1 :
名無し募集中。。。 :
ついにUFAも手を打ってきたわけだが、我々モーヲタとしては
この大再編をどう認識すればよいのだろうか。
大いに議論しようではないか。
2 :
名無し募集中。。。:02/08/02 21:15 ID:1i0nAQYS
モー娘。は2人やめるだけで、再編でもなんでもないわけだが?
3 :
:02/08/02 21:15 ID:ml5jHlDG
いやだ
終了
4 :
22222:02/08/02 21:15 ID:mIIYWCEy
222222
5 :
名無し募集中。。。:02/08/02 21:19 ID:GqnISSB9
>>2が結論を出してしまったので
〇 〇 〇 〇 〇 〇 終 了 〇 〇 〇 〇 〇 〇
6 :
名無し募集中。。。:02/08/02 21:21 ID:sF7Fpvyj
後藤→ソロは明らかに失敗。
辞めさせるなら安倍・飯田・保田が正解(20歳超えて娘。はねーだろ)
安倍こそがソロ向き・・・独りよがりで前へ前へ出て行く性格が。
ユニット再編は話にならない。
矢口ミニモニ。卒業はあまりに気の毒、本体でセンター出来るなら話は別だが。
∋oノハヽo∈
∩^▽^∩ <新スレおめでとうございまーす♪
. ( )
∪∪ ぴょん
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8 :
これから:02/08/02 21:55 ID:P0N8/IM+
一番悲惨なのは、矢口ではなく、実は飯田なのでは?愛着あるたんぽぽやめさせられるし・・・。
本体でも、相変わらず、ポジション悪いし。おそらくなっちとも、和解どころか、ますます険悪に
なっていると思う。(新たんぽぽで、なっちの愛弟子?紺野が入ったが、)飯田がいるのにもかかわらず、
紺野にはっぱかけそう。それを聞いた飯田は、ますます安倍嫌いになる出そう
>>8 矢口にはキッズと組むという罰ゲームがあるんだが
10 :
名無し募集中。。。 :02/08/02 22:03 ID:KRZuZLDl
娘。内の人間関係は大きく変わりそうだね。
吉澤が孤独感に苛まれそうな予感・・・。
>>10 いしよし復活のヨカーン
なんてのはおいといて、孤独にさせることで小川以下の5期メンとの
パイプ役にする魂胆だったりして
12 :
:02/08/02 22:57 ID:EcV1amyf
まあ、後藤と娘本体を分けて、全国を手分けするようにコンサートで
まわらせたいんだろうな、事務所は。
松浦で味を占めて、後藤一人でも十分稼げると判断したんだろう。
金になる方法を考えた結果が、今回の編成ということじゃないの?
13 :
:02/08/03 01:18 ID:VrlxY6b3
14 :
:02/08/03 01:19 ID:VrlxY6b3
記者会見からどれくらいの時間が経ったのだろうか。
公の場で、初めて口にされた卒業という言葉。
後藤真希、保田圭、二人のメンバーが卒業する。
一人では過ごしがたい夜だった。
10時を回る。
矢口のラジオは、野球中継の延長で始まらない。
吉澤は石川の部屋にいた。
5期メンバーは紺野の家に集まっていた。
加護の部屋には辻が来ていた。
二人の間には山盛りのお菓子が積まれている。
一人でいるものもいた。
飯田は、帰宅途中のタクシーの中だった。
安倍は、10時を回ると同時に自室のドアを明けていた。
矢口は、インターネット限定で生放送を開始した。
「ねえ、紗耶香、卒業するってどんな気持ちなの?」
その頃保田は市井へと電話を掛けていた。
市井の目の前には、まったく同じ質問をぶつける後藤の姿があった。
雷の鳴る、嵐の夜のことだった。
15 :
名無し募集中。。。:02/08/03 01:58 ID:kXEDW07p
16 :
名無し募集中。。。:02/08/03 03:27 ID:groGJ2MJ
ハロプロだけ再編成してなんでバックはそのままなんだ?
メンバー変えても、曲作ってるヤシや振り付けしてるヤシが
変わらないってのはどーいうことだ?
こいつらみんな卒業しる。もー飽きたから。
ついでにダンスマンにも頼るな。
と言いたい
17 :
ロケット:02/08/03 03:34 ID:AnqEjWOg
いしよしの時代再来ですよーー
18 :
名無し募集中。。。:02/08/03 03:42 ID:iMCzLVAw
イーダはソロやりたいんでしょ?
りんねとのユニットも考えてた訳だし
たんぽぽにこだわってなんかないでしょ
19 :
名無しべいべー ◆q.iVopG2 :02/08/03 03:42 ID:2K5Jr3xC
いろんなスレ乱立してるのにいちいち手を出す庵。。。(w
石川にしても矢口にしても見てて感じるのはもはや利益追求の一企業の
中堅としていきなり人事異動させられたってことだけ。
新たな営業所でもっと稼げよ、ってさ。
そこにあるのはこんな組み合わせでユニット組んで歌って欲しいなあ、という
エンタテイメントの魅力無視のビジネスくささ。
ヤグの泣きトークはそんなビジネスマンの悲哀そのものだね。
>>18 問題はそれを事務所が実現させてくれるかって事だな・・・
今までの冷遇ぶりから考えると難しそう・・・
21 :
:02/08/03 07:32 ID:vbNo3NTD
『未来へ』
22 :
:02/08/03 07:32 ID:vbNo3NTD
市井が自宅マンションへと帰ってきたのは10時少し前だった。
エレベーターを上がり、廊下に出る。
自分の部屋の前に座りこんでいる不審な影を見つけるのと、その影が声をかけてくるのはほぼ同時だった。
「市井ちゃん、久しぶり」
彼女がここへ来るのはいつ以来のことだろう。
そこにいたのは後藤だった。
23 :
:02/08/03 07:34 ID:vbNo3NTD
この子が前にここへ来たのはいつだったろうかと考えつつ、久しぶりと笑顔で答え、自室のドアを明ける。
「とりあえず、上がって」
丁寧にスリッパを置き、自らは背を向けて部屋へ向かおうとすると、玄関先に立ったまま後藤が言った。
「市井ちゃん、卒業するときって、どんな気持ちだったの?」
背を向けたまま固まる市井。
彼女もついさっき後藤の卒業を知らされていた。
24 :
:02/08/03 07:35 ID:vbNo3NTD
市井のポケットの携帯が鳴った。
覗きこんだ液晶画面に出た名前 “保田圭”。
「着メロ自分の曲なんだね。いいよ、でなよ」
市井は通話ボタンを押し、後藤の方へ体を向けた。
「もしもし」
「あっ、紗耶香。久しぶり。私のこと、もう聞いた?」
「あっ、うん」
「なんだ、気の無い返事だなあ」
目の前にいる後藤の存在が気になり、あいまいな受け答えしか出来ない。
保田は、いつになく饒舌だった。
自分の力を試したい。
ソロは不安。
これで紗耶香に追いつけたかな?
