 00:11 ID:8GBXuUx+
「なにか違う物って・・・まさか!」柴田は残りの3人の銃と箱の中を見た。
「無い!・・・大変だ!」柴田は慌てて携帯を取り出すとダイヤルした。
「・・・あっ辻ちゃん?この前渡したシャボン銃なんだけど・・・・・
えっ!使っちゃたの?・・・・・ホントに?ごめんねー怪我しなかった?
・・・ありゃ・・・えっ?一緒なの?・・・そう、本当にごめん・・・
はい、おおせのままに・・・うん、ありがとう、じゃあね」
柴田は携帯を切った。「参ったなー、後で矢口さんに怒られる・・」
柴田がそう言うと「何があったの?」石川が聞いた。
「私、辻ちゃんに間違えて対人用のゴム弾が出る銃渡しちゃって、辻ちゃん
それ知らないもんだから、車の中で発射しちゃったんだって。そしたら
モニターに当たって、モニターが壊れたって・・辻ちゃんに食事おごる
事になっちゃった・・はぁー、お金が・・・」柴田はその場に座り込んだ。
すると柴田の携帯が鳴った。「もしもし?・・・ごめん・・・うん・・・・・
秩父?・・・なんで?・・いや、なにも聞いてないけど・・うん、解った
・・・うん、気を付けてね、じゃあ」柴田は携帯を切った。
「誰から?」斉藤が聞いた。「大谷、なんかこれから秩父に行くって・・
MMKも一緒だって。何か聞いてる?」柴田が斉藤に聞く。
「別に何も聞いてないけど・・・みんなは?」斉藤は石川達4人に聞いた。
146 :
名無し:02/12/04 00:39 ID:BCGGVV/V
「いえ、何も聞いてませんよ」そう言うと石川は他の3人を見る。
3人とも首を横に振った。「そうか、でも何かあれば中澤さんが
言ってくるでしょ。それより続けよう」斉藤にそう言われ、ためし撃ちを
再開した。いくつか試した後、高橋の試射の番になった。
「それでは、撃ちますよ」高橋は引き金を引いた。ドーン!轟音が鳴り響く。
高橋は吹っ飛び、後ろにあったダンボール置き場に突き刺さった。
「あちゃー、パワーが強すぎたか、これだけ試してなかったんだよね」
斉藤は高橋の方を見た。高橋はダンボールの中でもがいていた。
新垣と小川で高橋を引っ張り出した。
「・・・斉藤さん、殺す気ですか・・・ダンボールが無かったら今ごろ・・・
これはあぶねーですよ、パワが強すぎます、これはいかんですよ」
高橋の目が据わっている。「・・・・怖い・・・」石川はビビった。
さっきの怒った高橋とは迫力が違う。「・・・・ごめん、高橋・・」
高橋に圧倒され、斉藤が後ずさりする。「斉藤さん、逃げないで下さい」
高橋が斉藤に迫る。「・・・ごめんなさい・・高橋ちゃん・・怖い・・」
斉藤はとうとう壁際に追い詰められた。
147 :
名無し:02/12/04 22:14 ID:90LLZVNT
斉藤もM刑事だ。過去に何度も修羅場をくぐり抜けている。時には
もう駄目だと思う事もあった。しかし、今の高橋は過去のそれよりはるかに
恐怖を感じる。いや、迫力に圧倒されているだけかもしれない。
斉藤はついにその場に座り込んだ。高橋はさらに斉藤に近づく。そして・・・
なぜか高橋も座り込んだ。それから高橋の機関銃の様な説教が始まった。
「やばい、愛ちゃんのスイッチが入った」小川がそう言うと
「どうしよう、あさみちゃんいないよ」と新垣が言う。
「高橋はどうなっちゃったの?」石川が二人に聞いた。
「愛ちゃんは怒りが頂点に達するとああなるんです。過去にも三回ほど
ああなった事があって、二回はあさみちゃんがなだめてくれたんだけど
一回だけあさみちゃんがいないに時ああなって、その時は新垣が一時間近く
説教されてました」小川は怯えながらそう教えてくれた。
その時、3人の後ろで声がした。
「あんた達なにやってんの?」そこには中澤が立っていた。
「実は愛ちゃんのスイッチが入っちゃって・・・」新垣が事情を説明した。
「なんやそんな事か、まかしとき」中澤はそう言うと高橋の所へ行き
持っていたファイルで高橋の頭を叩いた。すると「ほぇ?」
高橋が正気に戻った。そして「あれ・・?斉藤さん、どうしたんですか?」
その場にへたり込んでいる斉藤を見て高橋が言った。
「どうしたって・・・・もうカンベンしてよー」斉藤は一気に気が抜けた様だ。
そこに中澤が「あんたら、シャキッとしいや、ほら、柴田も」柴田はまだ
辻の食事代の事でへこんでいたのだ。
148 :
名無し:02/12/04 22:53 ID:enotjnEu
中澤はその場の全員を集めるとこう言った。
「さっき連絡入ってな、黒蝋鬼が暴れとるからって、出動要請があってん。
それでな、みんな出払っとるしあんたらに行ってもらおうと思ってな」
「コックローチ?ゴキブリですか?」石川が不思議そうに聞いてきた。
「アホ!黒蝋鬼や、こ・く・ろ・う・き、あんたも知っとるやろー。
そいつがな、なんや知らんが大量発生しよって、だから人数がいたほうが
ええやろ。おまえら全員でさっさと片付けてこいや」
中澤にそう言われ、二台の車で3人ずつに分乗して出かけた。
斉藤の車には斉藤・高橋・小川、柴田の車には柴田・石川・新垣が
それぞれ乗っている。
斉藤の車の中では「斉藤さんと出るの初めてですね」小川がそう言うと
「そうか、今までなかったもんね。でもなんか初めてって気がしないよ」
斉藤がそう言うと「私もそう思いますよ、斉藤さんとまこっちゃん
前にも一緒だった気がしますよ」と高橋が言った。すると小川も
「私もです。夏ごろ一緒に仕事した様な気がして・・・」
「不思議だねー」3人はそう言いあった。そして柴田の車でも
「柴田さんと出るの初めてです」と新垣が言った。すると
「そうだっけ?前にもこの三人ともう一人誰かで出なかったけ?」石川が言う
今度は柴田が「うーん、あと紺野ちゃんがいて・・・いや、違う、初めてだ。
やっぱり初めてだよ。この3人で出るのは・・」こんな会話があった。
149 :
名無し:02/12/05 00:26 ID:7xnt98zy
しばらく走り、6人は現場に到着した。そこには沢山の黒蝋鬼が数人の警官を
囲んでいた。石川がそこに近づこうとすると
「君達、そこでなにしてるの?危ないよ早く離れて」一人の警官がそう言った。
「お前達に言われたくないよ」と斉藤が呟いた。
「あのー、私達M刑事ですけど、お邪魔ですか?」石川が意地悪くそう言った。
「あっ、ホントに?それじゃ、早くなんとかして・・・」警官達は頼むから
なんとかしてくれと言わんばかりになっていた。
「こいつらここにいるだけ?」斉藤が聞いた。「解りません・・早く・・」
警官達は必死だ。「大きいのもいるけど大した事ないね。捜査課に任せるわ」
斉藤はそう言うと柴田と車に戻った。
「確かに私達だけで何とかなりそうだけど、どうしてこんなに・・」
石川はそう言うと考え込んだ。黒蝋鬼とはあまり力を持たない下等妖怪である。
蝋燭の溶け出した蝋に念がこもり生まれるのが、蝋鬼と呼ばれる妖怪で
これ自体は害はないのだが、呪詛などの呪いに使われた蝋燭の蝋からは
黒蝋鬼と呼ばれる邪悪な妖怪が生まれるのだ。その黒蝋鬼がここには
それこそ沢山集まっている。石川の疑問は当然生まれてくる。
150 :
.:02/12/05 00:33 ID:fiW+p1Bo
.
151 :
名無し:02/12/05 01:06 ID:VHb8hjeM
「あのー、M刑事のみなさん・・・早く何とかしていただけないでしょうか」
警官達が言った「ごめんなさい。今すぐやります。高橋お願い」
石川は高橋に言った。「はい、それでは・・・剣の舞!」高橋は両手に
短剣を握っている。さらに両足のふくらはぎ辺りにも刃物が仕込んであった。
高橋は踊る様にそれらを使い黒蝋鬼を倒して行く。警官達は高橋の作った隙間を
這うように逃げてきた。「小川、新垣、行くよ」石川はそう言って自分も
黒蝋鬼の中へ飛び込んだ。それに小川と新垣も続く。
「チェーンカッター!」小川は両腕に仕込んだ鎖で黒蝋鬼を切り刻む。
「鷹爪針」新垣はそう言うとダーツの矢の様な針を投げた。針は黒蝋鬼を貫く。
高橋、小川、新垣、それぞれが次々に黒蝋鬼を倒して行った。だが・・
「なんでこいつらこんなにいるの?キリがないよ」小川がそう言うと
「みんな、下がって」石川が3人に声をかける。
石川は弓を引くポーズを取っているが石川の手には弓がない。
しかしよく見るとその両手の間には光の筋が見えた。
「空の弓・・・流星弾!」石川はそう言って弓を放つしぐさを見せる。
すると、石川の両腕に見えていた光の筋が空へと放たれた。
筋は空に上がるとUターンをしてさらに光を放ち弾けた。
その光が散弾の様に黒蝋鬼達に降り注いだ。
152 :
名無し:02/12/05 01:30 ID:wLki1TQ4
また上がってる・・ひょっとしてこれは晒しage・・・
それでも書く
「流星弾」石川の放った光は、散弾の様になり、見た目には流星雨の様だ。
流星弾は、黒蝋鬼達を一気に葬り去った。
「石川さん、凄いですよ。よく考えたら私達、石川さんが戦ってるとこ
見たこと無いですよ。石川さんはいつも本部にいると思ってましたよ」
高橋は石川にそう言った。
「失礼ね!私だって捜査はちゃんとやってるんだから、確かに本部にいること
多いけど・・・なんでだろう・・・」
石川はまた考え込んだ。「こら、ネガティブ娘。しっかりしなさい」
いつの間にか斉藤が後ろに立っていた。「いけない、まただ・・」
石川の癖、それはどんな些細な事でも考え込んでしまう事だ。
「中澤さんには終わったって連絡しといたから、帰ろうか」
斉藤はそう言うと車に乗り込みエンジンをスタートさせた。
続いて柴田もエンジンをスタートさせ皆が乗り込むと車は帰路についた。
153 :
名無し:02/12/05 01:58 ID:eRgGkBCR
その頃本部では・・・
「室長、昨日の稲葉達の事件といい、今日の黒蝋鬼の事といい、なんかこう
もやもやしたもんが頭にあって・・・なんて言ったらええのか・・・
やな予感がするんですよ」そう寺田に言ったのは中澤だった。
「中澤、お前の言いたい事は解る。そやけどその正体がなんなのか・・・
そのヒントが秩父にあるような気がしてな、もっとも子供も噂レベルやけど
矢口達にはそれを調べてもらおう思うて・・
ただあいつらだけじゃ心配やから稲葉達と合流させたんや」寺田の言葉に
「それじゃあ事件とかで行ってる訳じゃないんですか?」中澤は聞く。
「ああ、初期捜査みたいなもんやな」そう寺田は答える。
「私、矢口に理由聞かれたんです。でも私も聞いてないって・・・
危険だから言えないんですか?それだったら私、みんなを呼び戻します」
「いや、それほどでもないと思う。稲葉達も行かせたんは念の為や、
お前が心配する事やない。わしかて責任者やでそれ位考えとるわ」
寺田にそう言われ中澤は黙りこんだ。
154 :
名無し:02/12/05 02:26 ID:n5qVjqt7
「いや、やっぱりお前には話しとくわ。まだ未確認情報なんやけど
秩父山の中で天狗がおったって、子供達の噂になってるらしくて
それでも結構目撃者もいるらしい。まあみんな子供やけどな」
「天狗・・ですか?そんなんよくある話じゃないですか、なんでまた」
寺田の話に中澤は訳が解らず聞いた。
「まあな、ただ結構頻繁に目撃されとる様やから。最近GMTの出動回数が
増えてるのは気づいてるよな、目撃され始めた時期がそれと一致すんねん」
寺田はGMTの出動と天狗騒ぎの関連が気になるらしい。
「それじゃあ、やっぱり万が一の時は危険かもしれないじゃないですか」
中澤は仲間の事が気になっていた。
「大丈夫や、稲葉もおるし、あいつの実力はお前が一番解ってるはずやないか
それにな・・・実は既に沙耶香が現地入りしとる」
寺田の言った意外な名前に中澤は驚いた。
「市井が・・あの子いつ戻ったんですか?」中澤は聞いた。
「今回特別に働いてもろうとる。まあ非常勤やな」
寺田の部屋を出た中澤は迷っていた。皆に知らせるべきか、寺田には言うな
とは言われていない。それにM刑事をやめた筈の市井が動いている。
中澤の不安はさらに増したようだ。
【邪悪狩人M刑事】第七話・石川梨華と愉快な仲間達・終了!
155 :
名無し:02/12/05 19:16 ID:lahu4l3Q
【邪悪狩人M刑事】第八話・今日も完璧です2・
「辻、起きて、ほら早く・・・」大谷さんの声で目が覚めました。
「ふにゃー、まだ眠い」辻ちゃんはまだ眠いみたいです。
「何言っての、早く起きて手伝ってよ」大谷さんは昨日辻ちゃんが壊した
モニターを修理する為、辻ちゃんを起こしに来た様です。
「おはようございます」私は大谷さんそう言って起き上がりました。
「ごめん、起こしちゃったね、辻の奴なかなか起きないんだもん」
大谷さんに起こされた辻ちゃんは半分寝ぼけながら着替えを済ませると
二人で外へ出て行きます。私も着替えを済ませると二人の所へ行きました。
「私もお手伝いします」私がそう言うと「ありがとう、助かるよ、こりゃ思って
たよりひどいなー」大谷さんがそう言うので見てみるとモニターだけでなく
他の所も壊れていました。「もー辻は・・ろくな事しないんだから・・」
大谷さんにそう言われ辻ちゃんは「らってー・・」まだ寝ぼけている様です。
「だってじゃない、ほら、これ外すからそっち持って」
8時頃から始めた修理でしたがあちこちひどくてすでに10時近くになって
いました。私は朝一番で移動だと思っていたのですが、どうやら移動は午後から
の様です。その時辻ちゃんの携帯がなりました。
156 :
名無し:02/12/05 20:11 ID:IvvZlq/w
「もしもし?・・・シャボン銃じゃなかった・・・車の中で使ったらモニターが
壊れた・・・大丈夫だったけど矢口さんに怒られた・・・
大谷さんにも怒られた・・・うん、今一緒に車直してる・・・
今度食事おごってね・・・うん、じゃあ許す・・・じゃあね」
辻ちゃんが携帯を切ったので私は誰からか聞きました。
「柴ちゃんから。銃を間違えたって・・シャボン玉の出る銃を作ってって
頼んだのに使ったら変な物が飛び出して・・」辻ちゃんがそう言うと
「なんだその銃、柴田が作ったやつか、そう言えばこの前、それと一緒に
なんか作ってたっけ・・じゃあそれと間違えて渡されたんだ、柴田の奴・・」
大谷さんがそう言うと「そうだよ、柴ちゃんも半分悪いんじゃん」
と辻ちゃんが言ったので「どっちにしても、そんなの車の中で使う奴が悪い」
と大谷さんは言いながら柴田さんに電話しました。
「・・あっ、柴田?大谷だけど、なにやってんのー・・・・やっちゃったもんは
しょうがないけど気を付けてよ・・・それから私達秩父に行く事になったよ
・・・・うん、MMKと一緒に・・・知らない、何か聞いてない?・・・
そう、とにかくまだ帰れないからよろしくね・・・斉藤にも言っといてね
・・・・うん、じゃあね」大谷さんは携帯を切りました。
その後すぐ「そろそろ終わる?」矢口さんがコーヒーと朝食を
持って来てくれたので私達は少し休む事にしました。
157 :
:02/12/06 19:27 ID:rzBeuIZi
保全
158 :
名無し:02/12/06 23:29 ID:T6mvItI5
「いやー、それにしてもいい天気だねー。これが仕事じゃなければなー」
矢口さんがそう言うと「矢口達はまだいいよ、私達なんかへたすりゃ一日中
ガレージの中なんだから。あー、出会いがほしい」大谷さんは嘆いています。
「それはみんな一緒だよ、オイラ達だってガキばっか相手してるんだから」
矢口さんまで愚痴り始めました。(そうなのか・・・)私は少し考えました。
すると「紺野、あんたはどうなの?」突然、大谷さんに聞かれ、私は
「そうですね、出会いがないのはいやですね」と思わず言ってしまいました。
「へぇー、紺野でもそう思うんだ、意外だなー」そう矢口さんに言われたので
「私だってそれ位考えますよ」とは言ったものの本当はあまり考えた事はなく
今、M刑事になって初めてそんなこと考えた様に思えました。
「そうか、紺野もそんなこと考えてるんだ、そこいくと辻は・・・」
みんな辻ちゃんの方を見ます。「えっ?何?」辻ちゃんは食べる方に夢中の様で
話を聞いていませんでした。「辻は平和でいいなー」矢口さんが言いました。
休憩も終わって修理を再開しました。矢口さんも加わったので作業もすぐに
終わりみんなの所へ行くと稲葉さん達は釣りをしていました。
「おー、終わったか。移動は午後にしたからゆっくりしてていいで」稲葉さんは
そう言うと竿を振りました。
159 :
名無し:02/12/07 00:21 ID:jIxbVPyq
時計が11時半をまわった頃、「まったく釣れん。もうやめにして移動しよか」
稲葉さんがそう言ったので車に乗り移動を開始しました。
河原を出ると車はさらに奥へと進みます。「来た道戻るんじゃないんですか?」
私が聞くと「こっちに直接秩父に抜けられる道があるみたいだから
そっちに行ってみようと思って・・」と木村さんが地図を見せてくれました。
この道は峠道でしたがしっかり整備されていて交通量も少なく一時間もしない
うちに県境まで来ました。「ここで休憩や」道の脇には小さいドライブインが
あり私達はそこでお昼ご飯にしました。休憩を終えて再び出発しようとした時
中澤さんから連絡が入りました。
(今、どのあたり?)その問いに稲葉さんが「丁度県境あたりやね」
(そう・・まあええわ、今から言う事よく聞いて・・・実は少し前に
室長と話したんやけど、その・・秩父に行く目的が・・・)
「裕ちゃん・・言わんでも解っとるよ・・心配はいらん、うちに任してんか」
(えっ?それじゃあ・・・)「大丈夫や、連絡はそれだけなん?」
二人は私達が解らない会話をしています。
(いや、他にもある、緊急事態やねん、急いで現地に向かってや、詳しくは
地元の警察が待機しとるからそこで聞いて・・)
「解った、でも急ぎならGMTに任したらどうなん?」
(いや、そっちの方が早い。大谷、聞いとるな、室長のOKが出たぶっ飛ばせ)
そう言われた大谷さんは「いいんですか?」なんだか嬉しそうです。
(構わん、できるだけ急いで欲しいねん)通信はそこで終わりました。
160 :
名無し:02/12/07 00:43 ID:ZPiWI5UR
中澤さんとの通信が終わると急に大谷さんが張り切りだしました。
それとは反対に稲葉さんは顔色が変わります。「大谷、ホントにやるん?」
稲葉さんがそう聞くと「いやー、命令じゃ逆らえませんよ」といって矢口さん達
の所へ行きました。「はぁー、しゃあないなー」稲葉さんはそう言うと
椅子に座り「よっすぃー頼むわ」と言いました。すると吉澤さんが稲葉さんの
背中に手を当て気合を入れます。すると稲葉さんは意識を無くしました。
「吉澤さん、何したんですか?」私は聞きました。すると吉澤さんは
「紺野はジェットコースターとか大丈夫?」と聞いてきたので「はい」と
答えると「じゃあそのままで平気だね」と言うので何が始まるのか聞くと
「すぐに解るよ」とだけ言われました。大谷さんが戻って来ました。
すると矢口さんがこちらの車に来て稲葉さんと同じ状態になりました。
そして・・「よっしゃー、行くか、あさみ、ミカ、準備OK?」と大谷さんが
言うと木村さんは「いいよ!」そして通信機からは「OK」とミカさんの声が
しました。それを聞くと大谷さんが車のインパネの隅にある【P】と書かれた
パネルを開けて中にあるスイッチを押しました。すると車の外からなにやら
音がし出したのです。窓から見ると車の外装が変わっていました。
161 :
名無し:02/12/07 01:10 ID:d7kq/Zea
サイドボディーには警察省の文字が・・ルーフではパトランプが
回っている様です。後ろを見るとMMKのビートルも同じく外装が
変わっています。そして・・けたたましいサイレンと共に車が急発進しました。
車は物凄いスピードで峠道を走ります。木村さんが地図を見て大谷さんに指示を
出します。大谷さんはそれに合わせて車を走らせます。
「これはいったい・・」私がそう言いかけると「緊急モードだよ」
吉澤さんがそう言ったのでどうなってるのか聞きました。
「めったに許可は出ないんだけど、M刑事の車にはみんなこんな機能があるんだ
普段使えないから大谷さん張り切ってるよ、稲葉さんも矢口さんもこーゆーの
弱いから、その間眠ってもらってるの」
私はやっと理解できました。大谷さんがなぜ張り切っていたのか、なぜ二人は
眠っているのか、吉澤さんがジェットコースターといった訳はここに
あったのです。それにしても凄いスピードでした。
あと1時間以上はかかるだろう道を20分で走りきりました。
大谷さんの運転テクニックにはびっくりしましたが車輌課と言う事もあり
納得できたのですが、それ以上にびっくりしたのはミカさんです。
あのスピードにしっかりついてこれるテクニックはいったい何処で・・・
車の違いはありますが性能的にはあまり大差ない筈です。それなのに・・
ミカさんは謎が多いです。
162 :
名無し:02/12/07 21:32 ID:8UbJGxRG
現場も近くなり車を「ノーマルモード」に戻してから少し走った所に
目的地の【浦川キャンプ場】の案内標識が見えます。
駐車場に車を入れるとそこには地元の警察それに小学生の団体がいました。
稲葉さんと矢口さんを起こしてみんなでそちらへ行き事情を聞きます。
警察の人の話によると、林間学校でここを訪れていた小学生達が野生の猿に
襲われたと通報があり、駆けつけたが普通の猿と違う様なので私達に応援を
求めたとの事でした。
「事情は解りました。それでその猿の特徴とかって何かありますか?例えば
やたら大きいとか・・・」稲葉さんは昨日の事件の事を考えている様です。
「外見は普通の猿です。ただ、その、なんと言ったら良いか・・統制が取れて
いる様に思えるんです。野生の猿の集団ヒステリーならそんな事は
考えられないですよ。それに動きがやたら速くて追いつけないんです。
通常の猿の三倍のスピードで・・・」と説明してる人が言った所で
「シャアかよ!」と三村突っ込みをする人物が現れました。
「署長!」と突っ込まれた人は言いました。
「どうも、秩父署の堀内です。いやーお恥ずかしい話で、こいつらじゃ
どーにもならないので、寺田君に知恵を借りようと連絡したら、皆さんが
こちらに向かってるから応援に向かわせますって言ってくれたのでお言葉に
甘える事にしたんですよ」署長さんはそう言うとさらに続けました。
163 :
名無し:02/12/07 22:01 ID:8+kE/voz
「今、署の連中で捜索にあたっているのですが、逃げる途中で迷子になった子が
数人でまして、何人か発見できたのですが、あと6人の行方が解りません。
一刻を争うのでよろしくお願いします」
署長さんの話が終わると早速調査を開始しました。
「それじゃあこれから行動を開始するんやけど、4班に分けるで。矢口とあさみ
ミカと大谷、加護と吉澤、辻と紺野二人ずつで行動してくれ。
あと通信はマルチカムで行う様に、この範囲なら十分いけるやろ」
稲葉さんはそう言うとみんなにマルチカムを装備させました。
マルチカムとは、村田さんの最高傑作とも言える物で多数の同時通話が可能
さらに装置に登録された人なら名前を言うだけで通信できます。
例えば、私が「矢口さん、○○です」と言えば矢口さんだけにその通信が
繋がる訳です。さらにその会話の中で他の人の名前を言えばその人にも
通信は繋がります。普段本部と車の連絡はこれで行っているのですが
私達が今装備している物は携帯用なので通信エリアが半径三キロ位と
広くありません。なので昨日は普通の無線機を使い、普段のみんなの連絡の
やりとりも携帯電話を使用しています。
また話が脱線しましたね、ごめんなさい。
164 :
名無し:02/12/07 22:37 ID:D8zQm73x
私と辻ちゃんで近くの林の中に入りました。確かに遠くで猿の声が聞こえます。
しばらく林の中を歩くと加護ちゃん達が3人発見したと連絡がありました。
さらに二人で奥に進むと猿が叫ぶ声と男の子の声が聞こえました。
私達が駆けつけるとそこには猿に囲まれながらも女の子を守る二人の男の子が
いました。私達はすぐに助けに入りました。得意の空手で猿達追い払います。
辻ちゃんが手裏剣で攻撃しようとしたので「辻ちゃん、だめ!」
私は昨日の事が頭をよぎり辻ちゃんを止めました。
「猿を傷つけないで追い払おうよ」と私が言うと「でも、どうすれば・・」
辻ちゃんの攻撃は基本的に刃物が多いので私の提案は無謀でした。それでも
「あっ・・・これ使おう」辻ちゃんは柴田さんの対人用Mシューターを手に
しました。それはかなり効果的で私達は猿の撃退に成功しました。
3人を保護すると発見の知らせを入れて私達は林の外へ向かいました。
男の子達は軽い怪我をしていましたが問題はなさそうです。
途中男の子の一人が言いました。「お前達まりっぺみたいだな」
私と辻ちゃんは顔を見合わせました。「まりっぺって?」辻ちゃんが聞くと
「あれ?まりっぺってなんて名前だっけ?」と隣の男の子に聞きます。
「俺も忘れた」隣の男の子が言うと「真里さんだよ、矢口真里さん」
と一緒にいた女の子が言いました。
私と辻ちゃんは驚いてさらに顔を見合わせます。そうこうしているうちに
キャンプ場へと戻りました。
165 :
名無し:02/12/08 14:44 ID:7CUAdLdZ
キャンプ場に着くと3人の担任らしき女性が走って来ました。
「よかった。みんな無事でみんなにもしもの事があったら先生・・・」
なんだかドラマのワンシーンを見ている様でした。その時です。
「あー!」矢口さんの声がしました。「シゲルにマコトそれにちさとちゃんも」
そう、私達が助けた3人は過去の事件で矢口さんが知り合った、ちさとちゃんと
矢口さんを「チビ女」と言ったシゲルくんとマコトくんだったのです。
「おー、まりっぺ、やっぱり来てくれたのか」シゲルくんが言いました。
「あんた達怪我してるじゃない、また無茶して・・」と矢口さんが言いかけると
「真里ねえちゃん、シゲルくんとマコトくんは私を助けてくれたの、だから
怒らないで」と、ちさとちゃんが言ったので矢口さんが「そうなの?」と
聞くと、「私怖くて、逃げるのに必死で、気が付いたらみんないなくて、でも
すぐに二人が来てくれて、帰ろうとしたんだけど、また猿が来て囲まれたの。
そしたら二人はね庇ってくれたんだよ。私は怖くて震えてたらシゲルくんが
大丈夫、俺達がついてる、駄目でもまりっぺが来てくれるって」ちさとちゃんが
そう言うと矢口さんは「シゲル、マコトよく頑張った。えらいぞ」と言って
二人の頭に手を乗せました。すると二人は真っ赤になりながら言いました。
「あたりまえだろう、俺達はまりっぺの一番弟子だぞ、それくらいできるよ」
「そうだ、ちさとを守ってやれって言ったのまりっぺだぞ」
そう言われた矢口さんは黙って頷くとそのまま下を向いていました。
166 :
名無し:02/12/08 15:33 ID:QVyIDATV
「なんだまりっぺ泣いてるのか?」とマコトくんが言うと
「うるさいな、とにかく無茶するのはこれっきりだよ。でないと私が怒られる
んだからね、解った?」と2人に言いました。2人が頷くと矢口さんは
「よし、約束だよ。・・・でも本当によくやったね、ありがとう・・」
と2人に言いました。矢口さんは、過去のケルベルス事件の後ちさとちゃんが
荒川の現場によく来ている事を知り2人に、ちさとちゃんの力になるように
言っていたのです。今回2人がその約束を果たしてくれたのでよほど嬉しかった
のでしょう、私は矢口さんの涙を初めて見ました。
その様子を見ていた担任の先生は「ありがとうございます、この子達がよく
言っているまりっぺってあなたでしたか、警察の方の様には見えませんが
いったい・・・」そう言われ私達は焦りました。すると、ちさとちゃんが
「真里ねえちゃん達は悪い動物達をやっつけてくれる人達なの」と言ったので
「そうなんです、私達は危険動物を保護または駆除する仕事をしてるので
今回は相手が猿と言う事もあったので警察の依頼で動いてます」
と矢口さんは慌てて言いました。
「そうですか・・それにしてもすごい装備ですね・・」先生はみんなを
見て言いました。それもその筈です、辻ちゃんやミカさんは怪しげな銃を腰から
下げてるし私に至ってはうっかりカタールのカバーを付け忘れてました。
「いえ、見た目は派手ですけど大した事ないんですよ、はははは・・」
矢口さんは笑って誤魔化します。先生は3人を連れて救護所に行きました。
「紺野!あんたそれ、やばいって」矢口さんに怒られました・・・
167 :
:02/12/08 23:17 ID:n+QbUL6L
乙
昨日はかな〜りdat落ちがあったみたいだけど大丈夫だたみたいね
一日半チェックしてなかったからかな〜りあせったよ
168 :
名無し:02/12/09 02:21 ID:XZP1GWW6
>>167おかげさまで生き残ってるようです。それにしても凄い量が落ちましたね。
それでは続きです。
シゲルくん達に別れを告げるとここからが私達の本当の仕事です。
どうやら本来の目的地もこの辺りの様です。警察の人達が引き上げた後、私達は
調査を開始しました。
「ここの猿達はうちらが昨日見た奴とは違うみたいやな。でも関連がないとは
言い切れん。なんかあったらすぐ報告やで。そんじゃ調査開始や」
稲葉さん、大谷さん、木村さんは指令車に残って後の6人が単独調査です。
猿達は相変わらず騒いでいる様ですが、襲ってくる気配はありません。
私達の調査対象は猿ではなく、なんと天狗だったのです。
本当に天狗なんているのでしょうか?私はほとんど信じていませんでした。
あちこち歩き回りましたがセンサーにも反応はなく今日の調査は終わりました。
そして夕食の準備をしようとしたら食材がありません。当たり前です。
昨日の夜ほとんど食べちゃったんですから・・・
ミカさんと私で買出しに行く事になりました。スーパーで買い物を終え
戻る途中でした。暗くて良く解りませんでしたが私は空を飛ぶ人影を見た様な
気がしました。それと同時にミカさんが急ブレーキをかけました。
「紺野ちゃん、今の見た?」ミカさんに聞かれた私は「はい、見ました」
と言いました。私達は車を道の脇に寄せるとサーチライトを持って車を
降りました。二人で手分けをして辺りを照らすと昼間の猿達が襲いかかって
来たのです。迂闊にも二人とも武器を置いてきていました。
169 :
名無し:02/12/09 03:00 ID:ncUvVqkQ
「しまった、武器がない」私がそう言うと「Oh、Shit!」ミカさんの声が
しました。ミカさんは車に走り積んであった警棒を一つ私に投げました。
二人は警棒で応戦しましたが、猿は昼間以上の攻撃で私達に向かって来ました。
「くっ、数が多すぎる・・・」私が言った時ミカさんと背中がぶつかりました。
「完全に囲まれたね。どうする?」ミカさんに聞かれましたが私もどうするか
迷いました。「このままじゃ、やられるのも時間の問題ですね」
私がそう言った時、周りの猿達が次々倒れて行きました。
見ると猿達には小さなナイフの様な物が刺さっていました。そして・・・
「あなた達M刑事ね、装備を置いてくるなんて迂闊だったわね」
突然目の前に一人の女性が現れました。私は何が起こったのか解りません。
しかし、その女性を見たミカさんは驚いた様にこう言いました。
「市井沙耶香・・・・沙耶香ちゃんじゃない!」
彼女の名は「市井沙耶香」元M刑事の一人で私がM刑事になる前にM刑事を
やめた筈の人だったのです。そんな彼女が今私達の前に姿を現したのです。
「沙耶香ちゃん、ありがとうでもなんで・・・」ミカさんがそう言うと
「この前室長から連絡があって、この調査に協力してほしいって頼まれたの
それでみんなより先にここに来て、先行調査してたって訳」
市井さんの話によると私達の知らない所で室長が動いているらしいのです。
休憩の後の中澤さんと稲葉さんの会話はこれと関係していると私は思いました。
170 :
名無し:02/12/09 13:44 ID:5zoMQz44
市井さんの助けがあって私達はなんとかその場を凌げました。でも・・・
「市井さんこの子達みんな死んじゃったんですか?」私が聞くと
「紺野さんだったね、よく見てみなさい。この子達ははじめから死んでるの」
昼間は気が付きませんでしたが良く見ると猿達の身体には小さな文字が刻まれて
いました。「これは・・・魂還りの法・・・」私が言うと市井さんが続けます。
「そう、これは魂還りの法、この猿達は既に死んでる・・・」そう言って
私の方を見ました。そして・・「生き物を傷つけたくないって気持ちは解るよ
でもね、それが命取りになる事だってあるの、それが自分だけならいいけど
他の人まで巻き込む事は絶対に許されない。そこをしっかり考えなさい」
市井さんは私の考えている事が解っている様にそう言いました。
確かに昨日もそして今日も私は猿をできるだけ傷ないように戦っていました。
よくよく考えてみればシゲルくん達を助けた時も一つ間違えればみんなを
さらに危険な状態にしていたかも知れません。あの時一瞬ではあったけれど
辻ちゃんの判断を鈍らせる事を私は確かに言っていたのです。
「あなたが間違えてるって言ってるわけじゃないよ。殺さずに済むなら
それに越した事はないし、ただその状況判断をしっかりしなさいって事。
場合によっては相手が動物じゃなくって人間って事だってある訳だから。
まあその辺は、これからみんなに教えて貰うといいよ。特に安部さんが
一番かな、すこし行き過ぎで妖魔にまで情けをかける事もあるけど」
市井さんはそう言うと死んだ猿達の埋葬を始めました。
171 :
名無し:02/12/09 14:19 ID:HODfGzxb
20匹近くの猿の亡骸を埋めるのには一苦労でしがなんとか終わりました。
そこで私はふと疑問に思ったのです。「猿とはいえ、こんなに沢山の死体を
勝手に埋めちゃっていいんですかね?」私が言うと二人とも笑い出しました。
「ははは・・、あなたって本当に真面目ね、石川みたい。考えてもみてよ
これだけの猿の死体放置しとく訳にもいかないでしょう、そんな事したら
それこそ大騒ぎになっちゃうよ。本当はまずいけどこれしかないでしょう」
市井さんが言いました。確かにその通りです。私も自分で可笑しくなりました。
「そうですよね。私何言ってんだろう」私も一緒になって笑いました。
「この子達だって好きでこうなった訳じゃない、だったらせめて少しでも早く
土に還してあげることが一番だと思うよ。」今度はミカさんが言いました。
それから市井さんを連れてみんなの所に戻りました。到着すると矢口さんが
「遅い!遅い!遅い!まったく何やってたの。みんな待ちくたびれて・・・」
そう言いかけた言葉がそこで止まりました。「沙耶香・・・・」
市井さんの姿を見た矢口さんは信じられないと言う表情で固まっています。
「お久しぶり」市井さんがそう言うと矢口さんは「沙耶香だー」と言って
こちらに走って来ます。その声を聞いたみんなもこちらにやって来ました。
「沙耶香どうしてここにいるの?」みんな口々にそう言っています。
「それはうちが説明するわ」と稲葉さんが今回の調査の詳細を話しだしました。
172 :
名無し:02/12/09 20:58 ID:1VbW8e9c
「みんなも気い付いとると思うけど、最近けったいな事件が多い、そんでな・・
いや、大事な事忘れとったわ、とりあえず飯にしよか」
私達は急いで夕食の支度を済ませ食べ始めました。
「みんな食いながらでええから聞いてや、さっきの続きやけど・・・」
稲葉さんの話によると最近多発する怪事件の多さ、もっともこれだけなら
いつもの事ですが、原因が良く解らない事件が多いのです。
それと、GMTの出動回数が増えた事、その他諸々を加味して寺田室長は
ここで起きている天狗騒動と何か関連があるのではないかと思ったらしいです。
ただそれだけではM刑事を動かすには材料が足りないと言う事で市井さんに
調査を依頼したのです。その結果ここには何かあると判断し当初はMMKだけで
調査をやらせようと思っていたらしいのですが、昨日の私達の事件があったので
私達も同行させた様です。そうなると昨日の吉澤さんが保田さんに事件の話を
したのは正解だったのです。
「・・・そう言う事でここに来た訳やけど、紺野、どこで市井に会うたん?」
私はさっきの一件をみんなに話しました。
「なるほど・・それじゃあ市井はその空飛ぶもんを追いかけてた訳か?」
稲葉さんが市井さんに聞きました。
「はい、もう既に何度か目撃しているんですが、その度にここに来るんですよ」
市井さんが言うと「そうか、それで何か解ったん?」その問いに
