夏休みがやってきた。友達と指折り数えて楽しみに待っていた夏休みだったが、寝坊
できる幸せ、毎日勉強しなくていい喜びは1週間もしない内に忘れ去られ、蒸し暑くて、
変わりばえのしない夏にすっかり飽きてしまった。友達や大好きな先生に会えない、
そんな夏休みだからこそ、以外と休み中の学校行事は楽しみになったりする。
学校のプールでは夏休みを利用したスイミング教室が開かれている。自主参加という
こともあって、能力に応じて上級・中級・初級の3クラスに分け、通常の授業では出来
ない各個人に適した指導をする。水泳の苦手な辻は、泳げない人のための初球クラスに
参加するよう薦められていた。いつもは水泳の授業が大嫌いな辻だったが、こういう時は
何故か行きたくなるものだ。
実際、学校に行ってみると、考える事はみんな同じなのか、スイミング教室を受けに
来ていた友達も多かった。更に、辻が嬉しかったのは初級の担当が萩原先生だったことだ。
初級は全部で10人にも満たない少人数だったため、いつもより先生が身近に感じる。
辻は嬉しくて、時間中ははしゃいでふざけてばかりいた。そして教室が終わると自由時間
になり、友達と一緒にプールで思う存分遊んで帰る。今ではスイミング教室は辻の毎日の
楽しみになっていた。
「コラー、辻!遊んでないでちゃんと練習する!」
友達と水かけっこして遊んでいる辻に萩原先生の注意が飛ぶ。怒っても全然恐くない
萩原先生の注意は、辻には全く無効だった。
「やだよーっ!!」
辻はいたずらっぽく笑うと、「バタ足攻撃ーっ!!」などと言って先生に向かって水を
ぶっかける。
「あっ、このやろー。そういう悪い子にはおしおきだっ!」
萩原先生はそう言うと、片手で円を描くようにして思いっきり水面を跳ね上げた。
先生が跳ね上げた水は辻の足で蹴り上げた水しぶきを飛び越えて辻の頭っから洪水の
ようにぶっかかる。
「きゃあーっ!」
「ほらほら、ちゃんと練習しないといつまでたっても泳げるようにならないぞ。」
そして辻にビート板を渡して、先導しながらばた足と呼吸の練習をさせる。
全員が一通りの練習を終えると、萩原先生は生徒をプールサイドに集めた。
「じゃあ、今度はビート板なしで泳いでみよう。」
先生の言葉でみんなの表情に不安が漂う。
「大丈夫だって。先生がそばにいて、溺れそうになったらすぐ助けてやるから。」
その言葉で生徒の半分くらいが安心し、残り半分は変わらず不安そうだ。辻は以前、
足が攣って溺れかけた時に先生に助けられたことを思い出し、少しドキドキした。
そして、先生がいれば心配ないような気持ちになった。しかし、実際は思うように
泳げるはずもなく、ブクブクと沈んでいく辻の手を先生が引っ張り上げる。
「ほら、まだ大丈夫だ!息継ぎして、あきらめない!」
先生の励ます声が聞こえる。先生がせっかく手を持って補助してくれているのに、
体はどんどん沈んでいき、遂に足が底に着いてしまった。
「あー…。」
先生のがっかりした声がする。辻は悲しい気持ちになった。
「辻はなぁ、いっつも遊んでばっかだから上達しないんだぞ。」
先生にそう言われて、初めて真面目に練習しなかった自分を反省した。
プールサイドに上がって他の子の泳ぐ姿を見ていると、みんな少しずつ上達していた。
辻は自分が恥ずかしかった。先生に呆れられたような気がして寂しかった。
休憩時間に肩を落としてしょんぼりとしている辻に先生が声をかけた。
「な〜にしょげてるんだよ、水泳くらいで。辻は元気が取り柄だろ?」
上を見上げると萩原先生の笑顔があった。
「だってぇ…。」
「辻はな、運動は得意なんだから、コツさえ掴めばすぐに上手くなるって。」
「そんな事いったって…、やっぱ出来ないよぉ。」
「…そうだ、明日はちょっと早めに来て、先生と練習しないか?」
「エッ!?」
「その方がじっくり教えてやれるからな。辻がやる気があるならだけど。」
「…うん!やる。やってみる!」
「じゃあ、先生は1時間くらい前にここで準備して待ってるから。
辻が来たらみんなよりちょっと早めに練習を始めよう!」
「先生、ありがと!」
辻は満面の笑顔で先生にお礼を言った。
夜。誰もいない学校に人影が動く。それはプール脇の女子更衣室にするりとすべり込むと、
