win mx でお勧め娘。

このエントリーをはてなブックマークに追加
227第7話 優しさということ



着地した瞬間、二人のうちの一人と目があってしまった。

「まずいところ見られたな〜」

少女――加護があたしに近づいてくる。

「あいぼん、まつのれす」

辻が止める。
っていうか、どこにいってもこの二人ってののとありぼんなわけ?
ここで辻さん加護さんとか呼んでたら面白かったのにな。

「なんや、のの?」
「人質にするのれす!」

人質!?
っていうか、なんで?

考えて思い当たることがあった。

そういえば、なんで辻って血がついたナイフなんて持ってるわけ?
あたしは、恐る恐る辻を見る。見間違いじゃない。
確かにそれは辻の手の中に・・・さらにいうと服にも血がついてる。
で、このビルって宝石店のビル?
そんなのあるのか分かんないけど・・・・・・きらびやかなウィンドウから察すると高級そうなお店だ。

これから推測すればこの二人って――
228第7話 優しさということ:02/10/28 23:42 ID:fDGeqmle

「もしかして、強盗?」

「もしかしてれすと?」

あたしの言葉にキッと睨みつけてくる辻。
辻のくせに・・・・・・いや、いいんだけどね

「ごっちん、あかんって。うちらは陽気な通りすがりや。逃げよ」

みっちゃんがこそこそと耳打ちする。

陽気な通りすがりって意味わかんないんだけど。
まぁ、確かに逃げたほうがいいか。

そう思って二人に背を向けた瞬間、バッと暗くもないのにスポットライトを浴びせられた。
スポットライトじゃないのかな?警察がよく使うあのライト。
ともかく、まぶしくて思わず目を細めてしまう。その中でこんな声がした。

「逃げるで!のの」
「オッケーれす!アイボンは人質連れていってください!!」

「は!?」

気がついたら加護に腕を掴まれていた。みっちゃんも同じように。
そして、そのまま店の脇にある細い路地に連れて行かれる。
229第7話 優しさということ:02/10/28 23:45 ID:fDGeqmle

「いややー!!助けてーな!!」

みっちゃんが叫ぶ。

別に心配しなくても警察がいるから大丈夫だって、みっちゃん。

あたしがそう思ったその時、辻の声が聞こえた。

「こっちには人質がいるのれすよ〜撃ったら殺しますよ」

言っていることと口調がまったく噛み合ってないけど・・・・・・マジで!?

「ほら、ちゃっちゃと歩いて。悪いようにはせえへんから」

加護が、あたしを押しながらどんどん歩いていく。
みっちゃんは、すでに抵抗すらしていない。


――あたしたち、これからどうなるんだろう?