小説「七人の娘。」

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306カコイイ名無し
【 外 伝 2 】
 藤本美貴も決戦の場で才能を遺憾なく発揮した一人である。彼女は欠席し
ていたため部隊に配属されなかった高等部三年生だ。女子高生SMクィーン
という隠された素顔を持つ彼女の武器、それは三m余りの長鞭である。貧し
い家計を助けるためのバイトとしてSM嬢になった彼女だが、いつしか鞭を
こよなく愛するようになり、今ではその技術を磨くことに血道を上げていた。
307カコイイ名無し:02/10/20 22:27 ID:VC2UOY4+
 鞭の使い手も達人となると、人がくわえたタバコの火を落とすほどの精度
を誇り、振るう鞭の先端が音速を超えるという。藤本もそのレベルに達して
はいたが、さりとて客を音速の鞭で打つわけにもいかず、技術の向上に伴っ
てフラストレーションは増していった。ようやくその技を発揮する機会を得
て、藤本は完全に浮かれモードだった。安倍達の指示を無視して密かに自分
の教室を抜け出すと、嵐の校庭に仁王立ちになる。目の前を好き勝手に走り
回るバイクの一つに狙いを定めた。
308カコイイ名無し:02/10/20 22:28 ID:VC2UOY4+
ビシッ!
唸る鞭が敵を打つ。
「うっ!」
男がバイクから転がり落ちる。
ビシッ!
落ちた男を更に打つ。
「くっ!」
ビシッ!
「あん!」
いつしかそこは、打つ藤本と打たれる男の、二人だけのワンダーランドにな
っていた。藤本は我が意を得たとばかりに、ひそかに開発した技を繰り出す。
スナップを効かせてうねるように繰り出した鞭は、男の首に蛇のようなしな
やかさで絡みつく。藤本が手首を捻ると男の顔が見る見る青くなった。そっ
と巻きつけて、ギュッと首絞めて、男は言い知れぬ歓喜に包まれて昇天する。

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309名無し募集中。。。:02/10/21 00:47 ID:4dEAfRu1
藤本編、上手いね。普通に笑った
310名無し募集中。。。 :02/10/21 18:02 ID:Ean9bU8d
>>298
武道を志すものにとって、最大の敵は「己」ですから(w
311カコイイ名無し:02/10/21 22:35 ID:nk46gX0a
+++++

  >>309 ありがとうございます。実は藤本についてもあまり
  知らなかったので、藤本系のスレで勉強しました。藤本の
  ファンがほぼ例外なくマゾだったのでサービスしました。

  >>310 あ、うまいこと言いますね。

+++++
312カコイイ名無し:02/10/21 22:36 ID:nk46gX0a
 高橋はこれまでに二人を倒したが、率いる部隊は散開し、用意した槍も三
本とも挫けてしまった。そこで一旦退こうと思案した矢先、脇から飛び出し
た三台のバイクに行く手を塞がれた。高橋はぬかるんで滑りやすい校庭を校
舎と逆方向へ走りだした。バイクの男達は下卑た笑い声を上げながらこの狩
りを楽しんだ。高橋は廃車の脇を抜けながらも次第に逃げ場を失っていった。
313カコイイ名無し:02/10/21 22:37 ID:nk46gX0a
「さぁ、どうした。もう逃げないのかい?」
遂に男達は高橋を追い詰めた。三人の男が高橋を囲み、どう料理しようか舌
なめずりをする。その時、先頭の男に黒い影が襲いかかった。さらに別の男
には白い影が覆い被さる。
「アレグロ! アダジオ!」
黒い猛犬アレグロと白い巨犬アダジオは、高橋に拾われてきた捨て犬であっ
た。彼らは主人の危機を救うべく体育館を抜け出して来たのだ。さらに何十
匹もの犬が男達に襲いかかる。狩る者と狩られる者の立場は完全に逆転して
いた。

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