【愛玩少女】 〜〜〜 失墜 〜〜〜
怖い…。
怖いよう…。
希美は暗闇の中をあてどもなく逃げる。
何から逃げているのか、それすらも分からない。
ただ、ただ、やみくもに走っていた。
そんな希美の行く手に、暗闇の中でさえ一際どす黒い闇の塊がゴォゴォと押し寄せ、
壁のように立ちはだかった。
希美が右を振り向くと、そこにも闇、左にも闇、希美は闇の塊に囲まれていた。
闇の中には、聞きたくない言葉、思い出したくない記憶が、ゴォゴォとうなり声を
あげながら渦巻いている。
「イヤ―――――――――――――――――ッ!!」
希美は耳を両手でふさぎ、目を閉じて、闇に押しつぶされるようにうずくまった。
すると、突然、足場の安定を失い、驚いた希美が足下を見ると、
まるで底なし沼のように、足が地面に埋まっていた。
真っ青になって希美は足掻いたが、足掻けば足掻くほどに足場は沈んでいく。
蟻地獄の罠にかかった蟻のように、希美は為す術もなく、ただ無力に足掻く。
恐怖で、もう、声すら出ない。
助けを求めて高く延ばした希美の手を誰かが掴んだ。
期待に満ちて振り向いた希美の目に映ったのは
真っ黒な泥人形だった。
「ヒィッ」
希美は手を振りほどこうとしたが、生暖かい泥人形の手は、ボタボタと泥を落として
希美の腕を汚すだけで、振りほどけない。
泥人形は、ガクガクと震える希美の頭にもう片方の手を置くと、凄まじい力で希美を
黒い泥沼に押し込めよとする。
泥人形の全身から流れ落ちる泥が、希美の体を上から泥の中に埋めていく。
泥人形の口が裂け、炎のように真っ赤な口が希美の目に焼き付いた。
泥人形は笑っていた。
どこかで聞いたことがあるような笑い声が頭にこだまする。
笑う泥人形の体は段々と大きくなり、希美の上に覆い被さるように倒れ込んできた。
「イやぁアアァアァアァアァアアア―――――――ッ!!」
「イやぁアアァアァアァアァアアア―――――――ッ!!」
希美が悲鳴をあげて、飛び起きた。
「はぁっ…はぁっ…はぁっ…」
シーツを握りしめる手がまだ震えている。
(ゆ、夢・・・・・。夢だぁ・・・・・・・・。)
額から嫌な汗が流れ落ちた。希美は汗を拭うと、両手で顔を覆った。
頭痛と、少し眩暈がする。
「うっ・・・・」
体を動かそうとすると随所に痛みが走り、体全体が酷く重たいように感じた。
「どうしたの?」
突然、萩原に後ろから抱きすくめられて希美の背中に恐怖が電流の如く走った。
「ひっ・・・!!」
希美が体を引き攣らせた。
「いッ・・・いやぁ・・・イヤぁあッ!!」
恐怖で体が竦み、奥歯がガチガチと鳴った。
今や、希美にとって萩原は恐怖そのものであった。
「おやおや、随分な態度じゃあないか…。」
萩原は親指で希美の可愛らしい顎を押し上げると、耳の後ろを舌で舐めた。
「ひァあッ・・・・!!」
「さっきまで俺の腕の中であんなに悦んでいた癖に、ククッ…、今更何が嫌だってェ!?」
萩原の言葉に希美が呆然とした。
「なっ、何それ!?・・・ののは喜んでない・・・全然喜んでないよッ!!・・・・あんな・・・ひっ・・酷い
コトしたくせにッ」
希美の唇がわなわなと震えた。キッと吊り上がった眉が希美の美しさを際だたせた。
しかし、萩原は悪びれた様子もなく、舌なめずりをしてニヤけているだけだった。
「んん!?…酷い事って、こういう事か!?」
萩原の指が希美の秘裂をなぞった。
「んんッ…」
萩原の指が希美の小さなクリトリスを優しく擦る。
「…ふぁアアあぁんッ!!!!」
「嫌だって言う割りに、随分と厭らしい声を出すじゃないか・・・・?」
希美の性感帯を知り尽くした萩原の指が、正確に希美のツボを刺激する。
「アッ…ァああんッ…はぁあ…アァああぁあ…あ…んん…はぁアんんンッ!!!!」
希美は萩原の腕の中で躯を左右に捩りながら、今まで感じた事も無いほどの激しい快感に
抗っていた。
「こんなに濡らして・・・グチョグチョじゃないか。・・・ククッ、本当に厭らしい娘だね。」
「ちがッ…違うも…んッ…あぁあンッ…いやぁ…のの…そんなんじゃないもんッ」
希美が萩原の言葉を必死になって否定する。
「希美はいつからそんな嘘つきになったのかな・・・?・・本当は気持ちイイんだろ?」
「ハぁあんッ・・・よくないッ・・・んッ・・・・気持ちよくないよぉおッ」