「はい、まずその空飛ぶ物ですが、これは天狗ではなさそうですね。
どちらかと言うと鳥人間って感じですかね。両腕が翼の様になっていて
なんて言ったかな・・あのイギリスで目撃されたUMAみたいな・・」
173 :
名無し:02/12/09 21:43 ID:FLw9ewa7
市井さんが考えているので私が「オウルマンですか?」と聞くと
「そうそう、それオウルマンみたいなんですよ・・・・あれ?」
どうやらその場でオウルマンを理解出来た人は私と市井さんだけみたいでした。
私は仕方なくそのオウルマンを図に書いてみんなに見せました。
オウルマンとはイギリスのモウマン教会に現れた怪人でフクロウの様な顔を持ち
胴体は人間、両腕は翼と言った姿のUMAです・・・・
また脱線しました・・・ごめんなさい。
「とにかくその怪物の巣と言うか出入りしているのがこの近くの【浦川鍾乳洞】
みたいです。奴らは夕方か夜にしか行動しないしないみたいだから今夜あたり
行ってみようかと思ってた所です。それからあの猿ですが、あれはそれを
カモフラージュする為の物だと思います」
市井さんの話から私たちは夕食の後、その鍾乳洞に行ってみる事にしました。
【浦川鍾乳洞】かつてはこのあたりの観光名所にもなっていた様ですが
今は閉鎖され人が近づく様な場所ではない様です。
「ここか、なるほど、いかにもって感じやな、立ち入り禁止になっとるけど
この辺りの立ち入り調査の許可は貰っとるし大丈夫やろ」
稲葉さんはどうやらこの中に入るつもりの様です。
「あさみ、ここの内部の地図出せるか?」稲葉さんがそう言うと木村さんは
すぐに地図を出して来ました。「なるほど、枝道がいくつかあるなぁ」
地図を見ると確かに道が何本かに枝分かれしています。
「立ち入り禁止やから崩落してる場所もある筈や、注意せんといかんな」
私たちはPDAに地図のデータを入れるとマルチカムを装備して
中に入ります。外には大谷さんと木村さんが残りました。
174 :
名無し:02/12/09 22:38 ID:W/0yx8Lj
「市井もこいつの使い方知っとるよな?」稲葉さんはそう言うと市井さんにも
装備一式を手渡しました。「はい、大丈夫です。使ったことありますから」
驚いた事に市井さんのデータはマルチカムに残っていました。
「じゃあ行くで、中ではGPSが使えんからお互いの場所の確認は
通信で行うしかない、そやから歩いた場所の記録は忘れずにする様に
あと落盤には十分注意してな、M刑事が落盤でやられましたなんて
笑い話にもならんからな」私たちは2チームに分かれると洞窟内部に
入って行きました。私たちのチームは稲葉さん、市井さん、吉澤さんそれに私
向こうはMMKの4人です。内部は真っ暗でサーチライトを使わないと
前へ進めません、暗視スコープもあったのですがそれよりはこっちの方が
良いと言う事になり使いませんでした。一応持っては行きましたけど。
地図を頼りに奥へと進みます。しばらく進むと壁に突き当たり戻って
違う道を進むとまた壁に突き当たる、そんな事を何度も繰り返していると
矢口さん達から連絡が入りました。
「稲葉さん、すぐ来てください、こっちに何か変なものがあります」
矢口さん達のいる所は私達とそれほど離れていません。私達はすぐにそちらへ
向かいました。矢口さん達のいる場所は何かの部屋の様になっていて
何か儀式でも行っている様な感じがしました。
私達がその場所を調べ始めて少し経った時でした。サーチライトが割れて
真っ暗になりました。すると入り口の方から声がしたのです。
「ここにやって来るとは・・・愚かな奴らよ。何者だ?」
暗くてその声の主が何なのか解りません。すると矢口さんが「加護!」
と言いました。加護ちゃんが「太陽の鏡よ照らせ」と叫ぶと加護ちゃんの鏡が
光を放ちました。辺りはさっきより明るくなり声の主の姿もはっきり見えます。
そこにはオウルマンの様な怪人2匹と一人の男が立っていました。
「ほう、面白い事ができる奴がいる様だな、ここにいるからにはただの人間では
ないと思ったが、退魔師とはな・・」男はこう言うとみんなを見回しました。
175 :
名無し:02/12/09 23:35 ID:ghKU2xo/
「お前達、ここで何をしている?」男が聞くと「言わんでも解るやろ」
稲葉さんがそう答えます。すると男は笑い出しました。
「ぷはははは・・確かにそうだ、聞くほうがマヌケだな、失礼したお詫びに
お前達には死をプレゼントしようじゃないか」そう言って男が動いた時
「烈獅弾!!」稲葉さんが操る鉄球の群れが奴らに襲い掛かります。
奴らが怯んだ隙に「みんな洞窟の出口まで走るで、ここじゃ場所が悪い」
稲葉さんにそう言われ私達はもと来た道を戻ります。
「ふふふ・・逃がしはしないよ」男はそう言って後を追いかけて来ました。
出口に近づいた時「気孔連弾!」吉澤さんが周りの壁を崩して奴らの追ってくる
道を塞ぎました。全員脱出に成功して外で待つ二人の所へ行きました。
「あさみ、大谷、なにやってんねん、奴らが入るの見てなかったやろ」
稲葉さんがそう言うと「えっ?誰も中に入ってませんけど・・」
二人は奴らが洞窟の中に入るのを見ていないといいます。
「それじゃあ・・まだ何処かに入り口があるんか・・」稲葉さんが言うと
「正解!あんたいい感してるよ、するどいねー」さっきの男が後ろに
立っています。「せっかくのプレゼントなんだから受け取ってくれよ」
男がそう言うと、「うちはいい男からのプレゼントでないと受け取らんのや」
と稲葉さんが言いました。「まーそう言わずに・・・お前達殺れ!」
男はオウルマンに命令しました。「まずはこのオウルマンを倒さないと・・」
市井さんがそう言うと「・・・オウルマン?ああ、こいつらの事か、面白いな
これからこいつらをオウルマンと呼ぶか・・お嬢さん素敵な名前をありがとう」
男はそう言ってお辞儀をしました。
「うざー!なにこいつ、気持ち悪い、それでかっこいいと思ってんの?」
矢口さんは男の仕草を見てこう言いました。
こんな時間に保
177 :
名無し:02/12/10 23:29 ID:e7qzhu4t
そんな事をしているうちにオウルマンは、私達の頭上から襲い掛かって来ます。
しかし、あっけなく稲葉さんの鉄球の餌食になりました。
「なんや、大した事ないやん」稲葉さんがそう言うと「軽いオードブルですよ」
男は余裕の笑みを浮かべます。「それではメインディッシュにしますか」
男はそう言うと右手を上げました。すると空にはさっきとはまた違った感じの
オウルマンが沢山飛んでいました。「驚きましたか?こいつらは先程の奴らとは
違いますよ。戦闘用ですから・・みなさん頑張って下さい」
男がそう言って右手を下げるとオウルマンの群れが一斉に襲って来ました。
「風魔手裏剣!」「気孔速射弾!」「ダンシングダガー!」辻ちゃん、吉澤さん
市井さん、それぞれが頭上に攻撃を仕掛けます。オウルマンも負けじと羽を刃の
様にして応戦して来ました。私は飛び道具がないのでどうする事も出来ません。
ミカさん、稲葉さんも飛び道具があるので応戦しています。
「上ばっかりに気をとられてたら危ないよ」男がそう言うと地上からは又しても
猿が攻撃を仕掛けて来ました。私は鉤爪を出すとその中に飛び込みました。
大谷さんと木村さんも加わります。大谷さんは中国拳法でおなじみの
【トンファー】を手にしています。ちょっと違うのは側面に刃が付いています。
木村さんは【長刀】を使っています。こちらもちょっと変わっていて両端に刃が
付いています。見た目はゲルググのビームソード、あんな感じです。
矢口さんは四式神の朱雀と白虎を呼び出し空と地上の両方をこなしていました。
178 :
名無し:02/12/11 00:21 ID:3nYU8Qz2
あらかた猿を倒し、辺りを見回すと加護ちゃんがいないことに気が付きました。
どこに行ったのだろうと思っていたら「みんな、下がって!」洞窟の入り口の
上のほうから加護ちゃんの声がしました。加護ちゃんは戦闘のなか洞窟の崖に
登っていたのです。「月の女神アルテミスよ、その力を示せ!」加護ちゃんの
月の鏡から無数の銀の矢が飛び出しました。銀の矢は次々とオウルマンを
射抜いて行きます。あっという間に空にいたオウルマンは全滅しました。
私達も猿をすべて倒すとみんなで男を囲みました。
「みなさん、素晴らしい力をお持ちで、私が今までお相手した退魔師の方々とは
違いますね。嬉しくなりますよ」男はこの後に及んでまだ余裕を見せます。
「うちらは退魔師とはちゃうで」稲葉さんは男にそう言いました。
「それは、それは、失礼を致しました。しかし、能力者でもなさそうですね。
そうなるとあなた方はいったい・・・まあどうでもいい事ですね、ここで
全てが終わるのですから」男はそう言うと手のひらを前に突き出しました。
「獄烈砕破!」男の手のひらから巨大な球体が現れました。私達は素早くそれを
避けましたが、その球体は崖に激突すると大爆発を起こしました。
はやく普通の生活に戻りてぇーほぜむ
ho
181 :
名無し:02/12/11 23:20 ID:hZOTuWXI
「今のはほんの小手調べですよ。先に楽になりたい方からどうぞ」
男はそう言うとまた薄笑いを浮かべます。「調子に乗るな!」吉澤さんは
そう言うと、男に飛び掛って行きました。「砕破弾!」今度は小さい球体が沢山
男の手のひらから飛び出しました。「硬気孔散弾!」吉澤さんは同じように
気孔弾を放ちます。お互いの力と力がもろにぶつかり合います。
次の瞬間、吉澤さんは吹き飛ばされました。男の攻撃の威力の方が
勝っていたのです。「吉澤さん!」私は駆け寄りました。
「大丈夫・・・だけど動けそうにないや・・・」私と木村さんで車まで
吉澤さんを運びます。戻ると、辻ちゃん、加護ちゃん、大谷さんが既にやられて
いました。みんな骨折などの大怪我をしています。矢口さんが最後の四式神
玄武を呼び出し、攻撃を防いでいます。
「みなさん、先程の勢いはどうしました?私をがっかりさせないで下さいよ」
男のふざけた態度にとうとう私はキレました。
「上等だぁぁぁぁ!」私は自分でも信じられない様な動きで男に迫ります。
「紺野!やめなさい!」私は矢口さんの制止を無視しました。
男は先程の球体で攻撃してきましたが私はそれらを素早くかわすと顔面に正拳を
打ち込みます。続けて回し蹴りを入れると腹部に二段突きを放ちます。
男が屈んだ所で踵落としを放ち、男を地面に顔面から叩きつけました。
「ふぅー、大したガキだ、だがここまでだ・・・うおぉぉぉぉーー!」
男が雄たけびを上げると男の身体が変化を始めました。
男は、一本のツノを持つ鬼、【一角鬼】へと姿を変えました。
「お遊びはここまでだ」一角鬼は素早く私の腕を掴みそのまま放り投げました。
私は近くにあった崖の壁に叩きつけられました。
「まったく、どいつもこいつも、人の指示に従わんとこのざまや。お前ら
おとなしくしとけ!」稲葉さんはみんなに一喝すると
「一角鬼さんよ、タイマンや」そう言って一角鬼の前に立ちました。
「よかろう、だがお前で相手が務まるのか?」一角鬼は言いました。
182 :
名無し:02/12/12 00:07 ID:ISiVTnbM
「白いガタイに左目の傷、お前知っとるで、過去に雪の怪物と恐れられた
吹雪童子!相手にとって不足なし!」稲葉さんの言葉に私は驚きました。
【吹雪童子】それは雪原に現れる鬼として昔から恐れられていて、鬼族の中でも
かなりの実力を持つと言われています。私はお伽話としか思ってませんでしたが
それは現実にしかも私の目の前に存在していました。
「吹雪童子か、久しくその名を聞く事はなかったな、面白い相手になってやる」
吹雪童子はそう言うと氷柱をいくつも放ちました。稲葉さんは鉄球でそれを
打ち落とすと地面に手を当てこう言いました。
「大地の気よ、集い悪しき物を浄化せよ!」すると地面が揺れはじめました。
そして吹雪童子の周りに地割れが起きるとそこから出た光の筋が吹雪童子の
身体を切り裂きます。私は稲葉さんが本気を出す所を初めて見ました。
「矢口さん、あれは?」私は矢口さんに稲葉さんの力について聞きました。
「稲葉さんはね・・・風水師だよ・・」矢口さんがそう言うので
「風水師ってあのDr.小林さんみたいな人ですか?」私がそう聞くと
「あの人は風水学の人でしょう、本来、風水師って言うのは地脈の気や水脈の気
つまり地球が持つ気の流れを操れる人達の事をさすんだよ、でも今は
その能力の継承者は絶えたって聞いてたけどね・・・」
矢口さんはそう言って言葉を切りました。その力の継承者は絶えいる。
稲葉さんは何処でその力を手に入れたのか、どうやら稲葉さんも平家さん同様
失われた力の継承者の様です。M刑事司令室・・侮れません。
183 :
名無し:02/12/12 23:36 ID:c50ofSnW
「ばかな!風水師だと、信じられん。貴様、何をした?」吹雪童子が初めて
焦り様子を見せました。「何をしたって見たままやがな」稲葉さんは言います。
「このままやったら勝負は見えてるで、今やったら封印で済ましたる。そやから
答えろ、お前の目的は何や?罪のない動物達を操り、訳の解らん化け物作って
何するつもりだったんや?」稲葉さんは吹雪童子に問い掛けました。
「見損なうな、答えを知りたければ私を倒してからにしてもらおうか」
吹雪童子にそう言われた稲葉さんは「そうか・・だったらとどめ刺したる」
そう言うと「地脈に在りし者よその力にて悪を滅ぼせ、昇龍浄閃塵!」
そう言って地面を力いっぱい叩きました。地面からは、まるで龍が空に昇るかの
様な閃光が飛び出し吹雪童子を飲み込みます。「ぐあぁぁぁぁ・・・」
光に飲み込まれた吹雪童子の身体は見る見る消滅して行きます。
「稲葉とか言ったな・・見事だ、よかろう、お前の問いに答えてやる。
今の私にはかつての様な力は既にない、私とて操られているにすぎんのだ。
私は奴に対抗する為の兵隊を集めていた、それが猿、そしてオウルマンだ。
私一人では奴に勝つ事すら出来ないだろうからな、なぜなら
私は封印を解いてもらう代償として力の一部を奴に渡した・・・
奴はその力を増している。その証として妖魔の封印が次々に解かれている
お前達にも覚えがあろう・・・」
どうやら吹雪童子は何者かに操られていたようです。そしてその正体を聞いた時
私は自分の耳を疑いました。
184 :
名無し:02/12/13 00:07 ID:Yanpw9x0
「奴って誰や?」稲葉さんは吹雪童子に聞きました。
「奴か?・・・奴の名は【主天童子】もっともお前らには新撰組、土方歳三と
言った方が解るであろう。土方は北海道で戦死する時、鬼に身体を預けた。
その鬼こそ主天童子なのだ。土方と主天童子の魂は一体となり蘇った。
土方の怨念は今も生き続けている。つまり奴の目的は国に対する復讐、
この国を滅ぼすのが狙いだ。だが、今日お前達と戦って解った。
お前達なら奴を止める事ができるかもしれん。
まあ、どうなろうと私の知った事ではないがな・・・せいぜい頑張るが良い」
吹雪童子は私達にそう言うと消えて行きました。土方歳三・・・私はその言葉を
信じる事が出来ませんでした。そんな事ある訳ないみんなそう思ったはずです。
「なんや、訳解らんな。とにかく、怪我人の手当てが先やな・・とは言っても
肝心のよっすいーが、あれじゃあな、しゃない、ひとまず引き上げや」
稲葉さんの判断で今回はこれで帰る事になりました。まあ当然ですね。
帰り道、みんな一言も口を開きませんでした。あんな事があったばかりでは
仕方ないです。でもみんな考えてる事は同じ筈です。あの話は本当なのか?
もし本当ならこれから私達はどうなるのか?この続きはまた今度お話します。
【邪悪狩人M刑事】第八話・今日も完璧です2・終了!
なんか昨日は阿呆ゥが↑これを張りまくっとるね
保寺ェん
187 :
名無し:02/12/13 22:34 ID:amPaX4Of
>>186貼ってあるとことないとこの違いってなんなのでしょうかね
それでは続きです。
【邪悪狩人M刑事】第九話・M刑事として・
都内某所、警察省本池下署の隣に同じく警察省の建物がある。
この建物こそM刑事の本部、警察省特務部妖魔対策室なのである。
いつもは陽気な職場だが今日は違っていた。それは昨日、正確には今日の午前
一時過ぎに秩父で調査をしていたメンバーが戻って来てからだった。
今回の一件はM刑事でも久々の痛手であった。怪我人が一度に5人しかも皆
酷い怪我である。それに加え訳の解らない調査結果、これには室長の寺田を始め
M刑事メンバー全員が考え、結論を出せないでいた。
「吉澤は肋骨やられてるし打撲もある、辻は右手、加護は左手、大谷は右足を
それぞれ骨折、紺野は・・・大した事ないか・・・」
平家が今一度負傷メンバーの確認をしている。
「あの・・平家さん・・私も一応左肩脱臼なんですが・・・結構、痛いですよ」
紺野は平家にそう告げた。「ごめん、そうだよね、痛いよね」
平家は慌てて紺野に言った。
「とにかく、お前ら暴走しすぎやで、まったく・・・」稲葉は5人を叱った。
救護室は怪我人であふれている。5人共満身創痍といった風体で吉澤に至っては
ベッドから動けない状態だ。
「私達はこれからミーティングがあるから、あんた達おとなしくしてなさいね」
平家はそう言うと稲葉と部屋を出た。
188 :
名無し:02/12/14 22:53 ID:C8qd9Ioj
「それにしても、こっぴどくやられたわね」そう言ったのは、救護室、医務員の
石黒である。彼女も元は捜査課の一員でM刑事最初のメンバー6人の一人だ。
しかし今は、捜査課から退き医務員をしている。石黒は当初M刑事を辞める
つもりでいたが、吉澤と同じ気孔の使い手である為、寺田や中澤の希望もあって
医務員としてここに残ったのである。
「とにかく今はみんな治療に専念しなさいね。特に吉澤、あなたは自分でも
気の流れをしっかりコントロールしなさいよ、余計な事考えずに」
石黒はそう言うと吉澤の方を見た。「解ってますよ、おとなしくしてます」
吉澤がそう言うと「よろしい、さてと、そう言えば沙耶香が来てるんでしょう?
ちょっと顔でも見てくるか」そう言うと石黒は部屋を出て行った。
今回の調査の協力者として市井も今、ここにいるのだ。
石黒が出た後、車輌課の斉藤と柴田が部屋にやって来た。
「みんな大変だったね・・・だからといって私は容赦しないよ、大谷、足の怪我
だったらこっちは出来るよね」斉藤はそう言うと大谷に資料を手渡した。
それは今車輌課で開発中のMシューターの強力版の設計図だった。
「私一人でこれやるの?」大谷が聞くと
「他に出来る事ないでしょう、よろしくね」と斉藤は言った。
「鬼、悪魔、今度あんたが怪我した時、絶対同じ事やってやる」と大谷が言うと
「ほほほ・・何とでもおっしゃい、これはリーダー命令よ」と斉藤は言った。
その横では、柴田と辻が話をしていた。
189 :
名無し:02/12/14 23:30 ID:di3dElti
「辻ちゃん、ごめんね、こっちが本物だから」柴田はそう言うとシャボン銃を
辻に手渡した。「もういいよ、柴ちゃん。こっちの銃も役に立ったし」
辻はそう言うと対人用Mシューターを柴田に返した。
「それでね辻ちゃん、相談なんだけど、食事はファーストフードで勘弁して
貰えないかな?お金ないだよね」柴田がそう言うと
「うーん、じゃあ、クレープ10個でいいよ」辻は言った。
「本当?ありがとう。じゃあ今度の非番の時ね」柴田がそう言って2人の示談は
成立した。
一方会議室では、主だったメンバーが集まりミーティングが行われていた。
「今回の調査結果は、今稲葉が説明した通りや、それで今後どうするかだが・・
里田、資料出してくれ」寺田にそう言われて資料を出したのは、里田まい、
りんねやあさみと同じ資料課のメンバーだ。
「今、皆さんに配ったのが土方歳三と主天童子と呼ばれる鬼の資料です。
土方歳三については歴史書に書いてある通りの物で、これと言って主天童子と
つながる様な記述は見つかりませんでした。一方、主天童子ですが、こちらも
地方の民話とかそんなのしかなくて実在を証明する資料はありません。
つまり、今回の吹雪童子と言う鬼が言った事が事実である証明は今のところ
確認できません。引き続き調査はします。私からは以上です」
里田は皆にそう言うと資料の説明を終えた。
「まあ、そう言う具合や、とにかく資料がまったくないと言ってもええやろう
そこでみんなの意見を聞きたいんやが、どうや?」
寺田はその場にいるメンバーに聞いた。
そこにいるメンバーは、寺田、中澤、稲葉、平家、飯田、安倍、保田、矢口
後藤、村田、りんね、あさみ、里田の13人でそれぞれが意見を発表した。
190 :
名無し:02/12/15 23:14 ID:IUxqDrpU
「もし、その話が本当なら、私らで何とかなるもんなん?その吹雪童子かて
M刑事を5人もぶっ飛ばしたんやで、私らじゃ手に負えんやろ」中澤は言う。
「でもさ、それじゃあ、上の連中にこの事言うの?あいつらの事だから絶対
バカにされるよ、みんなの力で何とかならないかな?」飯田が言った。
「その主天童子がどれ位の力を持っているか、それが問題だよね、もしかしたら
私達だけじゃ、どうにもならないかも知れないし」保田が言うと
「少なくとも、吹雪童子の攻撃はオイラは止められたよ。問題は、力もあるけど
主天童子の仲間の数じゃないかな」矢口は言った。
その他のメンバーも大体同じ様な意見を口にした。
意見も出きった所で、寺田が言った。
「とにかくや、この件はその主天童子とやらの存在が確認できん以上
俺らは今まで通りやって行くしかないようやな、お前達の意見も参考にするが
それは存在が確認されてからや、お前達はM刑事としてやるべき事を今まで
通りやってくれればええ、よろしく頼むわ」
寺田がそう言ってミーティングは終わった。それと同じ頃休憩室では
市井、石黒、石川、松浦、藤本が話をしていた。
ほじぇん
|◇´)<ホゼム
193 :
名無し:02/12/17 23:48 ID:QTOYO3Bj
「何だかここに来ると落ち着くなー」市井は言った。久しぶりに来た昔の職場は
何一つ変わっていなかった。変わっているのはそこにいるメンバーだけだ。
石川は自分がここを去る時にはいたので知っているが松浦と藤本は初対面だ。
それでも4人は他愛ない会話で盛り上がっていた。途中、松浦が市井に聞いた。
「もし差し支えなかったら、市井さんが辞めた理由教えてくれませんか?」
その問いに市井は「うーん、まー大した事じゃないんだけどね、解らなく
なったんだ、自分がM刑事として本当にやっていけるのかどうか・・・
やりたい仕事とかそんなんじゃなくて、なんて言ったらいいのかな・・・
うまく言えないけど、自分の力って言うか、やり方って言うか・・・
本当にこれでいいのかって・・・自信がなくなっちゃったんだよね」
市井にそう言われた松浦は「解らなくもないけど、それって変ですよ、だって
ごっちんは市井さんは凄い人だって言ってましたよ、今でもそう思うって・・
だから辞める必要なんてなかったと思いますけど」と言った。
それに対して市井は何も言わなかった。そこに石黒がやって来て言った。
「私も松浦の意見に賛成だな、沙耶香が辞めた理由が私には解らない」
そう言われた市井は「石黒さん・・・お久しぶりです・・・」とだけ言った。
その言葉を聞いていないかの様に石黒は続けた。
「自分のやり方が間違ってるなんて自分で決める事じゃないでしょう?それは
他の人が見て始めて解る事じゃない、何が駄目だったのよ?」
石黒は市井に聞いた。「結果が出せなかった・・・捜査も空振りが多かったし
みんなの足を引っ張っているんじゃないかって・・・そう思ったんです」
市井がそう言うと「そんな事・・・それはみんな一緒じゃない、沙耶香の捜査が
みんなより時間が掛かっていたのは事実だけど、それがあなたのやり方でしょう
空振りが多いのだって、些細な事でも納得いくまで調べてたからじゃない
それは間違った事じゃないし、みんなだってそんな事思ってなかったよ」
石黒はそう言うと石川の方を見た。
194 :
名無し:02/12/18 00:23 ID:osvuJVgr
石川は石黒の話に同意するかの様に言った。
「そうですよ、私、市井さんが遅くまで頑張っているの見て私も頑張ろうって
思った事何度もありましたよ。それなのに突然いなくなっちゃうんだもん
もっと何か別の理由があると思ってましたよ」
石川がそう言ったので石黒は続けた。
「ほらね、石川だってそう言ってるんだから・・・」そこに石川が
「石川だってってどう言う意味ですか?」少々ムクレ気味だ。
「ごめん、とにかく、沙耶香は間違ってないって事・・その証拠が後藤だよ。
後藤が入ってきてからずっと一緒にいたのは沙耶香でしょう。後藤の今の
活躍があるのは、後藤自身の努力もあるだろうけど、それと同じ位に沙耶香
から学んだ事だってある筈だよ、現に後藤はそう言ってるし」
石黒がそう言うと「私もそう思います。GMT発足当時何かあると市井さんなら
きっとこうした筈だとかよく言ってましたから」そう言ったのは藤本だ。
「私が言うのも変ですけど、市井さん、M刑事に戻って下さい」松浦は言った。
その言葉に、石黒も石川も藤本も同意するかの様に頷いた。
市井は「・・・少し時間を下さい。一人で考えてみます」と言って部屋を出た。
「石黒さん・・・」石川は石黒の方を見た。
「大丈夫だよ、私達が言いたい事はあの子に言った。あの子だってまだM刑事
としての誇りがどこかにあるはず・・でなければ手伝ったりなんかしない
ミーティングも、もう終わる筈だし、そしたら後藤と圭ちゃんに任せよう」
石黒がそう言うのでそこにいる誰も市井を追わなかった。石黒の言う通り
あと市井を説得出来るとしたら、よく行動を共にしていた、後藤と保田しか
いない、それは誰もが解っている事だ。
漏れの他にもほじぇんがキタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!!!!
197 :
名無し:02/12/18 23:35 ID:/5jr+1C3
M刑事本部の裏には小さな公園がある。市井は公園のベンチに座っている。
特に何を考えるでもなく、ただそこで遊んでいる子供達を眺めていた。すると
「市井さん?」市井に声をかける者がいた。市井は声の主を見た。
「やっぱり市井さんだ、久しぶりですね、どうしてここに?」そう言ったのは
犬の散歩をしている女の子だった。「ソニンちゃん・・・」
市井はその女の子を見て言った。このソニンと言う名の女の子は近所に住む
M刑事の存在を知る数少ない民間人の一人だ。彼女には特殊な力があった。
簡単に言えば霊感少女である。その霊感で時々M刑事を手伝う事がある。
その為彼女はM刑事の存在を知っているし、市井の事も知っているのだ。
市井はソニンにさっきまでの事を話した。
その頃本部の休憩室では「なんやあまり意味ないミーティングやったな」
ミーティングを終えた中澤達が入ってきた。そして石黒を見つけると
「おっ、彩っぺがここにおるなんて珍しいな」中澤は言った。
石黒は中澤達に先ほどの出来事を話した。
「なるほど、それで解ったで、どうして市井がミーティングにおらんのか気に
なってたんやけど、こう言うことか、室長も上手い事やるなぁー」
「どう言う事?」石黒は中澤に聞いた。中澤の推理はこうだ。
今回の一件についてミーティングを行う。そのメンバーから市井を外せば市井は
必ずここに来る事になる。そうすればミーティングに参加していないメンバーと
話をする事になるし、そうなればそんな話も出るだろうと・・・
「きっと彩っぺがここに来るのも計算のうちやで、今回の件を市井に頼んだ時は
そんなつもりは無かったかも知れんけど、今日あたり思いつきでやったん
ちゃうかな、室長かて市井には戻ってきて欲しいだろうしそれやったら
自分で言うよりは、私らから言った方があの子だって聞くだろうし・・
とにかく・・・圭ちゃん、後藤、後は頼んだで」
中澤がそう言い終わると同時に緊急指令が鳴り響いた。
198 :
名無し:02/12/19 00:05 ID:SEWEmVQg
(多摩川にて事件発生!警察より出動要請あり!GMTスクランブル!)
「ごめん、私行かなきゃ、圭ちゃん後お願いね」後藤はそう言うと松浦、藤本
と共に、部屋を飛び出した。一方公園では・・
「あっ、ごめんね、ソニンちゃんに話す事じゃ無かったね」市井がそう言うと
「いいえ、人に話せば楽になって自分の考えがまとまる事だってありますよ。
私は部外者だし、いつでも相談してください。それともう一つ、アドバイス
してもいいですか?」ソニンは言った。「何?」市井が聞くと
「それでは・・」ソニンはそう言うと市井の前に手を翳した。そして
「市井さんの中に光が見えます。その光は市井さんがM刑事だった頃は
とても大きい物でした、でも辞めるって聞いた時光は見えなくなりました。
でも今は、またその光が見えます。まだ小さいですが徐々に大きくなって
います。きっとこれからもっと大きくなりますよ」
ソニンはそう言って笑った。その時、本部の方からサイレンが聞こえた。
二人が道路の方を見ると、3台のバイクが走って行くのが見えた。
「GMT・・また出動か大変だなぁー」ソニンがそう言うと
「GMT?そう言えば、さっき藤本さんも、そう言ってたけど何なの?」
市井はソニンに聞いた。ソニンは市井にGMTについて説明した。
「そうなんだ・・・」市井はそう言うとまた道路を見た。
今度は平家のコルベットとサポートのアストロが走って行くのが見えた。
ここまではいつもの光景だ、だがその後にさらに1台、車が出てきた。
車は出てくるとすぐに止まった。そして
「沙耶香、乗って!」車の中から保田が姿を現した。
199 :
名無し:02/12/19 21:00 ID:IP1bV380
「ソニンちゃん、ごめん沙耶香借りてくよ」保田はそう言うと市井と車に乗る。
「行ってらっしゃい」ソニンは笑顔で手を振っていた。
「シートベルトしっかり締めてね」保田はそう言って車を発進させた。
保田の愛車スバル、インプレッサ、STI仕様ただでさえパワーのあるこの車
それを車輌課の手によって更にパワーアップしたこのモンスターマシーン
先行していた2台にあっという間に追いついた。
「どこ行くの?」市井は保田に聞く。「多摩川」とだけ保田は答えた。
「どうして私も行くの?・・・ねぇ、圭ちゃん」市井は聞く。
「・・・沙耶香、私はみんなみたいに戻れとは言わないよ、そりゃ沙耶香が
戻ってきてくれたら嬉しいけど、それは沙耶香が決める事だからね。
ただね、もし迷っているなら、少しでもそう思っているなら・・・
私に出来る事はこれ位かな」そう言うと保田は黙りこんだ。
市井もそれ以上何も言わなかった。暫くすると多摩川沿いの廃工場に着いた。
二人は車を降りると平家の所へ行った。「平家さん・・・」保田が言うと
平家は黙って頷いた。そして「そんじゃ、さっさと終わりにしようか」
平家はそう言うと後藤、松浦、藤本の3人に指示を送る。
相手は【蛇角】巨体で頑丈な肉体、動きは鈍いが倒すのに時間がかかりそうだ。
200 :
名無し:02/12/20 00:29 ID:tXU5PCd0
「藤本、後藤、左右に展開。松浦、正面から斬りかかれ!」平家の指示で
3人が動く、「闘気集中!」3人は刃に気を込めた、そして同時に攻撃する。
何度も敵に攻撃を仕掛けるが、やはり頑丈な身体、致命的な攻撃は出来ない。
「やるしかないか、みんないくよ!」後藤がそう言と3人は体制を立て直した。
体制が整うと松浦の掛け声が「あっ、いくよ、1.2.3!」
GMT必殺フォーメーション「桃割剣!ピーーーチ!」松浦が叫ぶ!
敵の身体は四つに切り裂かれる・・・筈だった。しかし
「きゃっ!」3人は弾き飛ばされた。蛇角は身体を鋼の様にしたのだ。
「こいつ・・桃割剣じゃ無理だ、どうする?」平家は考えている。
その時、市井が飛び出そうとした、だが、「だめ!」保田が止めた。
「何で?みんなでやった方が・・・」市井が言うと「それは出来ないの」
保田が言った。そして「あの子達だけやらせるの、たとえ私達が近くにいたと
しても命に関わる様な事でもない限り手出しは出来ない、それが決まりなの。
だから、今はだめ。後藤達を信じて」保田にそう言われた市井は留まった。
「平家さん」藤本が平家に指示を仰ぐ。「後藤、どうする?」平家はなぜか
後藤に聞いた。「そうですね、この状況なら「あれ」しかないでしょう」
後藤言うと「そやな、それで終わりにするで、松浦、藤本、後ろに回り込め」
平家の指示で二人は敵の後ろに回り込むと刀を地面に突き刺した。
201 :
名無し:02/12/20 00:55 ID:Uaz1oGI+
そして松浦が「何も言わずじっと」藤本が「何も言わずそっと」と呟く。
すると2人の刀から閃光が後藤目掛けて飛び出した。後藤は閃光を刀で
受け止めると「DREAM」と言って閃光を蛇角目掛けて放った。
閃光を食らった蛇角は眠った様になる。そこに後藤が切り掛かる。
「KISS」後藤はそう言うと蛇角を真っ二つにした。
この光景を見ていた市井は驚いた。そう、この技は市井が使う技で
「DREAM&KISS」敵を眠りに誘いガードを甘くしてそこを攻撃する
まさに今回の敵、蛇角の様に防御力をコントロールする敵には最適の攻撃方法
なのだ。ある時、市井、保田、後藤の3人でこの技を試した時市井1人の時より
効果があった。2人が敵を眠りに誘う為、もう1人は攻撃に集中できるのだ。
以来、この3人が組むと頻繁に使っていたのだ。
とは言え、この攻撃を後藤が覚えていて、しかも自分の目の前で使いこなす
などとは市井は夢にも思わなかった。
「後藤はね、ちゃんと覚えてたよ、沙耶香に教えて貰った事」保田は言った。
市井は何も言わなかった。だが、保田がなぜここに自分を連れてきたのかが
良く解った。そして今、自分はどうするべきかが・・・
ほじぇん
203 :
名無し:02/12/20 22:49 ID:5nDoFKAp
事件も解決し、出動メンバーは本部に戻っていた。休憩室には保田、後藤、市井
そしてソニンの姿があった。「ごっちん、成長したね、それに私が教えた事も
ちゃんと覚えてた」市井が後藤に言った。「えへへ・・見てくれてたんだ
あのね、私いつも思ってた。敵を倒した後、市井さんに見せたかったなって」
後藤がそう言うと市井は黙って後藤と肩を組んだ。保田とソニンは何も言わず
微笑んでいた。感動の一瞬である。
その頃他のメンバーは捜査課の部屋にいた。
「上手い事いったな、これで沙耶香も戻ってくるやろ。そうなったらみんなで
暖かく迎えてやろうないか」中澤はそう言ってメンバーを見渡す。
「あれ?石川がおらんやんけ、あいつ何処行ったん?」中澤がそう言うと
「そう言えば、さっきからいないよ」安倍が言う。
「まさかあいつ・・・」
一方休憩室では
「市井さん、決心した様ですね、光がまた一段と大きくなりましたよ」
ソニンがそう言うと「うん!」市井は大きく頷いた。
204 :
名無し:02/12/20 23:15 ID:F2esItck
「私、もう一度M刑事として頑張ってみる、今日のごっちん見てそう思った。
ごっちん、また一緒に頑張ろう」市井はそう言って後藤に手を差し出した。
「こちらこそ、よろしくお願いします」後藤はそう言って市井と握手した。
「私達も忘れないでよ、2人だって、いいきっかけ作ってでしょ?」
保田はそう言ってソニンの手を握るとそのまま2人の手の上に重ねた。
4人の手が硬く結ばれる・・・とその時もう一本手が伸びてきた。
みんなはその手の主を見た。「・・・石川・・・」保田が驚いた顔で言った。
そして「石川、あんたいつからここにいるの?」みんなが聞く。
「最初からずっといましたけど・・・気が付かなかったですか?」
石川はキョトンとした顔で言った。「まったく、ぶち壊しだよ」保田が言う。
すると「いいじゃないですか、チャーミーも参加させて下さいよ」
石川はそう言うと自分の手を重ね合わせ言った。
「頑張るぞ!オー!」4人はそれを見て笑いながら「オー!」と続けた。
「ところで、市井さん、いたんならどうして手伝ってくれなかたんですか?」
後藤が市井に聞く。「えっ?だって圭ちゃんが手出しするなって、それが決まり
だからって言ったよ」市井は保田の方を見る。
「ごめん沙耶香、嘘言った。だって、あそこで私達が手を出してたらこうには
ならなかったでしょう?」保田はそう言って市井に謝った。
「なんか上手く乗せられた気分だなー、まあいいか」そう言って市井は笑った。
こうして市井はまたM刑事として活躍する事になった。メンバーにとって
懐かしくもあり、また、心強い仲間の誕生であった。
【邪悪狩人M刑事】第九話・M刑事として・終了!
