◆後藤・保田が辞めて10年経つわけだが◆

>>471
読ませていただきました
感動しますた

こんなことを言ってはおこがましいのですが、続編を書いてみたくなりました。
中途半端に終わった結末がもったいないんです。
できるだけ前作の雰囲気を残して、でも悲惨なままのメンバーに希望を残して終わりたいなあという衝動にかられました。
いかかでしょう？

みんないつまで妄想にふけっているの？
モーニング娘。なんてもう５年も前になくなったじゃない。
それにしても５年前のあれは痛かった、おっと禁句、禁句
それにしても和田薫マネージャーと夏まゆみ先生が結婚するとは

>>475
（　｀◇´）＜続編ぜひ期待してますんでよろしくですがな

>>475
がんがれー
ただ粘着荒らしが来るのが必至です。それを無視しきれることが出来るか
どうかが鍵ですね

ていうか、元ミニモニ。のミカが最近
「私の本名は藤堂美香。東京・深川に先祖代々住んでいる純粋な日本人。
　ハワイにはたまたま観光で行っていただけで、それ以来、外国人の振りをするのが辛かった」
という告白をしたけど、誰も反応しないなあ・・・・
やっぱ、公然の事実だったのか？

>>1
モニHEYうざいやめろ

ためしに書いてみますた　続-1

吉澤ひとみは赤牟駅のホームに降りた。
平日の午後というせいもあるが、相変わらず乗降客は少ない。
春先だというのに、彼女はコートにサングラスという格好。
「自分で言うのもなんだけど、怪しい格好…」
サングラスの下でクスリと笑う。

駅を降りて数分歩いた所に『赤牟療養所』がある。
敷地面積も建物も大きい病院施設だが、その割には人の気配は少ない。

『事件』からもう8年が経とうとしている。
8年の間、「娘。」でこの病院を訪れたのは吉澤のみであった。
勿論、彼女に他のメンバーを責めるつもりは無い。
ここに来るのは辛い…その思いは同じだからだ。

門の横の小屋で退屈そうに座っている守衛に軽く会釈をして中に入る。
彼女のいる病棟は門から更に数分歩いた中にあった。
何度も来た場所…でも何度来ても耐え難い辛い瞬間。
「ふぅー」気合を入れるため息を一つ。
吉澤は「後藤真希」の名札のあるドアをノックした。

「はい」
返事と共に弟のユウキがドアを開けた。
「あ、吉澤さん…」
毎回、この瞬間ユウキは一瞬顔を曇らす。
まるで招かれざる客が来たかのようだ。

「お久しぶり、どう？様子は？」
そんなユウキを気にしないように、吉澤はできるだけ明るく訊いた。
「ええ…それが…」
病室にはユウキの他に主治医の先生がいた。
年齢は30代半ばだが、腕のいい先生だ。
あの時、たまたまこの先生が当直でなかったら、後藤の顔のキズはここまできれいに治ってはいなかっただろう。
吉澤は手術後、包帯の取れた直後の後藤を見ている。
その時に比べれば、顔のキズは随分キレイになっていた。
「あ、吉澤さん、どうも」
彼とはこの病室で何度か会った事がある。
「様子、どうですか？」
「ええ、それがちょっと…先日保田さんが来られたんですが…」
「えっ？圭ちゃんが…？」

「おおおおおおおおおおおおおおおおお」
突然、後藤が大声をあげた。
それは、怖ろしい声だった。
ユウキが走り寄って、肩をさする。

「こんな調子で、時々発作のように…」
「そうですか…」
「保田さんに会って、彼女の心に変化が現れたのかもしれません。」
「変化？」
彼女の場合、事件による顔のキズ以上に心に負ったキズの方が大きかった。
普通、ここまで回復すれば退院してもおかしくない。
後藤が8年もこの病院にいるのは、事件以来閉ざされた彼女の心のせいでもあった。
「リハビリさえできれば歌手として復帰だって不可能じゃないんですよ。」
彼も元々モーニング娘。のファンであった。後藤の復帰は彼自身の願いでもあった。

「圭ちゃん来たんだってね…」
吉澤は問いかけたが、後藤は相変わらず宙を見つめるているだけだった。
「圭ちゃん、今外国行ってるんだって、ハルギスタンって言う国なんだって。

その国にどうしても歌いたい歌があるんだって……

子供とダンナさんと別れても歌いたい歌なんだって……

がんばってるね、圭ちゃん。

ごっちん、また歌いたいよぉ

またみんなで……

いっしょに歌いたいよぉ」

吉澤の頬を涙が伝った。
その時、後藤の目に何か光るものがあったが、それは誰にも気づかれることは無かった……

Ｂｏｏｏｏｎ

高度一万メートル。ハルギスタンに向かう旅客機の中。
ポケットの携帯端末は軽い振動でメールの到着を告げた。
この頃は飛行機の中でも携帯が使えるので便利になった。
メールは紺野からだった。

>>>>紺野です

ハルギスタンについては色々情報を収集しましたが、どれも良い結果ではありませんでした。
特に政情不安によるテロが日常化しており危険な状態のようです。
今のところ空港と、空港周辺のホテルは政府軍が常駐しているのでかろうじて安全のようです。
くれぐれも危ない場所には行かないように注意してください。
気をつけて行ってらっしゃいませ。