次々と言葉を並べる。
そのどれに対しても、ああ、とか、うん、とかあいまいな言葉しか市井は返せない。
後藤は、黙ってそんな市井のことを見つめていた。
25 :
:02/08/03 07:37 ID:vbNo3NTD
「ねえ、紗耶香、卒業するってどんな気持ちなの?」
保田から市井へと質問がぶつけられた。
この数分で、二人の人間から同じ質問を受けている。
二人とも、かつて市井が大切にしていた盟友だった。
市井は、この電話の中で初めてまともな言葉を発する。
26 :
:02/08/03 07:39 ID:vbNo3NTD
「その日に、なれば、分かるよ。みんな、多分、違うから」
後藤の目を見て言った。
「そっか。その日になれば分かるか。それまでは、娘。で頑張ってみるよ」
保田は、電話を切った。
携帯を持った左手を市井は下に下ろす。
「圭ちゃん?」
「うん」
それだけ言って、二人は部屋へと入っていった。
部屋の中央のソファに後藤は座る。
市井は、荷物を置き、何気なくステレオのスイッチを入れると台所に向かった。
27 :
名無し募集中。。。 :02/08/03 10:38 ID:+8eVEZCs
市井、保田、後藤で新ユニット作ってくれ>UFA
28 :
:02/08/03 10:48 ID:BQ1iiCHe
>>27 市井との接触がタブー気味だった娘から卒業することで
新しい展開があってもいいと思うけどね
29 :
:02/08/03 11:09 ID:P9fALJ0G
ほんとに汚いやり方だなUFA
30 :
:02/08/03 11:11 ID:iVSXqmzD
31 :
30:02/08/03 11:14 ID:iVSXqmzD
32 :
:02/08/03 13:24 ID:D867BP2c
「後藤、何か飲む? 麦茶で良ければ冷えたのすぐあるけど」
顔だけリビングの方へ出し声をかける。
「ビール」
「は?」
「ビールがいいって言ってるの」
先ほどまでよりも大分低い声で答える。
33 :
:02/08/03 13:24 ID:D867BP2c
「なに言ってんの? あるわけないでしょ」
「無いの? じゃあ、ウイスキー、それも無ければ日本酒」
「後藤! あんた、なに考えてるの?」
市井は、キッチンから出てきて後藤の前に立つ。
「お酒が欲しいって言ってるの。なんでもいいから。お酒なら何でもいい。お酒が飲みたい」
「あるわけ無いだろ! そんなのうちに」
「じゃあ、薬は? 危ない薬。空飛べちゃうくらいの危ない薬。きもちいいやつ。市井ちゃんなんかもってない?」
「ふざけるのもいい加減にしろよ!」
市井が怒鳴りつけても後藤はまったくひるまなかった。
34 :
:02/08/03 13:25 ID:D867BP2c
「無いの? 何にも無いの?」
「無いよ」
「じゃあ、抱いて」
後藤は立ち上がる。
「私を抱いて。壊れちゃうくらい激しく。抱いて。何もかも忘れてしまうくらいに強く抱いて」
35 :
:02/08/03 13:26 ID:D867BP2c
部屋に響き渡る声だった。
胸から搾り出されたような苦しい叫び声。
後藤は市井の方へと歩んでいく。
市井に抱きつき、唇を合わせようとすると、市井は腕を激しく振り払い突き飛ばした。
後藤は、ソファの上に倒れこんだ。
「だれでもいいって顔してキスしようとするな! 抱いてなんて言うな!」
36 :
:02/08/03 13:27 ID:D867BP2c
この言葉に、後藤は声を上げて泣き始めた。
部屋には後藤の鳴き声が響いている。
ステレオからは矢口の声が流れ始めていた。
後藤が少し落ち着いたのを見て、市井は後藤の顔の前にしゃがみこんで声をかける。
「大丈夫か? ちょっと落ち着いたか?」
後藤は、軽くうなづいて体を起こす。
二人はソファに並んで座った。
37 :
:02/08/03 13:28 ID:D867BP2c
「怖いんだ。さびしいんだ。これからどうなっていくのか不安なんだ」
隣に座る市井は、ただただうなづく。
「みんななんて言うかなあって思った。後藤が卒業するって言って、喜ばれたりしたら
やだなあとも思った」
矢口の中途半端に明るい声が響く中、後藤は続ける。
「卒業する時、だれか私のために泣いてくれるかなあ、とか、一人で唄って、帰る場所
が無くなるってどんな感じなんだろうとか、いっぱいいっぱい考えた。気づいたら、この
部屋の前にいた」
市井は、ひざに手を乗せうつむき加減で聞いている。
38 :
:02/08/03 13:29 ID:D867BP2c
「確かに、一人でやってみたいって思ってた。ソロになる方向で話を進めてた。だけど、
知らない間に急にここまで話が進んでて、突然結論だけ言われて・・・。怖いんだ。何も
かもが。それで、誰か助けてって思ってたら、ここにたどり着いちゃったんだ」
そこまで言うと、後藤は黙り込んだ。
矢口の声だけが響いていた。
明るいような、涙の混じったような、そんな声だけが。
39 :
:02/08/03 13:30 ID:D867BP2c
「後藤。矢口のしゃべってるの聞こえるか? たぶん、涙流しながらしゃべってるぞ、あいつ」
こくりとうなづく。
「みんな、後藤のこと好きなんだよ。いい仲間じゃんか。家族が海外に行っちゃうみたい
って、半泣きで言ってもらってるんだぞ」
市井は、昔、自分が教育係として後藤の面倒を見ていたことを思いだしながらしゃべっていた。
スタッフには感謝しろ。
ミーティングの内容はちゃんとメモに取れ。
普段の笑顔をお客さんにも見せろ。
すべて、市井が教えたもの。
久しぶりに、後藤を教え諭す役目を演じている。
40 :
:02/08/03 13:31 ID:D867BP2c
「頑張るのは義務だよな、卒業した者の。卒業した人間が頑張れないと、後に続く人が出て
来ない。送り出してくれた仲間にももうしわけない」
自分自身にも言い聞かせるように噛み締めながら話す。
「昔、何度か言ったよな。後藤なら出来るって。まや、今日も言うよ。後藤なら出来る」
後藤が顔を上げた。
涙でぬれているが、哀れみを誘うような表情は消えていた。
41 :
:02/08/03 13:32 ID:D867BP2c
「市井ちゃん」
呼びかけてから市井の方を向いた。
「ん、なんだ?」
「麦茶、ちょうだい」
「よし、まってろ! 冷たいの持ってくるからな」
後藤のつぶやきに、市井が明るく答え立ち上がる。
部屋には、ラジオから流れてくる後藤の新曲が流れていた。
42 :
名無し募集中。。。 :02/08/03 14:12 ID:1HCOPw5w
市井と後藤の2人ユニットきぼんぬ。
頼むよ、UFA。
43 :
名無し募集中。。。:02/08/03 15:24 ID:SKN5jDvU
44 :
W:02/08/03 15:30 ID:uaTmP4bC
>>41 人を泣かせて満足かー。満足なんかー。
…続きはあるのかい?
45 :
:02/08/03 15:56 ID:itkowsnB
10時を過ぎるとパソコンの回りに集まる4人は騒がしくなってきた。
「なんでつながらんの?」
「CMみたいのしか聞こえないよ」
「矢口さんの声聞けないの?」
紺野の部屋に集まった5期メンバーたちは、インターネット放送を聞こうとしていた。
同じメンバーの番組とは言え、インターネットは公平だ。
彼女たちも回線がつながらずに苦労している。
46 :
:02/08/03 15:58 ID:itkowsnB
「はじまってやせんかの」
「ラジオはずーっと野球やってるよ。まだー?」
「こんちゃんとろいんだよー。なんかやり方間違えてるんじゃないの?」
パソコンの知識を持たない三人は、紺野に向かって言いたい放題である。
「うるさーい!!! 回線がビジーなんだからしょうがないでしょ」
つながらないことでいらいらしていた紺野が、仲間たちの発言に切れた。
47 :
:02/08/03 15:59 ID:itkowsnB
「ビジーってなんや?」
「あ、知ってる。忙しいって意味でしょ」
「こんちゃん、気取って英語なんか使わないでよ」
好き勝手な3人にため息をつきつつ紺野は説明する。
「ビジーっていうのは、電話中ですっていうみたいな意味。だから、他の人がつながってて、
このパソコンはつながらないの」
なんだ、役に立たないなあ、と三人はパソコンからはなれラジオに向かう。
48 :
:02/08/03 16:00 ID:itkowsnB
「野球っていつ終わるの?」
「どっちかが勝ったら終わるんじゃない?」
「終わらないとどっちかが勝てないんじゃないの?」
3人寄ればかしましい。
そんな言葉が紺野の頭をよぎる。
49 :
:02/08/03 16:01 ID:itkowsnB
重苦しい雰囲気はまったく無かった。
さっきの会見でここにいるメンバーは全員涙をこぼしている。
高橋や小川にいたっては、マイクを持ってもまったく言葉にならなかった。
そんなことを今は微塵も感じさせない。
当事者がいないところで4人集まっていれば、卒業、という単語はわざわざ触れない限り
頭から消えている。
集まればそうしていられる、となんとなく感じていたから4人はここに集まっていた。
外は、雷鳴が響き始めていた。
50 :
:02/08/03 16:02 ID:itkowsnB
紺野はパソコンをいじりつづけるが効果は無い。
そのうちに、ラジオの野球中継が終了した。
「もう、いいよこんちゃん。ラジオで始まるから」
「うん。多分、ラジオ始まってからじゃない、ちゃんと話すのは」
「そうだね」
紺野は答えも返さずにウインドウに向かった。
メディアプレイヤーを繰り返し動かす。
ようやく、回線がつながることが確認できた。
51 :
:02/08/03 16:03 ID:itkowsnB
「つながったよ」
喜色満面の笑みで紺野が3人に告げると、小川が軽く返す。
「始まったよ、ラジオ」
3人に笑いが起こった。
ちょっとすねたような顔をしつつ、紺野はラジオの前に座る。
「こんちゃんは頑張った。えらい」
「もう、いいよ。ラジオ聞こ」
からかうように言う小川に対し、紺野は普段の調子で言った。
「ほら、話始まるよ」
52 :
:02/08/03 16:04 ID:itkowsnB
4人は、まるでファンのリスナーと同じように矢口の声に聞き入った。
ユニットの再編成の話で、それぞれの名前が出てくる。
「まこちゃんだけ最初の希望通りなんだよね」
「いいなあ、なんか認められてるって感じで」
高橋と新垣のうらやむ言葉に小川は答えることをしなかった。
プッチモニ。に入りたいと思っていたのは事実だ。
番組でそういったことを話したこともある。
だが、ここにいたって小川は思っていた。
53 :
:02/08/03 16:05 ID:itkowsnB
私がこれから所属するグループは本当に“プッチモニ。”なのだろうか?
