8月に入り夏休みも半ばが過ぎた。今日は久しぶりの部活の日だった。
(…といっても、今日はバレーボールをするわけじゃないんだけどさ。)
着替え終わった辻は、階段を駆け下り、玄関で大きな声を上げる。
「お母さーん、学校に行くからねー!」
「ちょっと、希美!鍵ちゃんと持ったの!?」
「うん、持った!」
「母さん、今日はバイトだからね。」
「うん、わかった!」
早口で答えると、辻は足早に家を出る。着替えに手間取り、もう遅刻しそうだ。
「…まったく。少しは時間に余裕を持てばいいのに。」
娘を見送った母親は軽いため息をついた。
○○学校はスポーツの盛んな学校だった。特にバレーボール部は近隣の小学校の中でも
抜きん出た力を持っており、過去に県大会で優勝したこともある。当然、練習もハードで、
夏休み中の部活はもちろん、合宿まであった。しかし、夏休み中の部活は基本的に自由
参加であり、実際には大会レギュラーの6年生が中心となって活動していた。
今日はその6年生が今年初めて他校と戦う親善試合だった。それは、秋の大会前の
手合わせという意味もある。辻はその試合の応援に行くのだ。
学校の体育館にはすでに人が集まっていた。同じ学年の部活の友達も結構来ている。
相手は隣町の小学校、昨年の県大会で敗れたチームということもあり、部内では今年の
リベンジに向けて盛り上がっていた。
試合が始まると、出番のない辻達にとっては応援合戦の開始である。出張試合とはいえ、
相手方の応援も結構な人数であった。試合では接戦が続き、白熱した応援合戦が繰り
広げられる中、辻も持ち前の大声を張り上げて声援に熱中していた。
試合は1−1にもつれ込み、最終セットに入った時にそれは起こった。
セッターの神崎先輩が転倒し足首を挫いたのだ。試合は一時中断となり、直ぐに萩原先生が
先輩を保健室に運んだ。とりあえず、骨に異常は無いということで、安心した先生が
戻ってきた。その後、選手を交代して行われた試合は、10−25で惨敗した。
しかし、問題はそれだけではなかった。実は○○小学校のバレー部はセッターの人数が
少なく、6年だと2人しかいない。いくら捻挫とはいえ、しばらくは安静にしていなけ
ればならないため、今回の負傷はチームの大きな痛手となった。萩原はしばらく考え込
んでいたが、意を決して意気消沈するバレー部員を集合させた。
「みんな、よく聞いて欲しい。今回の練習試合で神崎が怪我をしたことによって、うちのチームの戦力は半分以下になった。しかし、それは今の時点での話しだ。この事をバネに
みんなで頑張れば、前以上に強くなる可能性だってある。さしあたって、レギュラー
メンバーにセッターが1人というのは危険だ。そこで、とりあえず仮メンバーとして、
神崎の代わりに新しいセッターをレギュラーにしようと思っている…。」
萩原先生は固唾を飲んで見つめる部員の顔を見渡した。
「辻ッ!!」
「ふぇ!?」
いきなり呼ばれて辻は素っ頓狂な声を上げた。
「お前、神崎の代わりにレギュラーになれ。」
「…???」
「ただし、やる気がないならやらなくていい。どうだ、出来るか!?」
いきなりレギュラー入りを迫られた辻は混乱して、周りをきょろきょろと見回している。
「周りを見ない!自分で決めなさい。」
先生の言葉におずおずと質問する。
「…で、でも…、私…まだ5年生だし…。」
「学年は聞いてない。やるかやらないか、どっちだ?」
容赦ない先生の問いに、辻は俯いてじっと考えていた。そして、最後に呟いた。
「…私、やってみたい。」
辻がそーっと先生の顔を見上げると、先生がにっこりと微笑んでいる。
「よし。じゃ、決まりだな。辻、頑張れよ!」
辻は、先生の笑顔に、先生の言葉に、心臓が飛び出すかと思うほどドキドキした。
そして、レギュラーの話で頭が一杯になっている辻は、他の部員達からのあからさまな
