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第二章:
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矢口たちもそれなりの覚悟はしていた。
前夜三人で宿泊したホテルで話し合った結論は、口を利いてもらえなくても頑張ろうね、だった。な
るほど、自分たちが逆の立場、すなわち既存のメンバーとして追加メンバーを受け入れる立場ならば、
やはりいい気にはなるまい。多少は冷たくされても仕方がないのではないか。
そう、あくまで、多少は冷たくされても、だ。
ところが実際に対面してみると、五人のオリジナルメンバーたちは実に素っ気なかった。あたかも自
分たちのことなど歯牙にも掛けていないかのようだ。
事実、オリジナルメンバーの一人・中澤裕子は当時を振り返ってこう証言している。
「三人の印象ですか?ないです。何も思わなかった」
さらに中澤は続ける。
「心配はあったんですけど、仲良くなる必要はないと思ってたから……」
他の四人も似たようなものだった。自分たちなど意に介す気もないらしい。