54 :
:02/08/03 16:05 ID:itkowsnB
後藤さんがいて、保田さんがいて、その上で吉澤さんがいる。
それが小川にとってのプッチモニ。だった。
その“プッチモニ。”に入って3人と一緒に活動してみたかった。
55 :
:02/08/03 23:12 ID:hUNzxy/e
高橋にとって、ミニモニ。加入は大きな驚きだった。
4人の中で今回の再編で一番驚いていたのが高橋だ。
150cm以下限定ユニット。
スタッフから再編の話を聞かされた時、自分はタンポポだろうかプッチモニ。だろうか
、どちらだろうと思っていた。
タンポポにもプッチモニ。にも名前は出てこなかった。
私だけ、ユニット無しなの? と落ち込んだところに告げられたミニモニ。加入。
喜びや不安の前に、驚きが来た。
愛ちゃん史上最高の驚き顔、と小川はこの時言っている。
ぴょーん星人を愛ちゃんもやるのかな? と新垣がつぶやいた時、またも同じ顔をしてし
まったのは加護辻にはひみつにしておかなくてはならない。
56 :
:02/08/03 23:13 ID:hUNzxy/e
新垣も驚いていた。
絶対ミニモニ。だと思ってたのに。
意外ではあったけど、うれしかった。
こんちゃんと一緒なら気楽かな、と思った。
ユニット毎に活動する際にも、同期がいれば何かと相談しやすい。
怒られることに臆病な彼女にとっては、それが幸いだった。
何にしたって奴らは数千万単位の金をもらってるんだから、文句言う筋合いじゃねえべ
58 :
:02/08/03 23:14 ID:hUNzxy/e
ユニットの話に続いて、後藤、保田の話へとラジオは進む。
紺野は、ユニット再編に関しては何の感慨もなかった。
それよりもずっとずっと大きなこと。
後藤さんが9月23日に卒業してしまう。
そのことだけが頭をめぐっていた。
メンバーたちにはいくつかのグループ毎に、なるべくショックの少なくなるような形で今回の件が伝えられていた。
5期メンバーは4人だけで仕事の帰り際に集められた。
最初に、後藤、保田の卒業が告げられる。
驚き、涙をこぼす4人が落ち着いたのを見計らって、次にユニット再編の話を進めた。
そのため、他の3人は自分たちがユニットへ加入することの重さの方が胸に残っていた。
しかし、紺野だけが違った。
実際、ユニット再編の話が終わった時、新垣に「一緒だね」と言われて、「えっ、私ミニモニ。に入るの?」と返してしまったほどだ。
後藤がいなくなる、それを告げられて以降のスタッフの言葉はまるで頭に残っていなかった。
59 :
:02/08/03 23:15 ID:hUNzxy/e
「後2か月で、後藤さんいなくなっちゃうんだね」
ユニットの話で盛り上がっていた3人も、矢口が後藤のことをしゃべりだすと静かになった。
悲しい前にショックだった。
モーニング娘。というグループはメンバーが増えたり減ったりしていて、自分たちはその
恩恵でここにいる。
だから、いずれは誰かがやめていくことになる。
そんなことは、誰もが知っていた。
だけど、初めて現実に体験する。
とにかくショックだった。
5期メンバーから見て後藤や保田というのは遠い存在。
あまり共に時間を過ごす機会はなかった。
それでも、憧れの存在がいなくなってしまうのは、ショックで、その次にさびしかった。
60 :
:02/08/03 23:16 ID:hUNzxy/e
「矢口さん泣いてるね」
ここにいる誰もが、こんな矢口の声を聞くのは初めてだった。
だから、高橋は矢口が泣いていると気づいてしまった。
後2か月でいなくなる。
もっと後藤さんと話したい。
みなが持つ願い。
ミニモニ。の曲が流れる。
「愛ちゃん、今度からこういうの唄うんだよね」
場の雰囲気と自分の気持ちを切り替えようと小川が言う。
高橋は、あいまいに答えるだけだった。
61 :
:02/08/03 23:17 ID:hUNzxy/e
紺野は、また一人の世界にいた。
後藤さんがいなくなる。
そんなのいやだ、ずっとそばにいて欲しい。
自分でもなぜだか分からないけれど、ずっとそれだけが頭の中を駆け巡っていた。
5期メンバーの中では、後藤との時間を一番多く過ごしているのは紺野だろう。
最初に出会った時のこと。
ミュージカルの稽古やステージ。
新曲で並んだ姿。
次々に思い出される。
紺野がそうして頭の中だけ別世界に飛んでいると、番組は藤本の新コーナーへと進んでいた。
62 :
:02/08/04 01:51 ID:GGW2J2W8
***********************
63 :
:02/08/04 01:52 ID:GGW2J2W8
「あの、ニッポン放送つけてもらえますか?」
飯田は、帰宅途中のタクシーの中にいた。
今日の最後の仕事は、今回の件でのファンに対してのコメント取り。
「おっ、仕事熱心ですねえ」
飯田はニッポン放送からこのタクシーに乗り込んできていた。
運転手がラジオをつける。
後ろに座っている客がモーニング娘。であることには気づいていない。
ニッポン放送の関係者だと思っている。
64 :
:02/08/04 01:53 ID:GGW2J2W8
「いやー、最近この時間ラジオ消してるんですよ。私、実はアンチ巨人でしてねえ、このところ、いやなものばかり聞かされるから・・・」
饒舌な運転手に苦笑することしか出来ない。
ラジオでは、野球放送の終わりを告げるアナウンサーの声が流れていた。
今回の大変革は飯田にも大きな衝撃を与えていた。
中心メンバーだった後藤、リーダーの自分を常に支えてきた保田の二人がいなくなる。
そして、自分が最も輝いて唄うことが出来ると思っていたタンポポからの卒業。
激しく動揺したのも事実だ。
いまでも、全部無かったことにならないだろうかとは思う。
それでも、飯田はメンバーの中でショックからの回復は早い方だった。
65 :
:02/08/04 01:54 ID:GGW2J2W8
ラジオの向こうで矢口が語りだした。
まだ混乱してるみたいだな、と思う。
「なんか、またいろいろと変わるみたいですねー、モーニング娘も。うちの娘がね、この
グループのリーダーのファンらしいんですよ。私には、誰がどれだか区別つかないんだけど」
私、名乗った方がいいのかなあ、と思ったが、知らない振りしてもう少し話を聞いて見ることにした。
66 :
:02/08/04 01:55 ID:GGW2J2W8
「このしゃべってる子、なんかつらそうですねえ。仲間がいなくなるのがさびしいんだ。
それに、この子自身にも、いろいろ変化があるみたいですしねえ。ほんと大変だ」
感情を無理やり押さえ込むように話す矢口の声を聞いて、飯田は私の心は冷たくなって
しまったのだろうか、と悲しい気持ちになる。
飯田と矢口は、今のグループの中では上の立場にいて安倍や保田と含めて大人グループ
として扱われている。
メンバーの加入も脱退も何度も経験している。
しかし、決定的な違いがあった。
飯田は、矢口が経験していない、モーニング娘。最大の激震を経験している。
67 :
:02/08/04 01:55 ID:GGW2J2W8
「増やしましょうか」
つんくのこの一言で決まった2期メンバーの加入。
これを超える衝撃は、飯田にとってもはやありえなかった。
68 :
:02/08/04 01:57 ID:GGW2J2W8
「しかし、頑張ってますよねえ、この子たち。大人の思惑に振り回されて大変だろうに。
私、アイドルとかあんまり好きじゃないし、中学生なのに高額納税者になるなんてのはど
うかと思うけど、でも、たぶん、私の10倍は頑張ってるんだろうなあ」
運転手が矢口の声にかぶせるように語る。
頑張ってるってことが、見ず知らずの人に伝わっているのをこうして知ることが出来る
のは素直にうれしかった。
飯田は、変化に対する免疫があった。
リーダーとしての自覚も。
感情をあらわにしやすい性格ではあったが、それを自分の中で整理するやり方を見に
つけてきた。
今回も、自分自身に大きな動揺があったけれど、それでも、それよりも、ショックを
受けるメンバーのフォローをしないと、という気持ちが先に立った。
69 :
:02/08/04 01:57 ID:GGW2J2W8
辻や加護はショックでふさぎこんだりしないだろうか。
5期メンバーは、新しいユニットに馴染めるかなあ。
タンポポは、今の石川なら何とかしてくれると信じたい。
吉澤はちょっと体育会入ってるから、年上のアヤカに遠慮せず出来るかなあ。
70 :
:02/08/04 01:59 ID:GGW2J2W8
話を聞いた時も、会見でも、涙をこぼすことはまったくなかった。
コメント取りも、落ち着いてしゃべってきたつもりだ。
生放送でここまで動揺した喋りをしてしまう矢口が、逆にうらやましくもあった。
71 :
:02/08/04 01:59 ID:GGW2J2W8
じきにタクシーが、飯田のマンションの前についた。