嫉妬の視線にすら全く気付かない程浮かれていたのだった。
辻のレギュラー入りが決まると、萩原先生が辻に話しがあると言う。神崎先輩のことで色々
と時間がかかるため、少し待っていて欲しいと頼まれていた。友達も先輩も先に帰って
しまったため、辻は一人で萩原先生を待っていた。先ほどまでの騒ぎ嘘のように、体育館
は静まりかえっている。辻が、まだ少し混乱している頭を整理しようと物思いに耽って
いると、萩原先生が戻ってきた。
「悪い。遅くなった。」
ハッと気付くと体育館の時計が6時を回っている。外もだんだんと暗くなっていた。
萩原先生は辻を職員室に連れて行き、自分の机の中から資料を取りだした。
「ハイ。これが地区大会の資料と夏休みの練習日の日程表。それから、セッターの
基礎練習メニュー。出来れば毎日練習して欲しいんだけど。あと、これが合宿の予定表。
そう言えば、10日後の合宿は大丈夫なのか?」
「あ、多分、大丈夫です。」
「詳しいことはそれに書いてあるけど、学校の施設を使うから実費は交通費と食費くらい
だし、問題無いとは思うけど。ご両親にちゃんと話して、確認のために先生の所に出欠の
連絡をしてね。」
「はい。」
「それから、これを辻に。」
そう言って先生が差し出したのは、背番号17のゼッケンだった。辻はポカーンとして
それを眺めていたが、徐々にレギュラーになったという実感が心に湧き上がる。
辻の目がキラキラと輝いた。
「先生!私、頑張るからっ!!」
「おう。先生も期待してるぞ。」
辻はゼッケンを丁寧に畳み、資料と一緒に鞄にしまった。
「じゃあ、そろそろ帰るか。」
萩原先生がふと顔をあげると、外ではパラパラと雨が降り始めていた。
「まずいな。雨が降ってる…。」
「あ、ホントだぁ…。昼間は晴れてたのになー。」
「辻、傘持ってきたか?」
辻は正直に首を横に振った。
「だったら先生の車で送ろう。」
「えっ!?……ほ、…本当にいいんですか?」
「ああ。雨の夜、傘無しで一人で帰るのは危ないだろ。」
辻は小さく頷いた。心臓がバクバクしてる。
辻は驚きのあまり先生にお礼を言うのを忘れてしまった。
今日は何だか、びっくりするような嬉しい事が立て続けに起こって、ちょっと頭が混乱
してるみたい。
(…先生の車に乗るんだったら、もっと可愛い格好してくれば良かった。)
辻は混乱する頭でとんちんかんな事を考えていた。
萩原先生の真っ赤なスポーツカーの助手席に座った辻は、まるで借りてきたネコのように
大人しかった。辻は、隣で車を運転する萩原先生に、普段とは違う大人っぽい雰囲気を
感じた。萩原先生がいつもよりずっと格好良く見えて、ドキドキしていた。
辻は自宅の場所を説明したっきり一言もしゃべらないでそわそわしてる。その様子に
萩原先生は苦笑するしかなかった。
雨足はさっきより更に強くなっていた。
雨の夜道は車で混み合っており、なかなか進まない。
「先生、一つ教えて欲しいんですけど…。」
突然、辻が質問をしてきた。
「どうして、私をレギュラーにしたんですか…?
…私の他にもっと上手なセッターはいたのに。」
「そんなことはない。先生は辻が上手いと思ったからレギュラーに選んだんだ。」
「………。」
「前の担任のやり方は知らないが、先生は実力主義で行こうと思ってる。…特に6年生に
とっては最後の試合だ。勝たせてやりたい。でも、それは勝つために努力をした人のため
の勝利だ。だからこそ、実力も無く足を引っ張るメンバーをレギュラーにするつもりはな
かった。厳しいけど、これが先生のやり方だ。」
「………。」
「辻はこの半年間、誰よりも頑張ってたのを先生は知ってるよ。もっと自信を持ちなさい。」
辻は何も答えなかったが、辻にとって先生の言葉は最高の褒め言葉だった。
(先生をがっかりさせないよう、頑張る…ッ!!)