第九話 乙
ほじぇん
206 :
名無し:02/12/21 22:35 ID:bY5bPFyu
【邪悪狩人M刑事】特別編・]’Masイブの大追跡・
12月24日朝、M刑事の引継ぎが行われていた。
「以上、引継ぎ終わり。それじゃ、後よろしくね」
中澤は引継ぎを終えると珍しく、すぐに帰路についた。
「裕ちゃんが早く帰るなんて珍しいな、何かあるんやろか?」稲葉が言った。
「うーん、法事?」矢口が言う。「いや、それは無いな、他に何か・・・
そうだ!きっとバーゲンセールだ。年末の」平家が言った。
「でも、この前の非番の日に買い物行ったって言ってたよ」飯田が言うと
「それじゃあ、大掃除とか、裕ちゃんここで寝泊りしてる事多いし」安倍が言う
「でもさ、それにしたって朝から裕ちゃんが掃除すると思う?」保田が言うと
「あのー・・・」紺野が何か言おうとしている。「何や?」稲葉が言った。
「あのー、みなさん・・・今日はクリスマスイブですよ」紺野が言うと
「!・・・そうや・・・今日は・・・すると・・・」稲葉がそう言うと
「デートだ!」みんなが声をそろえて言った。
「裕ちゃんもついに・・・」矢口が言うとみんなで「よかった、よかった」
そこに紺野が「みなさん、気が付かなかったんですか?」と言うと
「・・・クリスマスすら忘れてるうちらって・・・」みんなへこんでいる。
207 :
名無し:02/12/21 23:17 ID:xpBAd10V
「いや、そんな事はどうでもええ、夜勤明けと非番の奴、誰や?」稲葉が聞く。
手を上げたのは、平家、安倍、保田、石川、小川、の5人
「数が足りん、紺野お前もそれ位の怪我やったら動けるやろ手伝え、
あと辻、加護も呼んで来い、他の連中は?」稲葉の呼びかけに集まったのは
平家、安倍、保田、石川、小川、紺野、辻、加護、斉藤、柴田、里田、あやかの
12人、それぞれが非番や夜勤明け、もしくは怪我で休んでいる面々だ。
「今からお前らに重要な任務を与える。休みとか関係ないで、ええな。
任務の内容やが、ぶっちゃけ裕ちゃんの彼氏はどんな奴か突き止める事や。
相手は裕ちゃんやから油断すんやないで、バレたら後が怖いからな」
稲葉はそう言ったがみんなやる気満々だ。
「それでは、指揮はここでうちがやるから、みんな何人かに分かれてくれ」
そう稲葉に言われて、12人は4チームに分かれた。メンバーは
平家をリーダーに石川、小川 保田をリーダーに紺野、あやか
安倍をリーダーに辻、加護 斉藤をリーダーに柴田、里田
「さっき用事のふりしてターゲットに連絡した所、まだ家に帰る途中や
まずは、裕ちゃんの家で張り込みや、それぞれのチームが手分けして
張り込みしてくれ。ターゲットが動き始めたらお互い連絡取り合って追跡や。
ターゲットは車を置いて行った、せやから車での移動はまず無いと思ってええ
だが、念の為、車の使用は許可する。各チーム1人車で待機する様に。
後は、各自の判断に任せる。それでは、健闘を祈る。以上、解散!」
稲葉の指令により中澤追跡作戦は始まった。
ほじぇん
209 :
:02/12/22 20:05 ID:KU11c5gu
210 :
名無し:02/12/22 22:15 ID:FK8wwMJv
各チームはそれぞれ車で移動し、中澤のマンションを囲む様に陣取った。
それぞれのリーダーが車で待機して他のメンバーは外で見張る。
しばらくすると中澤がマンションから出て来た。
「こちらチーム保田、ターゲットを補足、追跡に移ります」保田のチームが
中澤の追跡を始めた。紺野が距離を置いて後ろから、あやかが反対の歩道から
尾行する。さらに他のチームも一本違う道を移動する。
「紺野です。ターゲットは路地に入りました。柴田さんよろしく」
中澤は柴田の移動する道へと進む。今度は柴田が後ろから尾行すると
反対の歩道には石川が歩いている。「ターゲットは○×デパートに入ります」
柴田が報告する。「里田、○×デパートの見取り図や」稲葉の指示に里田が
デパートの見取り図を出す。「全員で出入り口を固めろ。柴田、石川はそのまま
尾行を続けろ」各自が出入り口で待機し柴田と石川が中澤に続いてデーパートに
入って行く。「石川です。ターゲットはおもちゃ売り場で、パーティーグッズを
買っています。あっ・・・」石川の声が途切れる「どうした?石川」
稲葉の問いに「スイマセン、人とぶつかって・・・ターゲットを見失いました」
石川が言うと「柴田です、こちらで追跡しています。ターゲットは1階に
戻ります。出入り口の方よろしく」柴田は一緒にエレベータに乗らず出入り口
を張っているメンバーに任せた。
211 :
名無し:02/12/22 22:48 ID:6fIskD22
しばらく沈黙が続く・・そして「加護です。ターゲットを発見、追跡します」
中澤は、加護と辻のいる出口から出て来た。加護と辻は距離を置いて中澤の尾行
をする。反対の歩道には既に小川が追いついている。そんな尾行を続けて時刻は
午後三時、「加護です。ターゲットはバス停で止まりました。どうします?」
加護の問いに「お前らじゃ目立つな、小川、あやか、変装して一緒にバスに乗れ
他の連中は、リーダーの車に乗って追跡や」稲葉の指示で小川、あやか、が
バスに乗り、他のメンバーは、車で追跡する。中澤の乗ったバスはしばらく
走り、郊外の住宅地に入って行く。中澤はその住宅地のバス停で降りた。
「小川です。ターゲットはバスを降りました。このまま追跡します」
小川とあやかはそのまま尾行を続ける。少し歩くと紺野、柴田に交代した。
中澤は更に歩き続ける、そして「紺野です。ターゲットはケーキ屋さんに
入りました。入り口で待機します」中澤の入ったケーキ屋さんを囲む様に
各メンバーが待機する。「石川です。ターゲットがケーキ屋さんを出ました。
あれ?・・・」石川の声がまたしても途切れた。「どうした?」稲葉の問いに
「ターゲットが店を出たきり動きません、誰かを待っている様です」
石川の連絡に「・・いよいよや・・・みんなカメラの準備はええか?チャンスを
逃すんやないで、あらゆる方向からカバー出来る体制をとるんや」
稲葉の指示にリーダー以外のメンバー全員がカメラを持って各方向に待機する。
212 :
名無し:02/12/23 23:54 ID:McAJ5m9a
待つこと十数分中澤の前に一台の車が止まった。全員一斉にカメラを構える。
車からは1人の男性が降りてきた。カメラのシャッターが一斉に切られる。
男性は中澤を乗せると車を発進させた。メンバー全員車に乗り込むと追跡が
再開された。「どうや?上手い事撮れたか?」稲葉が全員に聞く。
「平家班石川、小川OK!」石川が答える。「保田班あやか、紺野OKです!」
あやかが答える。「安倍班OK」辻が答える。「斉藤班もOKです」柴田が
答える。「よっしゃ、上出来や、後はそのまま追跡して何処まで行くか
調べるんや、気ィ抜くんやないで」稲葉が言う。
しばらく車での追跡が続いた。時刻は既に午後5時になろうとしていた。
中澤の乗った車は、とある施設へと入って行った。
メンバーを乗せた車はそのままその施設を通り過ぎ少し走った所で止まった。
「ねえ、今、裕ちゃんが入って行った場所って・・・」安倍が言うと
「うん・・・・」加護がそれに答えた。他のメンバーも皆言葉が無い。
「なんや?みんなどうした?」通信機からは稲葉の声が聞こえる。
213 :
名無し:02/12/24 00:19 ID:JuUgUkI+
中澤の入って行った施設の看板にはこう書かれていた。
【児童福祉法人ハロモニ学園】M刑事なら誰でも一度は来た事がある場所だ。
それもその筈、この学園は家族を失った子供達が集まっている場所で
M刑事が関わった事件で家族を失った子供達の大半はここにいるのである。
「・・・稲葉さん、私達今、ハロモニ学園の前にいます」保田が言った。
「なんやて、ほんまか?うーん、どうしよう?バレたら絶対やばいで
全員撤収や!」稲葉から撤収命令が下った。
「全員撤収!」平家がそう言うと「・・・平家さん、もう遅いです」
そう言ってきたのは斉藤だった。平家は後ろに止まっていた斉藤の車を見る。
「あっ・・・」斉藤達は既に中澤に捕まっていた。そして
「あんたらなー、なにやってんの?・・まったく、しょうも無い事ばっかり・・
ほら、交代の連中はさっさと帰る!その他の連中は手伝って貰うで」
そう言って中澤の手伝いをする羽目になったのは安倍、辻、加護、紺野、柴田
の5人、学園のクリスマスパーティーの準備や余興をやらされた。
パーティーも終わり、中澤を含め全員が本部に戻った。
214 :
名無し:02/12/24 00:48 ID:RBR6a5Ru
「ただいまー、稲葉は何処や?」中澤の問いに「稲葉さんなら自分の部屋に
立て篭もってます」石川が言った。「そうか・・」中澤は稲葉の部屋に行く。
ドン、ドン、ドン「こらー、稲葉!出て来い」中澤はドアを叩く。
「・・・ごめんなさーい」中から稲葉の声が聞こえる。
「ごめんで済むか、くだらん事しよって」中澤が言うと
「・・・本当にごめんなさーい、許してー」稲葉が言うと
「もうええから出て来なさい」中澤がそう言うと稲葉は部屋から出てきた。
「今度やったら許さんからな」中澤が言うと「はい・・」稲葉は言った。
そして2人は休憩室に向かった。休憩室には、ささやかながらパーティーの
準備がしてあった。「おまえらなー」中澤が呆れ顔でそう言うと
「まー、いーじゃないたまには」平家が言う。「そうやな、たまにはええか」
久しぶりにM刑事メンバー全員が揃ってクリスマスのパーティーが始まった。
「メリークリスマース!」M刑事本部にクラッカーの音が鳴り響いた。
Merry‘]‘mas to
Hello!Project member & reader
【邪悪狩人M刑事】特別編・]‘masイブの大追跡・終了!
乙 ちなみにマカーだからX’masは読めないよ〜
機種依存文字はつらいな〜
216 :
名無し:02/12/26 00:51 ID:sRNFaIqr
>>215うーむ、気を付けなければ、またやるかもしれませんが、その時はご容赦!
【邪悪狩人M刑事】第十話・登場、新兵器!・
暮れも押し迫ったある日の午後、車輌課の制作室には大谷、ミカ、加護の3人が
集まっていた。試作したMシューターがことごとく失敗に終わっているので
車輌課の威信をかけて新兵器の研究が行われていた。
大谷は怪我をした為にその全てを任されているのだ。
「怪我したからって何で全部私がやらなきゃいけないの?」大谷が愚痴る。
「まあまあ、だから私達が手伝ってるじゃないですか」ミカが言う。
「でもさー、足骨折してるからって、私ちゃんと歩けるんだよ」大谷は
そう言って骨折している足を見せた。そこには大谷自慢の【外骨格サポート】が
巻かれている。これは骨折した加護や辻の腕にも巻かれていた。
外骨格とは読んで字のごとく外側の骨、つまり折れた骨の代わりを外側に付けた
器具でやってしまうサポーターでこれを取り付ける事により、完全とまでは
行かないがそれに近い状態で生活しながら治療が出来ると言う、優れ物である。
「M刑事なんて辞めて、今まで作った物で特許でも取って生活しようかな」
大谷がそう言うと「ごちゃごちゃ言わずちゃっちゃとやる」斉藤がお茶を持って
入ってきた。
|◇´)<ホゼム
218 :
名無し:02/12/28 22:19 ID:K1Khhj+n
斉藤はみんなにお茶を配ると「で?どうなの?」大谷に聞いた。
「この前渡されたやつは、ボツにした。でね、新しく考えてみたの」
大谷はそう言って斉藤に構想図を見せた。
「ふーん、なるほどね、これ面白いじゃん」斉藤はそう言うと
「それで、加護ちゃんがいるのか」と言って加護の方を見た。
「はい、そうなんですよ。大谷さんに話を聞いた時面白いなって思いまして」
加護はそう言うとカップのお茶を飲み干した。
大谷は一体どんな新兵器を考えているのか、ミカがここにいるのは解る。
なぜならMシューターはミカのUバスターがモデルだからだ。
しかし、加護がいるのは・・・大谷は、Mシューターより強力な武器をと
考えている。しかし、それにはどうしたら良いか?
そこで気になったのが加護の【月と太陽の鏡】だ。あの鏡の力を応用できないか
そう思って、加護に話をして、ここに呼んだのだ。
「でもさー、加護ちゃんの鏡の力ってどんなもんなの?」斉藤の問いに
「実は、私も良く知らないんですよ」加護が言った。
219 :
名無し:02/12/29 20:04 ID:/7Ko2QL/
【月と太陽の鏡】は加護の家に代々伝わる退魔の鏡で二組存在する。
加護が使っている鏡は祖母より譲り受けた鏡だ。もう一組は加護の母親が持つ。
この鏡は使う者によってその力が変わる、闇を照らす能力や光による浄化は
基本的な力で、その他は使う者によって決まる。例えば、加護が秩父で使った
アルテミスの矢は加護のオリジナルで、その他いくつかのオリジナル技を加護は
持っている。
「知らないって、どう言う事?」ミカが聞く。「だから、解らないんですよ」
加護は言った。そして「この鏡は使う人間の力でその力が変わってくるんです。
それにこの鏡を持つことによって、その人間力も増します」加護がそう言うと
「それって、破邪の剣と同じって事?」村田がそう言って入って来た。
「破邪の剣?」大谷が村田に聞く。「そう破邪の剣、その剣はね使う者の能力を
上げてくれるの。解り易く言うと、大谷の今の力を5とするとその剣があれば
10、使い方によっては15にも20にもなるそう言う剣なの、それでね
同じ剣を今度は中澤さんが使うとするでしょう、当然大谷より力は上だから
20としよう、そうすると中澤さんは経験豊富だし使い方によってはその力が
50、いや100にできるかもしれない」村田がそう言うと
「村田さん、それ何処で・・・」加護が聞く。「あちこち調べて」村田が言う
「そうですか、確かにおばあちゃんから聞いた話ではその破邪の剣とこの鏡を
作った人は一緒だって言ってました」加護は言った。
220 :
名無し:02/12/29 20:32 ID:J046PZgC
「破邪の剣の話は私も知ってます。でもそこまでは知りませんでした。
それじゃあこの鏡って他の人に使って貰った方がいいですかね」加護が言うと
「多分無理だよ。加護ちゃんの鏡は加護ちゃんの家族しか使えない。その鏡が
破邪の剣と同じ性質だとすると、使う人間を道具が選ぶの、だから他の人は
無理。使える人はいるかも知れないけど加護ちゃんほど上手く扱うのは
きっと出来ない。そう言う物なの」村田はそう加護に言った。
その後、村田も加わり加護の鏡の研究が始まった。
「ちょっと無謀だったかな・・」大谷が言った。やっている事は鏡の研究と
言うより加護の研究だ。当然である、鏡は加護がいなければただの鏡なのだ。
「やっぱり無理ですかね」みんなが諦めかけた時、「そうか、解った!」
村田が言った。「何?」みんなが村田に注目する。「文字だよ、文字」
村田はそう言うと説明を始めた。
「これはGMTの3人が使ってる刀とかもそうだけど、鏡にも文字が刻まれてる
でしょう。これって呪文とかそう言うやつでしょ?だからその文字に秘密が
あるんじゃないかな」村田の一言で新兵器開発の突破口が見つかった。
|◇´)<ホゼム
222 :
名無し:02/12/30 21:49 ID:m4kgxSu7
早速、鏡に書かれた文字を真似てMシューターに書いてみる。
「でも、これってあまりに安易じゃない?」斉藤は言った。
「やってみなきゃ解らないでしょ」村田が言った。メンバーは射撃場へと
移動した。「では、早速」ミカが試し撃ちをする。「シュート!」
ミカは引き金を引いた。結果は・・・何も起こらなかった。
「ほらー、大体文字の意味を理解しなきゃどうしようもないでしょう」
斉藤が言うと、「うん、そうだね」村田が言う。
「でもこれって古代文字でしょ、解読に時間がかかるよ。それよりも何かこう
力を増幅出来る様な呪文て言うかそんなのないの?」大谷が村田に聞く。
「そんなの解れば苦労しないよ、文字自体を力に変えるなんて・・・あっ」
村田は何か思いついた様に上へ上がって行った。しばらくして
「そんな事言われたって、オイラ何も出来ないよう」村田は矢口を連れて
戻って来た。「いいからとにかく手伝ってよ」村田は矢口に事情を説明する。
「だから、オイラに言われたってこんな文字読めないよ」矢口が言う。
「文字を読むんじゃなくて、何かパワーを増幅出来る呪文ていうか
そんなのなんか無い?」村田が矢口に聞く。「はぁー?」矢口は訳が解らない
様子だ。「ほら、矢口の四式神の護符、あれって古神文字でしょ、他に何か
無いの?例えば、それを使えば力が出るとか」村田の言葉に矢口は
「あー、そう言う事。そうだなー、いつも使ってるのは四聖獣の文字でしょう。
その他だと、土人形の護符とかカマイタチの護符とかあまり強力じゃないのが
多いんだよねー、中には水を呼び出す護符とか、火のやつとかあるけどそれは
ほら、あいつらみたいだから使いたくないし、残るは、日輪かな」
223 :
名無し:02/12/30 22:22 ID:2DtGvVZu
「にちりん?」矢口の言葉に大谷が聞いた。「うん、日輪、太陽の事だよ。
太陽の力の護符って事らしいんだけど、どんな時使うのか良く解らないから
使った事無いんだよ、ほらこれ」矢口は日輪の護符を取り出した。
「うーん、何て書いてあるのやら・・」大谷が言うと「天照大神」矢口が言う。
「アマテラスかなるほどね、矢口、この護符って矢口が書いてるの?」
斉藤が聞く。「うん、式神使いは、みんな自分で護符を作るの、だから護符は
オイラが書いてるよ」矢口が言うと、「この紙じゃないといけないの?」
今度は村田が聞いた。「へっ?さあ、やった事無いから解らない」矢口は言う。
その時、「村田さん、この文字って・・」加護は鏡と護符を見ている。
加護の太陽の鏡には矢口の日輪の護符と同じ文字が刻まれている場所があった。
「おー!これだー!矢口、悪いんだけどこれにその文字書いてくれる?」
大谷は矢口にMシューターを渡した。矢口がMシューターに日輪の文字を書くと
早速、試し撃ちが行われた。しかし結果は先ほどと同じだった。
「やっぱり駄目かー」大谷が言うと「カートリッジの方に書いたら?」ミカが
言った。「!、カートリッジか、やってみよう!」今度はカートリッジに書いて
試し撃ちが行われた。「シュート!」ミカが引き金を引く、ドカーン!
ミカは吹っ飛びMシューターはバラバラになった。
「あちゃー、でも凄いなー」村田は言った。「ミカちゃん大丈夫?」
ダンボールの中に埋まるミカをみんなで助け出した。幸いミカには怪我も無く
本人も笑っていた。「ふー、ミカちゃんで良かった、これが高橋だったら・・」
斉藤はこの前の高橋の暴走を思い出していた。
224 :
名無し:02/12/30 22:47 ID:QatZgrwa
「でも、これじゃ使い物にならないなー」大谷が言うと「きっとカートリッジの
相性だと思うよ。スクレイド・ウェーブは拡散式だから」村田は言う。
「そうか、カートリッジか、よし、銃身そのものを再設計してカートリッジも
ミカちゃん、お願いね」大谷の言葉に「OK!」ミカは答えた。
そして、大谷、矢口、ミカの3人で新しい銃の開発が始まった。
開発途中で判明したのは、文字は矢口が書かないと効果が無い事、どうやら
矢口自身も、気がついていなかったが能力のある者でないと意味がないらしい。
それと、カートリッジは拡散式より固定式、つまり一点集中攻撃のカートリッジ
の方がより有効に力が働く事が解った。そして新しい銃は完成した。
「ついに完成しました。ここに完成試射会を行います」大谷が言うと
「つまらんダジャレはええから、はよう威力を見せーや」中澤が言った。
完成した銃のお披露目にM刑事みんなが集まった。
「それでは、こちらが新兵器、太陽の力と一番相性の合うクロスカートリッジを
合わせまして・・・」大谷が言いかけると「クロスカートリッジ?」
中澤が聞いてきた。
225 :
名無し:02/12/30 23:11 ID:pqXNwfc+
「クロスカートリッジって言うのは、日本じゃあまり馴染みがないかも知れない
ですが、吸血鬼などに有効な十字架パワーカートリッジです」ミカが言う。
「えー、その新しいカートリッジがですね、Mシューターでは耐えきれないので
新しく開発したのがこちら」大谷は小型のバズーカ砲の様な銃を取り出した。
「なんや、ずいぶんデカイな」稲葉が言った。「なんだか、スパイダーショット
みたいですね」今度は紺野が言った。「スパイダーショット?」中澤が聞く。
「えっ?みなさん知らないんですか?ほら、ウルトラマンでアラシ隊員が
使ってるやつですよ」紺野がそう言うと「・・・紺野おまえ一体何歳や
それにUMAやらアニメやら・・今度は特撮かい」稲葉が言うと
「ごめんなさい・・」紺野は言う、「いや別に謝られても・・」稲葉が言った。
「えー、みなさんいいですか、これからミカちゃんに試し撃ちをして貰うので
良く見てくださいね」大谷がそう言うと、ミカが試し撃ちをした。
「シュート!」ミカが引き金を引くと銃からは十字の光が飛び出し、それが
火、いや正に太陽のフレアを思わせる炎へと変わり標的を破壊した。
「おおー!」メンバー全員が絶賛している。そう、その威力はMシューターとは
比べ物にならなかった。
226 :
名無し:02/12/30 23:46 ID:ZtcaN2Dh
「凄いやないか、これならかなりの効果が期待できる」中澤が言った。
「ありがとうございます」大谷は嬉しそうに答えた。
「やったね!」大谷を始め、村田、斉藤、ミカ、矢口、加護、開発に携わった
メンバーみんな大喜びだ。
「それじゃ、早速この新型Mシューターをいくつか作ってくれない?」
平家が言った。平家は既にGMTへの装備を視野に入れていた。
「あっ、すいません平家さん、こいつはMシューターではありません」
大谷が言った。「じゃあ、なんて名前?」平家が聞くと
「はい、開発時はクロスシューターなんて呼んでましたが、太陽の力も
ありますので途中で名前を変えました」大谷が言う。
「スパイダーショットですか?」紺野が聞く。「違う!」矢口が言う。
「えー、太陽(TAIYO)のTとクロス(CROSS)のCを取りまして
その名も【T&Cボンバー】と名付けました」と大谷が言うと
「何かさえない名前やなー」中澤が言った。「そんな事ないでええ名前やがな
うちは気に入ったで大谷」と稲葉が言った。
こうして新兵器は完成した。【T&Cボンバー】今後のM刑事にはなくては
ならない、頼もしい武器の誕生であった。
【邪悪狩人M刑事】第十話・登場、新兵器!・終了!
ほじぇん
228 :
名無し:02/12/31 16:35 ID:uXbSkZO7
【邪悪狩人M刑事】年末&お正月特別編・年越しも完璧です・
今年も残す所あと一日となりました。そう、今日は大晦日です。
今年一年を振り返ると色々ありましたが、秋から年末が一番大変でした。
秋にはみんなで大怪我して、私はもう大丈夫ですが、他のみんなはまだ
完治してなし、吉澤さんはまだかなりきつそうです。
嬉しい事もありました。一番はやっぱり市井さんが戻ってくれた事。
それと、最近完成した、新兵器、あとは松茸が食べれた事ですかね。
そんな一年でしたが、それも今日で終わり、明日にはもうお正月です。
しかし、M刑事には盆も正月もありません。一応お正月休みはありますが
今年はジャンケンで負けたので、私は本部で年越しを迎える事になりました。
私の他に平家さん、保田さん、石川さん、あやかさん、村田さんが一緒です。
勤務とは言っても、スクランブルでもないかぎり出動する事はないので
今は何も無い事を祈るばかりです。夕方になり夕食をどうするか考えていると
「今晩はー」ソニンさんが差し入れを持って来てくれました。
ソニンさんは、おもちと簡単な料理をもって来ました。
229 :
名無し:02/12/31 17:06 ID:mUFeGHVR
「本当は、おそば持って来たかったんですが・・」ソニンさんがそう言うと
「いやいや、ありがとうございます。助かるよ」平家さんは言いました。
「年越しそばか・・・それもいいなー」保田さんがそう言ったので
「出前でもとりましょうか?」石川さんが言いました。
「出前か、でも今からじゃ駄目だな」村田さんがそう言うと
「そう言えば、キッチンに貰い物のそばの乾麺があった気がしたけど」
あやかさんが言いました。「でも、このメンバーじゃ・・・」平家さんが
そう言ったので「私作りましょうか?」私は言いました。
「紺野、あんた作れるの?」保田さんが言ったので「はい、大丈夫、完璧です」
と私は言いました。「その完璧がいまいち不安なんだよね」
平家さんはそう言いましたが、結局、私が作る事になりました。
キッチンを探すと確かにそばの乾麺がありました。上手い具合にゆでるだけで
良いようです。他に何か具になる様な物を探して冷蔵庫を開けると
けっこう色々な物が入ってます。何でこんなにあるのか不思議でした。
「あのー、冷蔵庫の中の物って、使ちゃっていいんですか?」私が聞くと
「あー、それね、後藤が夜勤の時になんか作る用に置いてあるやつだか
大丈夫だよ。作るつもりがあるなら使っていいって言ってたから」
保田さんがそう言ったので、中からいくつか食材を取り出すと、
私は作り始めました。
230 :
名無し:02/12/31 21:24 ID:8yTxPUcu
そばを茹でて、ねぎを刻み、冷蔵庫にあったかまぼこを入れます。
つゆは、ダシ入りめんつゆなんてのがあったので、それを使いました。
最後に卵を落として完成です。「みなさん、出来ました」私はそばを持って
みんなの所に行きました。「おー、まともじゃん」保田さんにそう言われたので
「私だってこれくらい出来ますよ」と言ったら「うん、美味い」平家さんが
褒めてくれました。「ほんと、美味しい」石川さんもそう言ってくれたので
まずは成功の様です。もっともあれだったら誰でも出来そうですが。
みんなで年越しそばを食べながらTVを見ました。大晦日と言えば、そう
紅白歌合戦ですよね。私も毎年見ています。「あっ、モーニング娘。だよ」
石川さんがそう言ったので見るとモーニング娘。が歌っていました。
その時です。あやかさんが通信室から出てきました。
「えー、お楽しみの所悪いんですが、警察から応援要請です」
恐れていた事が現実になってしまいました。
「官庁街でスクランブルです」あやかさんにそう言われ「圭ちゃん、紺野」
平家さんが保田さんと私に指令を出します。
「GMTはみんないないから、2人で行って」平家さんにそう言われ私は
保田さんの車に乗り出動しました。
231 :
名無し:02/12/31 21:53 ID:Gz0Ivi44
現場の官庁街に着くと、さすがにここには、大晦日は人がいない様です。
警察の機動隊が二体の化け物を取り囲んでいました。
「M刑事です。後は私たちが」保田さんはそう言うと「紺野行くよ!」
私に声をかけ、つっ込んで行きます。そこには【人狼】がいました。
「紺野、1人一体だよ」保田さんはそう言うと右側の人狼に攻撃をします。
「月光演舞殺!」保田さんは手にした武器を放ちました。保田さんの武器は
【円月双輪】二つの鋭い刃物のリングです。私も素早く左側の敵に攻撃します。
「破邪二段突き!」敵に二段突きを放ちます。敵は一瞬怯むと逃げ出しました。
「紺野!逃がすな!」保田さんが言いました。「はい!」私はすぐに敵を
追いかけました。しかし、さすが人狼だけあってスピードが桁違いです。
私は、たまたま持ってきたMシューターを構えました。「当たれー!」
そう言って引き金を引きます。ボン!Mシューターからはゴム弾が
放たれました。「あれ?」どうやら柴田さんの対人Mシューターだった様です。
「なんでこれが置いてあるの?」Mシューターはその時の個人の判断で
持って行ける様に、常に決まった場所に置いてあります。私はそこから一丁
持ってきたのですが、あてが外れました。「柴田さーん」私はそう言いながら
敵を見るとなんと敵は倒れていました。どうやら足に当たった様です。
「ラッキー!」そう言いながら敵に追いつき、また攻撃をします。
しかし、人狼も諦めたのか攻撃をしてきました。
232 :
名無し:02/12/31 22:14 ID:byDb+fW2
敵の攻撃は素早く、防ぐのがやっとです。私は一瞬の隙をついて一気に攻撃に
出ました。「百手刀殺!」私は突きを連続で敵に打ち込みました。その時
「Woooo−!」人狼は雄たけびを上げました。すると人狼の身体が
銀色に変わりました。「こいつ・・銀狼族!」銀狼族は人狼の中でも
最強を誇る一族で、できる事なら1人では相手にしたくない敵です。
しかし、今はそうも言っていられません。私は武器をカタールに持ち変えると
「破邪天空塵!」そう言って飛び上がりました。
この技は最近、安部さんの必殺技をヒントに私がオリジナルで完成させた技で
飛び上がってその勢いを利用して敵に斬りかかる技です。
「破ぁー!」カタールは確実に敵を捕らえましたが、銀狼族の皮膚の固さは
かなりの物です。致命傷は与えられませんでした。
今度は逆に敵が襲い掛かって来ました。先程よりスピードが増しよけるのが
やっとの状態です。「どうしよう?」私が考えていると声が聞こえました。
「テレキネシス!」銀狼の動きが止まりました。
233 :
名無し:02/12/31 22:40 ID:brR0YOoU
見るとそこには司令室オペレーターの石井リカさんがいました。
「石井さん!」私がそう言うと「ほら、よそ見しないで、今がチャンス!」
石井さんが超能力で敵の動きを止めてくれました。私はすぐに攻撃しました。
「破邪、彗星拳!」私は、聖闘士星矢からヒントを得た彗星拳を放ちました。
カタールは銀狼の腹を貫きました。こっちは終わったので保田さんの援護に
向かいました。しかし既に保田さんは敵に止めを刺す所でした。
「円月、夢幻乱舞!」保田さんの円月双輪が無数に増え一気に敵の身体を
引き裂きました。そして「一丁上がり!」保田さんはそう言うと振り返ります。
「あれ?紺野終わったの?」保田さんは私を見つけるとそう言ったので
「はい、完璧です!」と言うと「そっか、お疲れ」そう言って本部に連絡を
入れました。「でも、紺野1人で良く銀狼倒せたね」保田さんがそう言ったので
「いえ、石井さんに手伝って貰いました」私がそう言うと「えっ?」
保田さんはそこで初めて石井さんがこの場にいる事に気が付いた様です。
「なんで石井ちゃんがここにいるの?」保田さんに聞かれた石井さんは
「近くを通ったら、センサーが反応したから来て見たら、紺野ちゃんが苦戦
してたから」そう言いました。「そう、ありがとう。でも休みの時まで
センサーを作動させとくなんて偉いねー」保田さんがそう言うと
「いや、たまたまスイッチ切り忘れてたみたいで・・」石井さんがいいました。
234 :
名無し:02/12/31 23:01 ID:TtmHLHDG
後始末を警察にお願いして帰り支度を始めました。
「石井ちゃんは何か予定があるの?」保田さんが石井さんに聞きました。
「別に無いです。今も友達の家から帰る途中だし」石井さんがそう言うと
「それじゃ、送って行くよ、それとも私達と本部で新年迎える?」
保田さんがそう言うと「そうですね、家に帰ってもやる事ないし、それだったら
みんなの所行こうかな」石井さんがそう言うので、3人で帰る事にしました。
車に乗ろうとした時、どこからか除夜の鐘が聞こえてきました。
「108の煩悩か、そんなにあるのかな?」保田さんがそう言うので
「解りませんよ、以外に多いかもしれませんよ」と私が言うと
「何だと!」保田さんが言ったので「ごめんなさい・・」私は言いました。
「紺野は今年はずっと謝りっぱなしだったね」と保田さんが言ったので
私と石井さんは思わず笑ってしまいました。
誤りっぱなしの一年、それも良かったのかな。今年も、もう終わりです。
みなさん、良いお年を・・・
235 :
名無し:03/01/01 01:41 ID:TKWx0tzF
新年明けましておめでとうございます。今日の私は昨日の戦闘もあり
朝十時に起きました。正確には起こされました。
「ほら、紺野起きて!」目を覚ますとそこには飯田さんがいました。
「あっ、おはようございます」私が飯田さんに言うと
「おはようじゃないよ、もう十時だよ」そう言って飯田さんは仮眠室を
出て行きました。私は着替えを終えると休憩室に行きました。
「おはようございます」休憩室ではみんながお雑煮を食べていました。
「あれ?みんな非番じゃ・・」私がそう言うと「出会いもなければ彼氏もいない
あー、出会いがほしい。と言う訳でみんな暇なんだよね、気が付けばみんな
ここに集まっている、毎年恒例儀式みたいなもんよ」大谷さんが言いました。
私は新年を迎えた事をすっかり忘れていました。
「そうか、今日は元旦ですね。みなさん、明けましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いします」私がそう言うと、「はい、良く出来ました。
こちらこそよろしくね」安部さんがお雑煮を持って来てくれました。
私はお雑煮を食べながら周りを見ました。確かにみんないます。
去年のお正月は私は実家に帰っていたので知らなかったのですが、毎年暇な人は
元旦にはここに集まっているようです。
「来てない人は、帰省ですか?」大谷さんに聞くと「さあね、プライベートまで
みんな突っ込まないから知らない。他の理由の子もいるんじゃないの」
大谷さんは笑ってそう言いました。TVを見ると昨日紅白に出ていた
モーニング娘。がまた出ていました。「この人たちも元旦早々仕事じゃ
大変ですね、これって生放送ですよね」私はTVを見ていた矢口さんに
言いました。「紺野だって、そうでしょう。オイラは非番だけど、紺野は
一応、当番でしょう」確かにそうです。私も仕事でした。
「なんか、みんないてまったりしてるから、そんな感じがしないんですよね」
私がそう言うと「まー、確かにそうだけど・・」矢口さんは言いました。
236 :
名無し:03/01/01 21:38 ID:LZ2T7NUu
そんなこんなで、午前中は過ぎて行きました。
午後になるとみんな初詣やデパートの初売りやらで出かけて行き残ったのは
私達当番の6人と大谷さんにりんねさんでした。
少しするとまた警察の以来があり、平家さんと石川さん、村田さんが
出動しました。そしてその後すぐ、またしても出動依頼が来たのです。
「警察機動隊が窮地に追い込まれているようです。急いで下さい」
あやかさんの慌てぶりは見て解りました。事態は一刻を争う様です。
その時「緊急モードの使用許可を出す。現場へ急げ!」そう言ったのは
中澤さんでした。「裕ちゃんいたの?」そう保田さんが言うと
「そんなのはどうでもええから急げ!保田、紺野、それに悪いけど大谷と
りんねも一緒に行ってくれ、やな予感がする」
中澤さんの指示で私達は現場に急行しました。現場に着くと
そこは悲惨な状態になっていました。死者こそ出ていませんでしたが
屈強の機動隊員がみな重症を負っています。そしてその先には
グールと呼ばれる雑魚の妖怪達とその後ろに一体の鬼がいました。
「M刑事です。後は私達が・・・」保田さんがそう言いかけると
「気をつけて下さい、私も今まで何回かこう言う現場に立ち会いましたが
こいつらは、パワーが違いすぎます」機動隊の責任者の警官が言いました。
「解りました、後はお任せ下さい」保田さんがそう言うと機動隊の人達は
引き上げて行きました。
237 :
名無し:03/01/01 22:33 ID:JmWAAKnl
「大谷、足、大丈夫?」保田さんが大谷さんに聞きます。
「はい、大丈夫です」大谷さんは答えました。「りんね、裕ちゃんに連絡、応援
頼んで、どうやら今の戦力じゃ、こいつらの足止めがやっとだよ」
保田さんはそう言うと私達に敵の足止めを指示して来ました。
敵はこちらに迫って来ます。「紺野、大谷、行くよ。りんねも後からお願い」
保田さんはそう言うと攻撃を始めました。私と大谷さんも後に続きます。
「円月夢幻乱舞!」保田さんの武器は次々グールと捕らえます。
「どりゃぁぁぁぁー」大谷さんも武器を手に次々グールを倒します。
私も負けじとグールを倒して行きます。しかし、グールは倒されても
立ち上がってなかなか止めが刺せません。私と大谷さんはこう言った戦いは
はっきり言って不利になります。その時、りんねさんが攻撃を仕掛けました。
「飛翔鶴翼針!」見ると、りんねさんの後ろに鶴の幻影が浮かんでいます。
その鶴が羽ばたくとそこから羽の様な光が沢山飛び出し、グールを襲います。
「2人とも今だ!」りんねさんの声に私と大谷さんはグールに攻撃しました。
今度は一撃でグールを倒せます。少しずつではありましたが敵の数が減って
行きました。
238 :
名無し:03/01/01 23:26 ID:HVCwMAE0
4人の連携でほとんどのグールを倒しました。すると今まで動かなかった鬼が
喋り始めました。「大した連中だ。私の下僕達をここまで倒すとはな、
能力者ではなく、しかし退魔師でもなさそうだ・・そうか、お前達だな
吹雪を倒したのは・・・」鬼がそう言うと「お前もあいつの仲間か?」
大谷さんが聞くと「仲間?ふん、吹雪など下っ端に過ぎん」と鬼が言ったので
「お前・・・主天童子か?」保田さんが聞きます。
「主天童子の名を知るか・・・吹雪のやつ何か余計な事でも言ったか?」
鬼がそう言ったので「それはどうかな?」保田さんが言いました。
「まあ、どちらでも良い事だ、私の名は螺刹童子、主天童子ではない」
鬼がそう言うと「らせつ童子?」大谷さんが言いました。
「いかにも、私を吹雪と同じに考えん方が良いぞ、最もそのうちお前らも
血祭りに上げてやるがな・・・楽しみにしておれ」
鬼はそう言うと残りのグールと共に姿を消しました。
「あいつは、いったい?」保田さんが呟いた時、応援のGMTが到着しました。
平家さんに先ほどの経緯を話すと「そうか・・・主天童子は実在するか」
平家さんは言いました。
239 :
名無し:03/01/01 23:44 ID:Tf/DMDil
私はさっきの螺刹童子の言葉が気になりました。
「あの、さっき螺刹童子が「お前らも」って言いましたよね。あれって・・・」
私がそう言いかけると「誰か他にやられた奴がいるって事?」
後藤さんが言いました。「まさか石川達!」保田さんがそう言うと
「ちょい待ち、だったら何で私がここにいる訳?」平家さんが言いました。
よく考えればその通りです。平家さんは石川さんと一緒に出動したのです。
「あっ、そうか、でも早かったですね」保田さんがそう言うと
「うん、あっちは行ったら何も無くて何がなんやら・・」
平家さんがそう言うと「それじゃ、誰が・・・」みんなが考えます。
その後平家さんが本部と連絡を取り、事件の経緯を話し、みんなの無事を
確認しました。「全員連絡取れたって」平家さんが言いました。
とにかくM刑事の仲間はみんな無事の様です。
しかし、私は螺刹童子の「お前らも」と言う言葉が引っかかっていました。
それから主天童子の実在も濃厚になって来たのです。
私は、M刑事のこれからの運命が過酷な物になる予感がしました。
【邪悪狩人M刑事】年末&お正月特別編・年越しも完璧です・終了!
241 :
名無し:03/01/02 22:16 ID:Pbfba0WZ
240>>ことよろ
【邪悪狩人M刑事】第十一話・それぞれの力・
新年早々、M刑事本部に嫌な知らせが入って来た。今その事についての会議が
M刑事メンバーが召集され行われていた。
「新年早々、嫌な知らせで悪いが、単刀直入に言う。退魔師の赤口衆がほぼ
壊滅状態に追い込まれた。みんなも先日、保田達が遭遇した螺刹童子の話は
聞いとると思うんやが、どうやら、そいつらの仕業らしい」
そう言ったのは、M刑事のトップ寺田だった。
「最近の事件を全て考えると、やはり気になるのが主天童子の存在や。
もっとも、それらの件は全て上には報告してあるから、赤口衆はそれでも
やられたと考えるのが妥当やと思う。そうなると我々もそれ相応の覚悟が
必要や。中澤、今の我々の戦力はどう考える?」寺田は中澤に聞いた。
「はい、正直言って、私達の全戦力から考えれば赤口衆より上ではないかと
思いますが、それでもきついと思います」中澤が言うと
「それはどう言う事や?」寺田は聞いた。「はい、もし主天童子が実在する
なら、それは上に任せるべきだと思います。事実、吹雪童子には命令無視も
多少ありましたが、5人やられました。そして螺刹童子の実力も解りません。
それにメンバーの力に差があります。それらの要因を考えると危険です」
中澤は言った。「なるほど、確かにそうかも解らん、実際上からも手出し無用の
通達が来とる」寺田はそう言うと話を続けた。
242 :
名無し:03/01/02 22:50 ID:2W+iPuEN
「だがな、我々の仕事の性格上そう言う訳にもいかんやろ、出動した相手が
そいつらだったって事も、あるかも解らんしな。そうなった場合少なくとも
上の連中が来るまでは、我々が相手をする訳やし、事件が重なれば来ないかも
解らんしな。そう言う事を考えるとみんなどうする?」
寺田の問いにしばらく誰も答えなかった。そして
「戦力のUPしか無いでしょう」そう言ったのは飯田だった。
「私は捜査課のリーダーとしてみんなを見ています。みんなそれぞれすばらしい
能力の持ち主ですが、裕ちゃんの言う様にみんなの能力の差があるのは
事実です。今までその事について考えた事は無かったですが・・・・」
飯田はそこで言葉を切った。
「そうやな、実はメンバーの増員も多少考えてはいるんやが、まずはみんなに
頑張って貰いたい。中澤の言いたい事も十分解る、せやけどそうも言って
られん様な状況みたいやしな」寺田の言葉はメンバーに重くのしかかった。
「すぐに答えを出せとは言わん。基本的には上に任せればええ話やからな。
けどな、みんなには悪いが、少しその事について考えてほしいんや」
寺田はそう言って会議を終わりにした。
243 :
名無し:03/01/02 23:31 ID:JUydQPyv
戦力のUPメンバー全員がそれについて考えていた。
では、ここで、M刑事のメンバーの能力をもう一度確認しよう。
中澤裕子・不明
稲葉貴子・複数の鉄球を自在に操る能力、風水師
平家みちよ・ブーメラン、鞭、八門流退魔術
飯田圭織・雷の力を操る
安倍なつみ・双龍槍の使い手、技は多数だが多くは不明
保田圭・円月双輪の使い手、技は多数だが多くは不明
矢口真里・式神使い、主に四聖獣を操るが、その他能力有り
吉澤ひとみ・気孔拳の使い手、主に気孔弾を使うが、その他能力有り
石川梨華・空の弓を使うが、それがどんな物かは不明
辻希美・風魔忍者の末裔、忍術を使う
加護亜依・月と太陽の鏡を使う、その鏡は古くから伝わる退魔の鏡
小川麻琴・チェーンカッターの使い手、技は不明
高橋愛・短剣の使い手、主に剣の舞と呼ぶ技を使うが、その他は不明
新垣理沙・鷹爪針と呼ぶ武器を使う、技は不明
紺野あさ美・空手を主軸に鉤爪、カタールを使う、技が最近増えた
244 :
名無し:03/01/03 00:00 ID:TCkHIBGL
後藤真希・妖刀の使い手、松浦、藤本との連携技が多い、その他は不明
松浦亜弥・後藤と同じ
藤本美貴・後藤と同じ
市井沙耶香・ダガーの使い手、ダンシングダガーと呼ぶ技がある。その力は
高橋と同じ様だが、こちらはスローイングナイフである。
斉藤瞳・不明
村田めぐみ・不明
大谷雅恵・トンファーの使い手、中国拳法の心得がある様だが多くは不明
柴田あゆみ・不明
戸田鈴音・飛翔鶴翼針と呼ぶ技を使うが、それがどんな物かは不明
木村麻美・長刀の使い手、使う長刀は両端に刃がある
里田まい・不明
木村絢香・不明
ミカ・トッド・Uバスターの名手、射撃の腕はM刑事NO.1
石井リカ・超能力者、テレキネシスを使うがその他の力は不明
前田有紀・不明
石黒彩・気孔拳の使い手、その能力は不明
その他、協力者で霊感の持ち主、ソニンがいる
M刑事の武器として、特殊合金ナイフ、Mシューター、T&Cボンバーがある
以上が現在のM刑事の戦力となっている。
245 :
いわ。:03/01/03 19:25 ID:nRpWh+Rj
このスレ初カキコほぜn
246 :
名無し:03/01/03 19:58 ID:zZjh8UyB
「戦力の増強とは言っても、すぐに出来るもんでもないやろ。まず出来る事から
始めようか、お互いの能力で吸収出来る所は無いか、それを考えるんや。
最近の紺野は、なっちに色々教えて貰って新しい技を完成させた。
これは、みんなにも出来ると思う。例えば、沙耶香と高橋は似たような能力や
2人がお互いを見れば何か見つける事が出来るかも知れないし、そう言った
事をみんなでやろうやないか」中澤の提案によりM刑事メンバーの特訓が
始った。お互い似たような力を持つ者が集まりその力の研究をしたり、時には
まったく関係なさそうな能力の者がお互いを研究したり、またMシューターや
T&Cボンバーを使った、射撃訓練も始まった。
そんなこんなでしばらく経ったある日
「おかしい、絶対変や」中澤が怒った様に言った。
「どうしたんですか?」近くにいた石川が中澤に聞いた。
「いやな、あんだけ警察から奴の仕業らしい事件の報告があるのに、上からは
なんの情報も入ってこない、絶対おかしいやろ?上の連中が情報をうちらに
教えないとしか思えないんや」中澤の言葉にそばにいたメンバー全員が
顔を上げた。「そう言えば最近出動要請が少ない」平家が言った。
「確かにそうだね」保田もそう言うと「ずいぶんうちらも、バカにされたもんや
ちょっと、室長のとこ行って来るわ」中澤はそう言うと寺田の所へ向かった。
247 :
名無し:03/01/03 20:55 ID:zbwSBVTq
「室長、例の主天童子に関わる事件の情報ってどうなってるんですか?」
中澤は寺田の所にくるなりそう言った。「どうとは?」寺田は聞く。
「ですから、情報は上から来てるんですか?警察からは奴らの仕業らしい事件の
報告が来てるのに、上からの情報がまったく無いじゃないですか」
中澤がそう言うと、「上からの情報は全て資料課に渡してるが聞いてないか?」
寺田は言った。「そんな解りきった情報やなくて他の情報の事です」
中澤の言葉に「それじゃ、どんな情報がほしいんや?事件のあった場所か?
