オイラの目に、ヤスダザウルスがゆっくりと離れて行く姿が映った。
ふわっと宙に浮いたように見えたと思ったら、ゆっくりと離れて…出入り口よりも遠く離れていった。
やった!
オイラは思わずガッツポーズをした。
その瞬間、オイラは壁から離れ、床を出入り口へ滑り落ちていった。
手を離してしまった。
加護ぴょんと辻ぴょんの絶叫が聞こえる中、オイラは床に手をついた。
しかし、平らな床では掴まるところが無く、なすすべも無く落ちていく。
ようやく、出っ張った所があり、手がそこに…掴まったというより引っ掛かった。
手に少し痛みが走った。
そして、次には肩に痛みが走った。
足元を見るとそこには何もなかった。遠く離れた所に地面が見えた。
出入り口まで滑り落ちてしまったようだ。
オイラは必死で叫んだ。
もうイイ!もう平行に飛んでくれ!
オイラの声を聞いた辻ぴょんが同じ言葉を絶叫した。
オイラは必死に掴まっていた。
腕が抜けそうだ。
絶叫か祈りかがミカぴょんに届いたのか、宇宙船はゆっくりと平行になっていった。
だんだんと肩にかかる重さが軽くなっていくのを感じる。
そして、床は水平になった。
加護ぴょんと辻ぴょんが物凄い形相で走りよってきて、オイラを引き上げてくれた。
ようやく平らな床に座ったオイラは、しばらく呆然としてしまった。
そして、心配そうな顔をする二人に、ありがとう、と言った。
二人に大きなかりが出来たな…。
いつも頭を悩ませたこの二人が、あんなに必死になってオイラを助けてくれた事が嬉しかった。