右手の懐中電灯のスイッチを入れる。薄明かりの中に浮き上がるそのシルエットは、
萩原だった。萩原は衣服置き場の棚に足をかけ、いともたやすく棚の上によじ登る。
そして部屋の天井の角に小さな盗撮カメラを取り付けた。ライターより一回り小さい
無線式カメラは、遠目では全くわからなかった。近くにいてもよほどのことが無い限り
まず気付かないだろう。さらに、残りの3つの角にも同じようにカメラを取り付ける。
それらの4つのカメラはそれほど大きくもない更衣室をくまなく撮影するのには十分な
数だ。最後にもう一度、カメラの設置箇所を確認すると、萩原はその場から音もなく
立ち去った。
「おや、萩原先生。忘れ物は見つかりましたか?」
帰り際に、警備員が声をかける。
「ええ、おかげさまで。」
萩原は笑顔で答えると学校を後にした。
翌朝、辻はいつもより1時間も早く家を出た。
「なんか今日はいつもより上機嫌ねぇ」
娘の後ろ姿を見送りながら母親は呟いた。
辻はスキップしながら学校に向かう。昨日の先生の言葉が嬉しかった。先生は誰にでも
優しいけど、今日みたいな日は、自分が他の子よりも特別扱いされているような気がして
嬉しいのだ。
学校に着いたが、当然プールにはまだ誰もいない。
(先生より早く着いちゃった。)
…と、ふいに後ろから「早かったなー!」と萩原先生に声をかけられ、辻はびっくりして
小さく飛び上がった。先生はもう水着に着替えていた。
「じゃ、先生は外で待ってるよ。」
辻は小走りに女子更衣室に入っていった。誰もいない更衣室はガランとしていて、
いつもより広く感じる。辻は更衣室の隅っこのほうに荷物を入れると着替え始めた。
先生を外で待たせていると思うと、気持ちが焦ってボタンが上手く外れない。白い
ブラウスを脱いだ辻は、少しとまどい気味に辺りを見回した。
…いつもは、下着を脱ぐときタオルで隠しながら着替えるけど、誰もいないのに
隠しながら着替えるのも変かなあ?
(誰もいないんだから、構わないよね。)
辻はスカートを脱いだ。真っ白い木綿のシャツに純白のパンティ姿となった辻の、
ふっくらとした太腿が晒される。次にシャツを脱いだ辻の幼い上半身があらわになる。
ボリューム感のある下半身に比べて、気持ちほっそりとした上半身。柔らかそうな腹、
薄い胸、小さな乳首、なめらかな肩。更に、前屈みになってパンティを脱ぐ。
突き出された辻の尻は形の良い桃尻だった。今、辻は完全な裸体である。
そして、水着袋から取り出したスクール水着に足を通すと、あっという間に水着に
着替え終わった。水泳用の帽子を被ると、几帳面に前髪を帽子の中に入れる。
「よし!」
辻は小さく頷き、小走りに更衣室を出ていった。
更衣室がカメラで盗撮されているとも知らずに…。
萩原は軽く体操すると、プールに飛び込んだ。感情が高ぶって、じっとしていられない。
萩原は25Mプールをクロールでひたすら往復した。今、希美が更衣室で着替えている。
何も知らずに着替えている…!カメラはちゃんと動いているのだろうか。希美の肢体を
余す所無く撮影しているのだろうか。希美はどんな風に衣服を脱いだのだろうか。
希美はどんな体をしているのだろうか。思いは巡り、次から次へと妄想が生まれる。
下半身が充血していくのが分かる。
(…静まれ…!!)
体を動かしながら何度も強く念じる。
「せんせーっ!」
希美の呼ぶ声が聞こえる。萩原は深く潜った。そしてほんの数秒、水の中で静かに瞑想
すると、次に水上に顔を出した時には、もう、いつもの萩原先生の顔だった。
「よーっし。体操するかぁ!」
「うん!」
そして、何事もなかったように時は過ぎる。
「ののーっ!!今日は早く来て何してたのさぁ。」
「へへへー。秘密の特訓だよ!」
「いいなぁ、泳げなくて。」
「全然良くないよぉ。」
「それで、少しは上手になったあ?」
「それが全然だめみたい。」
「それじゃ意味ないじゃーん。」
友達とそんな会話を交わしながら、辻は心から泳げるようになりたいと願った。
泳げるようになって、先生の喜ぶ顔がみたい。今日だってすごくいい感じだったんだ。
水を怖がるから体が沈むんだって先生が言ってた。でも、先生が側にいれば水なんか
恐くない。結局、今日も一人では泳げなかったけど、息継ぎは上手くなったって先生も
褒めてくれた。
(頑張ろう…!!)