それとも次に現れそうな場所の事か?事件が起きた時に行きたいんか?」
寺田がそう言うと「そう言う事も含めて全部です」と中澤は言った。
その言葉に寺田が「中澤、それはおかしいやないか、お前はみんなを危険な目に
あわせたくないって言っとたよな、なのに今はそんな現場に行きたいんか?」
と言うと「それは・・・」中澤は黙りこんだ。
「中澤、俺はお前らの上司として、お前の気持ちは解っとるつもりや。
上の連中がお前らを見下しているのも確かや、だがなそれは一部の連中や。
もっともその一部の連中ってのが奴らを仕切ってるんやけどな。
あいつ等は、今焦っとる。赤口衆がやられて面目丸つぶれやからな。
だから、今我々に動かれると困るんやろ、だったら我々は今やってる事に
集中しようやないか、お前も机に噛り付いてないで、たまにはみんなの面倒
みてやれや、情報の収集は俺が独自にやってる事もある。
時期がきたら話はするから、それまで待ってくれ」
寺田にそう言われ中澤は「解りました」と言って寺田の部屋を後にした。
248 :
名無し:03/01/03 22:36 ID:VJP7xRhL
場所は変わってこちらはM刑事本部の地下2階にある、訓練施設。
手の空いているメンバーが特訓の真っ最中である。そこに
「どうや上手く行ってるか?」中澤が入って来た。
「あれっ、裕ちゃんがここ来るなんてめずらしいね」矢口が言った。
「一体どう言う風の吹き回し?」平家もめずらしそうにそう言った。
「みんなの様子が気になってな」中澤そう言ってメンバーの様子を見る。
「みんな良い感じだよ、特に小川、高橋、新垣、紺野の4人はどんどん成長
してる、もっと早くやれば良かったね」飯田が汗を拭きながらやって来た。
「そうか、そう言われればそうやな、もっと早く・・・うちの怠慢や」
中澤がそう言うと「裕ちゃんだけのせいじゃないよ。私も気が付かなかったし
私も反省しないと」飯田が言った。そこに稲葉がやって来た。
「いやー、参った。圭織、良いで。圭織の言う通り連携技やらせたらみんな
動きがようなった。これは使えるで」稲葉の言葉に中澤は聞いた。
「連携技?」そう言われた稲葉は「何や裕ちゃん、おったんかいな。すごいで
圭織がな、GMTの連携技見て、他の連中にも出来ないかって、やらせたら
これが何や上手く行ってな、大成功や」と言った。それを聞いた中澤は
「圭織はみんなを良く見てる大丈夫だよ」と言った。それを聞いた
平家、矢口、飯田は稲葉を見る。「何や?うち変な事言ったか?」稲葉が言うと
「いや、さっき室長に、たまにはみんなの面倒見ろって言われて、ここ来たら
みんな力上げてるみたいやし、もっと早くやれば良かったって圭織が言った
から、うちの怠慢やなーって」そう中澤は言った。
「何や、そんな事かいな、だったら裕ちゃんより現場で指揮してる、うちや
みっちゃんの方が悪いんちゃうの?」稲葉がそう言うと
「なに偉そうに言ってんの」平家が稲葉に突っ込んだ。そして
「でも実際そうかも知れない、裕ちゃんが気にする事じゃないよ。それに今から
だって全然おそくないし」平家がそう言うと飯田も矢口も頷いた。
249 :
名無し:03/01/03 23:05 ID:gsUk5Hv3
「そう言ってもらえると楽やわ、ありがとう」中澤がそう言うと4人は黙って
微笑んだ。「それより、その連携技っての見たい」中澤が言うと
「よっしゃ、ええで」稲葉はそう言って、辻、加護、紺野を連れて来た。
「みっちゃん、悪いけど相手してや」稲葉は平家に3人の相手を頼んだ。
「いいけど、大丈夫なの?」平家が言うと「ご心配なく」加護が言った。
平家はゴムのブーメランを持ち、辻と紺野の武器もゴム製になっている。
ただし、加護の鏡はそうも行かないので、辻と矢口特製の結界が加護の腕に
巻かれていた。これにより加護の鏡の力はセーブ出来ているのだ。
「それじゃあ、行きますよ」辻がそう言うと3人は平家を囲んだ。
「あまりなめてると怪我するよ」平家はそう言うと辻に攻撃した。
辻が攻撃をかわすと、紺野が平家に仕掛ける。平家はそれをかわしたが
加護がすぐに攻撃をして来た。「くっ」平家は使うつもりは無かったが
腰にあったビニール製の鞭を手にして加護に攻撃した。
「へえー、以外にやるやないか」中澤が感心していると「本番はここからや」
稲葉が言った。加護は鞭で動きを止められたが、その隙に辻が目潰しを平家に
投げた。平家は一瞬怯んだ。次の瞬間、紺野が正面から切り掛かって来た。
平家はそれをかわしたが、その後ろに辻が隠れていた。
平家は、辻をぎりぎりかわしたが、その後ろにさらに加護が隠れていた。
さすがに平家も避けきれず加護の攻撃を喰らった。
「そこまで!」稲葉がそう言って4人の試合を止めた。
その様子を見ていた矢口は「あれ考えたのって、絶対紺野だよね」と呟く。
飯田も黙って頷いた。
250 :
名無し:03/01/04 23:28 ID:7nLMxhje
「参った、確かにいい動きしてるよ」平家が感想を言うと
「でも、最後のは・・・」矢口が不安そうに言った。
「何言っての、あれやで、解ってても、そうそうかわせるもんやないで
それがや、解ってないんやったら、なおさらかわせんがな」稲葉は言った。
「確かにそうだけど・・・」矢口が言うと「なんやったら、もう一回やって
みるか?今度は、高橋、小川、新垣や」稲葉はそう言うと3人を連れて来た。
そして「なっち、この3人相手してくれへん?」稲葉にそう言われて安倍が
走ってきた。「何?高橋達の相手すればいいの?」安倍の言葉に稲葉は
頷いた。「3対1じゃ不利だよ、石川も一緒でいい?」安倍は石川を呼んだ。
「3対2か、まあええやろ、それじゃ、始め!」稲葉の合図で
安倍、石川チーム対高橋、小川、新垣チームの試合が始った。
安倍は、これまたゴム製の槍を、石川はゴム製の細身の剣を手にしていた。
「あれ?石川さん、空の弓じゃないんですか?」高橋が聞くと
「あなた達相手に使える訳ないでしょう」石川は言った。「でも・・」新垣が
そう言いかけると「ご心配なく、私は本来これがメインですから」石川は
そう言うと、フェンシングの構えを取った。「それじゃ行きます」小川が
攻撃を仕掛けた。小川のチェーンはプラ製に変わっている。
「チェーンスネイク!」チェーンは蛇の様な動きをして安倍に襲い掛かる。
これは、小川が平家の鞭さばきをヒントに考えた、新技である。
251 :
名無し:03/01/05 00:11 ID:97qMnZHV
「飛翔の剣!」高橋はそう言うと石川に向かって短剣を投げる。
当然この短剣もゴム製である。小川のチェーンは安倍の槍に絡みつき、高橋の
短剣も石川に襲い掛かる。「おお!自分の武器に適した相手を攻撃しとるやん」
中澤は感心している。「甘い!」安倍は槍を片手で持ち前へ突き出した。
すると絡んでいたチェーンは緩みその隙に槍を引き抜いた。
そして石川も「ファルコンパス!」素早く剣を突き出し短剣を全て打ち返す。
今度は新垣が「鷹羽乱舞!」羽の様な物で安倍と石川に目くらましをする。
その隙に3人は一列に並び先ほどの紺野達の様に石川に攻撃した。
石川はかわせず一撃を喰らった。そしてすぐに体制を整えると、今度は安倍に
攻撃を仕掛ける。しかし、この時安倍は槍の回転で目くらましを飛ばしていた為
一瞬ではあるが3人が一列に並ぶのが見えていた。
「さあ来い!」安倍は3人がどんな攻撃を仕掛けるか解ったのでそれに備えた。
3人は新垣を先頭に安倍に突っ込んで来る。安倍はまず新垣が攻撃してくると
読んでいた。しかし、新垣は安倍の間合いの直前まで来ると、いきなり座った。
そして新垣の後ろから小川が飛び上がった。小川のジャンプは勢いがあったので
安倍は前に出れば小川をかわせると判断した。だが小川のジャンプの軌道が
いきなり変わった。よく見れば新垣が小川のチェーンを両手で引っ張っている。
「しまった!」安倍は小川の蹴りを槍でかわそうと両手を突上げた。
その時、高橋が新垣の横から飛び出し、安倍を仕留めた。
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\
Λ_Λ | 君さぁ こんなスレッド立てるから |
( ´∀`)< 厨房って言われちゃうんだよ |
( ΛΛ つ >―――――――――――――――――――‐<
( ゚Д゚) < おまえのことを必要としてる奴なんて |
/つつ | いないんだからさっさと回線切って首吊れ |
\____________________/
(-_-) ハヤクシンデネ… (-_-) ハヤクシンデネ… (-_-) ハヤクシンデネ…
(∩∩) (∩∩) (∩∩)
(-_-) ハヤクシンデネ… (-_-) ハヤクシンデネ… (-_-) ハヤクシンデネ…
(∩∩) (∩∩) (∩∩)
(-_-) ハヤクシンデネ… (-_-) ハヤクシンデネ… (-_-) ハヤクシンデネ…
(∩∩) (∩∩) (∩∩)
これスレに「ほ」の字
255 :
名無し:03/01/06 20:38 ID:jmFRTG0d
「やられた!」石川は言い、「お見事でした」安倍が言った。
「いや、凄いよ、あれほどとは、オイラ思わなかったよ」矢口はそう言って
稲葉を見た。しかし、一番驚いていたのは稲葉だった。
「知らん、うちあんなん知らんで!」稲葉はそう言うと続けた。
「うちが見たのは紺野達がやってた、ジェットストリームアタックだけや。
小川達はそれをさらに発展させとるやん。いつの間に・・・」
稲葉が3人を見ると笑っている、さらに辻、加護、紺野も笑っていた。
「お前ら、隠してたな!」稲葉がそう言うと「みんなで考えました」
紺野が言った。 ジェットストリームアタック、これを最初に言い出したのは
矢口が言った通り、紺野だった。飯田と稲葉が連携技を提案した時に紺野が
同期の3人に提案しさらに辻、加護を仲間に入れて練習し完成させたのだ。
しかし、あまりにメジャーなこの技、知っている者なら当然それに備えられる。
現に安倍も普通に攻撃していたらかわせたであろう。その弱点を克服する為
多少の変化をつける事を6人で考え編み出したのが、先ほど小川、高橋、新垣
が見せた技である。
「みんな、お互いの能力を吸収してるみたいやな、小川はみっちゃんから、
高橋は沙耶香から、しっかり見せて貰ったで、さらにメンバーが協力しての
チームプレイ、こっちもええ感じやし、よっしゃ、私も協力するで」
中澤は言った。
256 :
名無し:03/01/06 21:15 ID:h5vb1NJi
「えっ?裕ちゃんが・・・」矢口が驚いた様に言った。
「何や?」中澤が言うと、「いえ、別に・・・」矢口はそれ以上何も言わない。
しかし、明らかに怯えている。いや矢口だけではない、飯田や安倍、辻、加護、
石川も固まっている、そればかりか平家や稲葉でさえちょっと様子がおかしい。
だが何も知らない紺野が「中澤さん、指導してくれるんですか?」
嬉しそうに言った。紺野は、ここ数日で自分の力が格段に進歩してる手ごたえが
あったので、やる気まんまんだ。それもその筈、紺野の能力と言えば、主に空手
のみ、これに対して紺野は村田以上にコンプレックスがあったのだ。
「おっ、紺野やる気やな、ええで相手したる」中澤の言葉に紺野は
「はい、よろしくお願いします」嬉しそうに答えた。
それを見ていた他のメンバーは「紺野が死ぬ・・・」心配そうに言った。
「それじゃあ、紺野、まずは攻撃してこいや」中澤に言われ
「はい、それじゃあ、行きますよ」紺野は構えた。
「破ぁぁぁー!」紺野は蹴りを放つ。「遅い!」中澤は蹴りを簡単に止める。
だが紺野は体制を入れ変えると「狼牙旋風脚!」連続での蹴りを見せた。
「おっ、大谷から習ったんか?だが、キレがいまいちや」やはり簡単に
止められた。「まだまだぁー!」紺野は武器を手にすると更なる攻撃に出た。
平家→小川 のラインがなんとも・・・
258 :
名無し:03/01/06 22:02 ID:+UNuOWKu
「天空塵!」紺野は飛び上がると、中澤目掛けて斬りかかった。
「隙だらけや!」中澤は紺野の攻撃をかわすと、突きを放った。
「うわぁー!」紺野は中澤の一撃を喰らい吹っ飛んだ。「まだやるか?」
中澤がそう言うと「お願いします」紺野は言った。「よっしゃ、上出来や」
中澤は構えた。そして「どんな攻撃でもええで、本気でこいや!」中澤に
そう言われた紺野は「それじゃあ遠慮なく」と言うと「百手刀殺!」
得意の連続突きを放つ。「まあまあや、でも、うちには通用せえへんで」
中澤は紺野の突きを全て受け止めている。紺野は「天地人!」と叫んだ。
すると高橋と小川が加わった。「3人で来るか?ええで、相手したる」
中澤は余裕だった。「連携技はあれだけじゃありませんよ」小川が言うと
「アホ、敵に教えてどないすんねん」中澤は言った。
「デルタアタック!」高橋がそう言うと、紺野が飛び上がり上から
小川は正面からチェーンで足元を、高橋は後ろから短剣を投げる。
「背閃天洸!」中澤が叫ぶ。すると高橋と紺野に衝撃波が向かって来た。
2人はそれをまともに喰らって飛ばされた。と同時に小川の攻撃を中澤は
簡単にかわすと、素早く突きを放った。
同時に中澤の攻撃をまともに喰らった3人は気を失っている。
「うわー!やっちゃった!」3人の同時攻撃で、つい力が入ってしまった様だ。
中澤はあわてて3人を介抱する。
「これだから、裕ちゃんの相手はしたくないんだよね」矢口が言った。
そう、矢口達が固まっていたのは過去に同じような経験があったからだった。
259 :
名無し:03/01/06 22:42 ID:C56RcZ9/
>>257 あまり深い意味は無いですよ。いつもその場の思いつきでやってるので。
すぐに石黒が呼ばれ、3人は意識が戻った。
「ごめんなー」中澤が3人に謝る。「大丈夫です」3人は特に怪我も無い様だ。
「まったく、裕ちゃんは手加減ってもんを知らんからなー」稲葉が言うと
「これでも手加減してるつもりなんやけど・・・」中澤は言った。
「訓練で壊れちゃったら意味無いじゃん」矢口が言うと
「そうだよねー」中澤は言う。しかし紺野は「あれで、手加減してるんですか?
中澤さん、もっと色々教えて下さい」と言った。その言葉に
「ホンマかいな?」中澤は言う。そして驚いた矢口も言った。
「紺野、本気で言ってんの?うっそ、まじー!」その言葉に紺野は
「はい、私はみんなみたいに特別な力はありません。まだまだ強くなれるなら
頑張ります。だから、お願いします」と言った。すると
「私達もやります」そう言ったのは、小川、高橋、新垣の3人。
「おう!よく言った。だったらみんなでやらな、あかんなー」中澤はそう言うと
その場にいるメンバーを見た。「えっ?」そう言われたメンバーの顔が曇る。
「もんくあるんか?」中澤がそう言うと誰も反論出来なかった。
「はぁー、これから大変だぁ」飯田はそう言ってうな垂れた。
そう、M刑事の真の特訓は、始ったばかりである。
【邪悪狩人M刑事】第十一話・それぞれの力・終了!
260 :
名無し:03/01/07 23:14 ID:fTT2i5fc
コメントを一言・・・もう、だから何?って感じでしょうか?
何言われたってもう驚かないぞ!
それでは続きを
【邪悪狩人M刑事】第十二話・車輌課・
M刑事の車輌課、名称こそ車輌を冠しているが、使用車輌はもちろんの事
武器や通信機に至るまで、M刑事が使用する装備のほぼ全てを任されている
部門である。ここのメンバーはリーダーの斉藤瞳を始めとして、村田めぐみ
大谷雅恵、柴田あゆみの4人である。そんな車輌課のメンバーも
M刑事である以上、特殊な能力を持っているのである。
「冬休みー!」斉藤は、はしゃいでいる。「でも、本当にいいのかな?」
村田は心配そうに言った。「いいんだよ、中澤さんが休みは4人一緒でいいよ
って言ったんだし、室長にも確認したんだから」大谷が言うと
「そうだよ、みんなで旅行なんてこれが最後かもよ」柴田が言った。
そう、今4人は冬休みの真っ最中。初めて4人揃っての休みなのだ。
4人はその休みを利用して二泊三日の温泉旅行に出かけたのだ。
261 :
名無し:03/01/07 23:41 ID:iqdG6rL1
「温泉!温泉!」斉藤のテンションは上がる一方。
「それにしても良く宿がとれたね」村田が言うと「今の時期って以外に空いてる
みたいだよ、電話したら簡単にとれた」大谷が言った。
「いやー、でも斉藤じゃないけど、温泉かー、楽しみだなー」柴田は言う。
4人は電車に乗ると一路、草津へ・・・・
「草津だよー、温泉入って、スキーして、美味しいもの食べて・・」
斉藤のテンションは最高潮に達していた。
「斉藤、今から騒いでると疲れるよ」柴田が言うと「大丈夫、大丈夫」斉藤は
元気だった。
4人は朝早くに出発したので現地に着いたのは午前中だった。
「宿には夕方入ればいいから、まずはスキーでしょう」斉藤の言葉に
4人は草津刻祭スキー場に向かった。
「スノーボード?」柴田は言った。「うん、やってみない?」斎藤が言った。
「でも、難しそう」村田が言った。「ボード教室に入るんだよ、二時間で四千円
だって、さっき見て来たんだけどインストラクターの人、かっこ良かった」
「やる!」斎藤の言葉に3人ともやる気になった。
「これこそ出会いだよねー。スキー場での出会い、素敵じゃない」大谷は
目を輝かせている。「うん、うん」3人は頷いた。
262 :
:03/01/08 22:22 ID:6mfTqH4V
263 :
名無し:03/01/08 23:09 ID:tbEKPRtD
4人はボード教室の申し込みをすると、レンタルの道具を抱え指定された場所で
教室が始るのを待った。時刻は午後一時、「お待たせしました」
インストラクターがやって来た。「午後の部の受講者は・・4人ですね、
斉藤さん、村田さん、大谷さん、柴田さん、皆さんお友達ですか?」
「はい、よろしくお願いします」4人は元気良く挨拶する。
「はい、インストラクターの西崎です。これから二時間よろしくお願いします」
インストラクターはそう言って4人に挨拶した。
「うわぁー、風間トオルみたい、超かっこいい」斉藤が言うと
「そう言えば、柴田は風間トオルが好きだったね、あっでも今は違うのか」
村田が言うと「そんな事言った?」柴田は言った。
「何か?」西崎が聞いてきた。「いえ何でもありません」大谷は笑って言った。
「それでは、簡単な準備運動から始めましょうか」ボード教室は始った。
「はい、それでは、ボードの基本的な機能を・・」そう言って西崎は
ボードの説明に入った。4人はあまり聞いていない様だ。
「それでは、次に実際にボードに乗ってみましょう。まだビンディングは
付けないで乗るだけです。それで感覚を掴んで下さい」ボード教室はどんどん
進んで行った。
264 :
名無し:03/01/08 23:27 ID:bYM4T4hj
「みなさん、上達が早いですね。それでは今度は簡単なスラロームを・・」
西崎がそう言いかけると、「おーい、西崎君、熱心なのは良いがもう時間だぞ」
スキー場の係員が西崎に言った。「えっ?あっもう四時か、大分時間オーバー
しちゃいましたね。すいません」西崎が言うと「いいえ、もっと教えて
欲しかったです」柴田が言った。「そうですか、実はみなさん上達が早いから
こっちもつい夢中になっちゃって、でもここ四時で終わりなんですよ。
ナイター設備も無いし、もう暗くなりますから」西崎がそう言うと
「そうですか・・・」4人はがっかりした様に言った。すると
「あの、みなさん日帰りですか?」西崎が聞いて来た。
「えっ?いえ、明日もいますけど」村田が言うと「そうですか、それじゃあ
明日、一緒にどうです?僕、明日休みですから、みなさんがよろしければ
お付き合いしますよ」西崎の思いがけない言葉に「本当にいいんですか?」
4人は信じられないと言った表情で言った。
「はい、みなさんみたいな、熱心な方は久しぶりです。僕はそう言った方に
教えたくてインストラクターやってますから、喜んでお引き受けしますよ。
あっ、もちろんタダで・・」西崎はそう言って笑った。
「ありがとうございます。それじゃあ、明日、よろしくお願いします」
4人は明日の約束をすると宿へ向かった。
265 :
名無し:03/01/09 00:09 ID:gSrqdEVw
宿に着いた4人は早速温泉へ・・「うそみたい、こんなに上手く行って・・
明日一日、西崎さんと一緒だよ」大谷がまだ信じられないと言う感じで言う。
「ホント、明日が楽しみだね」村田も大谷と同じ様だ。
「誰か目当ての人がいたりして!」斉藤が言うと「私だったらいいなー」
柴田が上を見上げて言った。「まー、どうであっても・・・」大谷が言うと
「勝負!」4人は右手を重ねると気合を入れた。
4人は温泉から上がると「卓球は無いのかー」柴田が言った。
「いまどきある訳無いじゃない」斉藤が言った。4人は夕食を済ませると
明日に備えさっさと寝てしまった。そして次の日・・・
「おはようごさいます。今日もよろしくお願いします」4人は西崎と合流し
昨日の続きが始った。西崎の熱心な指導に応える4人、どんどん上達して行く。
時間はあっという間に過ぎ、時刻は四時になった。
「もう終わりですね、みなさん本当に凄いです。これならもう何処でも
滑れます、本当にお疲れ様でした」西崎の言葉に嘘は無かった。
4人はたった二日で中級者レベルにまで達していたのだ。これもM刑事だから
なせる事である。「ありがとうございました。本当に二日間楽しかったです」
斉藤が代表してお礼を言う。「いえ、こちらこそ。久々に教えがいがあった
と言うか、本当にみなさん上達が早くて、僕も楽しかったですよ」
西崎はそう言って笑った。そして西崎が別れの挨拶をしようとした時、
「あのー、西崎さん、よかったらこれから夕食一緒にどうですか?今日のお礼も
したいし、私達でごちそうします」柴田が突然言い出した。
(柴田、ナイス!)残りの3人の心の叫びが聞こえて来そうだ。
「うーん、そうだな、特に予定も無いし、それじゃあ、お言葉に甘えます」
西崎は柴田の作戦に乗せられた。実は柴田は朝、宿を出る時既に
夕食のキャンセルをしていたのだ。
「でも、どこ行こう?」柴田が言うと「それじゃあ、ここからちょっと行った
所においしいパスタのお店があるんでそこ行きましょう。僕、車出しますから
みなさんそれで行きましょう」
5人は車に乗ると出発した。
わぁ〜いおもしろい小説みっけ♪
程よく推しメン出ていてうれすぃ〜!
頑張って下さい!応援します!!
267 :
名無し:03/01/09 13:25 ID:l98x922B
>>266 ありがとうございます。よろしくです。
車はお店に到着、5人は注文を済ませると雑談に入った。
「そう言えば、みなさんは学生ですか?」西崎が聞いて来た。
「いや、違います」村田が答える。「それじゃあ、社会人か、お仕事は何を?」
答えづらい質問が来た。「えー、一応公務員です」大谷が言うと
「そうですか、どんな仕事ですか?」西崎はさらに突っ込んできた。
「えっ?あっ、警察省の方で・・・」斉藤が言うと「婦人警官ですか」
西崎は言った。「あっ・・そう言う訳ではなく・・その・・雑用と言うか・・」
4人が答えに詰まると「あっ、事務職ですね。免許の更新とかしてる・・」
そう言われた4人は「・・・そうですね、そんな感じかな、あははは」
笑うしかなかった。4人は食事中も仕事の話は避け、違う話題に集中した。
そして、食事も終わり、帰り道、走行中の車調子がおかしくなった。
「あれっ?おかしいな。エンジンの回転が上がらない」西崎はそう言うと
車を止める。確かにアイドル回転にばらつきがある。
「参ったなー、すいません、みなさん」西崎は困った様子だ。
「ちょっといいですか?」大谷はボンネットを開けるとエンジンルームを覗く。
「あー、これか。すいません、エンジン止めて下さい」大谷はエンジンが
止まると、何やら始めた。「これでいいかな、エンジンかけて見て下さい」
大谷に言われ西崎はエンジンをかけた。すると「あっ、直った、凄いですね」
西崎は驚いた表情で大谷を見る。
268 :
名無し:03/01/09 13:45 ID:TYtDU8c2
「僕は、メカニックが苦手で、助かりました。何が駄目だったんですか?」
西崎の問いに「エンジンに電気を送るコードが漏電してますね、多分駐車場に
止めてる時に、エンジンルームの水分が凍ってコードに付いたのが解けたから
その水分で漏電してエンジンが調子悪くなったと思います。今はその水分を
ふき取りましたから、大丈夫です。でもコードは交換した方がいいですね」
村田が言うと「えっ、村田さんも判ってたんですか?これって常識ですか?」
西崎はバツが悪そうに聞いて来た。「いや、そう言う訳じゃ・・仕事でいつも
やってますから」村田が言うと「みなさん、パトカーの整備までやってるん
ですか、凄いなー」西崎は感心して、さあ出発しようとした時であった。
車のヘッドライトを点けた瞬間、その光の中に異様な影が映しだされた。
「何?」助手席の柴田が言った。その影は明らかに人ではない。
その異形に柴田達4人は反射的に車の外に出ていた。さらに驚いた事に
西崎も同じ行動を取っていたのだ。そして、異形はこちらに近づいてくる。
その数は一体ではなかった。「妖魔か、こんな所まで・・・」4人は
西崎の呟きが聞こえた。「えっ?西崎さん、今何て?」驚いた柴田が聞く。
「みなさん、やつらは化け物です。危険ですから逃げて下さい」
西崎は4人に逃げる様に言った。しかし、「西崎さん、駄目みたいです」
後ろにいた斉藤が言った。化け物は前からだけでなく後ろにもいたのだ。
269 :
名無し:03/01/09 14:13 ID:7oU+jksN
「ふっ、人間か・・・運が悪かったな、お前達はここで死ぬ!」
化け物の一体が言った。「お前達は・・土蜘蛛・・・」西崎は言った。
それは柴田達にも判っていた。「みなさん、今から僕が突破口を作ります。
ですからそこから逃げて下さい。いいですね」西崎はそう言うと
「火炎球!」火の玉を出して妖魔を攻撃した。「さあ、今です!」
西崎は4人に逃げる様に言う。しかし、4人は動かなかった。
「何をしてるんですか・・」西崎が言うと「西崎さんは、火の能力者ですか」
斉藤が言う。「えっ?なぜそれを・・・みなさんはいったい・・・」
西崎は4人を見る。4人は先ほどとはまったく違う表情をしていた。
「こんだけの妖魔の数じゃ、1人では大変でしょう、お手伝いしますよ」
大谷はポケットから警棒の様な物を取り出す。そしてそれを伸ばした。
それは、拳法映画でお馴染みの武器【サイ】だった。
他の三人もそれぞれ戦闘の準備をした。
「西崎さんも能力者ならご存知だと思いますが、私達、M刑事です」
村田がそう言うと「M刑事・・・聞いた事があります。そうですかみなさんが
それなら安心だ。それじゃあ、さっさと、かたずけますか」西崎は
そう言うとまたしても火炎を放つ!「おのれ、退魔師か・・だがお前らが
なんであろうと知った事か、皆殺しだ!」
土蜘蛛たちは襲い掛かって来た。
270 :
名無し:03/01/09 20:17 ID:7hAvbaov
その攻撃に斉藤は身構えた。そして、「踊れ、鉄扇!」斉藤はそう言って
武器を放った。斉藤の武器は鉄の扇、攻撃の仕方は保田のそれに似ているが
こちらは扇、さらにこれは防御の盾としても使えるのだ。
斉藤の放った扇は、回転しながら土蜘蛛を切り裂いた。
一方、村田と柴田は、「閃条鋼旋!」柴田はそう言うと右手を素早く前へ
突き出した。するとその手の先にいる敵の身体が裂かれた。
柴田は何をしたのか?柴田の手を良く見ると、細い鋼線が見える。
そう柴田はこの鋼線で敵の身体を切り裂いたのだ。
「ディスクカッター!」村田が右腕にはめている器具から小さい円盤が
発射された。円盤は敵の身体に突き刺さった。
これは村田が、戦闘能力の低い自分用に開発した武器で、その時の用途に応じ
様々な攻撃が出来る様になっている、まるでライダーマンの人造アーム
みたいな武器なのだ。そんな村田がなぜM刑事に選ばれたのか?
その技術力もあるが、村田が選ばれた理由の第一は、村田の戦いを見れば
良く解る。今、戦っているメンバーは、村田以外、敵の攻撃で多少の傷を負って
いる。しかし村田にはそれが無い。なぜか?村田は敵の動きを事前に読む能力が
あった。これは読心術などでは無く、なんとなくそう感じるだけだなのだが
それが以外に当たっているのだ。だが時々外れる事もある為100%ではない。
しかも集中力を必要とする為、やはり強い敵になるとどうしても弱い。
そんな事を気にしないで戦う為に村田は日々研究しているのだ。
271 :
名無し:03/01/09 21:54 ID:dq5RZRdg
「みなさん、やりますね。僕も負けてられないな」西崎はそう言うと
さらに強力な炎を繰り出した。「灼熱爆炎!」その炎は敵を包み込んだ。
だが、「おのれ、だがこんな攻撃でやられるものか、見よ、我らの真の力」
土蜘蛛はそう言うと一ヶ所に集まった。そして一体の巨大怪物へと姿を変えた。
「おろかな人間どもよ、死ね!」土蜘蛛は巨体ながらも素早い動きで攻撃を
してくる。さらに、5人の攻撃もあまり効果が無かった。
「ちょっと、まずいですね。僕の炎では、こいつを倒すのは無理みたいです」
西崎がそう言うと、「私達も駄目かも・・・」柴田が言った。だが、
「ここは、私に任せてもらおうか」大谷が前へ出た。
「大谷、何か策があるの?」村田が聞いた。
「へへへ、特訓の成果見せましょう。新必殺技、【拳精】ここで、ご披露!」
大谷はそう言うと、構えを取った。「龍、蛇、鶴、虎、豹!五獣の拳精召喚!」
大谷の後ろに、五体の獣の幻影が現れた。「行っけー!」大谷がそう言うと
五体の幻影が一つになり、土蜘蛛に向かって行った。そして
「グァァァァ・・・」土蜘蛛はその幻影に身体を貫かれ消滅した。
「・・・大谷、あんた、いつの間に?」村田が言うと
「りんねと矢口の技のミックスって感じかな、最もこれは気孔に近いけど
よっすぃーにも協力して貰って、完成させました」大谷はそう言って
舌を出しておどけて見せた。
272 :
名無し:03/01/09 22:17 ID:vnjTZxnC
場所は変わってここは駅の構内、既に日付は変わり、4人は帰る為駅にいる。
そしてもう一人、西崎が見送りに来ていた。
「本当にみなさんが、M刑事だなんてびっくりしましたよ」西崎が言うと
「それはこっちも同じです。まさか能力者なんて・・・でも西崎さんに会って
一緒に戦って、私達の考え、変わりました」斉藤言った。
「と言うと?」西崎の質問に柴田が答えた。
「実は、私達M刑事は能力者や退魔師の人達を、良く思ってないんです。
いつもバカにされている様な気がして、でも西崎さんは違いました」
柴田がそう言うと「・・・そうですか、きっと上の家の連中の事ですね。
私達、能力者は家柄の格差が厳しくて、僕の様な者は格下扱いですよ。
それでいて上の家の連中は何もしない。利権ばかりむさぼって、でも
解って下さい。そんな連中は、ほんの一部です。僕達はいつでも協力します。
それに、これからは本当に協力が必要でしょう。みなさん主天童子の話は
ご存知ですか?」西崎はそう言って続けた。
「上からの情報だと、主天童子と言う名の怪物が復活するそうです。
今、僕の仲間達はそれに対抗する為に必死で情報を集めています。
みなさんも何か情報があったら教えて下さい」西崎の言葉に4人は顔を
見合わせる。
273 :
名無し:03/01/09 22:44 ID:KzIeY54I
「西崎さん、その話って何処から?」斉藤が聞くと、
「いや、それが良く解らないんです。上からの情報だと、復活するからとしか
ですから、それにはどうしたら良いのか、解らなくてみんな必死なんです」
西崎は、上からの不正確な情報しか来ない事を打ち明けた。
「そうですか、たぶんその情報って、うちからだと思いますよ」
大谷がそう言うと、「本当ですか?みなさん何か知ってるんですか?」
西崎は必死になって聞いて来た。「知ってるも何も・・・」
大谷は自分の経験した事を全て西崎に話した。吹雪童子の事も螺刹童子の事も、
事件の詳細を全て話した。その両方の現場に居合わせた大谷だからこそ話せる
事を全部。そして最後に赤口衆の壊滅の話もした。
「・・・それじゃあ、やはり、主天童子は・・・」西崎は言葉を失っていた。
「そうですね、主天童子の存在は確実と思われます」村田が言った。
「・・・そうですか、でも・・」西崎は顔を上げると力強く言った。
「でも、そのお話で、僕達のやる事が解った気がします。みなさんと同じ様に
特訓しかありませんね。僕も頑張ります。みなさんに負けない様に・・
次にお会いする時は、みなさんより強くなっていないとですね。
じゃないと、かっこつかないですから」西崎は笑顔に戻っていた。
そして電車がホームに入って来た。
274 :
名無し:03/01/09 23:07 ID:ve5BFlD5
「それじゃあ、次にお会いするまでお元気で!」西崎はそう言って4人
一人一人と握手をした。「本当に、色々ありがとうございました。楽しかった
ですよ、また遊びに来ますね」4人はそう言うと電車に乗り込む。その時
「あっ、大谷さん、これ!」西崎は一枚の紙を大谷に渡した。
「僕の、携帯番号とメールアドレスです。また何かあったら連絡して下さい」
そして電車のドアは閉まり発車した。
「やったー!携帯番号ゲット!」大谷はガッツポーズを見せた。
「勝負は私の勝ちだね」大谷がそう言うと「えーっ、それって、たまたま大谷が
一番あいつらと戦っているからでしょう、だから大谷に渡したんだよ」
柴田がそう言うと、「ひがまない、ひがまない」大谷は勝ち誇っていた。
次の日、大谷が本部に来るなり「大谷さん、おめでとうございます」
新垣が言ってきた。「はっ?何の事?」大谷が聞くと
「えっ、彼氏が出来たって聞きましたけど・・・」新垣は言った。
「あいつら・・・」大谷は捜査課の部屋に急いで行った。
「おっ、大谷ちゃんが来たよ」大谷を見つけた安倍がみんなに言った。
「おー、大谷、良かったなー」中澤が温泉饅頭を食べながら言ってきた。
「大谷さん、ついに出会いがあったんですね」紺野が嬉しそうに言った。
275 :
名無し:03/01/09 23:32 ID:82OV/WJX
「ちがーう!みなさん、嘘に騙されてはいけません。あの3人の言う事は
全て嘘です」大谷がそう言うと、「てれんなや、隠す事ないやん」
稲葉が大谷の肩を叩いて言った。「柴田ですか?斉藤ですか?村田ですか?
誰ですか?言いふらしたの」大谷が聞くと「私達じゃないよ」
3人が入って来た。「何言ってんだよ、みんな彼氏が出来たって・・・」
大谷は3人に食って掛かった。「だから、私達は稲葉さんに大谷だけ携帯番号
教えてもらって、いいなーって言っただけだよ」そう言われた大谷は
稲葉を睨みつける。「何や?うちはただ彼氏が出来たんかなーって言っただけで
そんだけやで」稲葉がそう言うと「えっ、稲葉さん、大谷さんに彼氏が出来た
ってはっきり言いましたよ」紺野が言った。「アホ、紺野余計な事言わんで
ええ、黙っとき」その言葉を聞いた大谷は「稲葉さん!」
稲葉の方へ向かって行った。「ごめんなさーい!」またしても稲葉の懺悔の声が
響き渡った。大谷の彼氏騒動は、すぐに終わった。そして・・・
「大谷達の話やと、能力者の連中も状況が把握出来ていないみたいやな。
上の連中はあてにならん。だったら下で上手い事情報網を作っていこう
やないか、幸い大谷には素敵なメル友もいるみたいやし・・・」
中澤の言葉に「中澤さん!」大谷は怒った。
「ごめん、ごめん。とにかく、せっかく出来たその大切な仲間達と共に協力して
やって行こうと思う。異議のある奴はおるか?」
中澤の言葉に誰も反対はしない。M刑事に新しい仲間が増えた瞬間だった。
【邪悪狩人M刑事】第十二話・車輌課・終了!
276 :
山崎渉:03/01/10 04:27 ID:pP27NLdK
(^^)
277 :
山崎渉:03/01/10 16:46 ID:pP27NLdK
(^^)
278 :
名無し:03/01/10 23:03 ID:aihkjyYp
おお!ここにも・・山崎さん貴方はいったい何者?
