サウンドノベル5「赤と青」第六話〜

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487辻っ子のお豆さん
嘘だ!嘘に決まってる!私は信じない!絶対に信じない!真希さんが死ぬはずない!
私を置いていなくなっちゃうはずない!嘘だよね!嘘だ!誰か嘘だと言って下さい!

「真希さん…」

真希さんはここで私を助けてくれたんだよ。
私に生きろって言ってくれたんだよ。
だから私は決意したんだよ。
お父さんもお母さんもお姉ちゃんもあいぼんもいなくなって
死んじゃいたいくらい、辛くて泣きたくてさびしくてどうしようもなくて
だけど生きていこうって、がんばろうって思ってたんだよ。
それもこれも全部あなたがいたからなんだよ
どうしてなの、どうしてなんだよ、どうしてこうなっちゃうんだよー!

もう何も見えない。まっくらな世界。私は何を頼りに歩いていけばいいの?
488辻っ子のお豆さん:02/11/02 16:43 ID:z0HXZugR
「駄目!ののちゃん!」

 声が聞こえた。私は崖から身を乗り出していた。梨華さんが捕まえてくれなければその
まま落ちていたかもしれない。ゆっくりと振り返ると、梨華さんも泣いていた。

「ごっちんは落とされたんだよ」
「…」
「ごっちんはここに崖があること知っていた。間違っても一人で落ちる訳ないよ」
「…!」
「麻琴ちゃんを殺した誰かが、ごっちんも殺したんだ!」

震えていた。梨華さんも、私も。言葉にはしたくない恐怖が全身を突き抜ける。

「誰かが…私達全員を殺そうとしているんだ。」

もう頭が訳わからなくなっていた。おかしくなっていたんだ。
怖くて怖くて怖くて怖くて…ただ怖かった。
489辻っ子のお豆さん:02/11/02 16:44 ID:z0HXZugR
「もしかしたら、もう里沙もよっすぃーも…」

私は口に出してから、言わなきゃ良かったと後悔した。余計怖くなるだけだったのだ。
そして一人の友人の顔を思い返した。紺野あさ美。彼女を一人で置いてきたままだった。

「梨華さん、あさ美が!あさ美が危ない!」

私はすぐに立ち上がって元来た道を走り出した。
色々な事を考えている様な、何も考えてはいない様な頭の中。
ただがむしゃらに走り続けた。何かをしていないと辛くて死んじゃいそうだったから。
森の中をどれくらい走り続けただろうか。
途中で何度もつまずきそうになりながら、私は小屋へと戻って来た。

「あさ美!!」

扉を開けた…そこには…
490辻っ子のお豆さん:02/11/02 16:45 ID:z0HXZugR
変わり果てた麻琴の死体が一つ。それだけだった。
意識を失い眠り続けていたはずのあさ美の姿は、どこにもなかった。
静寂が耳を付いた。
小屋の壁には、赤く「アヤ」と書かれていた。

「?…梨華さん」

ふと我に返り、後ろを振り返る。梨華さんは付いて来ていると思っていた。
誰もいなかった。

「梨華さあああああああああああん!!!!!」

私は大声で叫んだ。また叫んだ。しかしどれだけ叫んでも返事は返ってこなかった。

1. 梨華さんは途中で迷子になったのだと思った
2. 梨華さんも何者かに殺されたのだと思った
3. 梨華さんはわざと姿を消したのだと思った