まず、落ち着け。
オイラは自分にそう言い聞かせた。
リーダーたるべきもの、冷静に事態を把握し、最善の道を導き出さねば。
「きっとあっちだ!」
オイラが静かに考えている隙に、加護ぴょんがそう叫んで歩き出した。
おいおい…オイラの立場は…。
辻ぴょんもそれについて歩き出した。
仕方ない。オイラもついて行くしかないだろう。
こうなりゃ野となれ山となれだ。
しばらく歩くと、森が開け、広い空き地に出た。
オイラはホッとした。
さっきの場所に戻ってきたようだ…。
だが、よく見ると何か様子が違っていた。
さっきオイラの座った場所に…何か大きな物がある。
大きな、岩のような、灰色をしたデコボコの物体。
ちょっと違うのはその真中あたりに人が通れるぐらいの穴が開いていた事だ。
オイラには、その穴はどう見ても人工的に開けたものに見えた。
「あそこ入ってみよう!」
加護ぴょんはオイラが制止する声を出す間もなく、その穴に入っていった。
続いて辻ぴょんも。
オイラだけその場に取り残された。
どうしよう。
だけど、あの二人をほっておくワケにいかない。
オイラもしぶしぶ穴の中に入ってみた。
穴の中は真っ暗。
一歩踏み出してみると、そこには足場が無かった。
気づいた時にはオイラはすでに落ちていた。
真っ暗闇の中を。