【邪悪狩人M刑事】第十三話・今日も完璧です3・
新年早々、いろんな事が起きて、やっぱりM刑事って大変だと思う私です。
螺刹童子との遭遇、赤口衆の壊滅、始った特訓、新しいネットワークの確立、
もっとも特訓は、私にとって嬉しい事の、連続ですが・・・
あっ、それに大谷さんの彼氏騒動もありました。結局あの後、稲葉さんは
大谷さんに昼食をご馳走していたのを、私は知っています。
そんな時、私は中澤さんに言われ、元旦から休んでいない事に気が付きました。
突然休みを貰って、何をしようか考えていると、あやかさんが遊園地に誘って
くれました。メンバーは私と、あやかさん、里田さん、石川さんの4人です。
久々の遊園地で私は、昨日嬉しくてなかなか眠れませんでした。
そして今日、里田さんの運転で遊園地に来ています。
場所は「奥多摩テクニカルランド!」去年散々な目に遭った奥多摩です。
「奥多摩かー、本当なら去年、1回来てた筈なんだよなー」
石川さんはそう言って遠くを見つめていました。そうです、本来なら石川さんは
私達と一緒にここ奥多摩に来ていた筈でした。
279 :
名無し:03/01/10 23:38 ID:+QA8jGxE
「石川さん、まだ引きずるつもりですか?」私が聞くと
「あっ、いけない、またネガティブに・・・だめだぞ!チャーミー!」
と言って自分の頭を軽く叩きました。それを見た私はあやかさんに聞きました。
「あやかさん、石川さんて、本池下署の人達に人気ありますよね。
私も、ああした方が人気出ますかね?」私は大谷さんの彼氏騒動の後から
また少し恋愛について考える様になっていました。私の質問にあやかさんは
「えっ?どうかなー、紺野と梨華ちゃんじゃキャラが違うからなー」
あやかさんは、そう言って頭をひねっていました。
「やっぱり駄目ですかね?」私が聞くと「そうだね、あれは梨華ちゃんしか
出来ないと思うよ。それにさー、別にまねする事無いんじゃない?
紺野は紺野で密かにファンがいるって聞いたけど・・・」
あやかさんの意外な言葉に私はびっくりしました。
「本当ですか?」私が聞くと「うん、本池下署の人に聞いたから多分・・・
それにさー、自分で言うのもなんだけど、M刑事ってかわいい子多いじゃない
本池下署の希望者ってけっこういるみたいだよ」
あやかさんは本池下署に出入りする事が多い人です。と言うのもあやかさんは
元々、ミカさんのいるUコップにいた人です。英語が出来るので本池下署で
頼まれて通訳の仕事をする事もあるのです。だから本池下署にも知り合いが
多くいて、そのあやかさんが言っているのだからきっとそうなのでしょう。
「でも、それじゃあ、なんで中澤さんは・・・」私が聞くと
「あの人は、理想が高いから・・・」あやかさんは言いました。
ほじぇん
281 :
名無し:03/01/11 22:53 ID:0s7iT2wi
「次、何にする?」里田さんは、園内の地図を見ながら言いました。
「カートは?ここのってコースが長いんでしょ?」あやかさんが言うと
「あれ乗りたい!」石川さんは観覧車を、指差しました。
「・・・マジで?」あやかさんが言うと「だって、私が乗りたいって言ったやつ
まだ一つも乗ってない」石川さんが言うと「そうか・・」あやかさんは
思い出した様に言いました。「うん、いいかも知れない。ほらここに書いてある
大きさこそ日本一ではないが、高台にある為、奥多摩の景色が一望出来る。
その景色は日本一と言っても過言ではない。だって」里田さんの助言もあり
石川さんの希望が叶いました。
「ホントだ、凄ーい!」石川さんが景色に感動すると、「うん、ホント綺麗だね
梨華ちゃん、正解だよ」あやかさんが言いました。その時
「あれ、何だろう?」里田さんが見ている方向をみんな見ました。
「何処ですか?」私が聞くと、「ほら、あそこ!」里田さんが指差す方を
見ると、森の中で何かが動いているのが見えました。
「何だろう?」あやかさんもそう言って見ています。
「あっ、あの場所は・・・」私がそう言うと、「何?」みんなが私に注目します
「あの場所、この前調査した場所の近くです」私はみんなに言いました。
そう、何かが動いていた場所は、秋に私達が調査した場所のすぐ近くでした。
「紺野、嫌な事言わないでよ」石川さんが言うと、「でも気になるなー」
里田さんが言いました。「どうします?」私がみんなに聞くと
「周りの木の大きさから考えて、あの物体はかなり大きいね、動物にしたって
ちょっと大きい気がするんだけど」里田さんが言いました。
「ほっとく訳にもいかないか・・・」あやかさんが諦めた様に言いました。
私達もその言葉に頷きました。
282 :
名無し:03/01/12 00:22 ID:Q4esLi9t
出来る限り、その動く物体の行く方向を確認すると、観覧車を降りました。
急いで園内を出ると、車に戻りました。「本部に連絡は?」里田さんが言うと
「どうしようか?単なる見間違いかもしれないし、一応現場に行ってみようよ」
あやかさんの提案で、まずは現場に行く事にしました。
「石川さんは?」私は石川さんが、いない事に気が付きました。すると
「お待たせー!」石川さんが走って来ました。「どこ行ってたんですか?」
私が聞くと、「ちょっとね」石川さんは、それ以上何も言いませんでした。
車に乗り込み現場へと向かいました。物体の移動していた場所はあらかじめ
PDAに入力しておいたので、GPSと照らし合わせ、しばらく走り
現場に到着しました。「この前の調査はここから一キロ位先ですね」私が言うと
「とりあえず、調べてみよう」みんなはそう言うと森の中に入って行きました。
しばらく歩くと、「ここ見て!」石川さんが指差した所は、明らかに何かが
通った痕跡がありました。「やっぱり、生物みたいな感じがするね。でも
この跡を見る限りだと、かなり大きいよ」里田さんは言いました。
「車に戻って、本部に連絡しよう」石川さんがそう言うと、私達も賛成して
車に戻りました。「本部、応答して下さい」里田さんが連絡を取ります。
(はい、本部です)石井さんが出ました。「里田です。中澤さんいますか?」
(はい、ちょっと待ってね)(・・・中澤や、里田、お前休みやろ?)
中澤さんが出ました。「そうですけど、どうもそれ所じゃなさそうな事態です」
(なんかあったんか?)「はい、さっき奥多摩テクニカルランドで観覧車に
乗ってたんですけど、そこから奇妙な物が見えて、そしたら紺野が
この前の調査現場の近くだって言うから、今そこまで来て調べたんですけど
どうも普通じゃ無い様な気がして連絡しました」
283 :
名無し:03/01/12 00:41 ID:uaMisjEr
(そうか、ごくろうさん。紺野はそこにいるか?)中澤さんに言われ
「はい、紺野です」私は言いました。(紺野、お前もその何かをみたんやろ?
この前のやつか?)「一応見ましたが、距離があったので、はっきりは確認
していません。ただ、この前の猿や山子よりは大きいと思います」
(解った、一応調査が必要やな。そこには、他に誰がおるんや?)
「はい、私と里田さん、あやかさん 石川さんの4人です」
(4人か、まあええやろ。装備は持ってるか?)私はみんなを見ました。
みんなは頷きます。「大丈夫です。みんな持ってます」
(それやったら休みのとこ悪いが、頼むわ。けど無理するんやないで、
危険やと思ったら、引き返せ、ええな)
「解りました。また何かありましたら連絡します」私はそう言って通信を
終えました。「それじゃあ、行こうか」私達は装備を身に付けると
再び森の中へと入って行きました。
「ここだね」石川さんがそう言うと、私達は先ほどの痕跡を追って奥へと
進みます。「この前のやつは、こんな痕跡はありませんでした。だから多分
違う奴だとは思うんですけど、やっぱり妖魔ですかね?」
私がそう言うと「決め付けるのは、良くないけどこれは普通の動物とは
思えないよ。とにかく気をつけよう」あやかさんが言いました。
>>282 ま、まさか…してたの?石川さん
あと調べてみたけどここって小説紹介されてないね。
285 :
名無し:03/01/12 22:08 ID:WFN/yFlF
>>284とりあえず、( ^▽^)<しないよ!
痕跡はかなり先まで、続いている様です。「この辺りか」里田さんはそう言って
PDAを見ました。「うん、ここだ。さっき観覧車で見えた最後の場所がここ。
やっぱりこの痕跡は、私達が見た奴の物みたいだね」
「って事は、あの移動スピードだから、まだ先か」あやかさんはそう言うと
先へ進んで行きました。そしてしばらく行くと、「道があるよ」石川さんが
言いました。見ると確かに小道があり、その先は少し開けていました。
私はこの景色に見覚えがあります。「ここ、この前の現場です」
私みんなに伝えました。「ホントに?間違いない?」里田さんが聞くので
「はい、この前は、この道からここに入りました。もう少し行けば・・」
私は、そう言って先に進むと、「あった、これ、見て下さい」
私は、この前のおじさんの車の破片をみつけて、みんなに見せます。
「そうか、間違いなさそうだね。そうなると、もう一キロ位来たって事だね。
それじゃあ、この先が・・・」あやかさんが、そう言いかけると
「何かいる!」石川さんは、そう言って構えました。
「キィィィィ!」石川さんに何かが飛び掛りました。「えい!」石川さんは
その何かを剣で払いのけました。「何こいつ?猿?」
286 :
名無し:03/01/12 23:07 ID:Ao7rBbPP
「猿の訳ないでしょ、大きすぎるよ」里田さんが言います。
「いえ、この子は猿です。私に任せて下さい」私はそう言って猿に突きを
放ちました。猿は思った通りすぐに気絶しました。
「ホントに猿なの?」みんなが聞いて来ました。「はい、これを見て下さい」
私は、そう言うと猿の身体を調べました。するとやはりありました。
「ほら、ここ、異形の法です」私はすぐにその札を引き抜きました。
「あっ、小さくなった」あやかさんの言う通り、猿は元の大きさになりました。
「紺野、この前の敵ってこいつなの?」あやかさんが聞くので
「はい、こんな猿と後は、山子が異形の法で怪物にされてました。この子は
その時の残りかな、それとも・・・」私が考えていると
「どうやら、後者みたいね、囲まれたよ」里田さんが言いました。
私が顔を上げると既に周りは、巨大な日本猿に囲まれています。
「紺野、どうすればいいの?」石川さんが言いました。
「出来れば殺さずに、一撃で気絶させられると思います。そしたら札を
引き抜けば元に戻ると思います」私がそう言うと
「解った、やってみる」みんなそれぞれ戦闘の構えを取りました。
「来るよ!」里田さんがそう言うと、猿たちは一斉に飛び掛ってきます。
「ファルコンパス!」石川さんは、素早く剣を繰り出し攻撃しました。
「天舞跳鷲爪!」里田さんは、飛び上がると両腕を広げ細い針の様な物を
投げました。その針は見事に猿の身体に付いている札を射抜きました。
287 :
名無し:03/01/13 23:34 ID:hq37lj0i
「百手連打!」私も負けじと突きを連続で放ちます。
「みんなやるなー。どうしよう私、これ通用するかなー?」あやかさんは
そう言うと両手に、何か鈴の様な物を持ちました。そして
「響け、ルーンのベル!」あやかさんはそのベルを奏でました。すると
その音を聞いた猿達は、動きが止まりました。
「みんな、今のうちだよ」あやかさんにそう言われ、私達は動きの止まった
猿達から、札を抜き取りました。
「これで全部だね」石川さんが最後の猿の札を引き抜くと言ます。
「さてと、こっから先が本番かな?」私達はさらに奥へと進みました。
「あれ?ここで終わってる」石川さんは言います。確かに私達の追っていた
痕跡はそこで終わっていました。「どうなってるの?」みんなで他に手がかりが
無いか探します。「何処に行ったのかな?」みんなで手分けをして手がかりを
探しましたが、特にこれと言って見つかりませんでした。その時です。
「何かお探しですか?」一人の男性が声をかけて来ました。
私達は殺気を感じ取り、本能的に構えを取りました。
「おやおや、私とやるおつもりですか?死にますよ。」
男はそう言って笑います。「さっさと正体見せなさい!」石川さんはそう言って
装備のナイフを男に投げつけました。
「やる気十分か、いいだろう、その望みかなえてやる!」男はそう言うと
その正体を現しました。
288 :
名無し:03/01/14 00:07 ID:pMAzD7l2
男が見せた姿は正に鬼、その大きさは、私達が観覧車から見た見た物と
一致します。観覧車から見えたのはこいつだったのです。
「お前も、主天童子の仲間だな!」私が言うと「あのお方を呼び捨てにするとは
いい度胸だ、我名は、金童子、我に勝てると思っているのか?」
金童子は余裕を見せました。戦いにおいては心理戦の駆け引きも大事です。
そこで私は、はったりをかましました。「金童子だかなんだか知らないが
主天童子に、力の一部を奪われたお前など、私達の敵ではない!」
私は吹雪童子の言葉を思い出し、そう言ったのです。すると
「貴様!なぜそれを・・・お前達何者だ!」はったりのつもりだったのですが
どうやら図星だった様です。金童子は明らかに動揺していました。
すると石川さんが「そんなに聞きたいなら教えてやろう。私達はM刑事!
妖魔撲滅法により、お前を清める!」と言いました。
なんだか久々にこの台詞を聞いた様な気がしました。
「M刑事だと・・そうか、吹雪を倒した奴らだな。だったら丁度良い、吹雪の
無念、今ここで晴らしてやろう」金童子はそう言うと襲い掛かって来ました。
「吹雪は我の弟分、この恨み、その身体に刻みこんでやる!」
金童子はそう言うと吹雪童子と同じ様に腕から球体を放ちました。
私は金童子の攻撃をかわしながら思いました。よくテレビとかでもそうですけど
仲間を倒された悪人が、お前達は許さん、とか言って敵討ちに来ますよね。
あれって、悪い事をしてやられた訳ですよね。つまりやられたほうが悪いのに
その恨みって、明らかにこれは、逆切れです。絶対おかしいですよ。
ってまた話が脱線しました。ごめんなさい。
289 :
名無し:03/01/14 22:53 ID:WvnrGMku
「空の弓!」石川さんが攻撃に出ました。「ヘラクレスの矢!」
石川さんはそう言うと大きな光の矢を放ちました。
「うおっ!」石川さんの攻撃をまともに喰らったのに、金童子は軽くふらつく
だけでした。「うそ!効かないの?」石川さんは驚いています。
「ふぅー。大した威力だな、だが、我を倒すには力不足だ」
金童子にダメージはあまり無い様です。このメンバーでは、石川さんが一番
攻撃力があります。その石川さんの攻撃が効かないとなると・・・
打つ手がありません。そこで私はまたしても心理戦に打って出ました。
「金童子さん、貴方が吹雪童子の兄貴分なら、なぜ主天童子をあのお方と
呼ぶんですか?少なくとも吹雪童子は敵意を持っていましたが・・」
私が言うと「・・・貴様、吹雪から何を聞いた?奴は最後に何と言っていた?」
金童子は攻撃をやめ、私に質問をして来ました。そこで私は金童子に
吹雪童子が私達に最後に言った言葉を聞かせました。すると
「そうか、吹雪は、まだ諦めていなかったのだな。そして、それを貴様たちに
託した。吹雪らしいやり方だ。だったら貴様達に話しておきたい事がある」
金童子はそう言うと話を始めました。
290 :
名無し:03/01/14 23:30 ID:j14+VgK1
「主天童子を知っているのなら、我らの副将格の名も知っていよう」
金童子は言いました。主天童子に関する資料は読んでいたので、主天童子の
仲間の話も知っていました。「棘鬼童子・・・」私がそう言うと
「そうだ、棘鬼童子こそ我と吹雪の真の主、主天童子では無い。
今回の我らの復活は、主天童子の力による物。我と吹雪は当然、棘鬼童子も
一緒に復活される物と思っていた、だがあの方が姿を現す事は無かった。
主天童子があえて、それをしなかったのか、それとも何か強力な封印が
あったのか、それは解らん。だが吹雪は主天童子が故意にそれをしなかったと
思っていた様だ。棘鬼童子は平和を望む方だ。今回一緒に復活していたら
おそらく主天童子にとっては邪魔な存在であろう。故に復活させなかったと。
主天童子の力は棘鬼童子とほぼ互角、だから我は主天童子を恐れ、
配下になった。だが吹雪はそれが我慢出来なかったのであろう。だが
我らにそんな力は無い。吹雪が、何故貴様らなら出来る、と言ったかは
我には解らん。貴様らの力・・・我も信じてみるか。
我はいつでもここにいる。我の力が必要な時はいつでもたずねるが良い」
金童子は、そう言うと、また男の姿に戻りました。
「金童子さん、力を貸してくれるなら、一つ約束して下さい」
石川さんが言いました。「何ですか?」男がそう言うと
「異形の法、あれは止めて下さい」石川さんがそう言うと
「解りました。約束しましょう」男はそう言うと姿を消しました。
291 :
名無し:03/01/14 23:54 ID:IRbKO0Ix
こうして戦いは終わり、私達は車に戻ると本部に連絡を入れました。
(・・・そうか、ご苦労さん。何やよう解らんが、その金童子とやらは
信じてええんか?)中澤さんに聞かれ私は「はい、少なくとも私は信じます。
みんなも同じだと思います」と言いました。(解った、それやったら信じて
みようか、とにかくお疲れさん)中澤さんはそう言って通信を切りました。
「何だか、よく解らない展開だったね。紺野は、ああ言ったけど、本当に
大丈夫?私はいまいち信用出来ないんだよね」あやかさんが言ったので
「大丈夫、完璧です。私は信用します」と私は言いました。すると
(大丈夫です・・・信じて下さい・・・)どこからか金童子の声が聞こえました
「やばっ、聞こえてたか」あやかさんがそう言うと
(聞こえてますよ・・・ですからここに来た時は、そこから声をかけて下さい。
あなた達と解ったら姿を現しますよ・・・)
私達は金童子に別れを告げると車に乗って現場を後にしました。
「三時か、まだ遊べたなー」里田さんが時計を見てがっかりしていました。
すると、「じゃーん!」石川さんが、何かを私達に見せました。
「なんですか?それ」私が聞くと「テクニカルランドの再入場券」石川さんが
言いました。「ホントに?」あやかさんが聞くと「ほら、みんな一日フリーパス
買ったでしょう。出る時もったいないから係りの人に言って貰ったの」
石川さんは言いました。「それじゃあ、駐車場に遅れて来たのは・・・」
私が言うと「うん!」石川さんは笑って頷きました。
「閉園は夜九時だからまだ遊べるよ」石川さんはそう言ってみんなに
チケットを配りました。
せっかくの休み、石川さんのおかげで、まだまだ楽しめそうです。
【邪悪狩人M刑事】第十三話・今日も完璧です3・終了!
292 :
名無し:03/01/16 00:09 ID:5O2WbUGi
【邪悪狩人M刑事】第十四話・パズル・
M刑事本部、今日も朝礼が始っていた。「昨日、新たに一体、主天童子の仲間と
思われる鬼が確認された。名前は金童子言うらしいんやが、紺野の機転で
敵にはならんと思う。詳しくは里田が、今資料用意しとるからそっちを読んで
貰いたい。それから主天童子達の動きなんやが、螺刹童子がまた現れた。
場所は山梨らしいが、詳しくは解らん。それ以上の情報が無い。
とりあえず私からは以上や」中澤はそう言うと朝礼を終わりにしようとした。
その時、大谷が手を上げた。「何や、大谷」中澤が聞くと
「はい、さっきの山梨の事件ですが、これは、三日前の話ですね。どこかの
神社が襲われた様で、そこの御神体が奪われたと聞きました」
大谷が言うと「それは、例の能力者の情報か?いつ入って来た?」
中澤は聞いた。「今朝、メールで教えてくれました。それから未確認情報ですが
京都の方で、何か動きがあった様です。退魔師が集結してるとの事です」
大谷がそう言うと「そうか、解った。でも京都じゃ、うちらの管轄外やな。
そやけど、何か新たな動きがある様なら、教えてくれる様に頼んどいてや。
うちからの情報も教えてええから」中澤の言葉に大谷は頷き朝礼は終わった。
293 :
名無し:03/01/16 00:45 ID:FxqLgRt1
朝礼が終わって、メンバーは休憩室に集まっていた。
「ふーん、なるほどね。でも本当に信用していいのかなー?」
矢口は里田の資料を読みながら言った。
「私は信用できると思います」石川は言った。「そうなの?それほど言うなら
信用するけど、紺野も上手い事やったね」矢口はそう言って周りを見回す。
「あれ?紺野は?」矢口が言うと、「まだ、お休みが残ってるからって同期の
3人とソニンちゃんの5人で泊りがけで日光に行ってるよ」
村田が言った。「そうか、そう言えばそう言ってたね。あれ、村田さんも一緒に
行くって言ってなかった?」矢口が言うと「その予定だったけど車輌課で
まとまって休めるって、言われたから休み変更したの。
で、代わりにソニンちゃんが運転手で行ってくれてるの」村田は言った。
「あいつら、年上を使うなんていい度胸してるよ」矢口が言うと
「いや、村田が行けないって、話してる時、たまたまソニンちゃんがいて
だったら、私が行きたいって、自分から運転手になってたよ」保田が言った。
「そうなんだ。ソニンちゃんて、何やってるの?学生?」矢口の疑問に
「そう言えば・・誰か知ってる?」保田がメンバーに聞くと
「最初に会った時は、高校生だったよね。でも、今は何してるんだろう?」
飯田は言った。そして、「親の店の手伝いやってるみたいだよ」そう言ったのは
市井だった。「ソニンちゃんの家って何やってるの?」飯田が聞くと
「アクセサリーショップって言うのかな、そう言う小物とか売ってるみたい。
それで、そこに来たお客さん相手に占いをやってるって言ってたよ」
市井が言うと「知らなかった。そのアクセサリーって安くなるかな?
今度みんなで行ってみましょう」石川が言った。
「石川と行くと変な物選びそうで怖いなー」市井が言うとその場のメンバーが
頷く。「またー、私がそんな話すると、みんなすぐバカにするんだから」
石川はそう言ってムクれた。「ごめん、ごめん」市井は謝った。
294 :
名無し:03/01/16 22:09 ID:OQxaW2ig
一方中澤は、寺田と話をしていた。「山梨の件ですが、情報が入りました。
何処かの神社が襲撃されて、御神体が奪われたとの事です」
中澤は先ほどの大谷の話を伝えた。「なんや、知っとったんか、こっちにも今
情報が入って来た。奪われたのは殺生石や」寺田は言った。
「殺生石って、そんなもん何処にでもあるじゃないですか」
「そうやな、だが奪われた殺生石は、ちょいと訳ありなんや」
「訳ありって?」 「実はな、その殺生石はある封印を解く鍵なんや」
「封印?」 「そうや、京都の件は聞いとるか?」
「退魔師が集まってるって話ですか?」 「ああ、どうもその件と関係がある
みたいやな、退魔師の連中は、神仙寺に集まっとるらしい、中澤、お前なら
そこに何があるか知っとるやろ」中澤は寺田にそう言われ考えた。
中澤の実家は京都なのだ。「神仙寺と言うと・・・あっ、和泉守兼定!」
「その通りや、土方歳三の愛刀がある、その刀なんやが、これがどうも
名前こそ和泉守兼定やが、実は破邪の剣らしい。その為封印されとるんやが
その封印をとく鍵が、奪われた殺生石なんや」
「破邪の剣ってこの前、村田が言ってたやつですか?」中澤は聞く。
「そうや、土方は生前その力を使いこなせなかった。だが今は違う。主天童子と
一体となった奴なら、その力をフルに引き出せる筈や」
「それじゃあ、奴らの次の目的地は、京都」
「おそらく、退魔師の連中も、それに気が付いたから戦力を集めてるんやろ。
ついに、奴らが本格的に動き出したって事やな」寺田は言った。
295 :
名無し:03/01/16 22:38 ID:yr0UTlaM
ついに主天童子が動き出した。その情報がM刑事のメンバーに伝わっている頃、
何も知らない、お気楽なメンバーがいた。日光にいる紺野達だ。
「車の運転も、久しぶりだからかな、なんか難しく感じるよ」ソニンは言った。
「そうじゃなくって、多分、車のせいじゃないですか?」小川が言った。
5人が乗っているのは、村田から借りた車だった。車種はマツダMPV
見た目は普通のSUVだが、車輌課村田の車だ、どう考えたってノーマルの訳が
無い。小川はその事を言ったのだ。
「そうか、どうも変なスイッチがいっぱいあると思ったよ。最近の車ってみんな
こんな感じなのかと思った」ソニンがそう言うと
「仕方ないですよ、柴田さんの車じゃ狭いし、大谷さんの車じゃ5人も
乗れないし、斉藤さん車じゃ恥ずかしいし、捜査課の人の車はあれでも一応
公用車なんですよ。だから個人持ちで大きい、村田さんの車を借りたんです」
新垣が言った。「でもある意味、一番危険かもしれんよ、MPVってこんなに
狭かったっけ?TVではもっと広い車だって宣伝してたよ」高橋が言った。
確かにこの車はノーマルのそれと比べると室内が狭い、村田が何かしているのは
間違いが無かった。「とにかく、通常走行で使う装置だけ使用していれば、問題
は無いって、村田さんが言ってたから、それだけは気をつけて下さい」
小川はソニンに言った。さらに「そのPボタンは絶対に触らないで下さいね」
紺野が付け加えた。Pボタンの恐ろしさを紺野はよく知っている。
296 :
名無し:03/01/16 23:11 ID:DWpe9hxs
「Pボタンて何なの?」ソニンが聞いて来た。「そのボタンを押すと
車がパトカーみたくなるんです。それに車自体のパワーも上がります。
それを乗りこなせるのは、M刑事でも車輌課の人とミカさん、それに多分
平家さんと保田さん、他の人はあまり使いたくないって言ってましたから。
とにかく、間違っても押さないで下さい」紺野はそう言って念を押した。
「レンタカーにすれば良かった・・・」その話を聞いてソニンが呟いた。
「今更遅いです。それに免許持ってるのソニンさんだけなんだから、頑張って
もらわんと、よろしくお願いしますよ」高橋が言った。
その後、5人はあちこち回って既に、夜になっていた。
「もう夜だし明日にしようよ」小川が言った。5人は最後に東照宮に行く予定
だったが、時間のロスが多すぎて夜になってしまったのだ。
5人は東照宮の前にいたが既に観光客は誰もいなかった。
「ほら、もう終わっちゃったんだよ。こんな時間人がいるのなんて
初詣の時位でしょう」小川が言うと「でも、あの人入っていくよ」
高橋がそう言ったので、見ると確かに一人入って行くのが見えた。
「こんな時間に、もう九時だよ」新垣が言うと「私達だって一緒でしょ、
ほら見なさい、止められた」小川は言った。確かに先ほどの人は警備員に
入るのを止められていた。「ホテルに行こうよ、チェックインの時間に
間に合わないよ」小川が言うと「ちょっと待って」紺野が言った。その時
「うわぁぁぁぁー」先ほどの警備員が吹っ飛ばされているのが見えた。
297 :
名無し:03/01/17 23:37 ID:6v2NPoXo
「大変だ!」5人は警備員に駆け寄る。「大丈夫ですか?」ソニンが聞くと
「あの男、危険だ!普通じゃない」警備員はそう言って気絶した。
男は5人を一度見ると、すぐに奥へと進んで行った。
「確かにあの人普通じゃない。って言うか人間じゃないよ」ソニンは言った。
それを聞いた紺野は「またか、私の行く先々で事件、これじゃあコナン君だよ」
嘆いている様だ。「とにかく、追いかけよう。ソニンさんその人お願いします」
小川はそう言うと男を追いかけた。それに高橋、新垣、紺野が続く。
「何処行ったんだ?」4人は男の行方を探す。「いた!」新垣が男を見つけた。
「待ちなさい!」小川が男に言った。男はその言葉が聞こえないかの様に
先へと進んで行く。「シカトかよ、上等!」小川は走り出した。そして
「待ちなさいって言ってるでしょ」男を捕まえるとそう言った。
「・・・・」男は黙っている。「もうすぐ警察が来ます。大人しくしなさい」
小川がそう言うと、男は突然小川を突き飛ばした。「きゃっ!」小川は
地面に叩きつけられた。「このやろう、よくも、まこっちゃんを・・・」
高橋はそう言うと男に殴りかかった。その時、「邪魔をするな!」
男が言葉を発した。すると、「貴方は人間じゃありませんね。ここにいる目的は
何ですか?」紺野が男に話し掛けた。その問いに男は
「もう一度言う、邪魔をするな。さもないと命は無い」と言ったので紺野は
「答えになっていません」とだけ言った。
298 :
名無し:03/01/18 22:46 ID:QqaHUosn
「答える必要など無い!それほど死を望むか?」男はそう言うと4人に近づく。
「仕方ないですね、それなら腕ずくでも・・」紺野がそう言いかけると、
「あさみちゃん・・・」高橋が声をかけてきた。「何?」紺野が聞くと、
「私達、武器持ってないよ、どうするの?」紺野は高橋に言われ自分が
丸腰である事に気が付いた。「あっ・・・・」紺野がそう言うと
「逃げよう!」新垣が言ったので紺野と高橋で小川を支え4人は逃げ出した。
「なんなんだ・・・」男はそう言うとまた歩き出した。
4人が、もと来た道を途中まで戻ると、ソニンが大きなトランクを抱えて
歩いて来るのが見えた。「ソニンさん」4人はソニンに駆け寄る。
「装備持ってきたよ」ソニンはそう言うと4人にトランクを渡した。
「あの警備員さんは?」新垣が聞いた。「救急車呼んだから、それから警察も、
もうすぐ来るよ」ソニンがそう言うと、警官が2人走ってやって来た。
「君達、ここは危険だから戻って!」警官はそう言うと奥へ進もうとした。
「行っちゃだめ!危険です!」紺野が警官に言った。
「危ないのは君達だろう。早く帰りなさい!」警官は紺野の忠告を無視して
奥へと向かって行った。「行っちゃった・・」高橋がそう言うと
「とにかく急ごう」小川は既に装備の装着を始めていた。
4人が装備を終えると、「私も行く」ソニンが言った。
「でも、危険ですよ」高橋が言うと、「これがある」ソニンの手には
T&Cボンバーが握られていた。「村田さん・・こんな物まで・・」
4人が呆れていると、奥から銃声が聞こえて来た。
299 :
名無し:03/01/18 23:12 ID:83l70etX
「まずい、行かなくちゃ。止めても無理ですよね、だったら一緒に来て下さい」
小川がソニンにそう言って5人は奥へと引き返そうとした時、
「うおぉぉぉぉ!」先ほどの警官達が逃げる様に戻って来た。
「化け物だー!」警官がそう言うと「だから言ったでしょう!」紺野が言った。
「君達も早く逃げて!」そう言われた5人は「いいえ、あなた達だけで逃げて
下さい」と答える。「えっ?」驚いた警官達は5人を見た。
「君達は?」警官の問いに、「M刑事です」小川が答えた。
「M刑事?・・・あー、M刑事!これは失礼しました。それじゃあ、よろしく
お願いします。あいつめ、これで形勢逆転だ!」警官達はそう言うと
5人と一緒に戻ろうとした。「一緒に来るのですか?」高橋が聞いた。
「駄目ですか?」警官2人は聞く。「別に構わんけど、命の保障は無いですよ」
高橋にそう言われた警官達は、「・・・ここで待ってます」と言って
その場所に留まった。「それじゃあ、お気をつけて!頑張って下さい」
2人の警官はそう言って手を振った。「緊張感無いなー」小川はそう言って
先へと走って行く。4人もその後に続く。少し走ると一体の化け物がいた。
「なんだ、戻って来たのか?ん?一人増えたな。一人増えようが邪魔する者は
始末するだけだ」どうやらこの化け物が、先ほどの男の正体の様だ。
|∧∧
|・ω・`) そ〜〜・・・
|o旦o
|―u'
| ∧∧
|(´・ω・`)
|o ヾ
|―u' 旦 <コトッ
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
|
| ミ ピャッ!
|
| 旦
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
301 :
:03/01/19 16:37 ID:JxQ+KXoD
↑また来た、圧縮が近づくとくる(?)無言保全age
結構昔からこのスレにいる人だよね?
303 :
名無し:03/01/19 22:51 ID:oujm8dm5
仕事から帰って特番見て、風呂入って、録画したハロモニ見て、今思い出した。
今日はヤバイじゃん。慌てて保全に来たら・・・みなさん、どうもです。
それでは続きです。
「お前は、鵺!ここに何の用だ?」敵はヌエ、室町の昔から恐れられている
怪鳥で虎と鳥が混ざった様な姿が特徴である。この敵に小川は今一度質問した。
「ほう、私の事を少しは知っている様だな。それでも挑んでくるか・・
貴様ら、退魔の戦士か?その姿、能力者にも退魔師にも見えん、新たな敵
そうか貴様らがM刑事とやらだな。面白い、その力見せてもらおう」
鵺はそう言うと5人に襲い掛かって来た。
その頃、本部では「中澤さん、群馬で怪物が出現との報告がありました」
石井が中澤に報告する。「群馬か、しゃあない、GMT出動や!」
中澤が言うと「待ってください。既にM刑事が現場に入ったとも言っています」
石井の言葉に「はぁー?誰が行ってんねん。みんなおるで」中澤が言うと
「しかし、M刑事5人が既に戦闘中とか・・・」石井が言うと
「詳しい場所は?」保田が聞く。「おそらく、日光!」石井は答える。
「紺野達だ!」矢口が言った。「でも、5人なんでしょ、数が合わないよ」
石川は言う。「そう言われればそうやな・・ん?まてよ、まさかあいつら・・」
中澤はそう言うと「確かソニンも一緒やったな、あいつら、ソニンまで
巻き込んでるんちゃうやろな」と慌てて携帯をダイヤルした。
304 :
名無し:03/01/19 23:44 ID:FjgXYPik
思ったよりスレは乱立してませんね。これなら大丈夫ですかね。
六期メン加入、彼女達がどうなるのか?藤本の複雑な表情がなんとも。
春になれば、少しは解るのかな、でもその時は・・・
続きです。
舞台は戻って日光、高橋の携帯が鳴った。「もしもし?」高橋は携帯を手する。
既にその時、戦闘は始っていた。
(中澤や、高橋、今何処で何やってんねん?)電話の相手は中澤だ。
「あっ、中澤さんですか、お疲れ様です」(アホ、そんな挨拶はええから、
居場所教えろ!今何処やねん?)「すいません、今、東照宮ですよ。
それで、ここ来たら鵺がおりまして、今、まこっちゃんとあさみちゃんが
戦っとります」(はぁー、やっぱりお前達だったか・・・って、ヌエ?お前ら
なんちゅうやつ相手にして・・・でも他におらんもんな、解った、とにかく
無茶するんやないで、こっちからすぐ応援出すから、そうやなー、とりあえず
30分頑張ってくれ、そうすれば何とかなると思う)
「解りました。でもそっちからどうやって30分で来るのですか?」
(説明しとる暇は無い。あっ、それからソニン!一応民間人なんやからあまり
無茶な事させんなや)中澤はそう言うと電話を切った。
「民間人?どう言う意味やろ?」高橋は携帯をしまうと戦闘に加わった。
そしてまたまた本部、「裕ちゃん?なんかおかしくない?」保田が言った。
「何が?」中澤が聞く。「何がって・・・ソニンちゃんを逃がせとか
そう言うのかと思ったよ」保田は言う。「そんなもん、今更遅い、それより
あやかとミカは何処行った?」中澤はあやかとミカ、2人を呼んだ。
305 :
301:03/01/20 10:41 ID:m/6L+SXY
306 :
名無し:03/01/20 20:51 ID:2Q9gmT21
「私、呼んできます」石川は仮眠室にいる2人を呼びに行った。
続けて中澤は「石井、車輌課に連絡、零号体制や!」と指令を出す。
「は?零号体制?」石井が聞くと「車輌課はそれで解る。急げ!」中澤が叫ぶ。
そして更に内線電話で資料課に連絡をする。「中澤や。里田にフル装備で出動
出来る様に伝えてくれ」その時あやかとミカが入って来た。
「休んでる所悪いな、緊急や、零号倉庫開けるで」その言葉を聞いた2人は
驚いた顔を見せた。そして「中澤さん?本気ですか?」あやかが聞いた。
「当たり前や、急いで仕度しいや」中澤がそう言うと「何があったんですか?」
里田のフル装備出動を聞いたりんねが飛び込んで来た。
「ええから、里田に急ぐ様に伝えろ!」さらに「中澤さん、零号体制って・・」
石井の連絡を受けた斉藤が下から上がって来た。
「あーっ、どいつもこいつも、とにかく言った通りや。つべこべ言わんと
さっさと準備しやがれ!」中澤がキレた。「了解!」その場の全員が言った。
「あー、それからなっちも出動準備して」中澤に言われた安倍は「了解!」
何も聞かずに出動準備に取り掛かった。
その頃、本池下署の隅にある【零】と書かれた倉庫が村田と大谷の手で
開けられようとしていた。
307 :
名無し:03/01/20 21:19 ID:CbzvI4TT
「ホントにいいの?」大谷が村田に聞く。「いいんじゃない?」村田が言った。
「でもこれ使うのって、室長命令が無いと駄目なんでしょう?」大谷が言う。
「そうだけど、何か言われたって関係ないよ、室長より中澤さんの方が怖い」
村田が言った。「そうだね・・・」大谷はそう言うと倉庫の扉を開ける。
2人は中へと入って行った。その後に何かの機材を持った斉藤と柴田も
中へと入って行った。そして本部では
「みんな揃ったな。あやか、ミカ、里田、なっち、みんなにはこれから日光へ
行って貰う。向こうでは既に小川達が戦闘中や。だが恐らくあいつらでは
手に負えんやろ。敵は鵺や、油断するんやないで。今、斉藤達が零号倉庫で
出動の準備をしとる、準備出来次第出動や!」
中澤にそう言われた安倍が聞いた。「でもいいの?室長の許可は?」その問いに
「そんなもんあるか、事後承認や。けど問題無い。妖魔の駆除、人命救助、
仲間の援護、文化財の保護、こんだけ理由があれば十分やろ、以上や!」
中澤にそう言われた4人は「了解!」と言うと零号倉庫へ向かった。
その頃、日光の5人は、「どうしよう、こいつ強いよ」新垣が言った。
「弱音は吐くもんじゃない、理沙ちゃん頑張るんやよ」高橋が言った。
「こうなったら、コンビネーション!」小川が言うと
「トライアングルフォーメーション!」紺野が叫んだ!
308 :
第6期名無し:03/01/21 15:04 ID:l1ZUCyEg
実は「百姫夜行。」って小説スレッドが別にあるんです。「m-seek」ってとこに。
ごめんな、邪魔して。
309 :
名無し:03/01/21 23:51 ID:9Zd8DhlZ
第6期名無し様
「百姫夜行。」最初のだけ読んで来ました。続きは怖くて読めなかった・・・
参ったな実際・・・かぶりまくりですね。これじゃあパクリと思われても
何も言えない・・・とりあえず予定を早めてこの話の次の話で終わりにしよう。
いやいや、ありがとうございました。
それでは続きです。
紺野の掛け声で、小川、高橋、紺野の3人は鵺を三方から囲んだ。
「ほう、それからどうするつもりだ?」鵺は聞いた。
「教えるアホがいるか!」小川が言う。その時、紺野が動いた。
「砕魔弾天空拳!」紺野は飛び上がると空中で右手を突き出した。
その右手からは吉澤の気孔弾とも思える気の塊が飛び出した。
「なめるなー!」鵺は紺野の攻撃を難なくかわした。しかしその時、
「お前こそなめるなー!」小川が叫んだ!鵺が小川達を見た時には既に
小川、高橋、新垣が三方から一斉攻撃開始していたのだ。
「おのれ、今のは囮か!」鵺は防御の構えを見せたが、その時には3人の武器が
鵺の身体を捕らえていた。「ぬっ、見事だ!だがこの程度の攻撃、取るに足らん
私を倒すつもりなら、もっと強力な力が必要だぞ!」
3人の一斉攻撃をまともに喰らったにも関わらず、鵺はさほどダメージを受けて
いなかった。それどころか、3人にアドバイスをする余裕さえあるのだ。
「紺野ちゃん、これどうやって使うの?」鵺が3人に話をしている頃
その後ろでは、ソニンに紺野がT&Cボンバーの使い方を教えていた。
終わっちゃうの?