（いつもながら、ありがとう）
紺野は解散後、大学に進学している。
「娘。」活動中夜間高校に通い、1年遅れで卒業。猛勉強の末の大学合格だった。
卒業後、地方ＣＡＴＶ局に入社、現在そこでアナウンサー兼ＡＤ兼営業として頑張っている。

ハルギスタンの空港にはマネージャーの多賀が待っている。
そこに保田圭が歌う歌も待っているのだ……

こんな感じで書いてみますた

いやあ、前作作者氏は上手です。

文章真似るの苦労します。

おっ！あの続編ですか！
期待してます。

小説なんでsage

>>486
ageないほうがいいよ。sage進行でいきましょう

元ハロプロキッズ、オーディション合格から１０年後の今。

菅谷梨沙子　トップアイドルに成長。事務所のドル箱。

熊井友理奈　菅谷と並ぶ２トップ。ユニットの顔。
岡井千聖　　キャラが受けて、中堅の位置。
嗣永桃子　　同じく中堅。
須藤茉麻　　一部のヲタにあつい人気。

夏焼雅　　　一時人気があったが、早婚で引退。
清水佐紀　　熊井たちとユニット活動。人気は特にない。　
萩原舞 　　　同上。　
石村舞波　　同上。　
徳永千奈美　同上。
中島早貴　　同上。

梅田えりか　早婚で引退。
鈴木愛理 　実力は歌手として、地道にライブ活動。ＴＶにはあまり出ない。
村上愛　　早々と引退。理由は不明。
矢島舞美　同上。

眼下の町並みがはっきりとわかるほど、小型ジェット機は高度を下げた。
緑の少ない荒地に無機質なアスファルトが伸びている。
滑走路の脇にある、放置されたままの大破した戦闘機や車両が､この国の長年の混乱ぶりを示していた。

ガクン

普段乗るジャンボジェットとは比べ物にならないほど強い着陸の衝撃。
遊園地の絶叫マシン並みのスリリングな着陸に歯を食いしばる。
お腹のよじれの限界寸前で小型ジェットはやっとスピードを落とした。
重々しくドアが開く。
とたんに機内に流入する乾いた暑い空気。

（やっとついた・・・・・・）

東京からジェットを乗り継いで１５時間、やっとのことでたどり着いたハルギスタン唯一の空港。
背を丸めてドアをくぐると乾いた日差しが出迎える。

無愛想な係員相手に出国手続きを済ます。
エアコンも効いていない蒸し暑い空港ロビーに出ると､マネージャーの加賀の姿があった。

「遅かったな」
相変わらず無愛想な態度、数日前からこの国に来ているせいか以前より随分日焼けしている。
「仕方ないでしょ？ちゃんと着いただけでも奇跡だって言われたわよ。」
そうやり返す
「ふん・・・・・・」不機嫌そうに鼻を鳴らす。「到着してすぐで悪いが早速打ち合わせだ」
「え？」
「どうも情勢が悪い、この国には長くいられてもあと２，３日が限度かもしれない。大使館からも出国を勧める連絡がきている。」
「そんなに？」
紺野情報は残念ながら正確だったようだ。
「ホテルにノバクを待たせてある。すぐに会って欲しい。」
「ノバク？」
「あの歌を歌っていた本人だ」

初めてあの歌を聴いたとき、胸が締め付けられる思いがした。
悲しさ、せつなさ。
それだけではない、何か。
魂がゆすぶられる想いがした。
（この歌を歌いたい・・・・・・）
衝動が心を突き動かした。
その衝動でこの国までやって来たのだ。
その本人に会える・・・・・・

多賀は空港前に待たせてあった４ＷＤ車に乗り込んだ。
空港の建物から数キロはなれたところにホテルがある。
途中、現地の人々と共に銃を持った兵士や装甲車が横を通り過ぎる。
紺野情報以上に現地には緊迫した空気が張りつめていた。

ホテルの部屋に入ると、男性が一人ソファーに座っていた。
二人に気がついたその男はすっと立ち上がった。
（でかい・・・・・・）
身長は２メートル近くあるのだろうか、まるで格闘家のようながっしりした体つき。
そして体に不似合いな優しい笑顔。年齢は４０か５０歳くらいか。
「お待たせしました。」
多賀が英語で話す。
「いえいえ、無事到着でなによりです。」
低い太い声でその男は答えた。しかも英語だ。
「多賀さん､この人英語通じるの？」
「日常会話くらいなら大丈夫だ」
「そう。」（去年のニューヨーク公演のとき英語猛特訓しておいてよかった・・・）
思わず笑顔がこぼれる。
「紹介する、あの歌を歌っていた歌手のノバク・ブロム・ハマドさんだ。ノバク、彼女が話していたケイ・ヤスダだ。」
「よろしく、ケイ」
ノバクは大きな手を差し出す。温かい優しい手だ。
「あの・・・初対面で失礼なんですが、ホンとにこの方があの歌を？」
「はっはっは、想像してたよりハンサムだったかな？」
「いえ、女性だと思ってたもんで・・・・」
こんな低い太い声の大男があんなに澄んだ透明感のある声で歌う姿がどうしても想像つかなかった。
「ああ、俺も驚いたがね、本当だ」
ノバクはにっこりと微笑んだ。
「私もケイがこんなかわいらしいお嬢さんだとは思っていなかったヨ。」
勿論、お世辞なんだろうが全然嫌味じゃない。
こんなあたたかいおおきなひとに会ったのは初めてだ。
「ケイの歌を聞かせたもらったよ。ニューヨークのコンサートのビデオも見せてもらった。
私がこの歌と出会った時の感動をぜひ日本にも伝えて欲しい。
そのための協力はできるだけさせてもらうつもりだよ。」
「ありがとうございます。」
素直に笑顔と感謝の気持ちが出る。
（よかった、こんな遠い国にまで来たけど、来た甲斐があった。）