「その強情・・・いつまで続くかな・・・・・」
萩原の指が希美の陰部をより激しく愛撫する。
「あ・・・・・ぁあ・・・・・・はぁあ・・・あ・・・・・・あん・・・・・あ・・あ・・あ・・・・・・・・」
あまりの快感に脳が痺れ、希美は息も絶え絶えに喘いでいた。
しかし、そんな状態になっても、希美は気持ちいいとは言わなかった。
言ったら最後、心まで踏みにじられてしまいそうで、それだけは守り通したかったのだ。
そんな健気な希美を萩原は容赦なく責め立てる。希美の陰部からは愛液が止めどなく溢れ、
秘裂をまさぐる萩原の指がネチャネチャと厭らしい音を立てた。
「ハァハァ・・・どうだ?・・・そろそろ、先生のちんちん、挿れて欲しいんだろ?・・・ハァハァ・・・」
「あッ…イヤッ…欲しくないッ!!!!」
希美は激しく首を横に振った。
「嘘を付くなよ・・・こんなにグチョグチョに濡らして・・・・。さっきまでは、俺のちんちんを
挿れてくれって、あんなにせがんでたじゃないか・・・・・」
「嘘だッ!!!!・・・アッ・・・そんなの・・嘘だよッ・・・・んん・・・絶対・・嘘だもん・・・・・ッ!!」
「クッ・・・じゃあ、どっちが本当か、希美の体に聞いてみようか?」
萩原が希美の膣口に亀頭を挿入する。希美は覚えていなくても、希美の体は萩原の肉塊の
感触を覚えていた。十分に濡れた希美の膣壁は、数え切れない抽挿によって慣らされた
萩原の肉棒を柔らかく受け入れ、ズプズプと奥深くに呑み込んでいく。
「あん・・・あぁああん・・・・あ・・あぁ・・はぁあアアァアッ・・・・・」
手姦では味わえない深みのある快感に希美が喘ぐ。今まであんなに嫌だった行為なのに、
今では体が拒絶できなくなっていた。
(・・・何これ?・・・どうして?・・・ののの体・・何か変・・・・・おかしく・・なっちゃうよぉ・・・・)
初めて強姦された時とは違う感覚に、希美は戸惑い、困惑した。
萩原の肉棒に体内を掻き回され、希美は体中が溶けてしまいそうなほど熱く感じた。
希美の口からは、熱い吐息に混じった激しい喘ぎ声が漏れる。
希美の美しい頬が紅潮し、官能に目が潤んでいる。
「ほら・・・気持ちイイんだろ?・・・気持ちイイって言うんだよ!!」
「や・・・イくないッ・・・・・んんんッ・・・気持ちいく・・ないィッ!!!!」
希美は体を引き攣らせながら、半ベソで悲鳴をあげた。
「強情っぱりめッ!!!!・・・そんなに思い出したくないなら、嫌でも思い出させてやる!!」
萩原が急に語彙を荒げて、希美を後ろから貫いたまま抱え上げると、部屋の隅にある
テレビの前に希美を跪かせた。
「よく見るんだッ!!」
萩原はテレビの電源を付けると、ビデオの再生ボタンを押した。テープの回る音がして、
数秒後に画面に映し出された映像は希美の度肝を抜いた。
『気持ちイイよぉオッ!!!!』
テレビの中には、萩原に悦んで抱かれる自分の姿が映し出されていた。
「なッ・・・何コレ?・・・何?・・・何!?・・・・・こんなの・・・のの・・・知らないよ・・・・・・・ッ」
希美は大きく目を見開いて、食い入るように画面を凝視した。
(これは、自分じゃないッ・・・知らない人なんだッ・・・きっとそうだッ・・・・・)
その証拠でも探すかのように画面をみつめる希美だったが、いくら眺めても、それは、
この部屋で萩原に抱かれる自分の姿以外の何物でも無かった。
『…しぇんしぇ…の…ほしぃよう…おっきいの…ちんちん…のの…ほしぃッ…ぁあッ…』
「嘘ッ・・・・・嘘だ、嘘だ、嘘だ、嘘だ、嘘だっ・・・・・・・こんなのッ・・・・でたらめだぁ・・・」
しかし、言葉とは裏腹に、確信は揺らぎ、語尾は徐々に弱々しくなっていった。
あまりのショックに希美の顔が歪み、今にも泣き出しそうな程だった。
「希美・・・素直に認めるんだ・・・・。見ろ、自分の厭らしい姿を・・・。希美は・・・、先生に
ちんちんを挿れられて気持ちよくなるような、厭らしい娘なんだよ・・・ッ」
『アんッ…しぇんしぇえ…キモチイイよっ…ああぁンッ…イイッ…すごくイイのぉッ…』
テレビの中の希美が、快楽にだらしなく顔を緩ませて、萩原のペニスを受け入れていた。
(・・・・これが・・・・・・・のの・・・なの・・・・・!?)