ショボ〜ン
ぅええ〜っ!?やめないでよぅ…
つぃのけーき、あげますからぁ〜
つぃ、いいこにしますからぁ〜
つーかマジで、あっちは板が違うどころか2chじゃないんでしょ?
いいじゃん、いいじゃん続けちゃおうよ。
11月の終わりからずっと見てたんだから。
312 :
名無し:03/01/22 23:07 ID:znffMccT
>>310.311
ありがとうございます。なぜ同じ感じなのか?原因が解りました。
元ネタが恐らく一緒。ここはベースが「孔雀王」「風使い」なのですが
キャラの設定はその二つの他に「魔界都市ハンター」「魔界学園」の二つ。
その原作が恐らくあちらで書かれている菊池氏の作品だと思います。
しかしながら、話の設定が、かぶってる物もあるので自分が見ても
パクリに見える。今日続きを、さらっと読んで更にそう思いました。
ただ、そう言っていただけるのなら、続けてみます。なので
あちらは「幽○白書」こっちは「烈○の炎」みたいな感じで読んでいただければ
と思います。よろしくお願いします。
313 :
名無し:03/01/22 23:52 ID:QeyqeoNS
続きです。
その様子を見た鵺が言った。「そこの2人、何をしている。さっきは電話をして
今度は武器の使い方か?随分余裕だな」
鵺にそう言われ「余裕じゃない、必死なだけだ!」小川が言った。
「まこっちゃん、まずいよ」新垣が言うと「ふはははは・・ふざけたやつらだ。
お前らみたいなやつらは初めてだ。気に入った。どうだ手を組まんか?」
鵺の誘いに「断る!馴れ合いはしない!」小川が言った。
「まあそう言わず聞け」鵺はそう言うと話を始めた。
「主天童子は知っているな?奴は人間だけで無く我々も滅ぼすつもりだ。
私は奴と戦う為、ここに来た。徳川の秘宝を手に入れる為にな。
その秘宝は我々妖魔のパワーを倍増する。それを手に入れれば奴など
私の敵ではない。どうだ、一緒にやらないか?」鵺の言葉に
「その後はどうするおつもりですか?」ソニンが聞いた。
「どうとは?」鵺の問いに「貴方の中に途轍もなく邪悪な物が見えます」
ソニンがそう言うと「ふふふ・・お前達もバカではないか・・・残念だ
やはりここで死んで貰うしか無さそうだな」鵺は言った。
「そう簡単にやられませんよ」紺野はそう言うと構えた。
314 :
名無し:03/01/23 00:30 ID:hFaWqCXK
「デルタアタック!」小川が叫ぶ。小川、高橋、紺野の連携技が炸裂する。
その時、「そんな物は、もう通用しないぞ!」鵺は翼を広げ羽ばたいた。
「しまった、奴は空を飛べるんだ!」小川が思い出した様に言った。
「ここまでは来れまい。迂闊だったな!」鵺が言うと、「喰らえー!」
ソニンがT&Cボンバーを放った。ドーン!発射された波動は鵺には当たらず
近くの木を直撃した。「やっばー、怒られる」ソニンが言うと
「大丈夫ですよ、みんなあいつのせいにしちゃえばいいんです」高橋が言った。
それを聞いた鵺は「お前達・・・人のせいにするのは良くないぞ」と言った。
「さっきから緊張感が無いよ」小川が言うと「そう?」紺野は気にしていない。
「とにかく死ね!」鵺が空中から攻撃を始めた。
「この状況は不利だよね、もう一発行く?」ソニンが言うと「やめて下さい」
小川が言った。すると「私、自信無いけどやってみる」新垣は言った。そして
「鷹羽飛翔!」と叫ぶと、空へ舞い上がった。「鷹爪針!」新垣は空中で
攻撃を開始した、だがあまり効果は無い様だ。更にすぐに降りてしまう。
滞空時間は短い様だ。「飛べる訳じゃないのね」ソニンが言うと
「はい、ただのジャンプです」新垣が言った。
「さっきから訳の解らん事を・・・いいかげんにしろ!」
鵺がそう言った時、微かなモーター音が聞こえて来た。
315 :
名無し:03/01/23 00:54 ID:eztEiLLo
「なんやろあれ」高橋はその音を発している飛行物体を指差した。
「解らない・・・でもこっちに来る、危ない、来ちゃ駄目!」
紺野の叫びも空しく、その飛行物体は近づいて来る。
「邪魔だな、始末してやる。」鵺はそう言うとその物体目掛けて飛んで行った。
「どうしよう・・・」5人が心配していると物体は二手に分かれた。
いや元々二機だったのだ。その二機は鵺をかわすと回り込んだ。
そして、その物体から何やら飛び出した。「双龍天空斬!」
5人の耳には確かにそう聞こえた。「安倍さん!」飛び出したのは安倍だった。
そう、援護に来た4人が到着したのだ。安倍達が乗って来たのは、
【Uジャイロ】2人乗りの小型ヘリでU−COPが使っている物だ。
M刑事はこの「Uジャイロ」を「マルチカム」の技術と引き換えに、
二機U−COPから譲り受けた。小型ヘリだがそのエンジン音は驚くほど静かで
その排気ガスは地球にやさしい。
だがこのヘリは、スピードはかなり出る。更に小型なので操縦が難しい。
その操縦はマシン専門の車輌課ですらもてあまし、M刑事で操縦が出来るのは
アメリカで使っていた、あやかとミカの2人だけなのだ。
316 :
名無し:03/01/23 01:17 ID:psD1iDaW
「双龍天空斬!」安倍は槍を高速で回転させ、それこそヘリコプターの様に
滞空しながら攻撃を始めた。回転させている槍はそのまま武器にもなるのだ。
更に「白鷲滑空!」今度は里田がもう一機から飛び出した。
里田は背中に何か羽の様な物を装備している。それをグライダーの様に使い
滞空時間を稼いでいた。2人の空中攻撃は鵺をてこずらせた。
その間にUジャイロが地上に降りてきた。「お待たせ!」ミカが言った。
「お待たせって、ここが良く解りましたね」小川が言うと
「あっ、戦闘が始ってすぐに中澤さんから電話があった。すっかり忘れとった」
高橋が言った。「忘れたって・・・」紺野は呆れている。
「とにかく2人を援護しないと」あやかが言った。「でもどうしよう」
紺野が言うと「あら、ソニンちゃん、いい物持ってるじゃない」ミカが言った。
「私に貸して」ミカはそう言うとソニンからT&Cボンバーを受け取った。
「ターゲット、ロックオン!・・・・シュート!」ミカは引き金を引いた。
ドーン!「ぬおぉぉぉぉぉ・・」今度は鵺を直撃した。
T&Cボンバーの波動をもろに食らった鵺は、その飛行能力を失った。
317 :
名無し:03/01/23 15:15 ID:joPoN7Cq
「ぬかったわ!お前達を甘く見すぎていた様だ」地上に降りた鵺は言った。
「観念する?今なら封印で勘弁してあげるけど」ミカが言った。
「情けは受けん。私とてかつては闇の王と恐れられた妖魔、プライドがある」
鵺が言った。「そう、だったら滅びなさい、双龍天降!」安倍はそう言うと
空中から斬りかかった、その一撃は鵺の致命傷となった。
「くっ、ここまでか・・・だがそれも良かろう。あの世もここより良かろうて。
お前達はどうする?主天童子、奴を止められるか?奴の野望、それは
この国の滅亡、生きながらにして地獄を見るか?」
鵺はそう言うと消え去った。「生き地獄?何の事やろ?」高橋の疑問には
誰も答えが出せなかった。
その頃本部では、「中澤さん大変です。京都で戦いが始りました」
西崎の連絡を受けた大谷が中澤の前に駆け込んで来た。
「・・・そうか・・・ついに奴が姿を見せる・・・あの剣は恐らく
奴にしか扱えん、その場に姿を現す筈や、主天童子・・・」
中澤がそう言った時、「中澤さん、なっちから連絡です、任務完了だそうです」
石井が言った。「おう、で、鵺の目的は解ったんか?」中澤が聞く。
「はい・・・」石井は連絡を受けた事を全て伝えた。
318 :
名無し:03/01/23 20:21 ID:CNEfhZUY
「そうか、徳川の秘宝・・・それはきっと吉祥天の宝珠やな。
徳川家康があそこまでの権力を手に入れたのは、それがあったからとも
言われとるんや、その宝珠が東照宮にあるのか・・・また同じ様な事が
起こるかも解らんな。とにかく後はなっち達が帰ってからの報告待ちやな」
中澤は言った。
場所は戻って日光、「みんな良く頑張ったね。被害も最小限で済んだし
お疲れ様」安倍が5人に言った。「ありがとうございます。でもやっぱり
安部さん達が来てくれんかったら、やばかったと思います」高橋が言った。
「そう?その割には、みんな大した怪我も無いじゃない。それに思ってたより
簡単に倒せたし、噂ほどの敵じゃなかったね」安倍がそう言うと
「そうですね、そこがなんとなく引っかかるんです」紺野が言う。
「まあ終わったんだし良いでしょう」里田が言った。だがその時であった。
ドーン!メンバーのいるすぐ近くの地面が爆発した。
「何?」メンバーは辺りを見回す。「ちっ、外したか・・・」
その声は空から聞こえて来た。メンバーが空を見上げるとそこには
「うそ・・・さっき倒したのに・・・」小川が言った。
メンバーが目にしたものは先ほど倒したはずの鵺そのものだった。
「我、分身を倒したのは見事だ。だがそいつはあくまで分身にすぎん。
我力、存分に知るが良い」鵺はそう言うと先ほどの攻撃をまた繰り出した。
ミカはその攻撃をかわすと「シュート!」T&Cボンバーを放った。
波動は鵺を直撃する、だが鵺はさほどダメージを受けていない。
「効かないの?」その場のメンバーが愕然とした。
次の瞬間、何かがメンバーの脇を横切った。
「破ぁぁぁぁぁー!」見るとそれは一人の男、鵺に対して攻撃を仕掛けた。
「滅!」男はそう言うと持っている武器で鵺をバラバラにした。
「凄い・・・」その光景を見ていたメンバーはただ呆然と見守るだけだった。
319 :
名無し:03/01/23 21:10 ID:MraFkSod
「雑魚め・・・」鵺を簡単に倒した男はそう言うと振りM刑事達を見た。
「貴方は・・・」安倍が聞くと、「ふん・・・女、子供の出る幕ではない
引っ込んでろ!・・・と言いたい所だが、私の名は不動!虚空山の退魔師だ」
男は言った。「虚空山・・・ですか?」紺野が聞く。
「いかにも、虚空山の不動だ。お前達妖魔退治の者に見えるが知らんのか?」
不動と名乗る男は聞く。「虚空山なんて知らんわ」高橋がきっぱり言った。
「・・・これは驚いた。退魔を生業とする者が虚空山を知らんとはな。
お前達は何処の者だ?」不動が聞いて来た。
「何処の者って、あえて言うなら警察省?」安倍が言った。
「警察?お前達警官か?」そう言われ「いいえ、私達はM刑事です」
あやかが答えた。「M刑事だと・・・そうかお前達が、噂は聞いている。
とにかくここは我々虚空山が守りに就く、お前達は帰っていいぞ」
不動がそう言うと「やっぱりここには秘宝があるんですか?」紺野が聞く。
「うむ、宝珠と呼ばれる霊力を持った石が眠っている。先ほど奴もそれを
狙ってここに来たのだろう。我らの到着が遅れたので危ない所だったが
分身とはいえ良くぞ戦ってくれた。礼を言うぞ」不動は言った。
「仕事ですから・・・それよりあなた方が守りに就かれると言う事は
これからもここは狙われると言う事ですかね?」安倍が聞くと
「恐らく、お前達も知っていると思うが、主天童子の出現により妖魔の力の
バランスが最近崩れはじめている。かなり危険な事態と言えよう」
不動は言った。
320 :
名無し:03/01/23 22:12 ID:MrVaoYiz
「そうですか、ところで不動さんはM刑事の存在をどう思います?」
安倍が聞くと「そんな事を聞いてどうする?」不動が反対に聞いて来た。
「いえ、私達はその、退魔師の人達からあまり良く思われていない様な気が
するんでどうなのかなー?って」安倍の言葉に不動は笑い出した。
「はははは・・・そうか、そうだったな。だか我々虚空山を奴らと一緒にするな
我らは実力のある者なら誰でも認めるぞ。その点では私はお前達の力は
本物だと考えている。吹雪童子を倒したのはお前達だ、奴ほどの妖魔を
倒すとなると我ら虚空山の中でも、その力を持つものはそうはいない。
それに金童子を丸め込んだ奴がいるそうじゃないか、そんな事をやった奴の
話など聞いた事が無い。そんな事が出来るのはきっとお前達だけだ」
不動の言葉を聞いた紺野が笑いながら言った。「別に丸め込んだ訳じゃ・・」
「ん?なんだ違うのか?金童子は敵では無くなったっと聞いたぞ」
不動が言うと、「いや、何と言ったらいいか・・説得に応じたと言うか・・」
里田があの時の事を不動に話した。「ふっ、なるほどな。だが面白いではないか
そんな事する奴など何処にもいないと思うぞ」不動はそう言うと紺野を見た。
「紺野とかいったな、お前みたいな奴は初めてだ。M刑事も大した連中が
揃ってるではないか。あんな腐った連中の言う事など気にするな。
お前達は、お前達のやり方でやってみろ」不動は言った。
321 :
名無し:03/01/23 22:43 ID:7tKMX5nB
「はい、ありがとうございます。頑張ります」紺野は言った。
「ところで、お前達の名前を聞いてもいいか?」不動がそう言ったので
その場のメンバー8人+1人はそれぞれ名前を言った。
「そうか、解った。それでは次に会う時まで元気でな」不動はそう言うと
連れてきていた部下に指示を出した。
「不動さんもお元気で、さよなら」メンバーはそう言うと帰ろうとした。だが
「いや、ちょっと待ってくれ」不動が引き止めた。「何か?」安倍が聞くと
「いや、その、なんだ・・安部さん、その良かったら・・この戦いが終わったら
その・・食事でも一緒にどうかな?」不動が言うとその場は大爆笑!
「ははは・・不動さん、随分大胆なナンパだね」高橋が言うと
「ホントに、でもおじさんじゃ、安部さんもきついよ」小川が言った。
「お、お前達、失礼だぞ、私はこう見えても26だ!」不動が言うと
「えーーー!」この言葉にはM刑事のメンバーだけでなく不動の部下でさえ
驚いていた。確かにこの男は老けていた。どうみても30代後半から40代
26にはとても見えなかった。「なんだ、お前達まで、知らなかったのか?」
その言葉に部下の一人が言った。「すいません、でもそれじゃあ、私と一つ
しか変わらないって事ですか?この部隊じゃ最年長だけど驚いたなー」
そんな中安倍が言った。「別にいいですよ、戦いが終わったら・・・そして
お互いが生きていたら・・・楽しみにしています」
安倍の言葉にその場の笑いが止まった。
322 :
名無し:03/01/23 23:15 ID:ExFv5C02
お互いが生きていたら・・・この安倍の言葉はその場の全員が重く受け止めた。
「ふふ・・確かにそうだな、お互いが生きていたら・・か、あんたもキツイな」
不動がそう言うと安倍は笑った。そして「それじゃあ、失礼します」
そう言ってこの場を後にした。場所は変わってM刑事本部。
安倍達も戻っていた。「いやー、怒られた、怒られた」
中澤が寺田の所から戻った。「おっ、なっち達、戻ったか、お疲れさん」
安倍達は中澤に事件の報告をした。「そうか、虚空山も動き出したか、それで
紺野達はいつ帰るって?」中澤が聞くと「予定通りだって」安倍は言った。
「そうか、あいつらの話も聞きたかったんやけど・・・」中澤が言うと
「裕ちゃん、それじゃあ、あの子達がかわいそうだよ。たまにはゆっくり
させないと、明後日には帰るんでしょ?」飯田が言った。
「そうやな、そん時でええか。ただな、さっき室長が言ってたんやけど
京都の方は、すぐに敵が引き上げたらしいんや。もう何がなんやら。
なんちゅうか、こう巨大なパズルがバラバラで、でも主天童子で繋がっていて
だけど、どう組み合わせたらいいのか・・・うーん、解らん!」
主天童子の出現、それに連動した妖魔の動き、今の所バラバラだ。
だが、M刑事、そして能力者の西崎、さらに退魔師の不動、これらの人間関係が
バラバラになっている巨大なパズルを一つにして行く。
主天童子との戦いも近いのかもしれない。
323 :
名無し:03/01/23 23:34 ID:nZBf1GL0
おまけ
「ところで、中澤さん、聞いてくださいよ」ミカが言った。
「何や?」中澤が聞くと「実はですね、戦いが終わった後なんですが、
安部さんがですね・・・」ミカが言いかけると
「ちょっと待ったー」安倍がミカを止めた。「何やの?」中澤が言うと
「ううん、なんでもないよ。気にしないで・・」安倍は言った。
「気になるやんかー、教えてーな」中澤は言う。「だからなんでもないの」
安倍が言うと「教えろ言うてるやろー!」中澤の口調が厳しくなる。
「だから・・・」安倍がそう言いかけると「里田、あやか、何なんや!」
中澤は2人を睨みつけた。「はい、あのですね、安部さんが退魔師に
食事に誘われてました」中澤にびびった里田が言ってしまった。
「あーもう、言わない約束でしょう」安倍はその場に座り込んだ。そして
「ミカー!」ミカに突っかかっていった。ミカは逃げた。「待てー」
安倍はミカを追いかけて部屋を出て行った。
「何や、そんな事かいな。なっちの事だから上手い事はぐらかしたんやろ?」
中澤が言うと「そうなのかな?」あやかは安倍が言った事を中澤に聞かせた。
「それがあの子のやり方や、まあそれがなっちなんやけどな・・」
中澤はそう言って笑った。
【邪悪狩人M刑事】第十四話・パズル・終了!
小説みつけたhozen
325 :
名無し:03/01/24 23:44 ID:4XeEIpGW
おっ!また一人、よろしくです。
ここで最終にしようかと思いましたが、続けさせていただきます。
お蔵入りが無くなった続編、ネタバレ必至!
【邪悪狩人M刑事】第十五話・鬼神・
最近何かと変わった事件が多く、忙しいM刑事のメンバー、だが通常の捜査も
しっかりとやっているのだ。この人、飯田圭織は特に・・・
この日も飯田は、会議が終わると最近某所で噂になっているオバケ騒動の
調査に出かけた。「ここか・・・」飯田は現場に着くと、早速オカルトファンを
装い近所の聞き込みを開始した。
「あのー、すいません、最近ここでオバケ騒ぎがあるって聞いて来たんですが」
飯田は現場近くにいた主婦らしき人物に話かけた。
「なんだい、またかい。最近、あんたみたいな子がいっぱい来ててね。
何があったのとか、どんな奴が出るのだとか、そりゃもう、ひっきりなしさ」
(聞く相手を間違えたかな?)飯田はそう思い、その場を立ち去ろうとした。
「ご迷惑でしたか?ごめんなさい」飯田が帰ろうとすると
「ちょっとお待ちよ、迷惑だなんて言ったかい?私だって見たんだ、
その話でよけりゃ、いくらでも話してやるさ」その女性は言った。
326 :
名無し:03/01/25 00:23 ID:Qz0ZzU4S
「立ち話もなんだから、あそこに入ろうか、あんたのおごりだよ」
その女性はそう言うと近くの喫茶店に入って行った。
(ちゃっかりしてるんだから)飯田はそう思いながらも一緒に店に入った。
「まったくあんたも物好きだね。何がそんなに面白いんだい?私は昔から
ここに住んでるけど、あそこは怖いとしか思った事がないね。
それにほら、あそこはあんた達みたいなオカルトマニアって言うのかい
そんな子達の間じゃ、メジャースポットなんだろ?私も良く話を聞かれるのさ
そんな話をしている内にすっかり、名物おばさんみたいになっちまってね」
(やっぱり聞く相手を間違えた・・・)飯田はそう思いながら言った。
「あのー、それでオバケの話なんですが・・・」
「ああ、ごめんね、それで何が聞きたいんだい?あの塚の話しかい?
それとも怪物の話?」おばさんはやっと本題に入った。
「出来れば両方お願いします」飯田は言った。
「解った、それじゃあ、塚の話からしようか。あの塚は、あんたも知ってると
思うけど平将門の首塚でね、昔から将門の霊が出るって噂のある塚なんだよ
でも私は将門の霊なんて見たこともない、違う怪物なら何度か見たけどね」
「怪物ですか?」飯田は聞く。「そうさ、あれは怪物だよ。それとも妖怪って
言うのかね、とにかく普通の生き物じゃあないね。それがさ、
いつも違うんだよ、出てくる怪物が。前までは大人しかったんだけどね
ここ最近かな久しぶりに怪物が出てね。私は怖くなって家に逃げ帰ったのさ」
「そうですか、それでその化け物っていつ頃から目撃されてます?」
飯田が聞くと「そうだねー、若い頃に何度か、それから結婚したからだろう、
その後はしばらく見なかったんだけどこの前のが一番最近見たやつだね」
「そうですか、出来れば私も見てみたいんで、出たら連絡くれます?」
飯田はそう言うと自分の携帯番号をおばさんに渡した。
「そりゃ構わないけど、あんたも物好きだねー」その後しばらく飯田は
おばさんの世間話につき合わされ、やっと帰る事ができた。
327 :
名無し:03/01/25 22:36 ID:1xt5XP3r
おばさんと別れた飯田は、もう一度首塚に戻った。そしてその周辺の
調査を開始した。ただ、今回の調査はいつもの調査と違っていた。
飯田の捜査方法は、今までに培った経験と勘で行う事が多い。
今回の捜査はそれがあまり期待できないので、飯田は本部を出る時、車輌課から
ある機材を借りてきた。その名も「Mアナライザー」これは簡単に言うと
普段M刑事が使用しているレーダーの強化版とも言える物で、その場の
温度や湿度はもちろんの事、磁場や波動、その他諸々を数値として記録出来る。
「それじゃあ、早速」飯田はMアナライザーのスイッチを入れた。そして
「・・・・あれ?これどうやって使うんだっけ?」使い方はここに来る前に
村田から聞いて来た。しかし、その使い方もおばさんの長話ですっかり忘た。
「うーん・・・駄目だこりゃ」飯田はそう言うとスイッチを切った。
「仕方ない・・・」飯田はその場の波動を肌で感じ取ろうとした。
「特におかしな所はないかな、でも・・・」飯田はそう呟くと現場を後にした。
「ただいま戻りましたー」飯田は本部に戻って来た。
「お疲れさん」部屋には中澤と平家しかいなかった。
「あれ、みんなは?」飯田が聞くと、「主天童子の動きも無いしな、みんな
他の捜査に出とる」中澤が言った。「そう・・・」飯田はそう言うと
自分のデスクに座った。
平家保全
329 :
名無し:03/01/26 23:43 ID:/ctRUTz7
「で、調査はどうやったん?」中澤が聞いて来た。
「うん、霊波は感じられたけど悪い波動じゃないし、特にこれと言って無いかな
聞き込みも大した結果は得られなかったし」飯田が言うと
「そうか、もっともあそこはメジャースポットやし、霊も集まり易いやろ。
招霊場とでも言うんやろか、そんな場所やからね」そう中澤が言った時
「あっ、お帰り。どう使えた?それ・・」大谷がやって来てMアナライザー
の調子を聞いて来た。「まだ、試作段階だから色々試して貰わないといけなし
どうだった?」大谷がそう言うと「ごめん、使い方忘れちゃって・・・」
飯田が言うと「えっ、じゃあ電源も入れなかったの?」大谷は言った。
「スイッチは入れたんだけどその後が解らなくて・・・」飯田はすまなそうに
そう言うとMアナライザーを大谷に渡した。「そう・・・でもスイッチは1回
ONにしたんだね。だったら・・・」大谷はそう言うとMアナライザーの電源
を入れ何やら操作を始めた。そして「おお、OK、OK、ちゃんと記録してる」
大谷はそう言うとMアナライザーのディスプレイを飯田に見せた。
「こいつはね、スイッチを入れればある程度は勝手に情報を記録するの、
だからほら、細かくは記録してないけど大まかな数値はこうして見られる」
大谷はそう言うとデータをプリントアウトした。
330 :
名無し:03/01/27 00:05 ID:YyT6kR8n
「えーと・・・特に大きな問題は無いか・・・ん?あっ、中澤さんこれ・・」
大谷はプリントアウトしたデータをチェックして何かを見つけた様だ。
それを中澤に見せた。「なんか問題有りか?」中澤はそう言ってデータを見る。
「ここの・・・磁場の数値の所、磁界がバラバラなんですよ。これって
よくある事なんですか?」大谷は聞いた。「うーん、うちにはよう解らんなー
聞いてみるわ」中澤はそう言うと内線であさみを呼び出した。
「これなんやけど、こんくらいの磁界のずれは許容範囲なん?」中澤は聞いた。
「そうですねー、自然界でないことはないですが、めずらしいかも。
後、考えられるとすれば、何者かがセンサーみたいな結界を敷いている。
強力じゃないから、注意しないと解らないと思うけど」あさみは言った。
「そうか、もし仮にそのセンサーみたいな結界やったとしたら何の為に
仕掛けてるのか、目的とか解らんか?」そう聞かれたあさみは、
「なんとも言えないですね。これだけじゃ」あさみはそう言うと大谷を
見て言った。「こっれて何処のデータ?」そう聞かれた大谷は
「さっき圭織が、平将門の首塚の辺りで取ってきたデータ」と答える。
「ふーん・・それじゃあ、もしかして・・」あさみがそう言うと
「何か思いあたるんか?」中澤は聞いた。
331 :
名無し:03/01/27 21:11 ID:XAy7/+j0
「確信がある訳じゃないですが、その塚自体が何か磁気を帯びている可能性は
あると思います。後は・・・」あさみはそう言って大谷を見ると
「この機械が壊れてるとか!」あさみにそう言われた大谷は「何だと?・・
うーん、でも否定は出来ないなー」そう言うとまたしても何か操作を始めた。
そして、「あっ、やっぱおかしいかも・・・」大谷は今この場のデータを
測定したが、やはり磁界のデータがおかしかった。
「すいません、点検してきます」大谷はそう言うと下へ降りて行った。
「何や、間違いかいな。人騒がせな」中澤がそう言うと
「そう言えば気になる事が一つあった」飯田は言った。
「何や?」中澤に聞かれ、「あのね、さっきの機械が使えなかったから
少し瞑想したんだ、そうしたら、何て言ったらいいのか・・・誰かを
呼んでるって言うか、なんかそんな感じがした」飯田がそう言うと
「はぁ−?圭織なに言ってんねん。よう解らんわ」中澤がそう言うと
「圭織お得意の交信ってやつ?で誰を呼んでるの?」平家が聞いた。
「・・・解らない、ごめん」飯田が言うと「飯田さん、それって霊の声かも
しれませんよ」あさみが言うと、「だったらうちらの管轄外やがな」
中澤はそう言って笑った。
332 :
名無し:03/01/27 21:47 ID:X6ZDLWIt
そしてその夜の事、飯田の携帯が鳴った。「もしもし?」飯田がでると
(もしもし、飯田さんかい?私だよ、解るかい?)昼間会ったおばさんからだ。
「はい、出ましたか?」(そうなんだよ、出たんだよ。今ならまだいるから
すぐにおいでよ。私は怖いから家から出ないけどね。それから何があっても
私は知らないよ)「解りました、ありがとうございます。すぐ行ってみます」
(気を付けなよ、いつもと様子が違うみたいだから、それじゃあね)
おばさんはそう言うと電話を切った。
「裕ちゃん、私行って来るね」飯田はそう言うと現場に出かけた。
現場に到着すると、そこは人っ子一人いない。しかし、そこにはおばさんの言う
怪物が数体、確認出来た。飯田はその怪物に近づいた。すると
「・・・ん?人間か、こんな所に一人で来るとはバカな奴だ」
怪物が言う。その姿はまたしても鬼の様相、それを見た飯田は言った。
「お前たちも鬼の、いや、主天童子の仲間だな」その言葉を聞いた鬼は
「貴様、ただの人間ではないな。まあ良いわ、その質問に答えてやろう。
確かに我は主天童子の配下、幾縞童子、そう言うお前は?」
鬼は飯田に聞いて来た。「私はM刑事、飯田圭織、いくしま童子と言ったな
お前達はここで何をしている?」飯田は幾縞童子に聞いた。
333 :
名無し:03/01/27 22:12 ID:FJ79xjIp
「ふん、言わずと知れた事、今更説明もいるまい」幾縞童子は言った。
「解らないから聞いてるんでしょ」飯田が言うと「ふははは・・お前面白いな
話には聞いていたがM刑事とやらは、みんなそうなのか?ここにある力の
事を知らんとはな、お前達は本当に吹雪童子を倒したのか?信じられん」
幾縞童子がそう言うと「私が直接やった訳じゃないけど吹雪童子を倒したのは
確かに私達M刑事、なんか文句あるの?」飯田は言った。
「どうやらM刑事とやらもピンきりらしいな、まあ良い、そこまで聞きたいなら
教えてやる。ここは平将門の首塚、将門はかつて鬼神とまで言われた武将、
その霊力は今もなを衰える事は無い、その力を手に入れれば下級妖魔でも
その力が格段に上がるだろう。したがってここにそれを求めやってくる
愚かな妖魔もいる様だが、所詮は下級妖魔、全て将門の霊力に負け
消えて行った。我はその霊力を手に入れる為ここに来たのだ」
幾縞童子がそう言うと「バカにしたな、ピンきりってどう言う意味?」
飯田が言うと「お前、つっこみ所が違うんじゃないか?」幾縞童子は言った。
「あっ、そうか。でその霊力、あんたなら大丈夫な訳?」飯田は言った。
「見損なうな、我とて鬼の仲間、そこらの下級妖魔とは違うわ!」
幾縞童子は言った。
334 :
名無し:03/01/27 22:47 ID:Nwebxa/A
「って事は、あなたはまだその力を手に入れて無い訳だ。だったらそれを
やらせる訳には行かないね」飯田は言った。「邪魔をするつもりか?
我に勝てるとでも思っているのか?」そう言われた飯田は
「どっちにしたって、いずれはあなたと戦う事になる。だったら今のうちに
やっつけるのが当たり前でしょ」と言った。
「確かにその通りだな、だが邪魔はさせん、邪魔をするなら死ね!」
幾縞童子はそう言うと、その場にいるグールに攻撃を指示した。
「やってやる、雷神降臨!」飯田はそう叫ぶと両手を突上げた。
飯田の両腕に稲妻が走る!「ほう、雷を操るか、少しは出来る様だな」
幾縞童子は言った。「見てなさい、こいつら一気に片付けてやる」
飯田はそう言うと両腕を前に突き出した。そして、「爆雷閃塵!」と叫ぶ。
飯田の両腕からは無数の稲妻が迸り、グール達を襲った。
稲妻をまともに喰らったグール達は全て焼き尽くされた。
「どうやらお前の力は我が思っていたより上の様だな。面白い存分に来い」
幾縞童子はそう言って飯田の攻撃に備えた。
藤岡ほじぇん
336 :
山崎渉:03/01/28 13:56 ID:3mTZ7UF2
∧_∧
ピュ.ー ( ^^ ) <これからも僕を応援して下さいね(^^)。
=〔~∪ ̄ ̄〕
= ◎――◎ 山崎渉
337 :
名無し:03/01/28 22:43 ID:ZfPY0izA
「随分余裕じゃない。思い知らせてやる」飯田はそう言うと右手を突き出す。
「雷の槍!」飯田の腕から鋭い稲妻が飛び出した。
「ぬ!この程度か?我の見込み違いか」幾縞童子は飯田の攻撃を
避け様ともしない。「その余裕は、はったりじゃなさそうだね」
飯田はそう言って今度は両腕を握り締め構えた。
「爆雷破百手刀殺!」飯田の両腕がスパークする。その両腕で素早く連続突きを
繰り出した。そう、この技は紺野の得意技。それを飯田が自分の雷と組み合わせ
更に強力な技にしたのだ。そしてこの攻撃は確実に効いていた。
「くっ、やるな、能力者が格闘で来るとはな。油断したわ」幾縞童子の言葉は
飯田を怒らせた。「私は能力者じゃない!あいつらと一緒にするな!」
そう言って次の攻撃をしようとした時だった。飯田の手足が動かなくなった。
「・・何?一体が起こったの?」飯田は何が起こったのか解らなかった。
「しばらく大人しくしていて貰おうか」飯田の後ろから声が聞こえた。
手足が動かなくなったと言っても振り返る位は出来た。
後ろを見るとそこにはもう一体、鬼が立っていた。
「幾縞童子よ、いつまで遊んでいるつもりだ。もう時間だぞ」その鬼が言うと
「螺刹童子か、一体何しに来た?」幾縞童子は言った。
338 :
名無し:03/01/28 23:10 ID:y9+8P5MJ
「何とはご挨拶だな、苦戦している様だから助けたまでだが」螺刹童子が言う。
「何のつもりだか知らんが邪魔をするな。さっさと消えろ」幾縞童子が言った。
「まあそう言うな、それよりいいのか?もうすぐ時間だぞ」螺刹童子が言うと
「お前に言われんでも解っておるわ」幾縞童子はそう言うと塚に近づいた。
(こいつが螺刹童子・・・一体何しに?えっ?声が出せない!・・それより
幾縞童子は何をすりつもり?あーもう!)飯田はイラつきながらも見守るしか
無かった。そして幾縞童子が塚に触ると塚が突然光出した。いや正確には
霊光とでも言うのだろうか、その光は恐らくある程度の霊感を持つ者でないと
見る事は出来ないだろう。(何が始るの?)飯田のイライラは更に増した。
「圭織だったな、よく見ているが良い。もっともその状態じゃ見ているしか
無いだろうが、これが将門の霊力だ」幾縞童子がそう言うと
塚の霊光は更に増した。幾縞童子はその光を取り込もうとした。しかし
「うおぉぉぉぉ!」幾縞童子はその光に弾き飛ばされた。
「やはりな、お前では無理だったか、だが今日を逃すとまたしばらく待たねば
ならん。だったらその力、私が頂こう」螺刹童子はそう言うと塚に近づいた。
「おのれ、それが狙いか!」幾縞童子は立ち上がるのが精一杯だった。
「悪く思うな」螺刹童子はそう言って塚の光を取り込もうとした。だが
「なにぃー!」なんと、螺刹童子までもが光の力に弾き飛ばされたのだ。
339 :
名無し:03/01/28 23:38 ID:fq5e0exr
「馬鹿な!こんな筈では・・・」螺刹童子が言うと
「ふはははは・・・螺刹童子よ、どうやらお前にも無理だった様だな」
幾縞童子は笑った。その時、「あなた達みたいな妖魔にその力が取り込める
訳ないでしょう。」そんな声がした。飯田は声のする方を見た。
(平家さん!)そこにはいつの間にか平家が立っていた。
飯田がもがいていると「圭織大丈夫?・・な訳ないね。ちょっと待ってね」
平家はそう言うと飯田の身体に念を送った。
「平家さん!」飯田の身体に自由が戻った。
「ふん、お前もM刑事か。2人まとめて片付けてやる!」螺刹童子はそう言うと
2人に襲い掛かって来た。「圭織、行くよ!」平家はそう言って応戦した。
「地龍鞭!」平家の鞭が地を這って螺刹童子に襲い掛かった。
「させるかー!」螺刹童子の腕から火炎が噴出した。
お互いが攻撃をかわして間合いを取った時、塚の光が形を成して行った。
「平家さん、何か変だよ」飯田はその異変に気付き平家に言った。
その声に反応して平家ばかりでなく、螺刹童子と幾縞童子も塚を見た。
「しまった!」平家が言うと「どうしたの?」飯田は聞いた。
「将門の霊が目を覚ました。暴走する前に止めないと」平家は言った。
340 :
ヘケヲタ:03/01/28 23:46 ID:MWjSz0ra
キタ――■――■―――――――――■――――――――■―――■―――――!!
キタ――■―――■―――――――■―■――――――■―――――■――――!!
キタ――■――――――――――■―――■――――――――――――■―――!!
キタ――■―――――――――■―――――■―――――――――――■―――!!
キタ――■――――――――■―――――――■―――――――――――■――!!
キタ――■―――――――■―――――――――■――――――――――■――!!
キタ――■――――――――■―――――――■―――――――――――■――!!
キタ――■―――――――――■―――――■―――――――――――■―――!!
キタ――■――――――――――■―――■――――――――――――■―――!!
キタ――■―――――――――――■―■――――――――――――■――――!!
キタ――■――――――――――――■――――――――――――■―――――!!
キタ――■―――――――――――――――――――――――――――――――!!
341 :
第6期名無し:03/01/29 14:57 ID:dlltIz/g
>309
はっ、ひょっとして俺余計なことしてしまったのですか?
まあいいか、続いてるみたいだし(←おい)。
342 :
名無し募集中。。。 :03/01/29 15:10 ID:Jzdj2+38
平家も出せ。
343 :
名無し:03/01/30 00:59 ID:zKXrSkNN
>>341 私の勘違いみたいですね。すいません。
>>342 今からみっちゃんの活躍です。
それでは続きを
「お前達にそんな余裕があるのか?」螺刹童子はそう言ってまたしても火炎を
出した。「あー、もう、邪魔をするな!」平家が言うと「そうはいかんな」
螺刹童子は言った。「お前達にあの力は操れない、諦めなさい」
平家はそう螺刹童子に言った。「黙れ!指図は受けん!」螺刹童子はそう言うと
更に攻撃を続けた。「・・・騒がしい奴らめ・・・」光はいつの間にか
人の形となっていた。「我名は親王将門。眠りを邪魔する者は死ね」
光は将門の霊の様だ。「邪魔はしてないよ。悪いのはあいつらだ」
飯田は鬼達を指差した。「・・・鬼か・・・我を取り込もうとは愚かな・・・」
将門の霊は言った。「圭織、今のうちに封印の用意して」平家が言うと
「させるかー!」幾縞童子が飯田に襲い掛かった。
「お前も死ねー!」螺刹童子は平家を突き飛ばした。二体の鬼の前に
平家も飯田も必死だったが追い込まれた。「止めだ!」二体の鬼はそれぞれ
2人に一撃を加え様としたその時、「やかましい!」将門の霊が
鬼達を払い退けた。
344 :
名無し:03/01/30 01:24 ID:e6PurVbO
今度は将門の霊が、平家と飯田を見る。飯田が身構えると
「親王様、私達は貴方様の味方です。ぜひお力添えを」平家が言った。
「味方だと?それを証明出来るのか?」将門の霊は言った。
「ご覧下さい。あやつらは鬼、妖魔の仲間です。私達は人、これで証明に
なりませんか?」平家は言う「そんなのは証明にならん。確かな証を見せろ」
将門の霊は言った。「平家さん、無理だよ」飯田が平家に言った。すると
「・・・平家だと?」将門の霊は言った。「そうだよ。私、平家じゃん」
平家はそう言うと将門の霊に言った。「親王様、私の名は、平家みちよ。
平家の末裔です。私は今、この国を荒らす鬼達と戦っています。
ですが、今の私は力不足で、歯が立ちません。どうかお力添えを」
平家がそう言うと、将門の霊は平家をじっと見つめた。
「・・・平家の血・・・確かに偽りは無いな。国を荒らす不届き者か、
面白い、みちよ、我力お前に託そう・・・」将門の霊はそう言うと鬼達みて
こう言った。「国を荒らす不届き者達よ、我らが平家の力、とくと見るが良い」
将門の霊はそう言うと、光となり平家の身体に飛び込んだ。
「平家さん!」飯田が叫ぶ。「大丈夫!みてなさい」平家はそう言うと構えた。
345 :
名無し:03/01/30 01:47 ID:A4YK9+nT
「太陽の子供達よその力を示せ!八門召喚!」平家は叫んだ!