料金を支払い、領収書を受け取る。
領収書と引き換えに、カバンに入っていた自分のフォトエッセイにサインをして渡した。
「娘さんに差し上げてください。私、モーニング娘。のリーダーで飯田圭織と言います」
運転手が驚愕の顔をしている間に席を立ち、玄関までの一瞬だけ雨にぬれながら、フロント
まで走り抜けて行く。
本来ならば自宅がばれる危険があるから、わざわざ名乗ったりはしないのに、思わずサイン
まで渡してしまった。
今日のような大変な日の終りに、自分のファンと言ってくれる人が現れたのがうれしかったから。
72 :
:02/08/04 02:00 ID:GGW2J2W8
部屋に入り、まずラジオをつける。
流れてきたのは、さっき撮った自分の声だった。
電気もつけずに立ちつくし聞き入った。
「あたしは、笑顔で送り出してあげたい」
その言葉を聞いて涙がこぼれた。
自分の言葉なのに。
本音のはずだったのに。
「圭ちゃん・・・。ごとう・・・」
真っ暗な部屋の中、飯田はひざを抱え込み顔を覆った。
「タンポポを返して・・・」
外では不気味に雷が鳴り、部屋の中はステレオのチャンネル表示だけが哀しげに光っていた。
73 :
:02/08/04 09:36 ID:HSJlUJbm
********************
74 :
:02/08/04 09:37 ID:HSJlUJbm
「あいぼん、ラジオ聞かないの?」
「別に聞いたって、聞かなくたって一緒だよ」
「でもー」
加護の部屋では、テーブルに置かれた山盛りのお菓子を中心に、加護と辻がソファに座っ
ている。
二人は、さっきからこのやり取りを繰り返している。
辻は、起きた出来事をしっかりと受け止めなきゃと辻なりに思って、電波を通した先輩の
声を聞きたいと考えていた。
時計は、ちょうど、時計屋に置かれているのと同じ針の向きになっていた。
75 :
:02/08/04 09:38 ID:HSJlUJbm
「あいぼん」
「あー、もううっさいな。テレビでも見るか?」
雑誌を眺めていた加護は、リモコンを拾い上げテレビをつける。
適当にチャンネルを回し、雑誌を置いた。
二人は、お菓子の山からプリッツを取りだしかじる。
ソファによっかかり、加護はぼけーっと画面を見つめている。
76 :
:02/08/04 09:39 ID:HSJlUJbm
「あいぼん。ねえ、あいぼん」
「何? なんなのさ。うちは、テレビ見るって」
「数学の勉強するの?」
画面には、はげ頭の中年男性が、差し棒を持って黒板の上に張られたいくつかの紙を使っ
て、なにやら説明している。
「うちかて、たまには勉強したっていいだろ」
「あいぼん、大学の勉強なんか分かるわけないじゃん」
加護がつけたチャンネルは放送大学だった。
77 :
:02/08/04 09:40 ID:HSJlUJbm
「ああ、もうあきたは」
再びリモコンに手を伸ばしスイッチを切る。
部屋は、この二人がいるとは考えられないくらい静かになった。
「なんか、お菓子持ってくる」
加護は、辻にそういい残し部屋を出た。
78 :
:02/08/04 09:41 ID:HSJlUJbm
二人は、矢口やミカとともにミニモニ。の番組収録後この話を聞いた。
マネージャーサイドとしては、動揺するであろう加護辻を矢口に落ち着かせてもらおうと
いう狙いがあった。
その時のことを加護はよく覚えている。
4人の中で、一番動揺していたのは他でもない矢口だった。
後藤と保田の脱退を聞いた時は、ミカ以外の3人はみな泣いていた。
その後、ユニットの再編について告げらると矢口は、「えっ? えっ? と連発していた」。
79 :
:02/08/04 09:42 ID:HSJlUJbm
加護は、そんな動揺する矢口を見たことはそれまでなかった。
矢口さんまでもがパニックになっている。
そのことがショックだった。
認めなくなかった、自分たちの回りに起こったことを。
私たちはなんでこんなつらい思いをしなくちゃいけないんだろう。
80 :
:02/08/04 09:46 ID:HSJlUJbm
そう思っても、口に出すことはしなかった。
加護は、明るくしてなくちゃいけないんだ。
楽しいことが起こることにしなくちゃいけないんだ。
人がいるところではそう思って頑張ることが出来たけれど、ずっとそんな姿勢を保つこと
は出来なかった。
ごっちんがいなくなっちゃう。
おばちゃんがいなくなっちゃう。
梨華ちゃんや飯田さんとタンポポでうたうことはもう出来ない。
ミニモニ。も矢口さん抜きで頑張らなくちゃならない。
加護は、ずーーと今までどおり楽しくやっていたかったのに・・・。
81 :
:02/08/04 09:47 ID:HSJlUJbm
マネージャーから今後のことは聞いた。
記者会見も開いた。
それでも、まだ、明日から今までどおり、これまでもずっと今までどおりの世界が待って
いるような気がしてならない。
矢口さんのラジオを聞いてしまうと、それが全部消えてしまいそうな気がした。
その一方で、矢口さんのラジオから今までの世界と同じ世界に戻れるのではないか、とい
うありえない期待も持っていた。
82 :
:02/08/04 09:48 ID:HSJlUJbm
「のの、ヨーグルト食べる?」
加護は、ブルーベリーヨーグルトを二つ持ってきた。
「うん」
新たな食べ物を前にしても、辻は力無く答える。
「ねえ、ラジオ聞こうよやっぱり」
「ん? うーん。そういえば、今日美貴ちゃんのはじめてラジオもあるんだっけ。矢口さん
なんかどうでもいいけど、美貴ちゃんのはじめての番組は聞こうかな」
ソファから再び立ち上がりステレオをつける。
ちょうど、矢口が記者会見での加護辻の狼狽振りを話しているところだった。
83 :
:02/08/04 09:49 ID:HSJlUJbm
加護はソファに座り、ヨーグルトのふたを明ける。
「席替えだって」
矢口の比喩を辻がなぞる。
「やっぱり、あったんだなあ」
「全部、ホントのことなんだよ」
84 :
:02/08/04 09:50 ID:HSJlUJbm
辻は、今回の件で一番動きの少ない一人だ。
辻自身は現状維持。
ミニモニ。からは大黒柱の矢口が抜けてしまうが、変化としてはそれだけだった。
だけど、それだけで十分だった。
ユニット再編なんかなくても、二人が卒業するだけで大事件なのだから。
記者会見で辻は、言葉に詰まって単語を並べることしか出来なかった。
85 :
:02/08/04 09:51 ID:HSJlUJbm
CMが明け改めて矢口から次々と報告がされていく。
二人は黙って聞いていた。
いろいろなことを考えながら。
ミニモニ。の新曲が流れる。
「矢口さんのいる最後だね」
辻の言葉に加護はうなづいて言った。
86 :
:02/08/04 09:52 ID:HSJlUJbm
「うちら、そろそろ大人にならないといけないのかな?」
87 :
:02/08/04 09:52 ID:HSJlUJbm
辻は答えない。
「それとも、ずーっと、今の子供のままでいないといけないのかな?」
「どっちなんだろう」
「ごっちんやおばちゃんなら、教えてくれるかなあ?」
88 :
:02/08/04 09:53 ID:HSJlUJbm
加護はのどまででかかった、さびしいなあ、という言葉は口にしなかった。
今回、一番多くのものを失ったのは加護なのかもしれない。
それでも、この時自分はモーニング娘。で良かったな、と思っていた。
「のの、明日からもがんばろな」
「うん」
まだまだ幼い二人の決意を包み夜はますますふけていった。
89 :
:02/08/04 09:56 ID:HSJlUJbm
90 :
:02/08/04 13:18 ID:0STDBeMc
記者会見の後仕事の無かった安倍は久しぶりにサウナへと行った。
軽くジムで汗を流してから、サウナへ入りさらに汗を流す。
座るときに、“よいしょ“と思わず声を出してしまった。
「はー、なっちもこれで一番おばさんだあ」
誰もいないサウナ室で笑いを交えて独り言をつぶやく。
保田がいなくなれば、飯田と並んで安倍が最年長になる。
北海道から出てきてもうすぐ5年の月日が経とうとしていた。
91 :
:02/08/04 13:19 ID:0STDBeMc
「なっちは、別に、普段と変わらないよ」
普段と変わらない自分でいようと声を出す。
サウナ室からは15分ほどで出てきた。
安倍は、今回の件で他のメンバーとは違う衝撃を受けていた。
ユニットに関しては、元からどこにも所属していなかったので関係ない。
高橋のミニモニ。加入を聞いた時に、じゃあ、なっちでもいいじゃん、と思った程度だ。
問題は、後藤と保田の卒業。
さびしいという感情とはまったく別のものが安部の中に生まれていた。
92 :
:02/08/04 13:20 ID:0STDBeMc
自分はいつまでモーニング娘。なのだろう?