辻は密かに決意したのだった。
雨は更に激しさを増していた。
「キャッ!」
辻が小さな悲鳴をあげる。雷が鳴ったのだ。萩原先生が笑った。
「おいおい。随分遠い雷だったぞー。」
「だってぇ、雷嫌いなんだもん!」
辻がスネた。しかし、その数分後に落ちた雷は先ほどのとは比べ物にならない程大きい音
だった。
「きゃぁあッ!!」
辻が悲鳴をあげる。
「大丈夫だよ。車に雷は落ちないんだよ。」
「…本当!?」
「本当だって。」
そんな会話をしてる間に、車は辻の家に到着した。しかし、辻はなかなか車を降りようと
しない。
「…どうした?雷が怖くて降りられないのかな?」
先生がからかうと、辻は頬をふくらませた。
「ち、違うもん。違うんだけど…」
「…けど?」
「…だって、うちに誰もいないし…」
辻が心細そうな目で萩原先生を見上げた。
「何だ、やっぱり怖いんじゃないか。」
萩原先生は小さなため息をついた。
「しょうがないな。先生がいれば怖くない?」
「うん!!」
辻が勢い良く頷いた。
「じゃあ、少しだけな。」
「やったー!じゃあ、私、先生にコーヒーを入れてあげる!!」
「お、凄いね。」
「えへへ。インスタントだけどねー。」
辻は嬉しかった。いつもは出来ない小さな我が儘。みんなの先生を少しの間だけ独り占め
したような気持ちだった。
萩原先生は玄関先に車を止めたまま、辻の家にあがった。
「なあ、辻。本当に先生が入っちゃって大丈夫なのか?」
「大丈夫、大丈夫!」
辻の気軽な返事が返ってくる。辻は先生を食卓に案内すると、約束通りインスタント
コーヒーを作って先生に差し出した。辻は自分のコップにオレンジジュースを入れて
飲んでいる。
「うん、美味しい。コーヒー入れるの上手じゃないか。」
「えへへ。時々お父さんやお母さんに入れてあげるんだ。」
「それはいい子だ。」
「てへ。」
「そう言えば、ご両親はいつも留守なのかい?」
「うーん。お父さんはいっつも遅いけど、お母さんはバイトの時だけ。」
「夜ご飯は?」
「お母さんが作ってくたのを電子レンジあっためて食べるの。」
「…そうか。辻はエライな。」
そんな他愛ない話をしながら時間は過ぎていく。雷は依然鳴りやまない。
「ごめん。もう一杯コーヒーくれる?美味しくって。」
そう言われて、辻はコーヒーを入れるため席を立った。後ろを向いた辻の背後で、
萩原がオレンジジュースに粉末を入れる。辻は全く気付かなかった。
「先生、出来たよー。」
辻が2杯目のコーヒーを差し出した。辻は、先生がコーヒーを飲む姿を嬉しそうに見つめ
ながら、オレンジジュースを口にした。その数秒後、辻の体が前にのめり、テーブルの上
に頭を乗せて完全に意識を失った。そう、萩原が仕込んだのは無味無臭の眠り薬だった…。
「辻、大丈夫か?」
厭らしい笑顔を浮かべながら、わざとらしく萩原が声をかける。
返事が無いのを確認すると、希美の背後に回り肩を叩く。反応は無い。
突然、萩原は希美を抱き上げると、背後からむしゃぶりついた。希美のうなじに唇を
這わせ、希美の体に両腕を絡ませ、両手をシャツの下に滑り混ませた。
「うぅ…あぁアア…希美ィ…希美ィッ…ハァハァ…アァあッ!!」
萩原は両手で希美の柔らかな腹を揉みしだき、更に腹から胸へ両手を這わせて希美の
躯をまさぐった。手のひらに小さな突起物の感触があった。
「ゥあっ…ハァハァ…こ、これが希美のォ…」
萩原は親指と人差し指で希美の小さな乳首をはさみ、つまみあげ、クリクリとこねくりまわした。
「ぁハッ…乳首ィ…希美の乳首だ…、あァぐぅう…乳首ぃ…可愛いぃイ乳首だァ…アアッ」
萩原は希美の肩越しに身を乗り出して覗き込んだが、衣服が邪魔で何も見えない。
萩原は食卓の上に希美の上半身を仰向けに横たえると、希美が着ていたTシャツと下着を
一緒にまくり上げる。萩原の目の前に、希美の幼い上半身がさらけ出された。頭の中で
何度も思い描き、妄想の中で幾度と無く愛撫し尽くした希美の体が、今、そこにある!!