「じゃあ、ケイのために一曲歌って見ようかな。」
ノバクはすっと背筋を伸ばした。
目を閉じ、大きく息を吸う。
あの声の主はまさしくこの目の前にいる巨漢の男の物であった。
なぜ、こんなにも優しい歌声で歌えるの？
体が震える。
涙があふれる。
魂がしめつけられる思い。
生で聞く歌声は容赦なく全身に響いてくる。
言葉はわからない。
民族的な不思議なメロディ。

「これがあの歌の歌詞の日本語訳したものだ。」
多賀は一冊のノートを差し出した。
その時初めて、ノバクが歌い終わった後も呆然となっている自分に気が付いた。
この男はこの歌声にも平気でいられるのだろうか、感情のない男だ。
差し出されたノートのページをめくる。

父よ、母よ、友よ、愛する者よ

再び出逢えるように

ふたたびひとつになれるように

一人ではできないことも、みんなの力で乗り越えられるだろう

その時神は希望の光をさしのべるだろう

祈れその時まで、祈れその日まで

祈れその時まで、祈れその日まで

祈れその時まで、祈れその日まで

祈れその時まで、祈れその日まで



「『祈り』はね」
ノバクが口を開いた
「ハルギスタンに古くから伝わる民謡なんだ。

ハルギスタンは昔から貧しい小国だった。
昔々、他の国がハルギスタンを攻めてきた時、勇敢な１７人の戦士がいてね、彼らの活躍で敵を追い払うことができたんだ。
当時の王は喜んで彼らに褒美を渡そうと思ったが、貧しい国ゆえ褒美になるようなものが無かった。
仕方なく王女が金貨を一枚ずつペンダントにしてその勇者達に渡したんだ。
勇者達はその金貨を勲章にして大事に自分の村に持って帰った。
そして何年かして再びハルギスタンは他国の攻撃を受けた。
王女は祈った。
もう一度あの勇者達が集まって、再び敵を追い払ってくれるようにと。
すると、国中からそのペンダントを持つ勇者が再び集まり、再度敵を追い払ったんだ。
それ以来、ハルギスタンでは離れ離れになった恋人や家族や友人に再び会える願いを込めて金貨を贈るんだ。
その金貨が再び一つになったとき、願いが叶うってね。

ハルギスタンは今、こんな状態だ。
でも、国民は誰一人希望を失ってはいない。
戦乱で離れ離れになった家族も友人も恋人も、いつか必ず会えると信じている。
そしていつか必ず、この国に平和が訪れると信じてるんだ。
いつしか、誰かがこの古い民謡を歌い始め、みんなの間に広まった。

この歌はハルギスタン人みんなの思いでもあるんだよ。」

「私にそんな歌が歌えるんでしょうか？」
この歌のもつ意味の重さを知り、果たして自分にこの歌を歌いこなすことができるのか、心の中に不安が沸き起こった。
「ケイには会いたい恋人や家族はいるかい？」
「え？」
ノバクの問いに思いを巡らす。
不思議なことに別れた夫の顔も残してきた息子の顔も浮かばなかった。
「もう一度会いたいという強い思いがあればいい。
その思いを抱いていれば必ず会えるのだという希望、それがあれば歌は歌える。」
「・・・・・私には・・・・・・私には友がいます。

喜びも、悲しみも、つらいときも、嬉しいときも一緒に過ごしてきた大切な仲間。

会いたい・・・・もう一度みんないっしょに歌いたい・・・・」
「そうだよケイ」

いつしか涙が流れていた。
いつも一緒にいた「娘。」たち。
家族以上の存在だった。

歌おう、この歌を
そしてこの思いを伝えよう

（私には歌しかない・・・でも歌があってよかった）

《続く……》

続きを書いてみますた

前作と設定等細かい所が変わっているのは、ストーリー上仕方が無いので目をつぶってください。

>>497
いい感じですね。ハルギスタンの伝説の当たりはよく考えられているので
感服しました。そこからの>>496への流れもいいですね

後、sageは小文字で（ｗ　
sage進行でﾏﾀｰﾘいきましょう

そのうち紹介スレで案内されます、なのであげる必要はありません

ついにキター！
作者さんがんばって！

一体自分は何時間眠っていたのだろう。
目が覚めてからも、今自分が何処にいるのかがわかるまで時間がかかった。
ぼんやりと宙をながめていると、そこがホテルの一室だということがわかった。
いつまでたってもモルタルの臭いのとれない古い建物。
そうだ、ハルギスタンに来ているんだ。
ゆっくりと起き上がってみる。
（あれ？）
なぜか頬が濡れている。
（泣いてたんだ・・・・・・）
どうやら眠っている間泣いていたようだ。
何か夢を見ていたような気がする。
どんな夢だったんだろう。
悲しい夢だったのか、嬉しい夢だったのかどっちだったんだろう・・・
思い出せない。