空には八つの門が現れた。「ばかな・・・八門だと!・・まずい」
螺刹童子はそう言うと姿を消した。「開け!天王の門!」平家がそう言うと
空の門の一つが開いた。「持国天招来!」平家が叫ぶと門の中から四天王の
一人、持国天が姿を現した。持国天は手にした武器で幾縞童子を串刺しにした。
「信じられん・・・八門退魔術だと・・・伝承者がまだいたとは・・」
幾縞童子はそのまま消え去った。と同時に空の門も消えた。
「平家さん!」飯田は平家に駆け寄った。「大丈夫?」飯田が聞くと
「自分でも信じられないけど平気みたい。ご先祖様のおかげかな?」
平家は言った。「そう言えば、あの光、平家さんの身体の中に入って行ったけど
何ともないの?」飯田が聞くと「うん、特に問題はないみたい。ただ前より
気が充実してるって言うか、八門使っても平気だし、大丈夫でしょう」
平家はそう言うと笑った。
346 :
名無し:03/01/30 22:11 ID:KHme5qEz
「螺刹童子、逃げられちゃったね」飯田が言うと「うん、でも一体は仕留めた。
今回はそれで十分でしょう」平家が言った。
「あいつらの仲間、沢山いるのかな?」飯田の問に「覚悟はしとかないとね」
平家は答える。2人は首塚を見つめた。そして「帰ろうか・・・」
本部に戻った平家は念の為検査を行う事になった。
「はい、それでは始めますよ」既に夜も遅かったがソニンが呼ばれ霊視を行う。
「ごめんね、日光で事件に巻き込んだり、こんな遅くに来てもらったり」
飯田がソニンに言った。「別に気にしてませんよ。私も好きでやってますから」
ソニンが言うと「でも、お家の仕事とか差し障りあるでしょう」飯田は言った。
「そんな事無いです。別に手伝ったからって給料が出る訳じゃないし、
それに比べたらここは、働いた分ちゃんとバイト代くれるし」ソニンが言うと
「そうなの?知らなかった。私はボランティアだと思ってたよ」飯田は言う。
「私は別にどっちでもいいんですけど、少し前に中澤さんが室長さんに頼んで
くれたみたいで、最近はお手当てが出るんです。家の仕事もお客さんが
来れば良いわけだから、何も毎日手伝う必要は無いんですよ。
それに昨日はここの人達が、何人かお店に来てくれたんですよ。
母も、変な在庫が無くなった、って喜んでました」ソニンがそう言うと
「変な在庫・・・石川か・・・」飯田が呟くとソニンは笑って頷いた。
347 :
名無し:03/01/30 22:49 ID:WgvsNlfv
そんな会話をしていたソニンの態度が急に変わった。「うそ・・・凄い!」
ソニンの言葉に「何?・・何か問題あるの?」平家が不安な顔で聞いた。
「ごめんなさい、少し驚いたので、大丈夫、問題ないですよ。ただ、平家さんの
霊力が物凄く高まっているのに驚いたんです。守護霊も変わったみたいだし」
ソニンが言うと「そこまで解るの?凄いなー。じゃあさ、その人誰だか解る?」
飯田が聞くと「うーん、かなり身分の高い人みたいですけど、誰だろう・・
有名な人なんですか?」ソニンは聞く。「歴史の教科書に出てくる様な人だよ
それにたどれば平家さんのご先祖様みたいな人だよ」飯田は言った。
「平家さんのご先祖?それって平氏の人ですか?まさか・・・鬼神将門!」
「ピンポーン!」飯田がそう言うと「凄い!ホントですか?なるほど、それなら
納得です。今の平家さんの力は中澤さんや稲葉さんにも負けない位ですよ。
それにしても、将門って、ほらあの首塚の噂とか、色々あるから
悪霊かと思ってましたけど違うんですね」ソニンは言った。
「それは噂やろ」そこに中澤が入って来た。「うちらに力を貸してくれるんや
良い霊に決まっとるやないか。それにしてもみっちゃんに追いつかれたか、
悔しくもあり、嬉しくもありやな」中澤はそう言って平家を見た。
「その内追い越すよ」平家が言うと「おっと、うちもうかうかしておれんな」
中澤は言った。
中澤・稲葉より下だったのか(w
349 :
名無し:03/01/31 10:42 ID:FaiMP+3M
>>348 川o・-・)<ドラクエで言うならMPだと思って下さい。書き人もあまり
考えていなかったのでそれ以上の言い訳が思い浮かばないようです。
その後、石黒によるメディカルチェックも終わり、平家の検査は終了した。
「この戦いが終わるまで、力を貸してくれるといいんだけど」平家が言うと
「大丈夫みたいです。信じましょう」ソニンは言った。
「今回の件は鬼は一体倒したし、みっちゃんのパワーUP。これも重要やけど
それ以上に学ぶ事があったな」中澤が言った。「何?」飯田が聞くと
「最近のうちらは、攻撃力の事しか考えておらんかったけどなんちゅうかその、
持久力みたいな訓練も必要やな。一気に力を使い果たしてそこで終わりじゃ
どうにもならん」中澤は言った。「でもどうすればいいの?」飯田が聞くと
「そうやなー、手っ取り早いのはみっちゃんみたいに出来ればいいんやけど
そうは上手くいかんし・・・彩っぺ、なんかいいアイディアないん?」
中澤が石黒に聞いた。「霊力のUPか、多少の事なら気のコントロールで
どうにかなるけど、根本的になるとあの人しかいないね」石黒は言った。
「やっぱりそれしかないか・・・しばらくは大変やな」中澤は言った。
350 :
名無し:03/01/31 13:27 ID:ykiKfA8j
上はIDまで言い訳してるみたいでやだな。
日付は変わり次の日、「と言う訳で、みんなには技だけでなく、精神面と
霊力のUPも頑張って貰いたい。そこで先生を頼んだ。明日から始める
からそのつもりで、ええな」中澤言った。「裕ちゃん、先生って誰?」
矢口が聞く。「みんなよーく知ってる人や」中澤が言うと「まさか・・・」
安倍はそれ以上言わなかった。すると「うん、その人や」中澤が言う。
「本当に?参ったな・・・」安倍が言った。「あのー、私解らないんですけど」
石川が言うと「夏先生に決まってるじゃん」矢口が言った。
その瞬間、メンバーの表情が固まる。この夏と言う人物はM刑事なら、いや
警察庁特務部の人間なら誰でも知っている人である。
名前は、夏まゆみ。特務部に配属されるとまず誰でも彼女の指導を受ける。
その特訓は基礎体力作りから始まり、現場での心構えなど彼女の指導は
主に精神面が鍛えられる。中澤はその精神力を鍛えなおし更なる霊力のUPを
狙っている様だ。「どうや、嫌でもやる気になったやろ」中澤は笑った。
351 :
名無し:03/01/31 21:16 ID:N1G6SwPY
まちげーた350は警察庁じゃなくて警察省です。
「って事はもちろん裕ちゃんも特訓に参加するんだよね?」保田が聞く。
「いや、うちは遠慮する、調べる資料もあるし・・・」中澤が言うと
「裕ちゃんずるい!」飯田が言った。「うちは大丈夫やから・・・」
中澤が言いかけると、「全員参加!」部屋の入り口で声がした。
そこには夏が立っていた。「おはようございます!」メンバー全員
久々の敬礼をして挨拶する。「夏先生、訓練は明日からじゃあ・・」
中澤が言うと「今日からです。早いほど良いでしょう。室長の許可も貰いました
全員着替えて訓練場に集合!」夏は言った。
「でも全員じゃ緊急連絡とか受ける人間がいないから、私残ります」
稲葉が言った。「全員って言ったでしょう?連絡なら大丈夫です」夏は言った。
「へ?」稲葉が言うと「みんな、頑張ってね」石黒がソニンを連れて来た。
「こっちは私とソニンちゃんがいるから、何も気にせず頑張って」
石黒は言った。「それじゃ下で待ってるから」夏はそう言うと部屋を出た。
「うそや、うちらまで・・」稲葉が言うと「諦めるしかないな」中澤が言った。
「だってあの人は鬼やで、これやったら吹雪童子相手にしてるほうがましや」
稲葉が言うと「鬼・・・なんか鬼神は将門より夏先生の方が似合ってるかも」
石川が言うと「ほんまやね」稲葉が言った。
こうしてM刑事の更なる特訓が始った。
【邪悪狩人M刑事】第十五話・鬼神・終了!
hozemu
353 :
名無し:03/02/03 00:19 ID:4zQG/HB9
【邪悪狩人M刑事】第十六話・ファーストコンタクト・
「室長!どう言う事ですか?」中澤の声が響き渡る。
「部長からの命令だ。どうする事も出来んのや」寺田は言った。
「だからって、それじゃあ、私達が今やってる事は無駄になります。
それに私からはとてもそんな事・・・みんなに言えません!」中澤は必死だ。
「解っとる、みんなには俺から説明する。そやからみんなを集めてくれ」
寺田にそう言われ、中澤は地下にいるメンバーの下へ向かった。
M刑事の活動休止命令が出たのは今朝の事だ。その為中澤は寺田に呼ばれた。
その話を寺田から聞いた中澤は激怒した。しかし今回は珍しく特務部の部長が
直々に出した命令だった。その為寺田も今回は強くは出れなかったのだ。
中澤は悔しさを押し殺すとメンバーに言った。「室長から話がある、みんな
会議室に集合や」中澤はそう言うとすぐに戻った。
「どうしたんだろう?裕ちゃん何か変だったよ」安倍が言う。
「フラれたんじゃない?」矢口が言うと「そんな感じじゃないよ」保田は言う。
メンバーは中澤の様子がおかしい事に気が付いたがとにかく会議室に向かった。
354 :
名無し:03/02/03 14:58 ID:a0PgSRJH
メンバー全員が集まると、寺田は話を始めた。
「突然やが今朝、M刑事の活動休止命令が出た」寺田の言葉にメンバーが驚く。
「何で?」「室長!」「・・・・」会議室はざわめいた。
「静かに!お前らも言いたい事はあるやろうけど、まずは聞いてほしい。
これは特務部の部長直々の命令や。部長も上から突然言われたらしい。
まあ誰がどう動いての事かは、大体見当つくんやけどな」寺田が言うと
「私達にこれ以上動かれては困る連中がいるって事ですね」保田が言った。
「その通りや。おまえらは意識しとらんかも解らんが、こちらの世界では
最近の目玉はやはり主天童子とその一味、こいつらをどうするか?
それが一番の課題や。しかし、あいつらからしてみれば赤口衆の事や
京都での事件その他、あいつらと遭遇しながら被害は出ても成果が無い。
反対に俺らは、特に狙って行っている訳でも無いのに奴らと出会い
既に二体の鬼を既に葬っている。金童子に至っては仲間と言っても
過言ではないやろ。普通に考えればどちらが優秀か?一概には言い切れんが
今の段階であれば世間はやつらを否定するわな。それを危惧しての事やろ」
寺田は言った。「そんな・・・だって私達は自分達の仕事をやってるだけで
上の邪魔をしてる訳じゃ無いじゃないですか」飯田が言った。
「その通りやな。だがそれを解る様な連中じゃない。おまえたちは国から奴らに
出てる助成金はどれ位か知っとるか?俺らの年間の予算のざっと十倍!
もっとも退魔師や能力者の数を考えたら妥当な数字やが全ての人間に
それが渡っているとはとても思えん。早い話がそう言う事や」寺田は言う。
355 :
名無し:03/02/03 15:21 ID:1Bd2Wtp/
「一部の人間が潤っているって事ですか?」安倍が聞く。
「そう言う事やな。現に大谷の彼氏はスキー場でバイトしとるんやろ?」
寺田が言うと「彼氏じゃありません!何回言ったら解るんですか!」
大谷は言った。「すまん、すまん、でもバイトは事実やろ?」寺田が言うと
「確かにそうですね。西崎さんの仲間の人達も、みんな何かしら仕事を
してるって聞いてます」大谷は言った。
「現実はこう言う事や。そこへM刑事に活躍されたら政府はどう思う?
俺らだけでもそこそこの守備範囲があるんや、同じ様な組織が
あと五つもあれば用は足りる。実際はそう簡単にいかんやろうが政府が
そう判断する事も十分に考えられる。それで上から圧力をかけてきたんやろ。
表向きは、俺らの安全を考えてとの事やが、実際はそうやない」
寺田は言った。「アホくさ!」「ばかばかしい」稲葉と平家が同時に言った。
「それで?M刑事はどうなるんですか?解散ですか?」中澤が聞く。
「いや、あくまで活動休止や。組織自体が無くなる事はない」寺田が言うと
「一緒じゃないですか、何が違うんですか?」中澤が食って掛かる。
「だから、M刑事としての活動が休止になっただけや」寺田が言った。
「はぁー?」大半のメンバーが訳が解らないと言った表情を見せた時、
「つまり、M刑事としては活動しちゃ駄目だけど、個人的に勝手に動くのは
OKって事ですよね?」紺野が言った。その言葉に寺田は薄笑いを浮かべた。
356 :
名無し:03/02/03 15:45 ID:YzLUZ7wD
「お前たちはこれからしばらくお休みや、事件があれば上が引き受けてくれる。
その間にお前たちが何をしようとお前たちの自由や。以上で終わりや」
寺田はそう言うと会議室を出て行った。
「そうか、そうだよね。仕事が無いって事は逆に動き易くなる、室長も
最初からそう言ってくれれば良いのに」安倍は言った。
「気が付かんかった。確かに考え方を変えればそう言う解釈もできるわな、
室長も立場上そうはっきりは言えんかったんやろ。
面白いやないか、この状況を逆手に取ってやろうやないか」中澤は言った。
「それじゃあ、私達で主天童子をやっつけるんですね」石川が言うと
「当たり前や、これ以上なめられてたまるか!」中澤が言う。
「あのー・・・」そこに紺野が何かを言おうとした。
「何や紺野、自分で言い出しといてやだとか言うんやないやろな?」中澤は言う
「いえ、そうじゃ無くて、装備とかはここのを使っても良いと思いますが
その他の資金はどうするんですか?活動休止って事は給料も出ないって事
ですよね。生活費とかは保障してくれるかもしれないけどそれ以上は
望めませんよきっと、そうなると必要経費はどこから・・・」
紺野がそう言うと「あっ!そうだよ、お金。どうしよう?ローンの返済とか」
矢口が言うと「ちょっと聞いてくる」中澤は寺田を追った。
357 :
名無し:03/02/03 16:00 ID:mHDyjkl2
しばらくすると中澤は戻って来た。そして
「一応休止期間は給料無しらしい。でも今までの苦労やなんやらでそれに
対しての慰労金として毎月今までの半分は支給してくれるらしい」
中澤が言うと「まあ、当面は貯金とかあるしローンとかも何とかなりそうだけど
厳しいね」保田が言った。すると中澤が言った。
「それでな、じゃあどうすればいいのか聞いたんやけど、それは知らんて
自分らで考えろって言われた。後は車輌課に相談しろって」
中澤がそう言ったのでメンバーが車輌課の4人を見た。
「えっ?一体何の事?」斉藤はそう言ったが明らかに動揺している。
「斉藤、おまえなんか隠してるな?言え!」中澤が言うと
「だから、何の事ですか?」斉藤は言う。すると
「そう言えば車輌課の予算て結構かかってるんじゃないの?あれって
M刑事の予算からで足りてるの?」平家は言った。
「そうか、前田!車輌課の予算は?」中澤にそう言われて前田は答えた。
「ふふふふ、なるほどな!今まで考えた事も無かったが、あれだけの装備
この予算じゃ足りんわな。言え!一体何処から出とるんや?」
中澤に言われ車輌課は観念した。
358 :
名無し:03/02/03 16:34 ID:ej7Jg4/O
斉藤は通帳を持ってきた。そこにはかなりの額の貯金があった。
「うわ、こんな金何処から・・・凄いやないか」中澤が言うと
「ほとんどが今まで開発した装備の特許料、その特許をアメリカの企業とかに
売って、そのお金です。でも私達は個人的になんか一銭も使ってないよ」
斉藤が言うと「そんな事解っとるがな、少ない予算の中で出来るだけみんなに
良いものを使ってもらう為に必要やったんやろ?それやったら誰も文句なんか
言わんで、なあみんな」中澤が言うとみんな頷いた。
「それにしてもよくもまあこんなに、なんで黙ってたん?」中澤が聞くと
「一応公務員だし、バレたらヤバイから4人で黙ってようって、もちろん
室長にも言わなかったし、そうすれば万が一バレても私達が責任を取るだけ
で済むし、みんなには迷惑かけたくなかったし・・・」斉藤は言った。
「ったく、アホやなー、でも、ありがとう。これ使ってもええんやな?」
中澤は4人に聞く。「その代わりバレても、もう私達だけの責任じゃないですよ
それでもいいんですね?」大谷が言った。「当たり前や、どうせこの先
処分は受けるんや、勝手に動くんやからな。それやったら派手に行こう
やないか、抜けたい奴は今のうちやで、誰も文句はいわん、誰かおるか?」
中澤の言葉に誰も動かなかった。
「そうやろうと思ったが、みんなええ度胸しとる。さすがや!」
中澤はそう言うと円陣組むように言った。
「敵は主天童子や、必ずしとめるんや、ええな!」中澤はそう言うと叫んだ。
「ファイティング、ストライキング、エキサイティング!」
メンバーも続く。「ファイティング、ストライキング、エキサイティング!」
今、彼女達の心が一つになった。
359 :
名無し:03/02/03 21:01 ID:XEFRVZp8
「さてと、気合入れたんはええけど、どうしよう?」中澤は言う。
「お休みって言って良いのか解らないけど、それって今日からだよね?」
飯田が言った。「多分そうやと思うけど、何から始めたら良いのやら」
中澤は言った。「私達は装備の点検と整備があるから行くね」斉藤はそう言うと
車輌課のメンバーと下に降りて行った。
「それじゃあ、私達は情報収集しようか」りんねはそう言うとあさみと里田を
連れ部屋を出た。「それじゃあ残りは特訓と言う事で・・・」稲葉が言うと
「・・・・いつもと一緒じゃん・・・」平家は言った。
午後になり昼食も済ませたメンバーは休憩室にいた。
「なんだか久しぶりにのんびりしてるね。眠くなってきた」矢口が言った。
「ホントやな、これじゃ何かだれるなー」中澤が言った。
「って言うかさ、裕ちゃんがここでぼけっとしてるなんて、ホント久しぶりに
見た様な気がするよ」飯田が言う。「そう言えばそうだね、裕ちゃん、
いっその事、今のうちに彼氏でも探したら?」安倍が言った。
「それもええなー、とりあえず本池下署の人達と合コンでもやるか」
中澤は言った。すると「お前らシャキっとせんかい!」そう言ったのは
吉澤だった。「おっと、イカン。ボケてる場合ちゃうがな」中澤は言う。
その時大谷が部屋に入って来た。
360 :
名無し:03/02/04 23:57 ID:qRiEnXjh
「中澤さん、今後の予定って決まってるんですか?」大谷は聞いた。
「別に決まっとらんけど?」中澤が言うと「だったら栃木行きましょうよ。
みんなで、ほら、この前の日光東照宮の警備、西崎さん達が今度担当する
らしいんですけど、活動休止の話したら人手が少ないから手伝ってくれって
どうせやること無いんだし、手伝いません?」大谷が言うと
「栃木か、そうやな行ってみるか」中澤は言った。
「それじゃあ、すぐ連絡しますね」大谷はそう言うと部屋を出て行った。
次の日、M刑事一行は栃木に入っていた。
「なんだか遠足みたいだね。みんなで出かけるなんて初めてじゃない?」
矢口は言った。「ホント、残ってる子達には悪いけどそんな感じだね」
安倍が言った。矢口はみんなと言ったが本部に残っている者もいた。
今回こちらに出かけて来たのは、捜査課と車輌課の全員それから
中澤とあさみだ。平家、稲葉、りんね、里田、あやか、石井、前田、石黒は
お留守番、とりあえず万が一を考え本部に待機しているのだ。
栃木に来ているメンバーは車で移動しているがM刑事の車輌なのでかなり
怪しい、それにGMTの3人はバイクなので更におかしな集団になっていた。
361 :
名無し:03/02/05 00:30 ID:1Qpk9QNg
先頭を走る保田の車、これには保田と中澤それに大谷と飯田が乗っていた。
「大谷、警備は夜からやろ?それまではどうするん?」中澤が聞いた。
「とりあえず能力者の人達と合流します。なんか近くに宿が取ってあるって
言ってましたから、そこに行きます」大谷が言うと
「そうか、まっゆっくり行こうや」中澤は言った。
その後ろを走るMMKのビートル、こちらにはミカ、矢口、安倍、市井が
乗っていた。「まさか、こんな大勢で出かけるなんて思ってもみなかったよ」
市井が言うと「遊びじゃないけど、なんだか楽しいね」安倍が答えた。
更にその後ろを走るの村田の車、乗っているのは村田、あさみ、石川、加護、辻
の5人、「やっぱり稲葉さん達にお土産買って行かないとかな?」
石川が言った。「遊びに行くわけじゃないけど、買ってった方がいいかもね」
あさみが言う。「あんた達、気が早いね」村田は言った。
その後ろを走るのが柴田の車、搭乗者は柴田、吉澤、小川、新垣、
「編隊かっけー!」吉澤が言った。「なんだか、戦争に行くみたいですね」
小川が言う。「確かに、珍しい光景だよ」柴田が言った。
その後ろは斉藤の車、メンバーは斉藤、紺野、高橋、の3人
「よく考えると、この集団って怪しいですよね」紺野が言った。
「そんな事ないでしょう、普通だよ」斉藤が言うと
「とんでもない、普通じゃないですよ。特にこの車、明らかに浮いてます。
ヤンキー車みたいですよ」高橋が言った。
「そう?結構気に入ってるんだけど」斉藤は言った。
そしてその集団の最後にバイクが3台ついて来ている。
後藤、松浦、藤本の3人だ。集団はそのまま走り続けた。
栃木といえばサウンドプラネット
作者さんはヘケヲタ?
363 :
名無し:03/02/05 22:03 ID:Tp/Cz70M
>>362 書き人はメロンが好きです。特にまさお。話の登場回数から紺野かと思われる
様な気がしてたのですがそうでもないか。栃木を強調しているのは
昨日今までのを読み返して十四話で日光を群馬と書いている事に気がついたので
バレない様にフォローしたつもり・・・って言っちゃ意味ないじゃん。
それでは続きを・・・
しばらく走り続け、一行は指定された宿に到着した。
「お疲れ様です。お待ちしてました」出迎えたのはもちろん西崎。
「こんにちは、みんな連れてきましたよ」大谷は言った。
「いやー、助かります。こんなに大勢で本当にありがとうございます」
西崎が言うと「中澤です。よろしくお願いします」中澤が挨拶した。
「裕ちゃん、はやっ!」矢口が言うと「何か言った?」中澤が言う。
「いや、なんでもないよ」そう言うと矢口は逃げた。
「それじゃあ、みんな紹介しますね」大谷はメンバーの紹介を始めた。
メンバー紹介が終わると西崎の案内でメンバー全員宿へと入って行った。
364 :
名無し:03/02/05 22:35 ID:hO7T0k85
宿に入ると西崎の仲間が待っていた。
「それじゃあ、僕の仲間も紹介します」西崎は仲間の紹介を始めた。
みな、火、水、風、土などの能力者だが人数が少ない。
「以上です」西崎が言うと「えっ?ここにいる6人の方だけですか?」
中澤が聞いた。「そうです」西崎は答える。
「そうです。って西崎さんを入れたって7人じゃないですか、どうして?」
中澤は更に質問した。「・・・これが現状です。虚空山の人達は退魔師ですが、
事実上はあなた達と同じで独立しています。ですから連合が仕切らないと
面白くないんですよ、上の連中は。それで僕達が指名されたんですが、
人数が少なくてとても警備を変わるなんて言えなくて、みなさんに
協力をお願いしました」西崎がそう言うと「連合?」中澤は聞く。
「ああ、連合って言うのは大概の退魔師と能力者が所属している組織で
僕達が「上」って言ってる連中です。皆さんを仕切ってる奴らと一緒ですよ」
西崎は言った。「なるほど、それじゃあ、虚空山の人たちは・・・」
今度は大谷が聞いた。「はい、連合には所属していません。協力関係では
ありますが、今回の申し出に素直に応じてくれるかどうか・・・」
西崎は自信無さそうに言った。「そんな交渉まで現場でやるの?」矢口が聞くと
「はい、全て任せるって、ホント・・・無責任ですよ」西崎は言う。
「そうですか、だったら交渉は私らに任せて貰えませんか?」中澤は言う。
「えっ?お願いできるんですか?」西崎は驚く。
「はい、任せて下さい。いざとなったら切り札のなっちもいるし」
中澤はそう言うと薄笑いを浮かべた。
365 :
名無し:03/02/05 23:35 ID:PRsUR2lC
夕方になり一行は交渉の為、東照宮を訪れた。
「待て、ここはこの時間は既に立ち入り禁止だ!」虚空山の兵隊が
一行の行く手を阻んだ。「すいません、僕は能力者の西崎です。連合の使いで
来ました。ここの責任者の方はいらっしゃいますか?」西崎がそう言うと
「連合だと?誰が来ようが関係ない帰れ!」門番の兵隊は言った。
「しかし・・」西崎が言いかけると「うるさい!さっさと帰らんか」
門番は聞く耳を持たない。「まいったな・・・」西崎が言うと
「すいません、取り次いでもらえませんか?お願いします」中澤が言った。
「いやー、いくら女性の頼みでも聞けませんな」門番は言った。
「そこを何とか・・・」中澤が言うと「駄目です」断固拒否された。
「仕方ない、なっち頼むわ」中澤に言われ安倍が前に出てきた。
「おや?貴女は確か・・・安倍さんでしたな。先日は隊長が失礼しました。
そう言う事なら・・・おい、隊長呼んで来い」門番は隣にいた人物に言った。
しばらくするとその呼びに言った人物ともう一人が走ってきた。
「おー、安倍さん、よく来てくださいました」走ってきたのは不動だった。
「こんばんは、不動さん、今日はお願いがあって来ました」安倍が言うと
「はい、何でしょう?お役に立てる事でしたらなんなりと・・」不動は言う。
366 :
名無し:03/02/07 22:04 ID:FPen7a29
安倍は不動に事の詳細を話した。
「・・・うーん、そうでしたか。でも今回は安倍さんの頼みでも難しいですな。
私も虚空山からの指令で動いてますから。そちらのお話が解らない訳でも
ないですが、こちらにも事情がありますので」不動は言った。
「駄目ですか?せっかく来たのに・・・」安倍が言うと
「よし、解りました。だったらこうしましょう。私の部下にも休みを与えたい
所だったので、その分の補充と言った形でいきませんか?
つまり、共同で警備にあたるのです」不動の申し出に西崎は言った。
「ありがとうございます。それで結構です。じゃあ、共同って事で」
話はまとまり共同での警備が始った。それは正しい選択であった。
もし仮にどちらか一方だけが警備にあたっていたら恐らくかなり酷い事に
なっていたに違いない。これから起こる事件によって・・・
ほじぇん
368 :
名無し:03/02/08 22:58 ID:XTcq59Mr
共同警備とは言っても、メインはやはり虚空山のメンバーで固められていた。
虚空山の退魔師は、一応僧侶である。しかしながらその活動は退魔業が主で
そこに属する者は厳しい修行に耐え抜いた猛者ばかりである。
女性との接点もあまり無い為かM刑事メンバーがいる場所は手の空いた
虚空山の人間が集まっていた。もっとも車輌課の持ち込んだ機材にも興味が
あったのかも知れない。
車輌課のメンバーはセンサーをあちこちに仕掛け、それを集中してモニター
出来るようにした。テントを張りコンピューターを置き、そこでセンサーの監視
を行うのである。監視はあさみと石川が行っていた。その横で車輌課のメンバー
が機材の点検などを行っている。さらに他のメンバーもそこにいたので
ある意味その場所が休憩所みたいになっていたのだ。
「お前達、何やってるんだ!」不動がその場にいた虚空山の兵隊に言った。
「いや、この設備に興味があったもので・・」兵隊の一人が言うと
「確かに凄いな、退魔の仕事もハイテクの時代か・・変わったな」不動は言う。
「それほどでもないですよ。これだってまだ実験段階ですから」あさみが言う。
「そうか?けっこう役に立ちそうだが?」不動が言うと
「経験を持つ人間にはかないませんよ」斉藤が言った。
369 :
名無し:03/02/08 23:19 ID:XwljwaZO
「完全な実用までは時間がかかるって事か、大変だな。しかしこの前の
鵺に放った一撃は凄かったな。あれはどれかな?」不動の質問に
「これです」大谷がT&Cボンバーを見せた。
「ほう、こいつか、これは実用レベルだろう」不動が言うと大谷は大きく頷き
「わりと自慢の一品です」と言った。
「凄い機材か・・・だが目的はそれだけではあるまい?」不動は部下達を見る。
「はははは・・・」虚空山の兵隊達は力なく笑う。そこに
「それだったら不動さんも同じじゃないですか?ちゃっかり安倍さんの
横にいるし、さっきも何か話してたの見ましたよ」高橋が言った。
その言葉に兵隊達は不動を見た。「・・・あまり迷惑をかけない程度にな・・」
不動はそう言うと持ち場に戻って行った。
そんな事が繰り返され何事も無く5日が過ぎようとしていた時であった。
仕掛けてあったセンサーが一斉に反応を示した。
「えっ?全部が反応してるの?」石川とあさみが驚いた次の瞬間、
「総員戦闘準備!」不動の声が響いた。
370 :
名無し:03/02/09 21:50 ID:Hfj0UQY5
不動の声に別の場所いた中澤が走って来た。
「何や?敵か?」中澤の問いに「外のセンサーが全部反応しています」
あさみが答える。「囲まれたんか?」中澤が言うと「多分・・」石川は答えた。
「よっしゃ、うちらも戦闘準備や!ぬかるなよ!」中澤の声に「了解!」
メンバーは戦闘態勢を整えた。
「不動さん、よく解りますね」安倍が不動に言った。
「これだけの邪気、数が多そうですよ。気をつけて!」不動は言った。
「来ます!」石川がそう言うと無数のグール達が塀を飛び越え中に入って来た。
「数が多いがぬかるな!何としても守りきれ!」不動の激が飛ぶ。
東照宮の守備隊は敵と交戦状態になった。
「正面の門、新たな敵です!」あさみがモニターを見ながら言った。
「私達、応援に行きます」安倍、柴田、村田、高橋が走った。
「こっちはさっさと片付けるよ!」飯田は雷撃を放った。
「一気に始末します」大谷、斉藤、新垣がT&Cボンバーを構えた。
「みなさん、下がって下さい!」3人の射程圏内にいる守備隊に新垣が言った。
「ファイヤー!」大谷の掛け声で3つのT&Cボンバーは一斉に放たれた!
371 :
名無し:03/02/09 22:14 ID:9KXMhUHa
T&Cボンバーの閃光はその場の敵を消し去ったが射程圏外の敵が新たに
現れ、その空間はあっという間に埋まった。
「数が多すぎる。でもやるしかない!」飯田はそう言うと「雷鳴乱舞!」
と叫んだ。飯田の腕から稲妻が伸び、その稲妻が広がる。
稲妻は十数体のグールを捕らえると一気に焼き尽くした。
「我らも遅れをとるな!」不動の声に虚空山の兵隊は素早く動くと
次々に敵を倒して行った。
一方、正門の前では人狼の群れと三体の鬼が立っていた。
「親方様、どうやら敵は虚空山みたいですな」一体の鬼が言った。
鬼は三体と言ったが一体は他の二体と比べると身体が一回り大きい。
その大きな鬼が親方様と呼ばれていた。どうやら大将らしい。
「構わん、突撃だ!」その大将の鬼が言った。
「解りました。人狼達よ。行け!」子分格の鬼は人狼に言った。
そこに、「ここから先は進ませはせん!」虚空山の兵隊が現れた!
372 :
名無し:03/02/10 13:35 ID:A2IASIl9
「わざわざ死にに来たか。良かろうすぐに地獄に送ってやる。やれ!」
鬼の命令に人狼が守備隊に襲い掛かる。
「破ぁぁぁぁー!」虚空山の兵は持っていた武器を振り回し応戦する。
虚空山の善戦により人狼の進攻が止まった。
「やるな、だがここまでだ」子分格の鬼の一体がそう言うと参戦してきた。
「爆魔洸!」鬼はそう言うと腕から光の筋を出した。
「ぐはぁぁ・・・」虚空山の兵隊はその場に倒された。
「ははは、止めだ!」鬼がそう言って腕を振り上げた時、
「ディスクカッター!」「飛翔の剣!」村田と高橋が鬼に攻撃した。
「新手か、ふん、虚空山にもおかしな奴がいる様だな」鬼はそう言うと
2人に攻撃を仕掛ける。そこに「そいやー!」安倍の槍が攻撃を止めた。
「えーい、邪魔な奴らだ。喰らえ、爆魔洸!」鬼はまた閃光を放った。
「Gフィールド!」村田がGフィールドを展開した。
鬼の放った閃光はフィールドに弾かれた。
「味な真似を、これならどうだ」鬼がそう言って攻撃しようとすると
「させるか!地龍潜陣」安倍は地を這うように素早く動くと
持っていた槍を振り上げた。槍先は鬼の身体を切り裂く。
373 :
名無し:03/02/10 13:55 ID:1LnDycpN
「ちっ、油断したか、だがこれ以上は好きにさせん」鬼が両腕を振り上げた。
すると、「閃条鋼旋!」柴田の鋼線が鬼の腕に絡みついた。だがその時
「あっ、待ちなさい!」村田の声が聞こえた。鬼と戦っている隙に
人狼の進入を許してしまった。「しまった、だけどここを動く訳には・・」
安倍はそう言うと槍を構え直した。
「お遊びは終わりだ!」鬼は鋼線を引きちぎると言った。
そこに今まで動かなかったもう一体の子分格の鬼が動いた。
「破ぁぁぁぁ!」鋭い掛け声と共に強力な気が4人を襲う。
その気を喰らった4人の動きは封じ込められた。「何やこれ、動けん」
高橋はそう言って他の3人を見たが皆同じだった。
「ここで大人しくしていろ!」三体の鬼はそう言うと中へ入って行った。
374 :
名無し:03/02/10 17:41 ID:DrYNv/Gi
場所は変わって中、正門を突破した人狼が飯田達の前に現れた。
「もー、グールも片付いてないのに今度は人狼、一体なんなのよ」
飯田が言うと「梨華ちゃん、ここお願い」あさみはそう言って立ち上がった。
「人狼なら私に任せて下さい」あさみはそう言うと笛を取り出した。
あさみは笛を口に当てると吹き始めた。「ポ〜♪」不思議な音色が戦場を包む
その音色が人狼に届くと人狼の動きが止まった。そして「よし、行け!」
あさみが叫ぶと人狼達はグールに襲い掛かった。
「あさみ、あんた何したの?」飯田が聞く。「この笛で人狼を操りました。
この笛は私が昔働いていた牧場のオーナーに貰った物で、犬笛みたいに
使ってたんですけど、M刑事になってから試しに一度、狼族に使ったら
上手くいって、だから人狼にも通用すると思って、大成功です」
あさみはそう言うと更に笛を吹き全ての人狼を操った。
375 :
名無し:03/02/11 22:58 ID:aULt1eT7
「あさみ、良くやった。これでかなり楽になるやないか、このまま行くで!」
中澤がそう言った時、正門を破った鬼達がついに姿を現した。
「何だこれは?人狼どもめ何をやっている」一体の鬼がそう言うと
「なんや、これはお前らの仕業かい。残念やが人狼達はうちらが操った」
中澤が鬼達に言うと「お前は、螺刹童子!」飯田が言った。
「お前達か・・先程の門の連中、虚空山にしては、おかしなやつらだと思ったが
どうやら余計なオマケがいた様だな」螺刹童子がそう言うと
先程の鬼が言った。「ほう、そうするとこいつらがM刑事とやらだな。
先程の門にいたのもこいつらの仲間か、どうりで虚空山にしては妙な連中
だと思ったわ。まあよい、全員まとめてこの弥舎童子様が片付けてくれる」
子分格の鬼の一体は螺刹童子、もう一体は弥舎(やしゃ)童子と言った。
「お前達、まさかなっち達を・・・」飯田がそう言うと
「安心しろ、今頃外で動けずもがいとるわ、もっともお前達を始末した後で
奴らも始末してやるがな」弥舎童子はそう言って笑った。
「螺刹童子に弥舎童子・・・すると後ろの偉そうな奴は・・・主天童子!