93 :
:02/08/04 13:21 ID:0STDBeMc
サウナから自宅マンションに帰ると、玄関フロア前に何かが落ちていた。
しゃがみこんででよく見てみる。
「うわあ」
せみの抜け殻だった。
なっち、虫とか苦手なんだよなあ。
そう思いながらもなぜか目を離せない。
94 :
:02/08/04 13:22 ID:0STDBeMc
「ごっちんと圭ちゃんの抜けた娘。は抜け殻? なんてね」
自分で言ってみて怖くなった。
首を横に振って立ち上がる。
部屋に戻ると留守電ランプがついていた。
95 :
:02/08/04 13:23 ID:0STDBeMc
「なっち? 明日香だよ。また、いろいろ大変みたいだね。こっちも大変だよ。今は大検
の真っ最中。まあ、頑張れば何とかなる世界ってのはずいぶんとめぐまれたもんなんだって
のを知ってしまったから、受験くらいは何とかなるけどね。なっちも頑張れよ。何があって
も笑顔のなっちが大好きだー・・・・・・。言ってて恥ずかしくなったから切るね。大検の
結果出たらまた連絡するよ。ばいばい」
96 :
:02/08/04 13:24 ID:0STDBeMc
福田からのメッセージだった。
「携帯に掛けて来いっての」
電話に向かって毒づく。
明日香らしいなあ、とも思っていた。
福田からの電話は、中澤の脱退の時もあった。
市井や石黒の時もあった。
どの場合も、安部が絶対にいないであろう時間に部屋の電話にかけてきて留守電メッセー
ジを残している。
97 :
:02/08/04 13:25 ID:0STDBeMc
ラジオをつけた。
自分の番組は終わってしまっている。
チューニングを変えた。
野球放送が延長されていた。
98 :
:02/08/04 13:26 ID:0STDBeMc
さっきの会見を思い出す。
ごっちんと圭ちゃんは、本当に自分の意思で卒業していくのだろうか?
圭ちゃんが来年春卒業というのを今発表したということは、自分は、どんなに早くてもそ
れと同時卒業だろう。
子供でも出来れば別だけど、そんな脱退の仕方をするつもりは無い。
これで6人を見送ることになる。
祐ちゃんの卒業までは、まだ、みんなと同じ感覚で受け止められていた。
99 :
:02/08/04 13:27 ID:0STDBeMc
今回は違う。
なんで、ごっちんと圭ちゃんなのだろう?
私は、卒業しないのだろうか? 出来ないのだろうか?
娘。に必要だから、卒業しないのだろうか?
卒業して一人でやっていくのは無理だから卒業しないのだろうか?
いくつもの疑問、それは、一つに集約されているものだった。
100 :
:02/08/04 13:27 ID:0STDBeMc
野球中継が終り、矢口の番組がスタートする。
矢口も、自分より先に卒業していくのだろうか?
娘。がいやなわけじゃない。
今すぐ卒業したいわけじゃない。
だけど、卒業出来ない自分ではいたくなかった。
元々、ソロで活躍したかったのだから。
101 :
:02/08/04 13:28 ID:0STDBeMc
ラジオを消す。
今夜は、久しぶりに早く寝ることにした。
102 :
:02/08/04 13:30 ID:0STDBeMc
103 :
名無し募集中。。。 :02/08/04 16:29 ID:QTp3r0Lu
今回のハロプロ再編によって低年齢化がますます進むわな
実際、二十歳以上は居づらくなるのではなかろうか?
104 :
:02/08/04 21:32 ID:/CZxRBHj
何かが起こるといつも支えあってきた。
こんな日は一人ではいられない。
「梨華ちゃん」
「うん」
記者会見の後、これだけの会話で吉澤は石川の部屋に行くことを伝えた。
105 :
:02/08/04 21:33 ID:/CZxRBHj
途中のスーパーで買いものをする。
食料品を買い込む石川の後を吉澤は黙ってついていく。
いつになく静かだった。
106 :
:02/08/04 21:34 ID:/CZxRBHj
部屋に戻ると石川は料理をはじめた。
吉澤は石川のベッドに横になり、テレビをつけ“どっちの料理ショー“を眺めている。
穏やかな空気の中に、キッチンからカレーのにおいが広がる。
「よっすぃー、できたよー」
吉澤は、ベッドから起きだしダイニングテーブルにつく。
サラダとカレーの皿を乗せたトレイを石川が運んできた。
107 :
:02/08/04 21:35 ID:/CZxRBHj
「ホントに飲むの?」
「たまには、こんなこともあったっていいんじゃない?」
石川はためらいながらも赤ワインを手にしていた。
お互いにグラスに注ぐ。
さっきのスーパーで買った赤ワイン。
料理用のふりをして買ったためあまり高くない普通のワイン。
108 :
:02/08/04 21:36 ID:/CZxRBHj
「みんなの幸せな未来を願って」
「乾杯」
軽くグラスを合わせ、口へと持っていく。
一口含み、二人とも少し顔をしかめる。
「にがい、よね」
「うん」
二人がアルコールを口にしたのはこれがはじめてのこと。
グラスを置いた。
カレーのスプーンに手を伸ばす。
109 :
:02/08/04 21:36 ID:/CZxRBHj
「梨華ちゃんさあ、料理上手くなったよね」
「そう? おいしい?」
「うん。娘。に入った頃からいろんなの作って持って来てたけど、最初はひどかったもん」
「ひどいなあ、食べてたくせに」
「みんな、梨華ちゃんが落ち込むのが怖かったからさ」
思いで話に花が咲く。
二人でカレーを平らげると、ラジオをつけた。
野球中継が続いている。
石川は、グラスにもう一度ワインを注いだ。
110 :
:02/08/04 21:37 ID:/CZxRBHj
「苦いんじゃなかったの?」
「なんか、飲みたいなって思って」
「私ももういっぱい飲もうかな」
おいしかったわけじゃなかった。
だけど、飲みたかった。
111 :
:02/08/04 21:38 ID:/CZxRBHj
あんなことあったよね。
こんなことあったよね。
話は尽きない。
メンバーの中で、後藤と保田から最も強く影響を受けていたのはこの二人だった。
112 :
:02/08/04 21:38 ID:/CZxRBHj
野球が終わる。
矢口の番組が始まった。
二人の会話も止まる。
矢口の言葉に聞き入った。
「私たちだけ残るんだよね、どっちも」
「うん」
タンポポは石川、プッチモニ。は吉澤以外のすべてのメンバーが入れ替わる。
113 :
:02/08/04 21:39 ID:/CZxRBHj
「頑張らなきゃいけないんだよね、私たちが」
「頑張らないと、圭ちゃんに怒られちゃうしね。ごっちんにも」
「どんなグループになるんだろう、タンポポ」
「私たちが、リーダーになるのかな」
「そういう肩書きがつくかはわからないけど、そうなんだろうね」
多くの物を失って、与えられた大きな立場。
不安と責任感と寂しさと。
心の許容量を上回る感情が染み出してくる。
114 :
:02/08/04 21:39 ID:/CZxRBHj
矢口はコメントを続けていた。
鼻をすする音、ため息、震える声。
それでも笑おうとしてしゃべり続ける。
二人は静かに矢口の言葉を聞いていた。
激しい雷の音がした。
放送はCMに入る。
吉澤は突然服を脱ぎ始めた。
115 :
:02/08/04 21:40 ID:/CZxRBHj
「どうしたの?」
「走ってくる」
カバンからジャージを取りだし身につける。
「走ってくるって、もうこんな時間だよ。雷も近くに落ちたみたいだし、危ないよ」
「大丈夫」
「大丈夫じゃないよ。よっすぃーこの近所わかんないでしょ」
「大丈夫」
「ちょっとまってよー」
引き止める石川の言葉を無視して吉澤はダンスレッスン用のシューズを履きドアを明けた。
階段を降り、建物の外へ。
石川は、出てくる吉澤を窓から見つめていた。
