四日目/一週間
朝目覚めると辻加護たちはまだグッスリと眠っていた
時計を見ると、針は既に10時半を指していた
「ホント寝てる時は天使だよなぁ」
僕はそう思い、しばらく彼女達の寝顔を見ていた
その後、僕は顔を洗い、歯を磨いた、そして朝食の準備に取り掛かろうとした時、
僕の携帯がなった
「プルル」という音が三回か四回鳴ったあと僕は電話にでた
「あ、もしもし、佐々木だけど」
モーニング娘。チーフマネージャーの佐々木さんだった
本来はこの人が加護を及び辻の面倒を見ている
僕はいきなりの電話だったので少々驚いたが「はい、そうです」と答えた
「どう?元気にやってるー?いじめられてない?」
そう佐々木さんはどこか楽しそうに僕に聞いた
「ええ、なんとかやれてますよ、振り回されてばっかりだけど」
「あはは、そうだろうね、あの子らは私でも手こずるくらいだから新米のあんたにはなかなかキツイでしょ」
「ええ、確かにその通りですよ、でもなんでまた僕なんですか?他にもマネージャーはいるのに」
「んー?ああ、えっとねー、彼女達のご指名なのよ」
そう佐々木さんは少し嬉しそうに言った
「え?そうなんですか?」
「うん、そうそう、なんか結構気に入られてるみたいね、あんた」
「はは」
僕は力なく笑った
「まあ、あと、あなたならそんじょそこらの女よりよっぽど安心だと思ったからね」
何か少しひっかかる物言いだ
しかしどういうわけか僕は佐々木さんにだけは頼りにされている
他の娘。メンバーやマネージャーにはとてもそういう風には見られてはいないのにだ
「あと、念のためにもう一度言っておくけど、彼女達に手出しちゃ絶対ダメよ、
例えあの子たちがそういうのに興味ある年頃ではあるにせよ、あなたはそういうこと
を促しちゃいけない立場なのよ、わかってるわよね?」
「ええ、前にも言ったように、僕にその気はないですから大丈夫です」
僕は内心少し冷や汗をかいていた
「そうね、あなたなら大丈夫でしょう、信頼してるわよ」
そう言って佐々木さんは電話を一方的にきってしまった
その後、朝食兼昼食を作り始め、ちょうど作り終える頃にまたもや辻が起きてきた
「まねーじゃーおはようー」
そういって辻は眠そうな目をこすりながら料理してる僕の横に立った
「あ、おはよう」
僕は少し笑いながら言った
「んー?どうしてまねーじゃー笑ってるのー?」
そう辻は少し首を傾げて言った
「いや、なんでもないよー」
「んー?そっか」
そういうと辻は皿に盛ったばかりのやきそばを「チュルチュル」と眠そうに一本食べた
「こら!」
そう僕が怒ろうとすると辻は「ヘヘヘ」と言いながら身を軽くかわした
「ふぅ、ほんとに・・・」
「へへ、あいぼん起こしてくるー」
そういって足早に加護のところへ行ってしまった
しばらくして寝室の方から二人のじゃれあってる声が聞こえた
僕は「ふぅ」と一息したあと「ののあいぼん、ご飯だよー」と大声で言った
すると二人はたちまちダイニングまで来た
「おお、今日は焼きそばかぁ〜」
「おいしそ〜」
そう二人は今にもヨダレをたらしそうな勢いで言った
席につくと二人はいただきますと言って猛烈な勢いで食べ始めた
まあ、それもしょうがない昨日病院から帰ってきたのが夜8時ごろ
それから二人は何も食べずに、すぐ寝てしまったのだから
実質15時間何も口にしてないことになる
二人はやきそばをあっという間にたいらげた
そしてどうやらそれでも腹の虫は収まらないらしく「何かないかなぁ〜」
とか言って冷蔵庫をあさり始めた
「まねーじゃー、なんか食べるものないのー?」
そう加護が言った
僕はその冷蔵庫になるのが全部だよ」と言った
「え〜、おなかすいたー」そう辻が今にも泣きそうな顔で僕に言った
「うーん、しょうがないなぁ、じゃあ、ちょっとそこのコンビニまで行ってなんか買ってくるよ、
何がいい?」
「あいぼんはサンドイッチがええー」
「うーん、ののはー・・・」
辻は少し迷ってるみたいだった
「うーん・・・」
まだ迷ってるみたいだった
僕がたまりかねて「じゃあ、一緒に行こうか?」と聞くと、
辻はうれしそうに「うん」と答えた