528 :
辻っ子のお豆さん:
梨華さんはわざと姿を消したのだと思った。ガクガクと全身が震えてきた。
(もしかしたら、梨華さんが…)
最悪の考えを取り払おうと、頭をブルルと横に振りました。
(そんなはずない!)
私は再び走り始めました。震える体を両腕で包み込みながら…
何かに足が引っかかり躓いた。地面に転がった私は、振り返りその何かを見た。
「里沙ちゃん…?」
ずっといなくなっていた友人が倒れていたのです。後頭部を何かで叩かれた跡が残って
いました。私が彼女の肩を揺らすと里沙は僅かに眼を開きました。まだ生きている!
「里沙ちゃん!里沙ちゃん!大丈夫?」
里沙は首を横に僅かに振る。口から止めど無く胃液と血が吹き出て来ている。素人の私
の眼から見てももう助からないことは明白でした。
「里沙!誰に?誰にやられたの?私達の知らない人?」
泣きながら里沙は首を横に振った。そしてそのまま息を引き取った。
(え?)
頭が混乱してゆく。里沙は殺人鬼が知らない人かという問いに首を振った。
(それが意味すること)
(殺人鬼は私達の中にいる)
私はずっと、この殺人鬼を私達以外の誰かだと信じていた、いや信じたかった。
私達の中にそんな奴がいるなんて、信じたくなかったから。
ずっと存在しない別の誰かのせいにしていたんだ。都合よく。でももう…
殺 人 鬼 は 私 達 の 中 に い る !
どうしようもない現実が私の恐怖を狩り立てる。
「ああーーーーーーーーっ!!」
そのときだ。遠くで誰かの叫び声が聞こえた。誰だ!?
(まだ生き残っているのは…)
(私と…)
(梨華さん…)
(よっすぃ…)
(あさ美…)
(もう四人だけ)
悲鳴の聞こえた方へ行くべきなのか、それとも逃げるべきなのか?
(逃げる?一体どこへ?逃げ場なんてないよ)
(一体誰が殺人鬼なの?誰がみんなを殺したの?どうしてこんなことするの?)
私は考えた。
1. 石川梨華が犯人だと思った
2. 吉澤ひとみが犯人だと思った
3. 紺野あさ美が犯人だと思った
4. その他
推理しようがないと思いますが、まぁ推理してみてくらはい