「ぐふっ…はぁあアッ…うぁあああアァアア…」
萩原は低くうめき声を上げながら希美の体に覆い被さると、希美の殆ど真っ平らな胸を
舌で舐めまわし、乳首に吸い付いて舌で乳首を転がした。
「…ん…ぅむ…むん…うゥん…」
萩原はチューチューと音をたてながら乳首を吸い上げる。萩原の両手は希美のスカートの
中で太腿を思う存分に揉みあげ、さらに希美のパンティの中に侵入して、希美の桃尻を
鷲掴みに揉みしごく。
今、萩原の口と両手で初めて味わった希美の生肌の味、触感。萩原の股間は異常に肥大
化し、ズボンの中に押し込められたペニスが苦痛を訴える。
…挿れたい!…今すぐ挿れたい!…希美の中に挿れたい!…希美を貫いて、希美の中を
掻き乱して、希美を俺で一杯に満たすんだ…ッ!!!!
萩原はズボンを履いたまま、その膨れあがったモノをパンティを履いたままの希美の
股間に押しつけた。希美の体が押し上げられる程強い力で、希美の股間に自分のモノを
押し込む。その動作は何度も繰り返された。
「ングッ…グゥッ…ンウ…がッ…ハァッ…あァアッ…」
突然萩原の動きが止まる。萩原の右手がズボンのチャックにかかった。
「…ハァハァ…ハァハァ…ハァハァ…」
萩原の右手がブルブルと震えている。息が荒い。
「…ハっ…あぁああああぁ…」
萩原は大きなため息をついた。右手がチャックから離れた。
萩原は希美から体を離して立ち上がると、左手で目を覆った。
「…ハァハァ…まだ、ダメだ…、…ハァハァ…今は…、まだ…」
萩原は自分に言い聞かせるように呟く。
そう。今、とってこの状況はあまりにも危険だった。いつ両親が帰ってきてもおかしく
ないこの状況で、事に及ぶのはあまりにも無謀だ。それに、せっかくの希美の「初めて」
を早喰いするなどはもっての他、ましてや、最中に邪魔でも入れば、全てを失うことに
なるのだ。だからといって、このまま希美を車で拉致するというのは論外だ。萩原の
目的はあくまで希美の半永久的な占有であり、いつ捕まってもおかしくない強引な手段を
採る気は無かった。
萩原は目を覆っていた左手を下ろすと、大きく深呼吸した。理性を取り戻した萩原は、
呼吸を整えるとポケットからデジタルカメラを取り出した。
どうせ、今すぐ、手に入れることが出来ないのなら、せめて写真に収めよう。これが
萩原の結論だった。
萩原は素早く希美の衣服を脱がせ始めた。Tシャツ、シャツ、スカート、靴下、パンティ
の順に脱がせると、産まれたままの姿をした希美が現れた。萩原が感嘆の声をあげる。
以前、ビデオで盗撮したことはあったが、実際の希美の裸はレンズを通した映像を遙かに
凌駕する美しさだった。きめ細やかな肌、ぷちょぷちょとした柔らかな肉。丸みを帯びた
体、腹。たっぷりとした下半身、尻、太腿、ふくらはぎ。膨らみ始めた小さな胸に、小さ
な乳首。そして小さな手と足。汚らわしい所は一切あらず、限りなく純粋なその体は、
まさに萩原が理想としていた天使だった。萩原は無言でシャッターを切る。近くから遠く
から、部分的に全体的に、同じ箇所を様々なアングルで何度も撮る。腹側、背中側とも、
舐めるように写真を撮ると、最後に希美の美しい陰部を撮り始めた。萩原は、希美の両足
をM字型に開脚させた。萩原の目の前に無毛の陰部が露わになった。
「………ハァハァ…ハァハァ…」
萩原は希美の陰部を何枚も撮りおろす。萩原はシャッターを切りながら、己の欲望のまま
に希美の陰部に指を這わせ、希美の固く閉じた桜色の蕾をゆっくりと押し広げ始めた。
「……あぁ…ハァハァ……ぅあァ…ハァハァ…」
しかし、希美の小さな蕾は外敵の侵入に逆らうようになかなかその花弁を開こうとはしな
かった。
「…ん…ック…」
遂に萩原の理性が切れた。萩原はカメラをテーブルに置くと、希美の股間に顔を埋めた。
「ハァあぁ…うあアァああッ」
