サウンドノベル5「赤と青」第六話〜

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85辻っ子のお豆さん
 吉澤さんのお誘いを快く受け、私は夜のお散歩へと行くことになりました。石川さんは
残って、まだ意識の戻らないあさ美の看病をするそうです。古びれた小屋を外に出ると、
辺りはもう薄暗くなっていました。

「おお、すっげ」
「うわぁ」

 思わず声が零れました。辺り一面の星空、大小様々な星が輝き瞬いているのです。こん
な凄い景色は日本では見たことありません。憂鬱になっていた私の心がスゥーっと晴れて
いく様な気分でした。

「行こうか」
「はい」

 私達は手を繋いで、星の海の中を歩き出しました。それはまるで夢の中の様な光景でし
た。あんまりポケーっと口を開けて星空に見とれていたので、終いにはひとみさんに注意
されてしまいました。
86辻っ子のお豆さん:02/09/24 09:44 ID:MKGMjlOr
「キレイですね〜」
「おお、こういうの好きな人と一緒に歩きたいよな」
「ひとみさん、好きな人いるんですか?」

 そう尋ねたとき頭の中に、先程のひとみさんと真希さんが抱き合うシーンが浮かんで、
怖くなりました。嫌な考えが頭に巡り、聞かなきゃ良かったと思いました。そんなことは
ないと思うけど、もし二人の間にその様な感情があったとしたら、私に勝ち目はあるのだ
ろうかと。

「…いるよ」

 やや小さな声で、ひとみさんはそう言いました。それは真希さんですか?聞きたかった。
子供の頃から一緒に育ち、お互いの事をなんでも知っている二人。今日偶然出遭ったばか
りの私、どう考えても勝ち目があるとは思えませんでした。だけど負けたくなかった。こ
れだけは誰にも譲りたくなかった。家族も相棒も失った私にとって、残された最後の拠り
所は真希さんだけだから。あの人は、私にとって唯一の希望の光なんだから。
87辻っ子のお豆さん:02/09/24 09:45 ID:MKGMjlOr
 森の中をしばらく進むと、やがて小高い丘に出ました。一本の大木が横たわっており、
そこは空と海を見渡せる天然の展望台となっていました。私とひとみさんは申し合わせる
こともなく、そこに並んで腰を下ろしました。

「ののはいるの?好きな人?」

 すると、ひとみさんがさっきの話の続きを切り出してきました。私は少し迷いました。
正直に打ち明けるべきか、黙っているべきか、それとも…

1.「いない」
2.「真希さんです」
3.「あなたが好きです」