ついに姿を見せたか、待ってたで、とことんいわしたるからな」
中澤はそう言うと腰に下げていた剣を抜いた。
376 :
名無し:03/02/11 23:28 ID:vBHWh2di
「行くで!」中澤の号令一過その場のM刑事のメンバーは一斉に動いた。
そこに、「そりゃぁぁぁぁ!」不動が飛び込んで来た。
「貴様達が主天童子一味か、虚空山五大明王が一人不動、参る!」
不動はそう言うと主天童子達に斬りかかった。
「援護するで!」中澤はそう言うと不動の援護に回った。
その頃正門では「なんだべさこれ、動けないよ」安倍が言うと
「なんとかならんですかね?」高橋が言った。「あいつら何したの?」
柴田が言うと「気孔縛りだよ」村田が言った。そこに
「あんた達何やってんの?」石川の連絡を受けた保田達が宿から応援に来た。
「動けないの何とかして!」保田を見つけた安倍が言った。
「動けないってなんで?」市井が聞くと「亀甲縛りされてるんですよ」
高橋が言った。「はぁー?」高橋の言葉に矢口が言うと
「気孔縛りでしょ、まってて今解いてあげるから」吉澤はそう言うと
4人に気を送った。「ふぅー、助かった!」吉澤の気により4人の身体は
元に戻った。「で、今どうなってるの?」保田が安倍に聞く。
「鬼が三体、中に入った。それから人狼もいるよ」安倍は言った。
三好千夏最強伝説
378 :
名無し:03/02/13 21:17 ID:GvB3jkgP
「とにかく急ごう!」矢口はそう言って中に入ろうとした。すると
「ちょっと待ってください、上!」紺野が空を指差す、その先には
空を舞う巨大な鳥の群れがあった。「あれは・・・拷葬鳥、ちっ、来るか?」
保田がそう言ったのとほぼ同時に、空の拷葬鳥が襲って来た。
場所は変わって中、鬼達との戦いは続いていた。
「喰らえ!不動明王火炎弾!」不動はそう言うと炎を撃ち出した。
炎は巨大な塊となり主天童子達を襲う。「ぬおぉぉぉぉお!」
弥舎童子は炎の塊を両手で止めると「爆魔洸!」そう叫び、炎を打ち消した。
「やるな、だが邪魔はさせん!破ぁぁぁぁ・・」螺刹童子はそう言うと
気合を溜めた。「同じ手は食うか!」飯田はそう言うと雷の槍を放った。
雷が螺刹童子を襲う。「うぉ!・・・ふふふ、さすがに同じ手は効かないか・・
だったらこれだ、鬼々獅子吼!」螺刹童子の両腕から獅子幻影が飛び出した。
「業!」不動はそう言うと気の壁を打ち出し、それを止めようとする。しかし
獅子の幻影は不動の気の壁を打ち破った。「しまった!」幻影が不動に迫る。
「雹紋剣・・・霧氷奏!」中澤はそう言うと手にしていた剣を振りかざした。
剣から氷の壁が噴出し獅子の幻影を凍らせた。
379 :
名無し:03/02/13 23:41 ID:E7mGXgrY
「獅子吼を止めたか・・・M刑事、見事だ!」ついに主天童子が口を開いた。
「だがな、それもここまでにしよう。拷葬鳥!」主天童子が叫ぶと
拷葬鳥の群れが中澤達の上空に現れ、襲い掛かって来た。
「うわっ、何この鳥?きゃっ」
拷葬鳥の群れに攻撃された拍子にあさみは笛を落とした。
「人狼よ、やれ!」あさみに操られていた人狼は元に戻りまたしても守備隊を
攻撃したきた。グール、人狼、拷葬鳥、敵の数の多さに守備隊は防戦がやっとだ
その為、主天童子達の前にいるのは中澤だけになった。
「M刑事よ、一人でも戦うのか?」主天童子が言う。
「アホ、勝った気でいるなら大間違いや」中澤がそう言うと
「月光、演舞殺!」保田の円月双輪が飛んで来た。更に
「白虎召喚!」矢口の声も聞こえた。保田と矢口が外の拷葬鳥の攻撃を突破し
中に入って来たのだ。もっとも突破出来たのはこの2人だけで他のメンバーは
まだ外にいた。
「これで頭数は一緒やで」中澤は言った。
「ふん、だが力は同じなのかな?」螺刹童子が言うと
「時間稼ぎが出来れば十分や、圭ちゃん、矢口、行くで!」
そう言うと3人は攻撃を開始した。
380 :
名無し:03/02/14 00:23 ID:0UjmMT+U
「円月、夢幻乱舞!」保田の武器が踊る!「爆魔閃塵破!」弥舎童子は閃光を
放つ。「鬼々獅子吼!」螺刹童子が獅子吼を放つと、「応!」矢口は白虎で
応戦する。
「主天童子、お前の相手はうちや!雹紋剣、冷気開放!」中澤はそう言うと
主天童子に切り掛かる。「獄、烈爆破!」主天童子がそう叫ぶと
地面に火柱が立ち中澤を襲う。「背閃洸!」中澤は身体から気を出し
火柱を吹き飛ばした。「喰らえ、氷牙千条剣!」中澤が剣を振り下ろすと
剣の冷気が沢山の氷の筋となり主天童子を襲う。しかし
「破っ!」主天童子は気合一発でこれを吹き飛ばした。
「やるなM刑事」主天童子が言うと「あんたもな」中澤が言った。
M刑事対鬼、一進一退の攻防は続く、だがその均整がついに崩れた。
「痛っ!」矢口が拷葬鳥の攻撃を喰らってしまった。
「死ね!」螺刹童子はその隙を見逃さず閃光を放った。「矢口!」
矢口を庇って保田が飛び込む。「わあぁぁぁぁ!」螺刹童子の閃光が
保田を直撃した。「圭ちゃん!」中澤が保田を抱えると後ろに下がった。
「矢口!」中澤が叫ぶと「うん、玄武召喚!」矢口は玄武を呼び出し防御する。
「圭ちゃん、大丈夫?」中澤が聞くと「ごめん、やられちゃった」
保田はそういうと気を失った。「これで2人か、まとめて死ね!」
螺刹童子がそう言った時、「ブォ−ン!」エンジン音が響いた。
381 :
名無し:03/02/14 00:51 ID:k6gE3Ev5
時間は数分前に遡る。正門の前に3台のバイクが止まった。
乗っていたのは、夜食を買いに行っていた。GMTの3人と辻、加護、ミカ
の6人、戦闘中のメンバーを見て後藤が言った。「どうしたの?」
「どうしたのって、見りゃ解るっしょ」安倍が言うと
「主天童子の攻撃です。中もやばいですよ」小川が言った。
「・・・行くよ!」後藤はそう言うとバイクをターンさせ勢いをつけると
段差を利用してバイクをジャンプさせた。それに松浦、藤本も続く。
「あっ、ちょっと、こっちも手伝ってよ」吉澤はそう言ったが既にバイクは
中に消えて行った。「薄情者!」安倍が叫ぶと「えい!」辻が
塀を飛び越えて戻って来た。「こっちは私が手伝うよ」辻はそう言って
正門の攻防に加わった。一方中では
「ブォ−ン!」攻撃をしようとした螺刹童子の前に3台のバイクが現れた。
「スクレイド・ウェーブ!」バイクに乗ったままミカがUバスターを放った。
「また新手か、だが何人来ようが同じ事だ!」弥舎童子は言った。
5人はバイクを降りると中澤達の前に立った。
「圭ちゃんがやられた、ミカ、加護、矢口、圭ちゃんを頼む」中澤はそう言うと
鬼の前に立った。「これで形勢逆転や、覚悟しろ!」中澤がそう言うと
後藤、松浦、藤本の3人も刀を抜いた。
382 :
名無し:03/02/14 23:24 ID:0FBF4J91
「闘気集中!」後藤、松浦、藤本の3人は刀に気を送る。
「油断すんなや、手強いで」中澤は3人にそう言うと先に攻撃に出た。
その頃、矢口達はテントに保田を運んだ所だった。近くにはテントを必死に
守る石川とあさみがいた。「保田さん!」運ばれて来た保田を見て石川が叫ぶ。
「圭ちゃんごめん、オイラのせいで・・・」矢口はそう言うと
「石川、悪いけど圭ちゃんお願いね、怪我は酷いけど今は気絶してるだけだから
手当て頼むよ、オイラは裕ちゃん達の所に戻る」矢口はそう言うと
テントを出て行った。「保田さん」石川が駆け寄る。そこに人狼が飛び込んで
来た。だが「はぁー!」あさみが長刀で吹っ飛ばした。
「梨華ちゃん、急に持ち場離れないでよ」あさみが言うと
「ごめん、でも保田さんが・・・」石川は言った。
「解った、保田さんは私が見るから、空の敵お願い、まずは奴らを倒さないと
駄目みたいだ。梨華ちゃんなら出来る」あさみはそう言うと保田の手当てを
始めた。「空中の敵か、梨華ちゃん、私も手伝うよ」加護がそう言うと
石川と加護の2人がテントの外に出た。
「空の弓!流星弾!」 「月の鏡よその力を示せ!アルテミスの矢!」
石川の流星弾と加護のアルテミスの矢が空の拷葬鳥を襲う!
拷葬鳥は次々に打ち落とされて行った。
大丈夫と思うけど保全しようかと思います。
技の名前とかなんか元ネタってありますのん?
あんま聞かないのばっかりやけど、全部自分で考えてたらすごすぎだから。
384 :
test:03/02/15 21:53 ID:8La2rEuv
test
385 :
名無し:03/02/15 23:11 ID:trDx/yi0
>>383、元ネタはあります。ただ「それは何?」と聞かれると解らないです。
前に書いた元ネタ漫画がほとんどだと思いますが、それだけじゃないので。
技の名前だけが頭の中にあるので、それを組み合わせたり変形させたりで
書いております。オリジナルは平家の「八門」位だと思います。
それでは続きです。
「この調子でどんどん行こう」石川が加護に言った。その時
「上ばっかに気を取られてちゃ駄目だよ」大谷が石川に迫った人狼を倒すと
言った。「危なかった、ありがとう」石川が言うと「地上は任せて」
そう言って斉藤と新垣も援護に来た。
「よし、雑魚は一気に始末しちゃおう」石川はそう言うとまた空の弓を放った。
その頃中澤達は主天童子達との戦いの真っ最中であった。
「氷零凍波!」中澤は剣の冷気を波動に変え放った。
「黒曜炎!」螺刹童子は右手から炎を出しこれに対抗しようとした。だが
中澤の放った冷気はその炎を消し去り主天童子達を包んだ。
八門全開hozemu
387 :
名無し:03/02/17 23:03 ID:PytfNHMY
冷気に包まれた鬼達は凍りつく、そこに後藤、松浦、藤本の3人が斬りかかる。
「止めだ−!」後藤はそう言うと刀を振り下ろした。だが
「破ぁぁぁ!」鬼達は凍りついていなかった。それどころか斬りかかった3人を
気合で弾き飛ばしたのだ。「きゃっ!」気合に押された3人が地面に
叩きつけられた。「これしきの冷気で我らを倒せると思っているのか?」
主天童子が言う。「何や、平気だったんかい」中澤が言うと
「余裕だな、その自信は大した物だ」主天童子は言う。
「そりゃそうやろ。あんたらこれだけの数を一気に相手するつもりなん?」
中澤に言われ鬼達は周りを見渡した。そこには妖魔を倒し終えたメンバーが
立っていた。「・・・なるほどな、これでは余裕も持てる訳だ」
主天童子は言う。「甘い計画やったな」中澤が言うと
「確かに、お前達の存在は計算外だった。M刑事か・・・面白いやつらだ。
退魔師や能力者達よりお前達の方が我らには邪魔な存在の様だ。
今日の所は退こう、次はこうはいかんぞ。もっとも生きていればの話だが」
主天童子達はそう言うと姿を消した。
388 :
名無し:03/02/17 23:26 ID:PeNIYG3J
「あっ、こら逃げるな!」中澤がそう言った時には既に鬼達の姿は無かった。
「逃げられたか・・・あっ、圭ちゃんは?」中澤が言うと
「今、あさみちゃんが手当てしてます」石川が言う。
「そうか、他のみんなは大丈夫か?」中澤はそう言ってメンバーを見渡す。
「虚空山の人達が数名重体の他は、みんな軽傷だと思います」
そう言ったのは西崎だった。「とにかく怪我人の治療が先やな」
中澤はそう言うとメンバーに怪我人の治療をするように言った。
「裕ちゃん人使い荒いよ」吉澤が愚痴をこぼす。
「仕方ないですよ、吉澤さんしかいないんですから」紺野が言った。
吉澤は外気孔で怪我人の治療にあたり紺野はその手伝いをしていたのだ。
「いやー、すまないですな。部下達も情けない奴らばっかりで・・・」
不動が吉澤に言った。「不動さん、それは言いすぎですよ。みんな一生懸命に
やってこれなんですから、今回は相手が悪すぎたんですよ」
安倍がそう言うと「これは失言ですな。いやいや、お前達悪かった」
不動はそう言うと治療を受けている部下に謝った。
389 :
名無し:03/02/20 22:40 ID:IouNHHiy
「それにしても、やつらの目的は一体何だったのか?宝珠が目当てなのか?
それにしては、いやにあっさり引き上げましたな」
「僕もそれが気になりました。なんと言うかその、ただ暴れただけと言うか」
不動と西崎の言葉に中澤が言った。
「そう言われると確かに変ですね。私達と戦うのが目的だったのでしょうか?」
3人は今回の主天童子達の行動に疑問を感じていた。何か目的があるにしては
いやにあっさり引き上げた。他に何か目的があったのだろうか。
「主天童子って今まで何処にも姿を現していないですよね?ひょっとしたら
腕試しだったんじゃないですか?」紺野が言うと
「腕試し?主天童子が?うーん、でもそれも考えられるか。それでここが
標的になった。ただ誤算だったのが予想以上の人数がいたって事だね」
飯田は言った。
「あの、私一つ気になる事があるんですけど、主天童子が言った、私達の方が
邪魔な存在だって、あれってどう言う意味なんでしょうか?」
松浦は主天童子が中澤に言った言葉が気になる様だ。
ayaya
ayaya
392 :
名無し:03/02/24 21:14 ID:RrERc6OK
「私達の方が邪魔・・・別に力の事を言っている訳じゃないよね。
私達より強い人はいっぱいいるんだし、何が違うんだろう?」
飯田が言うとそれに答える様に不動が言った。
「きっとその能力だと思いますよ。奴らもそうでしょうが皆さんも今回は
全ての力を出した訳じゃないでしょう。一対一の戦いならもっと凄い力が
出せる筈です。今日みたいな戦いは皆さんあまり経験が無い筈です。
だから全ての力が出せなかった違いますか?」
「うっ・・・確かにそうかもしれません。でもそれとどう関係があるんですか?
仮に私達がその戦い方を覚えたからって個人の能力が上がる訳じゃないし」
安倍は言った。
「そうですね。ただ不動さんが言いたいのは皆さんの能力を奴等が知らないって
事ですよ。我々能力者や退魔師との戦いかたを奴等は知っています。
しかし皆さんは違う。そこが私達と皆さんとの大きな違いです」
西崎の説明に不動も頷いた。
「なるほど、でもそれはうちらも同じ事やろ?主天童子の力はまったく解らない
訳で、今日だってどれだけの力加減だったのか、きっとこんなもんじゃ
ないですよ、主天童子が本気を出していたら全滅だったかも解らんし」
中澤は言った。
393 :
名無し:03/02/24 21:40 ID:9gin3jGs
「後は相性ですな。力だけが全てではないですからな。その証拠に皆さんは
既に奴等の仲間を倒しています。この世界で奴等の仲間を倒したのは
M刑事だけですよ。今日だって結果的に奴等の相手をしたのはM刑事だし
怪我人は出ましたが我々だけだったらどうなっていたか・・・」
「そうです。主天童子一味との実戦経験はM刑事が一番持っています。
奴等と遭遇する機会が多いのも何かの相性的な物かも知れないでしょう」
不動と西崎が言うと
「あまり嬉しくないかも・・・」後藤は言った。
主天童子の言った言葉の意味は結局何だったのか?良く解らないまま
二日が過ぎた。
「参ったなー」西崎は携帯を切るなり言った。
たまたま近くにいた柴田はどうしたのか西崎に聞いた。
「どうしたんですか?」
「いや実は、主天童子の事を連絡したんですが、そしたら今日急に違う人間を
送るからお前達はもういいって・・・何がなんやら・・・」
「任務を変われって事ですか?」
「そうですね。僕達じゃ荷が重いだろうって、突然どうしたんだろう?」
394 :
名無し:03/02/24 22:04 ID:Ycd22P1R
「また面子ってやつですかね?」
「多分そうでしょう。今日は虚空山の人達もメンバーが入れ替わる筈だし
それに乗じて何かするつもりでしょう。困ったもんですよ」
柴田達が宿でそんな会話をしている頃東照宮では
「遅くなってすまなかったな、後は我々が引き受けた」
そう言ったのは虚空山から来た交代の部隊の隊長、降三世だった。
「わざわざ悪かったな、降三世、後は頼む」不動はそう言うと
警備の任務を降三世の部隊と交代した。そして
「安倍さん達はこれからどうされますかな?」不動の問いに
「裕ちゃん、どうする?」安倍は中澤に聞いた。
「どうするも、西崎さんがここにおるんやったら、うちらもおらんとなあ」
中澤がそう言った時大谷が言った。
「中澤さん柴田から連絡があって西崎さん達も交代だって」
「そうなん?それじゃここにおる理由もないなぁー」
中澤は言った。
395 :
名無し:03/02/24 22:18 ID:IE2WCteG
「だったら虚空山に来てみませんか?皆さんの能力の事で気になっている事も
あるんですよ。きっとお役に立てると思います」
不動の突然の申し出に
「どうする?」中澤はそこにいるメンバーに聞いた。
「面白そうですね。私は行ってみたいです」
「なっちも賛成、どうせやる事ないんだし、みんなは?」
紺野と安倍が行きたいと言うと他のメンバーも賛成した。
「よっしゃ、それじゃ行ってみようか、何事も経験やね」中澤は言った。
こうしてM刑事一行は一路虚空山を目指す事になった。
【邪悪狩人M刑事】第十六話・ファーストコンタクト・終了!
396 :
名無し:03/02/25 23:38 ID:fGGrcLAL
( ^▽^)<ハッピー! バースデイ!
【邪悪狩人M刑事】番外編( `_´) のお誕生記念日
2月25日の明け方・・・
「♪ハッピーバースデイ、トゥ、ユウ。ハッピーバースデイ、ディア・・・」
( `_´) <はっ、夢か・・・そう言えば今日で21歳だ。
その時、『メールが届いたよー、メールが届いたよー』
マサヲの携帯にメールが届く。
(お誕生日おめでとう、今日は仕事が終わったら川σ_σl|と一緒のパーティを
しましょう。みんなも呼んだからね。 ( -△-)より)
(Happy、Birthday 21歳だねこれからも頑張りましょう
From(O⌒v.⌒) )
( 21歳おめでとう。今日はみんなで私達のパーティをしてくれるそうです
楽しみだね。 川σ_σl|みゅん)
( `_´) <おおっ!バースデイメールだ!
メールは車輌課のメンバーからだった。今日はマサヲの21歳のお誕生日。
397 :
名無し:03/02/26 00:18 ID:wco3/iYw
( `_´) <パーティか、明日の川VvV)は放置か?まあいいや。
マサヲはそう言うと仕事に出かけた。
本部に着くな否や
( ^▽^)<♪ハ〜ピッバースデイ、ハーピッバースデイ♪
石川が歌いながら出迎えた。
(;`_´)<梨華ちゃん音外れてる・・・
(;^▽^)<ごめんなさーい、歌でお祝いしようと思って・・・
( `_´)<なれない事はしない方がいいよ。
( T▽T)<そうします・・・
398 :
名無し:03/02/26 00:30 ID:7vy4of+f
石川の洗礼が終わり休憩室に行くと
川o・-・)<おはようございます。
紺野が話しかけて来た。
( `_´)<おはよう。
川o・-・)<お誕生日おめでとうございます。
( `_´)<ありがとう。
川o・-・)<歌ってお祝いしますね。♪ハッピバ〜スデイトゥユウ〜♪
(;`_´)<紺野音が・・・
川o・-・)<完璧です。
(;`_´)<そっ、そう?
マサヲは21歳のお誕生日に、M刑事の歌姫2人から洗礼を受けたのだった。
【邪悪狩人M刑事】番外編( `_´) のお誕生記念日・終了!
399 :
名無し:03/02/26 00:35 ID:2sfhxoxp
ごめんなさい。もうやりません。
日付変更線こえてるし・・・AAは難しい・・・
400 :
名無し:03/02/26 23:48 ID:ZWRctUhz
【邪悪狩人M刑事】第十七話・虚空山・
とある山中の奥の奥、退魔を生業とする者達が集まる寺院があった。
【虚空山・創玄寺】退魔師の不動達が日々修行を行っている場所である。
M刑事一行は不動の招きでここを訪れていた。
ちなみに近所ではここの人間を「創玄の人」と呼ぶ。
「思ってたより広くないんだな」
山門をくぐり境内に入った安倍は言った。
「こちらは表の顔ですよ。我々が普段いる場所はこの更に奥になります」
そう言う不動の案内でM刑事一行は境内の奥へと進んで行った。すると
「せぃやあぁぁぁー!」
そこには虚空山の修行者達が稽古をしていた。
「お帰りなさいませ!」
不動の姿を見つけた修行者達は一斉に挨拶をした。
「挨拶はいいからそのまま続けて」
「はい!」 「せぃやあぁぁぁー!」
不動の言葉に修行者達は稽古を再開した。
401 :
名無し:03/02/27 00:07 ID:NUdPmEB3
「うわー、なんか不動さんかっこいい!」
「やっぱりここだと偉いんですか?」
先程の不動を見た安倍と石川が言った。
「からかわないで下さいよ。ここでは偉いとかそんな下らない物はないです。
皆が平等に修行をして、適材適所、指揮官にふさわしい者は指揮を取り
戦闘能力に優れた者は先頭を切って戦う、皆自分に合った事をするだけです。
私の見た所皆さんの所も同じ様に見えますが違いますかな?」
不動はそう言うとメンバーを見た。
「まあ、多少の上下関係は必要やろうけど、必要以上の力関係はいらんわな」
中澤の言葉にメンバーからブーイングが起こった。
「何か言った?」
中澤はそう言ってメンバーを睨みつけると
「いや何も・・・とてもすばらしい上司に出会え、光栄に思っております」
加護はそう言うと中澤に向かって敬礼をした。
「そうやろう、加護お前、ええこと言うな」
その光景を見て不動は笑った。
「本当に良い関係をお築きで、皆さんが羨ましいですよ」
不動は言った。
402 :
名無し:03/02/27 00:47 ID:CUlTKjGl
一行は更に奥へと進み、とある建物の前に立っていた。
「お疲れさまでした。こちらが我々の本院です」
不動がそう言って示した先には
【創玄寺・明王院】と書かれていた。
「明王院・・・そう言えば不動さんは、虚空山五大明王、と名乗られてましたが
不動明王の不動ですか?」
村田は不動に質問した。
「その通りです。それまで私は鬼丸と名乗っておりましたが、先代がお亡くなり
になった時に大僧正様より不動明王様の御名を頂き、虚空山五大明王の一人
として不動を名乗っております」
不動がそう答えると
「それじゃあ、この前交代した降三世さんは降三世明王って事ですか?」
村田は更に質問を続けた。
「そうです。基本的に我々虚空山の戦闘部隊の指揮官は明王や天部の御名を
頂いておりますので他にもそう言った名前の者はおります」
不動の説明に村田が納得していると
「村田さん、明王は解りますが天部ってなんですか?」
紺野が村田に聞いて来た。いや紺野だけではなくメンバー全員が解らない様だ。
「天部と言うのは仏法を守護する者達です。例えば、寅さん、で有名な帝釈天
それから七福神の毘沙門天とか弁財天とか○○天と付く神様がいるでしょう
主にそう言った神様をまとめて天部って言うんですよ。中には仁王様みたいに
天と付かない者も存在しますね。後は閻魔大王、閻魔様も閻魔天と言う
立派な天部なんです」
紺野の言葉を聞いた不動が説明してくれた。
403 :
名無し:03/02/27 23:08 ID:5DA/HsQt
明王院の中に入ると一人の尼僧が庭の掃除をしていた。
「瑠璃様、ただ今戻りました」
不動はその瑠璃と言う名の尼僧に言った。
「お疲れ様でした。怪我人がいると聞いていますが、早く薬師堂へ」
「はい、皆の者怪我人を薬師堂へ連れて行け」
瑠璃の言葉に不動は部下に指示を出した。
「保田さんも薬師堂へ行かれたら良いでしょう。さあどうぞ」
不動の言葉を受け、市井と後藤に支えられた保田も薬師堂へ向かった。
「不動、そのお方達は?」
「こちらはM刑事の方々です。今は活動休止状態になっているそうで
それならばとお連れしました」
「そうですか、貴女方が、わざわざ遠い所を良くおいで下さいました」
不動の話を聞いた瑠璃はメンバーに頭を下げた。
「初めまして、M刑事の中澤です。不動さんには世話になりました」
「ご丁寧に、私はこの明王院の主、薬師瑠璃と申します。こちらこそ
不動がお世話になりました」
メンバー全員が挨拶を終えると座敷へと通された。
404 :
名無し:03/02/27 23:39 ID:2UU5iSX2
「皆さんの活躍は聞いておりますよ。優れた能力をお持ちの様ですね。
その皆さんがなぜ活動休止なのですか?」
「それは・・・なんて説明したらいいか・・・」
瑠璃の質問に中澤は答えが詰まった。
「最近良くない噂を耳にしました。もしそれが本当であれば、悲しい事です。
皆さんの活動休止は連合の圧力による物なのでしょうか?」
「・・・おそらく・・・ただその理由が、私達が主天童子と戦うのは危険
だからだと・・・全ては連合の人達が引き受けるって」
中澤がそう言うと
「そうですか、やはり。なんて愚かな・・残念な事にその事に関しては
私は皆さんのお力になれません、虚空山は連合に属していませんので」
瑠璃はそう言うとうつむいた。
「いや、私達はそんな事気にしていません。多少頭に来ていましたが、
逆に今の状態を利用してやろうと思っています」
中澤がそう言うとその場のメンバー全員が頷いた。
405 :
名無し:03/03/01 00:05 ID:hZnmgCX+
( `w´)<最近更新ペースが落ちとるなぁー。
皆さん、読んでくれとりますか?まだまだ頑張るでぇー!
「今の状況を利用するとはどう言う意味ですか?」
そう質問された中澤は活動休止の日の事を話した。
「そうですか、しかし皆さん、今のままでは主天童子には勝てないでしょう。
今こそ皆さんの本当の力を引き出す時なのかも知れません」
瑠璃がそう言うと中澤は聞いた。
「本当の力?どう言う意味ですか?」
「それでは、お話します。不動から皆さんの能力の事は聞いています。
その話から皆さんの中には、まだまだ隠された力があると私は思いました。
どうでしょう、こちらで修行してみませんか?きっとお役にたてます」
「それは、私達がまだ強くなれるって事ですか?」
「はい、ただし、強くなると言うのは正しい表現ではないですね。
皆さんが本来持っている力を引き出すと言った方が正しいと思います」
「???」
メンバーは瑠璃の言葉の意味が良く解らない様だ。
「解り易く言いますと、皆さんのまだ知らない戦い方があると言う事です。
例えば加護さんの鏡、この鏡は月と太陽が力の源ですよね。
私の供の者に月光と日光と言う者がいます。2人の教えがあれば加護さんは
もっと沢山の能力が得られるでしょう。これは本来、加護さんが持つ
能力の内なのですが、今はその事を知らない。しかしそれを知ることに
本来の能力が開花する訳ですね」
瑠璃の言葉にメンバー全員の目の輝きが変わった。
406 :
名無し:03/03/01 22:58 ID:4c7Wf/si
「本当ですか?」
加護は身を乗り出した。
「はい、ただし、私達がお手伝い出来るのは皆さん全員ではありません。
皆さんの中には私達とは違う力を持ってらっしゃる方もいます。
出来るだけの事はいたしますが、ご期待に添えない場合もございます。
それに中澤さんの様に既に私達と同等の力を持った方もいらっしゃいますし」
瑠璃がそう言うと
「それでも構いません。お願いします」
中澤は言った。
「解りました。それでは早速始めましょうか」
瑠璃はそう言うと中澤以外のメンバーに先程修行者達がいた場所へ
行く様に言った。
「私達は後から行きますので、皆さんは先に行っていて下さい。
向こうには不動が待っています。後は不動の指示に従って下さい」
瑠璃がそう言うと中澤以外のメンバーは外へ出て行った。
407 :
名無し:03/03/01 23:21 ID:gN2XTGCP
「さて、中澤さん。貴女に残って貰ったのはお聞きしたい事があったからです」
「・・・なんでしょうか?」
「M刑事の皆さんは既に何体か、主天童子の仲間を倒していらっしゃいますね。
その事なのですが、M刑事の皆さんの中にはかなりの実力者がいますね。
それも一人じゃない、貴女も含めて。
その方達は一体どんな能力をお持ちの方なのですか?」
「瑠璃様・・・それは答えなければいけない事ですか?」
「出来たらお聞きしたいのです。ひょっとしたら失われた力を持つ方が
いらっしゃいませんか?」
「・・・・解りました。ただし、これからお話する事は瑠璃様を信用して
お話する事です。そのおつもりで聞いて下さい」
「心得ました。皆様にはご迷惑は絶対におかけしません」
「先程おっしゃいました、失われた力の事ですが、M刑事にはそう言われてる
力を持つ者が3人います。1人は私、中澤です。もう1人が稲葉、
稲葉は風水師です。最後が平家、平家は八門退魔術の使い手です」
「やはりそうでしたか、風水の術、それに八門退魔法、いずれも今それを使える
人間がいるとは聞いた事がなかったのですが、退魔師や能力者でない者が
鬼達を倒したと聞いて、もしや、と思っていたのです。
それならば、なぜ倒せたのか納得がいきます。
それで、中澤さんはどんな力をお持ちなのですか?」
瑠璃の質問に中澤はしばらく黙りこんだ。
408 :
名無し:03/03/01 23:55 ID:xT2BTACS
「何か問題でもおありですか?」
瑠璃が黙り込んだ中澤に聞いた。
「いえ・・・今まで力の事を人に話した事がないので・・・それにM刑事でも
私の隠している能力を知っているのは、上司の寺田と同僚の平家だけで他の
メンバーは誰も知らないと思います。今言った稲葉でさえ私の能力の事は
知りません。みんなが知っているのは雹紋剣だけ・・・だから少しみんなに
悪いかなって思って、でも大丈夫です。お話します。
私のもう一つの力は、【北天七曜】です」
中澤の言葉に瑠璃は驚いた。
「本当ですか?・・・驚きました、まさか北天七曜の言葉を聞くとは・・・
それにしても、中澤さん、貴女は一体どの様な方なのですか?」
瑠璃の言葉に
「どの様とは?」
中澤は聞いた。
「北天七曜は退魔師の中でも、その存在を知る者は少ないのです。
その奥義を退魔師でもない貴女が使うとなるとにわかに信じられないのです。
もちろん疑うつもりはありませんが、その経緯を教えていただきたくて」
瑠璃がそう言うと
「申し訳ありませんがそれはお答え出来ません。と言うか私も知らないんです」
中澤は言った。
読んで魔符よー。そーいや最近作者しか書き込んでない(w。
読んでるニダ
411 :
名無し:03/03/02 23:40 ID:oFlE+edF
( ´D`)<<409確認だけで十分なのれす。今後もよろしくなのれす。
「知らないとは、どう言う事ですか?」
中澤の言葉に瑠璃は不思議そうに聞いた。
「実は、私の記憶が飛んでいる時期がありまして、M刑事になる三年前ですが
約二ヶ月分の記憶がまったくない時期があるんです。恐らくその時に
身に付けた物だと思うのですが、なにぶん記憶にないものですから
自分でそれが使えるなんて思ってもいませんでした。
M刑事になってからしばらく経った時に平家と仕事をしていたのですが
その時に強力な妖魔が相手でもう駄目だって思った事があって、
そうしたら身体が勝手に動いて、気が付いたら妖魔を倒していた。
それが最初ですね」
「そうすると、中澤さんは北天七曜を何処でどう身に付けたか覚えていない
そういう訳ですね。何とも奇妙なお話です。それからはどうされました?」
「はい、とにかくまずは上司の寺田に相談しました。私は良く覚えていなかった
のですが、平家は隣で見ていた訳ですから、その時の私の様子を寺田に
できるだけ詳しく話しました。そして寺田の出した答えが北天七曜だった
訳です。それから私と平家で特訓をして、この技を自由に操る事が
出来る様になりました」
中澤の話を聞いた瑠璃は考え込んだ。
412 :
名無し:03/03/03 00:27 ID:vZOA/WNz
∬´▽`∬<<410ありがとう。がんばります。
「中澤さん、寺田さんてどんな方ですか?」
しばらく考えていた瑠璃は聞いた。
「えっ?寺田ですか?・・・そうですね、そう言われると解らないなぁー。
何か気になる事でも?」
「いえ、その寺田さんですが、北天七曜の事を知っていたとなると
やはりその道の方ではないかと思ったものですから・・・」
「そうか!そうですよね。なんで今まで気がつかんかったんやろ。
確かにあの人はそう言う事には詳しいですね。うーん、何者なんだ?」
2人が話をしている頃、他のメンバーは修行場所に集合していた。
「不動さん、よろしくお願いします」
飯田がメンバーを代表して挨拶した。
「うむ、それでは、こちらの人間を紹介する。右から、日光、月光、荼吉尼、
摩利支、迦楼羅、それから私の左にいるのが十二神将。
それぞれが皆さんの能力に近い力を持つ者達です。それぞれに合った指導を
受けるようにお願いしたい」
不動の指示により組み分けが終わると修行が始った。
413 :
名無し:03/03/04 00:10 ID:J/Ogx+M/
ちと遅いが( -△-)さん、オメ!
「それで、どんな事をやるんですか?」
矢口が聞くと
「皆さんの能力を出来るだけ引き出します。日光、月光、お前達の力を
見せてやれ!」
不動がそう言うと日光と月光と呼ばれる2人が前に出た。
2人は左右に別れ対称の構えを取ると叫んだ。
「薬師瑠璃光浄魔陣!」
2人の腕からは凄まじい閃光が飛び出した。
「・・・凄い・・・不動さん、あれを私達にやれと?」
安倍が言うと
「やって貰うのは加護さんです。日光菩薩と月光菩薩は薬師如来の従者、
つまりこの2人は瑠璃様の従者として薬師瑠璃光の奥義を使います。
その力の源は太陽と月です。月と太陽の鏡を扱う加護さんなら
この技を習得できるでしょう」
不動は言った。
414 :
名無し:03/03/06 00:50 ID:aZ9nlnYW
川‘〜‘)||<資格試験が終わりました。頑張っていきまっしょい!
「次は新垣さん、貴女の指導には・・・迦楼羅、お前だ!」
不動に言われ迦楼羅と呼ばれる人物が前に出た。
「新垣さんは鷹爪針なる武器を使われますな、この迦楼羅は鷹や鷲などの猛禽類
が神格化した迦楼羅王の奥義の使い手、参考になる事は沢山ある筈です」
それから不動は次々に組み分けられたメンバーに担当者を付けていった。
すると
「あのー、オイラは誰に付けば?」
矢口が聞いた。
「うーん、矢口さんの能力は主に式神ですよね。申し訳ないですが
矢口さんの能力に見合う者がここにはいないのです。他に何かありますか?」
不動の問いに
「式神だけじゃないですよ、この札で色々な力が出せますから」
矢口はそう言って不動に持っていた札を見せた。
「おや?この札は・・・矢口さん貴女も加護さんと一緒にやって下さい。
この札は太陽の札ですね」
不動は矢口が以前にメンバーに見せた日輪の札を手にしていた。
「ああっ、これは日輪の札ですね。どう言う場合に使ったらいいか解らなくて
使った事無いんですよ」
矢口はそう言うと
「この文字は日光菩薩真言です。使い方なら私にお任せ下さい」
矢口の言葉を聞いた日光が言った。
415 :
ん?:03/03/06 15:42 ID:kBj0SPjb
モーヲタは包茎!
モーヲタは童貞!
モーヲタは悪臭!
(;゚д゚)キモ‥・
このスレは違うや炉。
417 :
名無し:03/03/08 22:38 ID:akFvYkiY
いくつかのチームに別れ修行が始る。どれ位時間が経ったであろう、
中澤と瑠璃がやってきた。
「どうですか?」
瑠璃は不動に聞いた。
「瑠璃様、まだ始ったばかりですよ。ただ皆さん、普段から鍛えていらっしゃる
様で、こちらも教えがいがありますよ」
「そうですか、ではこちらは不動、貴方にお任せします。私は中澤さんと
出かけてきます」
「承知いたしました。お気をつけて」
瑠璃は不動にそう告げると中澤と何処かへ出かけて行った。
更にしばらくすると、薬師堂から1人の僧が走って来た。
「月光、日光、力を貸してくれ!」
「薬王か、一体どうした?」
走って来たのは薬王と言う名の様だ。その薬王に不動が聞いた。
「不動よ、日光と月光を借りて行くぞ、我々の力では手に負えん」
薬王はそう言うと日光と月光を連れて行った。
418 :
名無し:03/03/08 22:56 ID:U2KTUeH1
「何かあったんですか?」
慌てた薬王を見た矢口が不動に聞く。
「解らん、しかし薬師堂で何かあった様だ。あの男は薬王と言って、
弟の薬上と2人、治癒の能力を持った瑠璃様の従者だ。日光と月光も
瑠璃様の従者なので2人と同じ様な能力を持っているのだが
普段はあまり手伝う事も無い。その日光と月光が呼ばれたとなると・・
よし、我々も行ってみよう」
修行は一時中断されM刑事のメンバーと不動は薬師堂へ向かった。
一行が薬師堂に入ると
「オン ロボジュタ ハラバヤ ソワカ」
「オン センダラ ハラバヤ ソワカ」
「オン ビセイシャラ ジャヤ ソワカ」
3人の僧が保田を囲み拝んでいた。
「圭ちゃん!」
その様子がただ事ではないと察知したメンバーは叫んだ。
419 :
名無し:03/03/08 23:15 ID:fV3QhN0K
「静かに!」
そばにいたもう1人の僧が言った。
「薬上、いったい何があった?」
不動はその僧に聞いた。
「解らん、先程までは普通に眠っていたのだが、急に苦しみだして
この子は鬼の攻撃をもろに受けたと言っていたな」
「ああ、だがあの程度なら、お前達でどうにでもなるだろう?」
「確かにそうだが、あの苦しみ様、蟲かも知れん」
薬上の言葉に不動の表情が変わった。
「蟲だと、だがあの子は攻撃を喰らっただけで、蟲など見なかったぞ。
それにお前達なら蟲だって清められるだろう」
「我らの手に負える様なら何とかしている、だがどうにもならん、
どうやら魍魎蟲の様だ。すまんが瑠璃様を呼んで来てくれ」
薬上がそう言うと
「たった今、出かけられた所だ・・・」
不動は言った。
420 :
名無し:03/03/12 22:49 ID:UMnKlDgz
「留守なのか?参ったな、我々の法力では現状維持がやっとだ。
何とか連絡は取れないものか・・・」
「難しいな・・・そうだ、瑠璃様は中澤さんと一緒だ、皆さん中澤さんと連絡
取れませんか?」
不動がメンバーに聞くと
「さっき携帯に連絡しようと思ったんですけど、圏外です」
矢口が言った。
「そうですか、そうなると我々が何とかするしか道はないな」
不動がそう言うと
「しかしどうすれば・・・」
薬上が言う。すると
「くそっ!やはり魍魎蟲だ。このままではまずい!」
薬王が叫ぶ。その言葉を聞いた飯田が質問する。
「魍魎蟲ってなんですか?圭ちゃんは?」
その質問に薬上がゆっくりと答える。
421 :
名無し:03/03/12 23:28 ID:b9RfqtKH
「皆さん、落ちついて聞いて下さい。今、保田さんの身体には蟲が侵入している
様です。魍魎蟲(もうりょうちゅう)と言って蟲の中でもかなり危険な部類の
物です。蟲と言うのは妖魔が飼っている毒を持つ生き物なのですが、
皆さん【蠱毒】(こどく)ってご存知ですか?」
「神仙術の毒虫を戦わせて生き残った虫を呪いに使うって言う、あれですか?」
紺野が言うと
「はい、その通りです。その蠱毒で生き残った物を更に戦わせる、それを
何度も繰り返し生まれるのが、魍魎蟲なのです。ですからその毒は強力で
それを清める力を持つのは、この虚空山の中では瑠璃様しかいません。
我々では毒の進行を止めるの精一杯でそれ以上は・・・」
薬上がそう言うと
「うわぁー!オイラのせいだ。圭ちゃんがオイラを庇ってくれたから・・・」
矢口が泣き出した。そこに
「治療に当たっている人数が増えても駄目なんですか?」
加護は言う。
「今、ここにいる4人が瑠璃様の次に力を持つ者だとお考え下さい。その4人の
力を合わせても難しいでしょう」
薬上がそう言うと加護は言った。
422 :
名無し:
「素人考えかも解らないですけど、日光さんと月光さんがそう言う力を
持っているって事は、私の鏡にもそう言う力って無いんですか?」
加護の言葉に日光が言った。
「それだ!加護さん、良い所に気がつきました。加護さんの鏡なら我々の力を
増幅出来るかも知れない、手伝って下さい。それに矢口さんも、
ほらいつまでも泣いてないで、保田さんを助けたいんでしょう?
日輪の札、出して下さい。加護さんは我々と一緒にこちらに立って下さい」
日光はそう言うと2人を保田の周りに立たせた。頭の方に加護を挟んで、日光と
月光が、足の方には矢口を挟み、薬王と薬上がそれぞれ陣取った。
そして、矢口の日輪の札を保田の身体の上に置くと日光は言った。
「よし、これで準備は出来た。加護さん、矢口さん、一緒に祈って下さい。
月光、薬王、薬上、準備はいいな?」
日光の言葉に
「おう!」
3人は答えた。
「始めるぞ・・・オン コロコロセンダリマトウギ ソワカ・・・我らが守護神
薬師如来よその大いなる力を持ってこの者の身を浄化せよ。
【薬師瑠璃光浄化洸翼】」
日光がそう言うと他の3人も同じ様に祈った。矢口も両手を合わせ祈っている。
すると4人の僧の身体から光が出始めた。矢口の身体からも同じ様な光が
出るとその光が加護に集まる。集まった光は加護の身体から鏡へと伝わる。
鏡はその光を増幅しどんどん輝きを増していった。