「そうか。とにかくありがとうな。
そんじゃ、石川を待たせてるからもう行くわ。また後で吉澤・高橋・安倍を連れて来るから。
それと飯田はちっとここに置いていくで。」
「ハイ。分かりました。それでは・・・。」エスパーは自ら電源を切るとモニターの中へと消えていった。
つんく♂は再び3階まで戻ると、会議室のドアを開いた。
「えっとね・・・つまりスタンドっていうのは・・・」
そこには必死にスタンドについて説明する石川がいた。
だが、その必死の説明にも関わらず吉澤はあまり理解できていないようだ。
「つまり、そのスタンドってのは私の分身なの?味方なの?それならどうして私のスタンドは私をあんな目に合わせた分?」
石川の顔が困惑に歪む。「えっと・・・それは・・・よっすい〜これを見て!ボイス オブ エンジェル!!」
「あっ。さっきの天使だ。」
「そう。これが私のスタンド!よっすい〜のスタンドはさっきの黒い巨人なの。今ここで出してみて。」
「出せって言われてもどうやってやれば・・・。」
「心に強く念ずるのよ。<出ろッ!>って。何か行動起こそうとする精神の力がスタンドを呼び起こすらしいの。」
少し困り顔をした吉澤だったが、瞳を閉じ、何かを念じ始めた。
(出てこい・・・出て来い・・・)
すると、吉澤の体から僅かに光が溢れた。そしてその光がサウンドオブサイレンスをかたどっていく。
「やった!!」「私にも・・・出来た?」
発現したサウンドオブサイレンスは不機嫌そうに2人を睨みつける。そして言った。というか怒鳴った。
「何だよ。テメーら!!何か用か!?」
身を震わせる吉澤。「いや・・用っていうか・・ただ自分のスタンドってのを見てみようと思って・・・。」
「ああ!?ついさっき顔合わせてやったばかりじゃねーかこの馬鹿が!!大体俺がお前のスタンド!?
ふざけんなこの糞女!!お前が俺のスタンド・・・手下であるべきなんだよ!!!」
「ちょっと!あなたいい加減に・・・」サウンドオブサイレンスの罵声を制しようとする石川。
「うるせぇッ!!!」ワイヤーが天使の首に瞬時に巻きついた。
本体の石川の首にも細いワイヤーの跡が浮かびあがる。
「この首落とされてぇのかコラ!?」どうやらあまり性格は変わってないらしい。
むしろ、死神の圧倒的な力の前に野望を打ち砕かれた苛立ちから気性が普段より荒くなっていた。
「デッドオンタイム!!」スタンドを発現させて、つんく♂が部屋に入ってきた。
「あっ!つんく♂さん!助けて下さい!!」
「何?つんく♂だと・・・?」
ワイヤーを手にしながらサウンドオブサイレンスがゆっくりと首を動かす。
そして、死神の姿を確認すると一気に凍りついた。
「あああ・・・ヒイィィィィーーー!!殺される!!」
サウンドオブサイレンスは本体の吉澤の中へと逃げ込んだ。
「ったく。まだ更正してなかったか。あいつは。石川、大丈夫か?」
ワイヤーから解放された石川は少し咳き込みながら頷いた。
「よし。そんじゃ、高橋と安倍も起こそう。3人を地下まで連れて行く。」
「あっ!そうだ!高橋のこと何ですけど・・・」
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「なるほど。近づくだけで攻撃してくるスタンドか。今、高橋は気絶状態でスタンドに指示できない。
だからスタンドはオートで高橋を守り続けているんやな。高橋の目が覚めれば何とかなりそうや・・・」
「何とかなりますか?」
「勿論や。そんじゃ石川。天使で俺の体を天井の穴まであげてくれ。」
「はい。」
果たしてスタンドを潜り抜けて高橋を下に連れてこれるのか・・・?
続きは後ほど・・・。