116 :
:02/08/04 21:41 ID:/CZxRBHj
雨がポツリポツリと落ちてくる。
吉澤は、近所のやや大きな公園に向かっていた。
石川の家の近くで分かる場所はここしかない。
後藤と三人、コンビニ帰りの夜中にここのブランコで遊んだこともあった。
公園全体を囲むように500メートルほどのジョギングコースがある。
そこを、一周二周と回る。
雷が近くに落ちた。
雨も強くなる。
吉澤の全身は雨にぬれ、ジャージが体に張り付く。
一周毎にペースは上がっていった。
前だけを見て走り続ける。
117 :
:02/08/04 21:41 ID:/CZxRBHj
傘を持った石川がそこへやってきた。
吉澤は目の前を通過する。
声はかけなかった。
黙って見送る。
何周も何周も走り続ける。
ペースはますます上がっていった。
走り続ける吉澤を、石川は静かに見つめ続けた。
118 :
:02/08/04 21:42 ID:/CZxRBHj
やがて、これ以上無いという速度で走ってきた吉澤が、石川のまえで足を止めた。
ひざに手をつき、肩で息をする。
石川は、そんな吉澤に傘を差しかけた。
手をひざについたまま地面に向かって吉澤が大声で叫ぶ。
「バカヤロー!! ごっちんのバカヤロー!! 圭ちゃんのバカヤロー!! つんくさんのバカヤロー!!」
吉澤の叫びは、強い雨と雷にかき消される。
最後は弱弱しい声になっていた。
119 :
:02/08/04 21:43 ID:/CZxRBHj
しばらく、鼻をすすり肩を震わせていた吉澤が、腰に手を当て体を起こす。
顔は、ややうつむき加減だった。
石川はずぶぬれの吉澤の肩を抱いた。
「帰ろう」
吉澤はうなづくと、二人は部屋へと戻っていった。
激しい雷雨は続いていた。
120 :
:02/08/04 21:43 ID:/CZxRBHj
121 :
:02/08/05 00:36 ID:xvs21KxX
保田は手にしていた携帯の電源を切るとベッドに向かって放り投げた。
「紗耶香の役立たず」
テーブルに乗っている写真立てに向かって言葉を投げつける。
クッションに座り、壁に寄りかかってマックの袋に手を伸ばした。
ハンバーガーを二つ取りだす。
なぜか、無性にこのハンバーガーが食べたくて帰りに買ってきたのだ。
122 :
:02/08/05 00:37 ID:xvs21KxX
ここでバイトしてたんだよな昔は、と思い出す。
高校をやめてフリーター生活。
いろんなお客さんがいた。
その中で一度だけ、特別メニューを出したことがある。
123 :
:02/08/05 00:38 ID:xvs21KxX
店の前で何人か集まってじゃんけんをしている自分と同年代くらいの少年たちがいた。
負けた子は異常に悔しがっている。
買出しぱしりくらいでそんなに悔しがらなくてもと思って見ていると、その少年は自分の
カウンターへとやってきた。
「いらっしゃいませ、ご注文はお決まりですか?」
はにかんだまま何も言わない。
「こちらメニューですので、よろしかったらご覧になってください」
ぱしりなのに頼まれたものを忘れたのだろうか? といぶかしく思っていると、少年が
恥ずかしそうに口を開いた。
「あ、あのー、スマイル、ください」
「はあっ?」と思わず口にしてしまう。
それでも、マニュアルどおりの笑顔を見せて、「こちらスマイルでございます」と答えた。
124 :
:02/08/05 00:38 ID:xvs21KxX
そんなことが急に思い出された。
自分のスマイルはあの頃と比べてどうなのだろう?
125 :
:02/08/05 00:40 ID:xvs21KxX
今朝方、家を出ると保田はスポーツ誌を大量に買いこんだ。
仕事の合間に読むことも出来たのだが、皆の前で見るのは恥ずかしかったので、部屋まで
持って帰ってきた。
一つ一つチェックする。
どの新聞も、後藤のことが中心に載っていた。
そして次にユニット再編成について。
保田の卒業の記事が一番少なかった。
126 :
:02/08/05 00:41 ID:xvs21KxX
自分は一応サブリーダーで、後藤はただの一メンバーなんだけどな、と思わないでもない。
でも、まあ、こんなもんか、という気もしていた。
後藤が先に卒業するんだし、と納得する。
もし、自分が先だったら記事はどういう風に構成されただろう、と考えるのは怖くて出来なかった。
127 :
:02/08/05 00:41 ID:xvs21KxX
思い出したようにステレオをつける。
矢口のことが心配だった。
保田と後藤の卒業の件を聞いた矢口は、その直後保田の元へやってきて、いろいろとまくし立てた。
それがほとんど何を言っているのか分からない状態だったことが鮮明に思い出される。
中澤の話を聞いた時以上にパニックになっているように見えたのは、気のせいだろうか?
自分の卒業を悲しがってくれているのか、ユニット再編がショックなのかは分からない。
どちらにしても、あんなに不安定な矢口を見るのは珍しかった。
128 :
:02/08/05 00:42 ID:xvs21KxX
ちょうど野球中継が終り、番組が始まるところだった。
新聞から目を離し耳をそばだてる。
今にも壊れそうな声に聞こえた。
話しは当然今回の大変革について。
一通りの説明の後、後藤の卒業について語る。
その後は矢口自身が絡んだユニット再編について。
自分の話しは出て来ないのだろうかと思っていると、半分涙声になりながら最後にそれについてふれた。
129 :
:02/08/05 00:43 ID:xvs21KxX
自分は、愛されてるのかな、と思った。
130 :
:02/08/05 00:43 ID:xvs21KxX
一つ目のハンバーガーを食べ終え二つ目を袋から取りだす。
その時にふと思い立って冷蔵庫のビールを取りに向かった。
テーブルの上に乱雑に積まれた辞書やらフランス語講座の教科書などが目に入る。
いつかこんな日が来ると思っていた。
中澤が卒業すると知った時からその気持ちはますます大きくなってきた。
さらに5期メンバーが入り、過去最多の13人までグループが膨らむ。
次はきっと自分の番だ。
分かっていた。
131 :
:02/08/05 00:44 ID:xvs21KxX
何かに追われるように勉強を始めた。
英語、フランス語、漢字ドリル。
なんでそんな物を選んだのかは自分でも分からない。
とにかく、なんでもいいから、何かを自分に身につけないと、という強迫観念に襲われていた。
まるで、わけも分からず就職活動用に資格試験を受ける大学生のようだ。
どれ一つ、ちゃんと身についた物はない。
そんな時間があるのなら詞や曲を作ったほうがいいことくらいよくわかっている。
それでも、手を伸ばさずにいられなかった。
アルコールや薬じゃなかった分だけましだと思う。
132 :
:02/08/05 00:45 ID:xvs21KxX
冷蔵庫からビールを取りだしプルトップを明け、口へと持っていく。
ラジオでは、保田に向かってゲストに来て、と矢口が呼びかけていた。
自分のラジオ番組も欲しいなあ、と思う。
祐ちゃんのように、毎週ファンのひとに自分の存在感を伝えられたらいいなあと思う。
133 :
:02/08/05 00:46 ID:xvs21KxX
やりたいことはたくさんあった。
唄いたい。
女優もやりたい。
バラエティもやって見たら結構面白かった。
記者会見でうそは一つも言っていない。
つんくさんの言葉も、うそは無い。
もっと幅広い活動がしたい、と保田が言ったのは事実だ。
でも、と思う。
134 :
:02/08/05 00:47 ID:xvs21KxX
モーニング娘。を卒業したい、なんて言ったことは一度もない。
135 :
:02/08/05 00:47 ID:xvs21KxX
やっぱ、リストラなのかなあ?