「おい、まだ寝てんのか。いいかげんに起きろよ。」
ドアの向こうから声がする。
「あ、はーい」
ようやく意識がはっきりする。そうだ起きなきゃ。
「すぐ行くから、ちょっと待ってて」
ドアを開けると多賀が立っていた。
「ったく、何時間寝たら気が済むんだ？」
「何時間寝てた？」
「軽く１５時間は超えてるな」
ハルギスタンとの時差はマイナス４時間、けっこう微妙な時間だ。
時差ボケにはならない自信があったが、疲れてたんだろうか？だるさがまだ肩に重くのしかかっている。
「今何時？」
「もう昼前だ。日本に帰るぞ、さっさと起きろ。」
多賀は冷たく言い放つ。
「え、もう？」
「今朝、国会議事堂近くで爆弾テロがあったらしい。被害者は出てないらしいが、厳重な警備網をかいくぐってのテロらしくて軍は殺気立ってる。」
「そうなの・・・」
「もう限界だ、さっき正式に大使館から国外退去命令が来た。」
目の前に起きてる現実にもかかわらず、多賀はまるでＴＶのニュースの出来事の様に言った。
「すぐに用意しろ、午後の便で日本に帰る。」
「あ、シャワーだけ浴びさせて・・・」

軽く朝食（昼食？）を済ませ、二人は４ＷＤ車に乗り込んだ。
昨日より町の雰囲気が騒々しい。
兵士の数がやたら多くなってる。
空港に着くと、ロビーは今朝の事件で急遽帰国を決めた人々でごった返していた。
「ちょっと待ってろ、便の手配をしてくる。」

ロビーの椅子に座ってぼんやりしていると、空港の人ごみの中に見覚えのある大男の姿があった。
ノバクだった。
「やあ、ケイ探したよ。」
「ノバク、どうしてここに？」
「ミスター・タガから帰国する連絡を聞いてね。帰る前に渡したいものがあったんで追いかけてきたんだ。」
「渡したいもの？」
「これだよ」
そう言って取り出したのは、金色の首飾りだった。
「これは？」
「これは私が昔友人達に贈った金貨を首飾りにしたものだ。ぜひケイにもらって欲しい」
よく見ると確かに首飾りはたくさんの金貨をつないで作られている。
「でも、こんな大切なものいただく訳には・・・」
「いいんだよケイ、この金貨が私の手元の戻って来た時、私の願いは叶えられた。今度はケイが願いを叶える番だ。」
「ノバクの願いって？」
「『祈り』に出逢えたこと、そしてそのおかげでケイにも出逢えたこと。」
ノバクの優しい微笑み。
「私が叶えた願いをケイにも引き継いで欲しい。もらってくれるね？」
「ありがとう、ノバク・・・」
「わたしはこの歌で、ハルギスタンをもう一度平和な国にする運動をするつもりだ。ケイも日本から応援してくれ。」
「勿論です。・・・・・・そうだ！」
彼女は持っていたカバンを探った。
１枚くらいは持ってたはず・・・
（あ、あった！）
「ノバク、ハルギスタンに平和が来るまで絶対無事でいてね。
私、必ずもう一度この国に来るから。
これ、ハルギスタンの金貨ほど御利益は無いかもしれないけど、日本の硬貨なの受け取って。
彼女は持っていた５００円玉を渡した。
「ありがとう、ケイ。大切にするよ。」
「もう一度、会えますように。」
ふたりは同時にそうつぶやいて、持っていた５００円玉に願いを込めた。

Ｂｏｏｏｏｏｏｎ

しばらくして携帯端末がメールの到着を告げた。
紺野からだった。

>>>>紺野です

ニュースを見ました。
状況は最悪のようです。
心配です。至急連絡をください。

すぐに返事を送る

>>>>保田です

今、空港にいます。
午後の便で帰国の予定。
心配無用だよ。

１分も待たずに返事が返ってきた。

>>>>紺野です

無事でよかった！！
気をつけてお帰りください！！
それと、福田さんと連絡が取れました。
今､仕事でシンガポールにいるとのことです。
もし、シンガポール経由で帰国されるのでしたら、会えるかもしれませんよ。
連絡先、添付しておきます。

（紺野！！でかした！！）
すぐに多賀を探す。
帰りの便がシンガポール経由以外だと大変だ。

「この期に及んで、なにバカなこと言ってるんだ。」
多賀の呆れたような怒り声。
「だって、明日香に会いたいんだもん。」
そういって、口を尖らす。
「見たらわかるだろ、今朝の事件でこの国を脱出しようとしてる外国人が多いんだ、今日の便だって取れるかどうかわからんのだぞ。」
「そこをなんとか」
「ったく、俺は別の便で帰るからな。」
ぶつぶつ言いながら、多賀はチケットを買う列に戻った。
日本からハルギスタンには直通便は無い。
一旦パキスタンに出て、そこからシンガポールを経由して日本に帰るコースが便数も多い。
（便が取れるかどうかは、祈るしかないね。）

