とにかく最初は賑やかだった。
まるで遠足だった。
おいらとミカぴょんは引率の先生だった。
が、しかし、さすがの二人も毎日同じ事の繰り返しに飽きてきたようだった。
おいら達は四人を二つのチームにわけて、交代で睡眠を取るようにした。
と、いっても何も起きないので全員寝てしまっていても良いのだが…。
おいらが窓を外をボーッと眺めていると、突然背後から辻ぴょんの叫び声がした。
「おおおおこりゃ何だ?」
おいらは何かと思い、後ろを振り返った。
そこには、驚いた辻ぴょんと、何やらやたらと光る色んなランプ。
おいらはすぐさま立ち上がり、辻ぴょんのところに駆け寄った。
「な、なんれすかこれ…」
おいらは辻ぴょんの目の前にある計器盤を見た。
「辻ぴょん、何か触った?」
「何も触ってないれす…」
辻ぴょんは今にも泣きそうだった。
おいらにも何が何やらさっぱりだった。
慌てて辞書とマニュアルを手にとり開いてみる。
「………」
わからない…。
チャーミー語に多少知識のあったミカぴょんに任せっぱなしにしたツケが回ったか。
「辻ぴょん、ミカぴょん起こしてきて」
おいらはそれでもなんとかそれらしいページを探した。
「バンッ」
物凄い音がしたと思ったら、宇宙船は急に向きを変えたようだった。
それと同時にさらに大量のランプがあちこちで点滅する。
警告音らしき音が鳴り響く。
「チャオーチャオーチャオー」
…ふざけた音だ…。
とにかくこのままだと頭が狂いそうなので、まず警告音を消す方法を探した。
「おやびん!」
ようやくミカぴょんがやってきた。
おいらはミカぴょんに状況を説明し、マニュアルと辞書を渡した。
問題の計器盤の前に座り、ぱらぱらとマニュアルをめくるミカぴょん。
「あー!おやびん!」
外を見ていた辻ぴょんが大きな声でおいらを呼んだ。
辻ぴょんの方を見ると、さっきまでおいらの飲んでいたコーヒーがこぼれていた。
そんな事今どうでもいいだろ。