でも、来年までは、モーニング娘。の保田圭なんだ。
フリーターの保田圭じゃない。
ここまで来て、ひとり立ちできないのなら、それはきっと自分が悪い。
ここまで来たんだ。
ここまで。
136 :
:02/08/05 00:48 ID:xvs21KxX
右手に握っていたビールを一気に飲み干した。
冷蔵庫に次の一本を取りに行く。
今日は、たくさん飲みたい、そんな気分だった。
137 :
:02/08/05 00:51 ID:xvs21KxX
138 :
:02/08/05 07:07 ID:1g/RFB6V
今日という日にラジオの生放送があるのは本当につらいことだった。
私は、最後までやりぬくことが出来るだろうか?
先ほどの会見でも年長メンバーの中で唯一涙をこぼしてしまった矢口は、今日の番組に自
信がもてなかった。
139 :
:02/08/05 07:07 ID:1g/RFB6V
生放送の番組を中澤から譲り渡されてもうすぐ一年半になろうとしている。
その間に数多くの経験をして来たが、こんなに憂鬱だったことはない。
放送開始の10時が近づく。
野球が終わる気配は無かった。
番組の出だしはインターネット限定放送になる。
野球中継の延長をうれしく感じたのなど初めてのことだった。
このまま12時まで野球が続いてくれれば何も話さなくてすむ。
そんなことさえも考えていた。
矢口の願いもむなしく野球は引き分けで試合終了し、中継も終了する。
リスナーに向けて、矢口自身に向けて、現実を伝える時がやってきた。
140 :
:02/08/05 07:08 ID:1g/RFB6V
最初に話を聞いた時、現実感がなかった。
理解が出来なかった。
「えっ? えっ?」を連発する。
辻や加護の前で見せる態度じゃなかったなとは思うけれど、あんなに驚かされたのはオー
ディション合格以来のことだから仕方ないとも思う。
二人が卒業する。
ユニットメンバーが入れ替わる。
何が起きるのかは分かったけれど、理解出来なかった。
推理小説と目の前の殺人ほどの違い。
まだ、推理小説の世界の中にいた。
141 :
:02/08/05 07:09 ID:1g/RFB6V
メンバー全員に話しが伝わっても、まだぴんとこなかった。
後藤と圭ちゃんがいなくなる? いつ?
矢口はタンポポでもミニモニ。でもなくなるの?
142 :
:02/08/05 07:16 ID:7iKO5xvu
その後、テレビで報道され記者会見まで受ける段になって、ようやく理解し始めた。
自分は、これまでに持っていたもののほとんどを失うんだということに。
新しいメンバーとして入っていく不安を共有し、4年間共に過ごして来た最後の同期を失う。
はじめての後輩、かわいくて仕方がなかった後輩がいなくなる。
自分の力で勝ち取り、はじめてのラジオ番組を持ち、仲間の離脱、メンバーの追加を経てここまでやってきたユニットが無くなる。
自分が作り、育て、守ってきたユニットを去らなくてはならない。
143 :
:02/08/05 07:16 ID:7iKO5xvu
ようやく理解し始めた状況を、何万、何十万というリスナーに向けて、自分で語る。
矢口には耐え切れなかった。
コメントの途中で涙をこぼしてしまう。
それでも、笑おうと戦った。
最後まで話し続けた。
強がりと本音をまぜながら。
144 :
:02/08/05 07:17 ID:7iKO5xvu
放送が終了する。
スタッフに、途中で涙を流してしまったことを素直に詫びた。
どんなにつらくても、気配りは忘れない。
それは、まだ気を張っている証拠でもある。
今晩は家に帰る気にはなれなかった。
「もしもし、うん、矢口。今から行くから。いい?」
今の矢口の気持ちを一番受け止めてくれそうな人のところへ行くことにした。
145 :
:02/08/05 07:18 ID:7iKO5xvu
*************************
146 :
:02/08/05 07:20 ID:7iKO5xvu
すでに卒業した身としては、あまり驚きはなかった。
卒業に関しては、来るべき時が来た、というだけのこと。
いつまでもモーニング娘。という枠の中にいるよりも、外に出てしまった方がいろいろ
なことが出来る、というのは自身が証明している。
もちろん、自分の知っている後輩が卒業してくるというのは、OGとしての自分が娘。と
の距離が開いていくことでもあり、さびしい気持ちはある。
ユニット再編に関しては、抜けるメンバーはつらいだろうなあ、という程度の認識だった。
中澤は、その手のグループ内ユニットには一度も所属していない。
新たに加わる面子に関してはうろ覚えですらある。
だから、ワイドショーが騒ごうと、記者会見があろうと、すでに話を知っている立場
としては普通の一日だった。
矢口のラジオも仕事の都合で聞いていない。
中澤には、そんなことよりも重大なことがあった。
147 :
:02/08/05 07:21 ID:7iKO5xvu
みっちゃんが、ハロープロジェクトそのものから脱退してしまう。
148 :
:02/08/05 07:22 ID:7iKO5xvu
平家みちよ。
ロックボーカリストオーディションの勝者。
安倍も飯田も、そして中澤も、一度は彼女の力の前にひれ伏している。
平家主演の映画の脇役をつとめたこともあった。
いつから、こんなことになってしまったのだろうか。
149 :
:02/08/05 07:23 ID:7iKO5xvu
中澤と平家は、オーディションの最中からよく話しをした。
うまが合うとはまさにこういうことを言うのだろう。
モーニング娘。のメンバーでは年が離れすぎて相談出来ないことも、中澤は平家にだけは
相談して来た。
弱肉強食。
中澤の座右の銘。
座右の銘だし、世の中そういうものだとは思うけれど、他人のその考えを強要することはない。
平家は弱肉強食の世界に負けたのだ、と割り切ることは出来なかった。
150 :
:02/08/05 07:24 ID:7iKO5xvu
本当は会って話したかった。
だけど、忙しい立場であるし、突然押しかけていくのも恥ずかしい。
電話だけ掛けた。
元気な声が聞けた。
姐さんもがんばりや、と言ってくれた。
でも、深い話しは聞けなかった。
うちは、頼りない人間なのだろうか? と悔しく思っていた。
なんでみっちゃんがハローから出て行かなくてはならないのか、まったく分からなかった。
みっちゃん、いい子なのに、という言葉が頭をよぎった。
151 :
:02/08/05 07:25 ID:7iKO5xvu
仕事を終え部屋でくつろいでいると電話が入った。
今からこっちに来ると言っている。
ああ、うちはこの子の前では強くないといけないな、と思った。
一日の仕事を終え、さあ、飲むぞ、と冷蔵庫から取りだしたビールは再び元の場所に戻された。
152 :
:02/08/05 07:27 ID:7iKO5xvu
やがて、インターホンが鳴る。
外の様子をカメラで確認しドアを明ける。
立っているのは矢口だった。
「ゆーちゃん」
「矢口、まっとったで」
中澤はドアを明け、矢口を中へ入れる。
いつも騒がしい矢口がリビングまでは黙ってついて来た。
「ゆーちゃん、矢口、ダメかもしれない」
「なんや、どうした」
部屋に入ると立ち止まり話し始めた。
小さな矢口が、いつもよりさらに小さく見えた。
153 :
:02/08/05 07:28 ID:7iKO5xvu
「ううん、かもしれないじゃなくて、多分、もうダメ。このままじゃ矢口、ダメになる」
小声で矢口が弱音をはき続ける。
誰が見ても痛々しい光景だった。
「そうかあ、矢口はダメかあ。矢口、もう無理せんでええねんで。ここは祐ちゃんちやか
らな。無理せえへんでええんやで」
中澤は、そんな矢口を抱き寄せる。
154 :
:02/08/05 07:29 ID:7iKO5xvu
「ゆーちゃん。寂しいよ。つらいよ、怖いよ。何もかもなくなっちゃうよ」
「矢口、しゃべらんでも分かるから」
この言葉に反応して、矢口は中澤の胸で震えながらしゃくりあげ始めた。
中澤は、矢口の頭をなでる。
「祐ちゃんの胸はあったかいやろ。な、矢口。何かあっても祐ちゃんがおるからな。矢口は
一人じゃないで」
抱きしめられながら、矢口は小さくうなづいた。
「今日はゆっくり休んでいき。なーんも心配せえへんでええから」
それでも矢口は、しばらく震えていた。
小さなヒナが寒さにこごえるかのように。
155 :
:02/08/05 07:30 ID:7iKO5xvu
やや遠くに落ちた雷が、長い一日の終りを告げていた。
156 :
:02/08/05 07:31 ID:7iKO5xvu
第一幕 終り
157 :
:02/08/05 07:32 ID:7iKO5xvu
第一幕はこれにて終りです。
メンバーそれぞれの記者会見の日の夜について描いてみました。
最後に中澤さんがついたのは、ラジオで泣いているのを聞いてしまったためです。
だったらみっちゃんも書けよ、と思わないでもないですが、それはちょっときつい。
この先の話しは、なんとなくは頭の中にあります。
ただ、ちょっと休憩させてください。
急いで書いたので、さすがに疲れました。
今回は、全員それぞれ描きましたが、続きは話しの中心になる人物を少し絞る予定です。
なんかここでおわらっせてしまった方がすっきりしていていいかなあ、という気もしてます。
引っ張れば引っ張るほどうそ臭くなるし。
まあ、少しゆっくり考えます。
ちなみに141と142の間でIDが変わっているのは、連続投稿規制に切れて、いったん回線を切ったからです。
気にしないでください。
作者さん凄いぜ・・・
感動すた 。・゚・(ノД`)・゚・。
第一幕終了って事はまだ続きあるの?