そう言って首飾りをぎゅっと握る。
でも不思議と不安は無かった。
必ず会える。
そんな気持ちでいっぱいだったからだ・・・・・

《続く…》

続きです

>>498
すいませんあわてていてsageそこねてしまいますた

話の進行が遅くてすいません。

次回はちょっと進む予定です。

あれ、書き込んだのにデリってる。

よかった。勘違いですた

期待保全

定期保全

福田明日香とはいったいどれくらい会っていないんだろう。
最後に会ったのは・・・・・・まだ「娘。」時代にコンサートの楽屋にふらりと訪れたとき以来だ。
「海外留学するんで、その前に挨拶しとこうと思って・・・」
そう言ってちょっと大人っぽくなった笑顔を見せたのが最後だったような気がする。
学業専念の為「娘。」を卒業した彼女だったが、結局高校は卒業できなかった。
「娘。」人気の爆発と共に、彼女を見るまわりの目も変わったからだ。
心無い中傷に随分傷ついているらしいと人づてに聞いたことがある。
再デビューの話もあったらしいが、結局彼女は首を縦にふることはなかった。
そういったゴタゴタから逃れる為の海外留学・・・・・・そう見えなくもなかった。
「じゃあ」
そう言って楽屋を去る後姿が淋しそうに思えた。
「娘。」初期メンバーとして、彼女の占めていた存在感は大きかった。
当時若干14歳。
メンバー最年少ながら、３歳年上の安倍と２トップで歌っても決して引けを取らず、歌に対するストイックな考え方は、最年長で９歳年上の中澤ともしばしば衝突することさえあった。
「明日香は頑固やなあ、歌に対しても、自分に対しても。」
中澤が最後に彼女に贈った言葉が印象的だった。
「明日香が抜けた穴はみんなで埋めよう！」
彼女の卒業はメンバーの結束を更に固める結果となったが、その気持ちに反してＣＤセールスはじりじり落ち初めていた。
そして、３期追加メンバーとして後藤の加入・・・・・・
いままで８人でどうしても超えられなかったハードルが、後藤の加入であっさりと超えられるようになった。
それから自分が卒業するまでの２年半余り、全力で走る日々の連続だった。
もし、あのとき福田明日香が「娘。」を卒業していなかったら、今「娘。」はどうなっていただろう？
そんな疑問を中澤にぶつけてみたことがある。
「そやな、今となってはどうなってたかなんかわからへんけど、間違いなく言えるのは福田明日香がいなかったら今の「娘。」は無かった。そう思うよ。」

シンガポール、チャンギ国際空港は夜遅くにもかかわらず、活気であふれていた。
空港からバスでシンガポール市街へ３０分。
彼女はホテルの立ち並ぶオーチャードロードでバスを降りた。
携帯端末のディスプレイは、目的地が目の前のホテルであることを示している。
待ち合わせ場所はこのホテルの最上階のバー。
そこに福田明日香が待っている。

「圭ちゃん！！」
「明日香！！」
「うわーああい」
数年ぶりの再開に気持が一気にあの頃に戻る。
二人は人目をはばからずに抱き合った。
「連絡もらった時はビックリしたよ。」
ショートボブになった髪形は、随分大人っぽい印象に変わっていた。
「うん。明日香こそ元気そうで、相変わらず世界を飛びまわっててお忙しそうで。」
（えーっと、今何の仕事してたんだったっけ。しまったな、紺野に聞いとけば良かった……）
「圭ちゃんはどうしてここに？」
「仕事でハルギスタンに行ってたのよ。その帰り」
「へえー、良く無事で帰ってこれたね。」
「へへへ、昔から悪運だけは強かったもんで。」
「私は先週からシンガポールのＴＶ局と契約の交渉で来てるの。」
「そうなんだ…」

（思い出した！）
福田明日香は海外留学後、そのまま大学に進学した。
勉強しながらＴＶ製作会社でアルバイトするようになり、そのまま就職したのだ。

「ＴＶで見たよ、去年のニューヨーク公演。すごかったね」
「ありがとう、でも自分的には全然ダメだった。格の違いを思い知らされに行った感じ。」
「でも、がんばってるじゃない。」
そう微笑む彼女の顔が、何処か淋しそうに見えた。
あのとき、楽屋を去る彼女に感じた淋しさ。
「みんなどうしてる？元気にしてるの？長いこと会ってないなあ。」
「えー、コンサートの楽屋に来てくれた時以来だよね？」
「去年かなあ、圭ちゃんに子供生まれたって聞いて連絡とろうと思って、裕ちゃんに連絡してみたの、そしたら『そういう事は紺野が詳しいから』って紺野さんの連絡先教えてもらった。連絡とったのもそれぐらいだよ。」
「みんな元気にしてるよ、今ちょっと長い休みが取れたからできるだけみんなに会うようにしてる。」
「へえ、いいなあ」
「またみんなで集まろうよ、裕ちゃんも彩っペもなっちも「娘。」のメンバーもみんな、もう一度。」
「だめだよ。」
不意に彼女の顔が暗くなった。
「？」
「だって私「娘。」て名乗る資格ないもの……」

続きです

もしよろしければ小説総合スレッドに紹介しますよ。

そこに紹介して、荒れない？
紹介して、ろくな事ないような気が…。
間違えてたら、謝ります。

>>514&515

紹介の件お気遣いありがとうございます。
ところでワタクシの稚拙な文章で喜んで頂けてるのでしょうか？
前作作者ファンの方から見れば随分、レベルダウンしている気が……
だって、前作者氏上手でしたもん
まあ、なんとか頑張りますので、長い目でお付き合い下さいまし
かしこ

さしみさんのところで、このスレッドを見かけて来ました。
皆さんに知られる機会が増える分だけ、荒れる機会も増えるかもしれません。
そういうことなので、総合スレッドでの扱いは作者さんのお望みどおりにいたします。

hozen

「だって私「娘。」って名乗る資格ないもの……」
窓の外にはシンガポールの美しい夜景が広がっている。
大きくて人なつっこい瞳、その横顔が無表情に曇る。
「何言ってるのよ、それなら私だって卒業してるから「娘。」メンバーじゃないわよ。」
「ちがうよ、圭ちゃんはちゃんと卒業してる……でも、私は……中退だもん。」
「？」
「みんなが頑張ってる時に私は逃げてたんだよ…」
「……」
「私は逃げてたんだよ……」