もはや、希美には萩原の言葉に対抗しうる精神力をなくしていた。
希美がテレビの中の自分を虚ろな目で見つめる。
希美は自分さえも信じることが出来なくなっていた。
『んッ…らめぇ…もっと…ほしぃのッ…はあんッ…すごいの…イれてぇ…もっとォ…ッ』
「あぁ…希美は本当に厭らしいね……ハァハァ…そんなに挿れて欲しけりゃ…いくらでも
挿れてやるよぉ…。」
萩原は再び希美の膣内へペニスの抽挿を始めた。
「はぁッ…はぁッ…はぁあッ…ぁあアんッ…はぁああぁアアァあ……ッ」
希美は激しく息を乱し、萩原の体の動きに身を捩る。そんな希美の耳に聞こえるのは、
テレビの中で絶えず萩原を求める自分の声だった。
『きもちィいよぅ…しぇんしぇ…もっとして…すごいのぉ…ぁんッ…きもちイイよオッ』
体を突き抜けるような悦楽の中で、その声は希美の最後の砦を音もなく崩していった。
「はぁんッ…気持ちイイのぉッ…はぁッ…はぁアッ…だめ…すごぃ…気持ちイイよぅ…」
そして、無意識の内に希美は快楽に流された。
「気持ちイイのか?・・・・・希美ッ、・・・気持ちイイんだな?」
「先生ッ…イイのォ……あんッ…ののォ…もうだめぇ…ぁあッ…イイッ…イイよおッ」
一度、心の壁が崩れると、堤防が崩れた後に川の水が溢れ出すように、希美の心は快楽で
溢れ出した。今の希美には、自分を貫く萩原の肉体と、萩原に貫かれる自分の肉体だけが
紛れもない現実だった。
「アアッ…出るッ…希美ッ…希美ぃイッ…たくさん出るよぉオッ…」
「先生ッ…してぇ…のの…たくさん…先生の…欲しぃよォ…ぁァアんッ…先生ぇエッ」
萩原の体と希美の体は深く結合し、萩原は大量の精子を希美の中に放出した。
希美は徐々に自分を失っていった。
萩原は、希美が段々と自分の色に染まっていくのを喜んだ。
しかし、萩原は、それでもまだ念を押すかのように、何度も希美を辱め、貶める。
萩原は、射精後も、喜んでフェラをする希美のビデオを見せながら、希美にフェラチオを
強要した。希美の口の中でペニスが精力を回復すると、再び希美を抱えて、今度はベッド
の後ろにある大きな全身鏡の前に移動した。
「希美、よく見るんだ。」
萩原は、鏡の前で希美の脚をM字型に開脚させ、希美の目の前に希美の陰部を晒し出した。
希美の見ている前で、萩原は希美の膣口に指を挿れた。そして、クリトリスを刺激され、
よがり声をあげる希美の花芯から愛液が溢れる落ちる様子を、希美に見せつけた。
「見ろ、何て厭らしい体なんだ…、指を挿れただけでこんなにグチョグチョにして…」
萩原の愛撫によって赤く充血した陰部から滴り落ちる愛液は、希美の目にも酷く卑猥に
映った。
「希美、見なさい。先生のちんちんを希美の中に挿れるよ…。」
全身鏡の前に立ち、背後から立位で挿入すると、性器の結合部が赤裸々に映し出される。
萩原は希美の目の前に結合部を晒しながら挿入することに酷く興奮した。
「あんっ…先生…だめッ…アッ…やっぱ…そんなおっきなの…はァんッ…怖いよオ…」
カウパー液でヌラヌラと光る赤黒い肉棒が希美の膣口を押し広げながら挿入される様子は、
それが既に何回も行われているとは言え、実際に見るのは衝撃的だった。
希美は耐えられずに何度も目を逸らしたが、萩原に肉棒を擦りつけられ、激しい快感を感
じる度に、思わずその部分を見てしまう。萩原の肉棒の抽挿に、火照る体を捩って喘ぐ自
分の姿は、萩原が言うように、酷く厭らしい姿だった。
「希美は厭らしい娘だよ…。こんなに厭らしい姿で…、淫らな声を出すんだからな…。」
萩原にそう何度も繰り返して言われると、本当にそのような気がしてくる。
(・・・ののは・・・・ののは・・・厭らしい子なの・・・・・!?)
希美はもう抗わなかった。
萩原の為すがままを受け入れ、考える事を止めた。
考えると苦しいから・・・・・。
どうしても逃れられないのならば、全てを受け入れ、心を閉じよう。
そうすれば、ほんの少しだけ楽になる。
これ以上、心が傷ついたら、壊れてしまうかもしれない。
だから・・・・・。