正直、まだまだ読みたい感じ
まだまだ読みたいけどこれ以上泣かされるのもつらい。
正直複雑な気持ちです。
161 :
160:02/08/05 15:11 ID:uULtuMmE
飯田の話が一番泣けました。うまくいえないんですけどいかにもいいらさんらしいしぐさ
がなんか涙を誘った。上の書き込みが感想らしくなかったもので改めて感想を述べてました。
162 :
44W:02/08/05 17:03 ID:iZXCWMsT
満足かー。人泣かせて満足なんかー。
飯田はマジで言ってそうだにゃ…。・゚・(ノД`)・゚・。
163 :
名無し募集中。。。 :02/08/05 20:43 ID:cuDKnLUG
>その後、ユニットの再編について告げらると矢口は、「えっ? えっ? と連発していた」。
・゚・(ノД`)・゚・。
読んでてこんなに胸が痛い思いをしたのは久しぶりのような気がするよ
165 :
名無し募集中。。。:02/08/05 21:01 ID:5j7jGQmR
猿のミニモニ加入だけは反対
166 :
名無し募集中。。。 :02/08/05 22:04 ID:7D6eZz/g
167 :
nanasi:02/08/05 22:37 ID:hXgp8XdP
ぜひ第二幕もお願いします。
168 :
ないあがら〜:02/08/05 22:44 ID:e5N3cS7i
大滝詠一師匠がプロデューサーになったら面白いだろうな〜
つんくクビにして師匠を復活させよう!
169 :
アカン涙が…:02/08/05 23:25 ID:EopoGXpt
あかん、涙が止まらん…
あまぞんどっとこむから買った春コンのDVDを見ながら読みました。
俺も猿はいかんと思う。
やるからには徹底してやらねば。
猿と猪木は脱退させるべき。
今週、あややのコンサートがあるのだがゲストはメロンとみっちょんだ。
こりは、レアなコンサートになると思う。
それでもみっちょんは2曲どまりか!
170 :
:02/08/05 23:27 ID:8aS1BWuU
>>158 娘。小説でこんなに鼻水ずるずる涙だらだらになったのなんて
カテキョ読んで以来っすよ!
続きがどう展開するのかわからないけど個人的には
コレで終わり、が綺麗なんじゃないかと思うけど
続きも楽しみだったりする…
172 :
良かった!:02/08/06 00:06 ID:oAS+Ek9n
作者さん!2CHにしてはまとまった文章だなぁーって
のほほんと読んでたら,あなたの世界に引き込まれました。
すごいっすね!感動しました。ありがとう。
173 :
名無し:02/08/06 00:07 ID:bLhqYCWy
俺の乾き目が久々に潤いますた・・・
174 :
7誌:02/08/06 00:10 ID:vgAbgxaF
テスト
>そうかあ、矢口はダメかあ。矢口、もう無理せんでええねんで。
ここら辺なんかホント上手いよな・・・。
作者さん、あんたプロだね。
折角だから石黒、福田(福田は少しでたけど)のパターンも読みたい
プロねえ…
いいけど。
「祐ちゃん」ってのはやめてくんないかな。一気に醒めてしまったよ。
正しくは「裕子」なんで…
180 :
名無し募集中。。。:02/08/07 22:52 ID:Iw/4smle
みんなどこで泣いてんの?えーと、あ、おまえらバカだろ
良スレ…(涙
183 :
書いた人:02/08/07 23:48 ID:JsZkH/Sg
731の悲劇から一週間が過ぎました。
すこし騒ぎも沈静化してきた頃でしょうか?
思いのほか多くの方に読んでいただけたようでうれしいです。
”鮮度が命”(ほっとくと腐る)なので、お読みになりたい方はお早めにどうぞ。
この話しに少しでも価値があるとすれば、すぐに書いたという1点ですから。
書いてる時点では、とにかく速さを優先させたので、かなり雑な部分が多いです。
とりあえず、明らかな誤字だけ訂正を入れておきます。
正直、直したい部分が山ほどあるのですが、この話しは、この形であまり手を振れないでおこうと思います。
そういうわけで、考えていた第二幕は無しにさせてください。
まだ、少し迷いもあるのですが、『未来へ』は、この第一幕のみで完結にします。
やはり、この記者会見の夜だけで終わらせた方が、すっきりしているのではないかと思いました。
第二幕にあたる物は、現実の動きを見てから考えますが、これとは別のタイトルにしたいと思っています。
もっとも、書くかどうかすらはっきりしていないですが。
お付き合いいただき、どうもありがとうございました。
184 :
書いた人:02/08/07 23:49 ID:JsZkH/Sg
レス36 2行目 鳴き声 → 泣き声
レス40 4行目 まや → また
レス78 7行目 「えっ? えっ? と連発していた」。→「えっ? えっ?」と連発していた。
レス132 4行目 祐ちゃん → 裕ちゃん
レス153 4行目 祐ちゃん → 裕ちゃん
レス154 5行目 祐ちゃん → 裕ちゃん
名前のミスは、ホントごめんなさい。
185 :
書いた人:02/08/07 23:49 ID:JsZkH/Sg
ちょっと、スペシャルサンクスを。
この話しのプロローグの部分の元は、桃板でいたずら書きをしたものでした。
矢口玉音放送の直後くらいの時間に、アンチ石川(元石川オタ)さんと、名無しさん数名がもめていたので、雰囲気を変えようと書き込みました。
そしたら、続き希望、なんてレスが入ったので、いい気になって書いてみたのがこの話しです。
豚もおだてりゃ木に上る、ってなもんで。
アンチ石川さん&数名の名無しさん、ありがとう。
>159 無しの方向で。 ごめんなさい。
>160、161 いいらさん、ホントは泣き虫ですしね。
>162 レス44が無ければ放棄してたかも。感謝です。
>163 そこはちょっとミスだったり…
>164 ありがとう。書いてても痛かったりします。
>167 第二幕にあたるものは、別の形でなんとかしたいです。
>169 みっちゃん、いい子なのにね
>171 カテキョは珠玉の一品、こっちは、期間限定バーゲン品。
職人の作った幻のワインと、農夫がもいだばかりのぶどうくらい違う。
>172 ありがとうございます。でも、2chにはもっと面白い話しが、たくさんあります。
>173 石川の目薬を進呈
>175 んなこたあないない。
>176 浮かばなくはないけど、むずかしいなあ。
>177 プロのスポーツ選手です、とかいう落ちをつけられたら良かったのですが、普通の人っす。
>178 これはただただ平謝り。ごめんなさい。自分であぽーんしたくなった。
>179 今から入ってきます。
187 :
入れ忘れ:02/08/07 23:51 ID:JsZkH/Sg
話しが話しなので、一応つけておきます。
この話しはフィクションであり、実際に起こった事柄とはいっさい関係ありません。
桃の人やったんか・・・
第二幕ないのは残念だけど楽しかったよ
>>187 続きが読めないのは悲しいですがお疲れ様でした
また別の作品で泣かせてくださいw
ほ
191 :
名無し募集中。。。:02/08/13 16:22 ID:6x7wBwCC
誰か、Flashを作ってくれ!
ほぜん
保
194 :
名無し:02/08/16 05:03 ID:8onl8xl4
考えたり、考えなかったり。
再編成の発表は、全員そろってだったか・・・。
話しがどんどん劣化して行くのが欝だ。
196 :
:02/08/21 15:26 ID:L7zJtfKR
hozen
197 :
:02/08/23 05:52 ID:5diAzs/W
ほぜn
ho-zen
200GET保全
201GET保全