明日香は高校へ進学する為「娘。」を去ることを決めた。
２ｎｄ、３ｒｄシングルのヒットによりその年の新人賞、紅白初出場を果たしたその翌年、新しい年を迎えた直後の突然の発表だった。
さあこれから！まさにそんな真っ最中だった。
学業優先
当時中学生だった彼女には辛い選択だったかもしれない。
プロデューサーのつんくから、その事実がメンバーに知らされた時の状況は今でも覚えている。
飯田香織は叫び泣き喚いた。
安倍なつみはただただ泣いていた。
中澤と石黒は目を瞑って黙っていた。
彼女と矢口と市井は、悲しみよりもメンバーのただならぬ雰囲気におろおろするばかりだった。
「明日香が決めたことやから……」
それまで沈黙を守っていた中澤が口を開いた。
「精一杯応援しよう、それで気持良く送ってあげようやないか。」
それは中澤が思いっきり歯を食いしばって放たれたセリフであることは、他のメンバーにもわかっていた。
取り乱していた飯田もその言葉でやっと落ち着きを取り戻した。
４ｔｈシングル発表後、彼女は「娘。」を去った。
あの後、加入した後藤や辻、加護、５期メンバーも中学生だったが、彼女達には義務教育を考慮したスケジュールが組まれた。
もう明日香のようなことが起きないように、そういうことだった。

「あの時は仕方なかったよ、明日香。それを誰も責めたりしない。誰もそんな風に思ってないよ。」
「でも、やっぱりだめだよ……」
「何言ってるんだよ、私、明日香が抜けた後のパートをどんな気持でやってたと思うの
辛かったんだよ、実力のある明日香の後のパート
嬉しかったんだよそんな明日香のパートを任された事
私その時やっとメンバーとして認められた……そう思ったよ
大きかったんだよ、明日香のいた場所は」

明日香の気持もわからなくも無かった。
明日香が去った後に発売されたシングルは、２ｎｄ、３ｒｄほどのヒットはしなかった。
しかし後藤が加入、同時に発売された「ＬＯＶＥマシーン」がミリオンヒット。
そこからは怒涛のように毎日が過ぎた。
単なるアイドルグループから国民的アイドルへ。
そんな姿を見るのは辛かったのだと思う。
誰よりも歌が好き。その気持で歌手を目指していたのだから。
孤独感や焦燥感。
「娘。」を去ってから１２年間、明日香はずっとそんな気持に囚われていたのかもしれない。
果たして自分が選んだ進学の道は正しかったのか？

チャリン

どこかでコインが落ちるような音がした。
あたりを見まわすが、気のせいの様だ。

（あっそうだ！）
バッグの中にしまっておいた、金色の首飾り。
またみんなで会いたい
そう、それが私の願い
（ありがとう、ノバク。使わせてもらうわ）

「あのね、明日香にもらって欲しい物があるの」
首飾りにあるハルギスタンの金貨。
１００円玉よりちょっと大きくて厚みがある。
十数個ある中から一つはずす。
「これね、ハルギスタンの歌手にもらった物なんだけど……」
彼女は明日香にハルギスタンの歌のこと、ノバクのこと、ハルギスタンの伝説のこと、そして再会の願いを叶える金貨の話をした。
「明日香にももらって欲しいの。」
と言って、強引にその手に握らす。
「世界中を飛びまわってる明日香とまた何処かで会えますように。」
「圭ちゃん……ありがとう……」


「久し振りで楽しかったよ、圭ちゃん」
「私も、それより仕事大丈夫なの？」
積もる話が弾んで、結局二人は深夜まで飲んだ。
「大丈夫、だってまだ２０代なんだもーん」
「う、それを言うなって……」
バーで思いつく限りのカクテルを飲んだ後、明日香は自分の泊まる部屋に戻ることになった。
明日シンガポールのＴＶ局との契約交渉の仕事があるのだ。
「本当にまた会えるといいね」
「会えるよ。絶対会える。」
「じゃあ、おやすみ」
それから後は覚えていない。
フロントに行って、予約入れておいた部屋を確認して……
気がつくとソファーに崩れこんで眠っていた自分がいたのだった。

二日酔い気味の頭の中に、ふと福田明日香の見せた淋しそうな笑顔が浮かぶ。
明日香と離れていた時間はどれくらい埋められただろう？
明日香とすれ違っていた気持はどれくらい近づいただろう？

