それから僕はプールの端っこの方に移動して彼女達に泳ぎを教え始めた
「じゃあさ、俺が最初に泳いでみるね」
そういって僕は軽く10メートルほどクロールで泳いでみせた
「まねーじゃー、うまーい」
「お、結構うまいー」加護が半笑で言った
俺は少し得意げになって言った
「じゃあ、のんちゃんから泳いでみて」
「うん」
そう言って辻は泳ぎだしたが、相変わらず浮いて来ない・・・
そして僕の付近まで来てやっと浮上して「プハーッ!」と大きく息を吸う
「のんちゃん、だからね、息継ぎをしないと苦しいんだよ」
「うーん、ののもねー、わかってるんだけどねー、えへへ」
と言って辻は相変わらずくったくのない笑みを見せた
それから僕は辻に息継ぎの仕方をその場で簡単に教えてあげた
「まねーじゃー、そろそろあいぼんもいいー?」
「うん、じゃあ次あいぼん」
「おーし、いくでー」
そう言って加護はもう一回クロールで泳ぎだした
相変わらずフォームはめちゃくちゃだがちゃんと僕のそばまで泳いできた
「はーい、じゃあ、止まってー」
ところがそう言っても加護は泳ぎに夢中で聞こえていないのか止まる気配はなく僕に突進してきた
「ぐふっ!!」
見事に加護のお団子頭が僕のみぞおちに決まった
加護は僕が腹で頭を、両手で肩をつかんでようやく止まった
「ゴホッ、あいぼん、だからちゃんと前見なきゃこんな風に人にぶつかるんだよ!」
「えへへ〜、おかしいなぁ〜なんでやろ〜^^」
「・・・あ、わざとやったろ?!」
「いえいえ、そんなことはございません〜」加護は憎たらしい表情で言った
俺はこの丸くかわいい顔した雪見大福にちょっとムカツイタ反面どうしようもない感情を抱いてしまった
「あいぼん・・・・・・・・押し置き^^」
そう言って俺は加護の後ろに回り、加護の腹に両腕を回し、そのままバックドロップの様にして
後方に投げた
「ザブーン!!」
しばらくして加護が浮き上がってきた
「よくもやったなーー^^」
そう言って加護は再び僕に突進してきた
「まねーじゃーも沈めーー」
そう言って加護は今度は体ごと僕にタックルしてきた、そしてそのまま僕の後ろに回り
僕の肩を両手で持ち僕を後ろから水中に沈まそうとしていた
しかしながら僕もいい大人なので女子中学生1人にの力では到底そうなることはなかった
「ははは、あいぼん、甘い甘い。君の力ではこの僕を沈まそうなんてのは無理な相談なんだよフハハッハハ」
僕はかなり自身満々で、嫌味っぽく言った
「くそー、でもそんなこと言ってていいのかなぁ〜」
そうあいぼんは何やら意味ありげな笑を浮かべた、と思った瞬間
急に肩が重くなった
「おお、さすがののやー」
その通り辻が知らぬ間に加護に加勢していたのであった
俺はその二人の攻撃に一秒も持つ事が出来ずに、陥落した
しかしながら二人が僕の後ろから体重をかけていた為に彼女達も一緒に沈むことになった
そして僕は後ろから落とされたため少々パニックに陥り手をもがいてしまって彼女たちの色んな部分を触ってしまった
「プハーッ」
しばらくして三人が同時に浮上した
「バカだなぁー、後ろから体重かけたらそうなるに決まってんじゃーん^^」
「えへへっへへへへ^^」
単に気付かなかっただけなのか、二人は楽しそうに笑っていた