辻は心に強く誓った。
その日、萩原はいつもより早く帰宅した。萩原の部屋は、生活するのに最低限必要な
ものしか置いてない殺風景な部屋だった。強いて目につくものと言えば、机に置かれた
デスクトップパソコンと、ベッドの脇にある大きめな書棚、あとは床に無造作に置かれ
ているトレーニング用の器具ぐらいだろうか。
萩原はPCの電源を入れ、バッグの中から盗撮カメラの記憶装置を取り出してPCに
接続する。データの読込が4つとも完了すると、まず、入り口のドアに一番近いカメラの
データからチェックする。PCに無人の女子更衣室が映し出された。映像を早送りすると、
撮り始めて約30分後にドアが開き、一人の女の子が入ってきた。その後ろ姿は間違い
なく希美だ。希美は小走りに画面上方へ消えた。
萩原は軽く舌打ちしてその映像を停止し、次のカメラのデータを起動させる。ちょうど
30分後から再生すると、画面の左上端に小さく希美の姿が見える。
突然、萩原が興奮して椅子から立ち上がった。
…間違いないッ!!
今、映像の中で確認した希美がいる場所は、ちょうど頭上にカメラを仕掛けた位置…ッ!!
萩原は2つ目の映像も停止し次のデータを再生したが、映し出された更衣室を見ると
すぐに停止した。
(…このアングルじゃない。)
そして最後の映像を汗ばむ手で起動させる。約25分後から再生を始め、モニターの
前で両手を組みスクリーンを凝視する。無人の女子更衣室、動かない画像。萩原の鼓動は
激しく高鳴り、静まりかえった部屋の中で萩原の心音だけが響いている。
突然、画面の左上から希美の姿が現れた。
…ドクンッ
希美はカメラのちょうど真下で立ち止まり、無造作に水着袋を棚に放り込んだ。
「…ああ、ああぁあ。」
カメラは希美の頭上から全身をしっかりと映像に収めていた。うつむいた希美が
もどかしそうにブラウスのボタンを外している。
「……ハァハァ…」
萩原はズボンのチャックを下ろし、自分のペニスを外に出して両手で擦り始めた。
希美のブラウスがはだけ、中から真っ白い木綿のシャツがのぞいた。
「あっ、…あァ…う…」
ボタンを全部外し終わりブラウスを脱ぐと、幼い希美の丸みを帯びた肩が露わになる。
希美の綺麗な鎖骨。ふっくらとした二の腕。真っ白いシャツからは希美のピンク色の
乳首が透けて見える。
「ウぅッ…ハァハァ…ぁアあ、希美…」
希美は後ろを向いて辺りを見回している。上から覗き込むように撮り下ろしたカメラは、
シャツの中の希美のなめらかな背中を映し出した。
「う…はアッ…」
そして、カメラの方に向き直るとスカートを脱いだ。
「…あ…イィ…よ、希美ぃ…ハァハァ…白だっ……真っ白な……ウッ…」
希美のパンティを見た萩原は異常に興奮した。萩原の手の動きが激しくなる。
ついに、シャツとパンティを脱いだ希美が、生まれたままの姿をカメラに晒した。
萩原は映像を一時停止し、スクリーンに映し出された希美の裸体を舐めるようなに
くまなく熟視する。半開きになった口から舌をダラリと垂らし、口の端からは唾液が
溢れている。
「うあ…ハゥうッ…ハァハァ……希美…ィい…」
初めて目にする希美の裸体。肌はなめらかな乳白色で、ふっくらとした腹には可愛い
らしい小さなへそがある。衣服の上からだと殆ど真っ平らに見えた幼い希美の胸は、
実際に脱ぐとふくらみ始めた兆しを見せており、それは少女の成長を生々しく感じさせた。
初めて露わになった希美の乳首は想像以上に鮮やかな紅色で、その形も小粒ながら美しい
球状をしている。
「…んアッ…すご…い…ハァハァ…何て…美しい…、ハァあッ…希美ィ…素敵だ…ぁはアッ」
そして、幼い希美の陰部は全くの無毛でその美しい恥丘を晒し、その丘はふくよかな太腿、
そしてふくらはぎへと連なっている。
萩原の両手が更に激しくペニスを擦る。多分、生まれてこのかた一度も性の対象として
その裸体を晒したことはないであろう希美の無垢な体。その誰も知らない幼い裸体を
俺の汚れた目で犯す喜び…。
「あ…ハァッ…はゥウッ、希美ィ…ァあッ、希美ィ…希美ィ…ゥぐッ」
萩原は自分の手の中でイッた。息が荒い。萩原は精液でまみれた自分の手をスクリーンに
映った希美の裸体になすりつけた。スクリーンの中の希美が、萩原の精液でぬらぬらと
光っている。
…そうだ、いつかは…
萩原の顔が醜く歪み、ペニスが再び勃起する。
その晩、萩原はその映像で幾度と無く自慰行為に及び、スロー再生で1コマごと、希美を
舐めるように視姦したのだった。
萩原が盗撮カメラを回収したのは翌日の朝だった。もともと朝の早い萩原にとっては、
夜よりも朝の方が動きやすい。
そして、事実は隠匿され、まるで何事もなかったかのような毎日が始まる。
「せーんせっ!!」
辻の明るい呼び声が聞こえる。萩原はそれにくったくない笑顔で応えるのだった。