続きです

hozen

期待保全

「お待たせしました、ミスター・カーライル、ミス・フクダ」
応接ロビーに現れたのは、白髪で背の高い白人男性であった。
パトリック・ウェーバー、数多くあるシンガポールのＴＶ局の中でも最大のＴＶ局ＴＴＣＳの編成局責任者である。
ここ数日の担当者との交渉の末、やっとこの大物とアポイントをとることに成功したのだ。
「いえいえ、こちらこそお忙しいところを申し訳ありません。」
明日香の上司のカーライルがさっとウェーバーと握手を交わす。
明日香もにっこりと微笑みながら、そっと手を出す。
「アスカ・フクダです。」
「？」
明日香の顔を覗きこんでウェーバーは眉をひそめた。
「私の顔に何か？」
「いや、ちょっと知っている人と名前が同じだったもので」
「え？」
「私の好きな日本人歌手にあなたに良く似た名前の方がいたんですよ。」
「そうなんですか……」
「10年位前、当時わたしは香港の音楽 プロモートの会社に勤めていてね
その頃日本で大人気のアイドルグループのアジアコンサートの計画を知って、『ぜひ香港にも』という計画が持ち上がり、私がその誘致責任者に選ばれたんだ。
彼女達が香港に来ることが決まったときは､嬉しかったね。
もう、彼女達の大ファンになったよ。
メンバーの名前も必死で覚えてね。
いろいろ彼女達の経歴とかも勉強したんだ。
最初５人だったメンバーが脱退や加入を繰り返して成長していくプロセスに感服した。
私はその後、彼女達の企画を参考に香港でアイドルグループを３組デビューさせたんだ。
おかげさまで、３組共大ヒット。そのおかげで今の自分があるようなものさ。
そのアイドルグループの初期のメンバーの一人とミス・フクダが同じ名前だったものでね。
もう随分前に解散したと聞いたが、知ってるかな『モーニング・ムスメ』っていうグループなんだ。」
「知ってるも何も・・・・・・」明日香は苦笑した。「私はそのメンバーでしたから・・・・・・」

「いやあ、あの堅物で有名なパトリック・ウェーバーとこんなにスムーズに契約交渉が進むとは思わなかったよ。」
予想外の好結果に上司のカーライルは上機嫌だった。
ヤリ手の堅物、無趣味で仕事熱心の勉強家、事前にリークしていたパトリック・ウェーバーについて情報では契約交渉難航が予想されていた。
それがどうだ、交渉は１０分で終了、契約締結に向けて具体的な詰めをすることとなったのだ、カーライルが上機嫌になるのも無理はない。
「ウワサには聞いていたがアスカはスゴイ歌手だったんだな、おかげでいい仕事ができそうだよ。」
「私は・・・・・・」明日香は複雑な気持ちを顔に出さずにはいられなかった。「恥ずかしいです。胸を張れるほどの活躍もなにもしていないのに・・・・・・」
「何を言ってるんだ、すばらしいことじゃないか？何を恥ずかしがることがあるんだ？」
「・・・・・・」
「アスカがどんな歌手だったのか、『モーニング・ムスメ』がどんなグループだったのか知らない。
だが、実力がありながらチャンスに恵まれずにくすぶってる連中、誰よりもトレーニングを積んでいながら結果を残せてない連中なんかゴマンといる。
デビューできてヒットを飛ばす、そんな奇跡に巡り会えるのはその中でもほんの一握りだ。
その一握りのチャンスを掴んだことがあるのなら、なぜ胸を張れない？
俺はガキのころ地元でロックバンドのボーカルをやっていた。
自費でレコードまで出した。
売れなかったけどね。
でも、そのレコードは今でも俺の宝物だ。バンドのメンバーはかけがえのない俺の親友だ。
だから今の俺がある。
売れなかったけど一生懸命やってたんだって胸を張って言える。」
カーライルは明日香の肩をポンとたたいた。彼の言葉に心の奥の引っかかりが一つ取れたような気がした。
「さっき、本社のボスにこの件を報告したら、大喜びだったよ。
すぐに次の契約に取りかかれるな！ってさ
忙しくなるぞアスカ
次は日本のＴＶ局と仕事だ
アスカには更にがんばってもらわなきゃな」
「日本ですか！？」

チャリン

どこかでコインが落ちるような音がした。

ポケットに手を入れると何やら硬いものに手が触れた。
保田圭にもらったハルギスタンの金貨だった。
手にとりぎゅっと握る。
『また会おうね、絶対もう一度みんなで集まろうね・・・・・・』
そう言って別れた彼女の笑顔が浮かぶ。
（日本へ・・・・・・）

++++++++++ ++++++++++ ++++++++++ ++++++++++ ++++++++++

成田空港を降りて彼女はその足で茨城に向かった。
ここ数日の行動はハードだったが、不思議と疲れは無かった。
茨城と福島の県境あたりの小さな町に、紺野が勤めるＣＡＴＶ局がある。
解散後、紺野はタレント活動を止め大学に進学した。
「大学を卒業したら、アナウンサーになろうと思ってます。」
真面目で努力家の紺野らしい夢だった。
事実大手ＴＶ局からの誘いもあったらしいが、紺野が選んだのはできたばかりの小さな地方ＣＡＴＶ局だった。
就職して数年は局の看板アナウンサーとして活躍していたが、彼女の多彩な才能はそれだけに留まらず、最近は番組制作方面の仕事を中心にがんばっているらしい。

（紺野のおかげで色々助かったしね、御礼を言わなきゃ）

ホームに降りると、田舎町のイメージとは程遠い近代的なビルの駅舎。
準新幹線とも言える高速鉄道が開通したおかげで、最近はこのあたりまで東京通勤圏内らしい。
駅前のロータリーもきれいに整備され、ここ数年で一気に人口が増えた新興の町という感じだ。
５分ほど歩いたところにＣＡＴＶ局の建物がある。
紺野とは都内で何度か会っているが、ここに来たのは初めてだ。
携帯端末の通話ボタンを押す。

