お前ら、焦りすぎ!

このエントリーをはてなブックマークに追加
83名無し募集中。。。
どすん、という鈍い音がして、お尻に衝撃が走った。

イテテ…。

ちょうど座った格好で落ちてしまったようだ。
オイラはお尻をさすりつつ、真っ暗な中でゆっくり立ち上がってみた。

しばらくじっとして、耳を済ませる。
先に穴に入っていった二人の声は聞こえない。
目を凝らしてみると、うっすらと周りが見えた。
目が暗闇に慣れたみたいだ。

オイラはゆっくりと、前に進みだした。
84名無し募集中。。。:02/08/30 21:51 ID:OX8qIgBo
はっきりと見えるわけではないが、なんとなくボンヤリと周りが見える。
どうやら通路みたいなところを歩いているようだ。
オイラは壁を手で触りながら少しずつ歩いた。

と、突然手になんの感触も無くなった。
さっきまで見えていた壁も見えない。
周りに何も無いのか?

さっきよりも更にゆっくりと前へ出てみる。

しかし、やっぱり何にも無いようだ。
85名無し募集中。。。:02/08/30 21:56 ID:OX8qIgBo
突然オイラの目の前が真っ白になった。
明かりがついたのだ。
オイラは眩しくて、思わず目を閉じた。

そして、ゆっくりと目を開けてみると、何やら人影がボンヤリと見えた。
加護ぴょんか?
オイラの問いかけに人影は応じなかった。

目が明るさになれてきたので、もう少しよく見てみる。
目の前に立っていた人影は、加護ぴょんでは無かった。

誰?

オイラは誰だかわからない二人組みに囲まれていた。
86名無し募集中。。。:02/08/30 22:01 ID:OX8qIgBo
二人は槍のような武器を手にもち、緊張した顔でオイラをじっと見つめていた。
どうしよう…。
オイラはその場で固まってしまった。

「オマエドコカラキタ?」

そのうちの一人がたどたどしい言葉で話し掛けてきた。
どうやら、コイツはオイラ達の言葉が理解できるようだ。
それだけでも少しほっとする。

オイラは、ぴょ〜ん星からやってきて、宇宙船が壊れて不時着して、ヤスダザウルスに追われて、ここへ紛れ込んだ事をなるべく簡単な単語を選んで話した。
二人は顔をみあわせて、聞いた事のない言葉でボソボソと会話していた。
87名無し募集中。。。:02/08/30 22:10 ID:OX8qIgBo
「オマエドコカラキタ」

また同じ事を聞かれた。通じなかったらしい…。
オイラはさらに言葉を簡単にし、ゆっくりと一字一句づつ話した。
すると、また二人は顔をあわせて何か話し始めた。

「オマエドコカラキタ!」

今度は強い口調でオイラにたずねる。何度同じ事聞くんだよ。

突然、今まで話さなかった方がオイラの手を掴んだ。
何するんだよ!
オイラは抵抗し、その手を払いのけた。
カッとなった表情をしたその一人は、今度は物凄い力でオイラの腕を掴み、背後に回ってがんじがらめにした。
オイラは暴れた。
放せよ!
88名無し募集中。。。:02/08/30 22:18 ID:OX8qIgBo
話をしていた方の一人がロープのようなもので全身をぐるぐる巻きにした。
そして、二人がかりでオイラの両肩を持ち、どこへやら引きずり始める。
その間、オイラはずっと大声で叫び続けた。

オイラが何したってんだよ!この魚顔野郎!

そんな言葉はもちろん全然わからないようで、二人は無表情のままオイラをしばらく引きずっていた。
そして、随分雑に作られた牢屋のような場所に閉じ込められた。
オイラは床に放り投げだされたままの状態で悪態をつきまくった。

馬鹿!阿呆!この頬袋野郎!

そんな叫びも通じなければむなしいだけだった。
89名無し募集中。。。:02/08/30 22:22 ID:OX8qIgBo
さんざん怒鳴り終わると、疲れてきたのか急に不安になってきた。
なんでこんな目に…加護ぴょん達は一体ドコいっちゃったんだよ。

しばらくすると、また周りが暗くなり、よく見えなくなった。
暗闇はオイラの不安を更に加速させる。
心細くて泣きそうになった。
90名無し募集中。。。:02/08/30 22:30 ID:OX8qIgBo
「あのぅ…」

突然背後から声がした。
半分泣いていたオイラは、その声に驚いて、大声で叫び声をあげてしまった。

「あぁぁぁごめんなさい」

後ろから聞こえる声は、おどおどとした口調で謝ってきた。
オイラは少し時間をかけて落ち着きを取り戻すように努力し、今度はオイラから声をかけた。
誰?

「あのぅ…私…チャーミー星のリカって言うんですけど」
「ぴょ〜ん星の方ですよね」

そうだよ…この格好見りゃわかるだろ。
91名無し募集中。。。:02/08/30 22:39 ID:OX8qIgBo
「あ、ごめんなさい。そうですよね、見ればわかりますよね」

やけに低姿勢というか謝ってばっかりのやつだな。
「リカ」とかいうやつはそのまま話を続けた。

「あのですね、さっき走り去った二人とお仲間なんですか?」

走り去った二人?加護ぴょんと辻ぴょんか?

「あの二人、いきなりここへ入ってきて、プッチ星のあの二人の食事を持っていっちゃったんです」

そんな事したのか…アイツらどこでも食いものなのか。

「で、プッチ星の二人が怒って…そこへアナタがやってきて」

ああ、なるほど。それでオイラは敵だと思われてたわけだ。