萩原は希美の股間の匂いを嗅いだ。微かなアンモニア臭に混じって、子供特有のミルクの
匂いがした。萩原は興奮のあまりに腰をガクガクと動かしていた。
「……ハァハァ…んんング…ん…ハァハァ…」
萩原が希美の陰部にしゃぶりつき、舌を這わせて頑なな希美の蕾を舐め回す。萩原の口
からペチャペチャという音が漏れた。萩原は至福の瞬間にいた。萩原は、今まさに、希美
の一番大事な部分を汚しているのだ。
「あぁあアァッ…ハァハァ…美味しいよォ、希美ィ…ッンん…っく…」
その時、再び、萩原は希美の膣口にペニスを挿入したい欲求に駆られた。
「んあハァッ…ダメだ……ハァハァ…ぐウぅう…アッ……ダメだぁッ!!」
苦悩の末、萩原の理性が欲情に勝ったが、萩原は精神的な疲労を感じた。
萩原は、最後に、自分の唾液でぬらぬらと光る希美の陰部をもう一度カメラに収めると、
希美に衣服を着せ、元通りに椅子に座らせた。
時計を見ると、希美が昏睡してからちょうど20分が経過していた。萩原が希美に飲ませ
た眠り薬の量だと、約1時間程度の効き目があるはずだった。残り時間は約40分程度。
萩原にはまだやっておきたいことがあった。
萩原は食卓を離れると、手に黒い皮手袋を填めて、家中の部屋を確認し始めた。間もなく
それは見つかった。萩原が探していた物は2階にあった。階段を上ったつきあたりに、
「のぞみのお部屋」と書かれたドアがある。萩原は中に入ると、用心深くカーテンを閉め、
部屋の明かりを付けた。全体的な色調はピンク色で、キティちゃんなどのキャラクター
ものが多い、可愛らしい部屋だった。萩原が探していたコンセントの差込口はベッドの
脇にあり、好都合にもたこ足配線のためのタップが使われていた。萩原は、ポケットから
用意してきたタップを取り出すと、元々使われていたタップと交換した。実は、萩原の
用意したタップには盗聴器が仕込まれていた。これは、タップから電源を供給できるため、
半永久的に盗聴活動が出来るのだ。更に、萩原は衣装ダンスから希美のパンティやシャツ
を1揃い盗み出すと、部屋の明かりを消し、カーテンを元通りにしてから食卓に戻った。
この間、約10分。そして、希美の目が覚めたのはこの20分後だった。
「…おはよ、辻。」
目をぱちくりさせている希美の目の前で、萩原先生が可笑しそうに笑っている。
「…あれ…!?」
辻にはまだ状況が飲み込めていない。辻は首をかしげた。
「…もしかして、私…寝てた?」
「そりゃもう、ぐっすりと。」
「ホントに!?」
「ああ。疲れてたんだろ?よだれ垂らしてたぞ。」
「エッ!!ウソッ!!やだ〜!」
辻が顔を赤く染めた。
「ははは、冗談だって。可愛い寝顔だったよ。」
「……エェッ!?…そ、そんなこと…」
辻は更に顔を赤くするのだった。
外はもう雨も止んでいた。
「もう大丈夫だろ?先生、帰るぞ。」
辻は玄関先まで先生を見送った。
「先生、今日はどうもありがと!」
「どういたしまして。それじゃ、合宿頑張ろうな!」
「はーいっ!!」
車に乗った萩原は、道路の暗がりに車を止めた。レバーを引いて、シートを後ろに下げた。
萩原の車はスモークガラスだった。萩原はチャックを下ろしてペニスを出すと、自慰行為
に及んだ。
「…ウッ…ウゥッ…」
車の中で自慰行為に励む萩原の頭には、先ほどの希美の姿が焼き付いていた。
(手を伸ばせば手に入れられた…。)
そう思うと、無性に腹立たしくなる。
(仕方なかったんだ…。)
頭では分かっていても、体が納得しなかった。萩原は、耐え難いフラストレーションを
自慰行為で慰めようとした。
(…あと10日…。)
萩原は自分に言い聞かせる。10日後には合宿がある。萩原はそこで過ごすことになる
であろう希美との楽しい日々を思い描いた。
「アッ…ハァハァ…うあぁアああァ…」
萩原の黒い欲望をのせた叫び声が響く。萩原は今日も自慰行為に溺れるのだった。