「もしもし､紺野？」
「あ、保田さん！帰ってきたんですね、今何処ですか？」
「実はすぐ近くまで来てるんだ。今ちょっといい？」
「げ！ほんとだ。」
紺野の携帯端末のディスプレーには、通話相手の現在位置が表示されているようだ。
「い、今すぐ行きます！！」
３０秒も経たないうちに紺野がビルから転がり出してきた。
「いきなりでびっくりしましたよ」
よほど慌てて出てきたのか肩で息をしている。
「紺野には世話になったから、帰国後最初に寄っとこうと思ってね。」
「それは光栄です、福田さんとは会えました？」
「うん。おかげでね。明日香の仕事の都合でゆっくりとはできなかったけど、」
「そうですか。で、わざわざ私にお土産を持ってきてくれたんですね？」
「こら、」
「てへへへ」
「実はお土産は無いのだ。」
「げ！何でですか。」
「だって､国外脱出するのがやっとだったんだもん。」
「ちぇっ。」紺野は明らかに落胆の顔を見せた。
「でもね、紺野に渡したいものがあって。」
「渡したいもの？」
「これなんだ・・・・・・」
といって金の首飾りを取り出す。
「ああ、１７人の勇者の首飾りですね。」
「知ってんの？」
「ハルギスタンの有名な伝統工芸品ですよ。」
「そうなの？」
「保田さんがハルギスタンに行くって言うから、私、いろいろ調べたんですよ。
２０年位前まではハルギスタンも金貨を発行してたんですが、政情不安で最近は金貨を模造したもので作ってるようですね。
あ、すごい本物の金貨使ってる。」
「値打ち物？」

「さあ、そこまでは……。
でもハルギスタンでは勇者の伝説から１７は神聖な数字なんで、１７枚の金貨を使った首飾りが最もいいものらしいです。
でもこれ１６枚しかないですね。」
「うん､シンガポールで明日香に１枚あげてきたから。」
「再会の願いが叶うおまじないですね。」
「うん､またみんなもう一度集まれたらいいなって、再会の願いが叶うならって思ったの。
裕ちゃんからあんたたちまで「娘。」のメンバーだったのは全部で１７人。この首飾りの金貨も１７枚。
なんか運命的なものを感じてね、みんなに１枚ずつ持っておいてもらおうって。
みんな「娘。」解散記念の時計をもらってたじゃない？私も何か記念になるものが欲しいなって前々から思ってたの。
私達が「娘。」だったっていう証にね。」
「じゃあ､私が第２号でもらえるんですね。」
「まあ、紺野とはすぐに再会できると思うけどね。」
「へへへ、でもうれしいです。」
笑うとタレ目が更に下がる。

紺野は５期のメンバーオーディションでオマケに近い状態で合格した。
「赤点ギリギリやけど可能性を信じて合格させた」選考したつんくのコメントだった。
高橋の歌唱力、小川のダンスのキレ、そして新垣は最年少ながら数々のオーディションに出ていた猛者だけあって総合的なスキルは高かった。
紺野は何一つ抜きん出るもの無く、ダンスは夏先生に怒られてばかり、ボイスレッスンもトレーナーの先生に怒られっぱなしだった。
努力家の紺野はそれでも必死に喰らいついてきた。
紺野としばらくいっしょにいて気が付いたことがある。
落ちこぼれの赤点娘はあくまでも歌やダンスに限ったことであって、彼女はそれ以外のいろんなことに高い能力を持っていたのだ。
その能力はＣＡＴＶ局に就職した今、存分に発揮している。

「それと、前に頼んでおいたメンバー全員の連絡先わかった？」
「あの、市井さんだけはどうしても連絡先がわかんないんです。あとは全部わかりましたけど。」
「紗耶香・・・・・・」
「石黒さんが最近一度電話をもらったらしいんですけど、居場所とかまではわからないそうです。」
「そうなの・・・」
「とりあえず石黒さんが心当たりをあたってみてくれるみたいです。」

市井紗耶香とは加入も同期でプッチモニでも一緒、一番側にいたメンバーだった。
年齢は下だが、精神年齢は自分よりずっと大人だった。
後藤を妹のように可愛がり、そして最大のライバルとしていた。
「私、帰ってくるから、絶対・・・・・・」
紗耶香が卒業する最後のコンサートのステージが終わった後、別れ際に言った言葉。
でも卒業を決めたのは後藤と張り合う自分が辛くなったからなのだと、こっそり教えてくれた。
「娘。」卒業後、新しいバンドユニットで再デビューしたが、後藤の事件をきっかけに活動を休止していた。
あの事件の晩、病院で会ったのが最後になる。

続きです

中途半端な所で切れてしまいますた

紹介の件はおまかせします。
これが面白いと思ってくだされば、たくさんの方に読んでもらいたいと思います。

面白いです。
頑張ってください。

いい感じです。がんがれー

頑張って下さい。
期待しています。

すいません、馬鹿やっちまいました。

hozen

期待保全sage

「これ、リストです。」
紺野は持っていた携帯端末にデーターをリストアップして見せた。
「データー転送しますね。」
即座にデーターが転送されてくる。
ざっと見まわす。現在もタレント活動を続けている、中澤、石川、吉澤、加護、高橋、新垣
外国に行った、福田、飯田
引退した、石黒、安倍、小川、紺野
休職中の市井、矢口、辻
辻希美の住所は都内の実家のままだった。
そう言えば、「娘。」時代にみんなで泊まりに押しかけたことがある。
「辻はいまどうしてるの。」
「ののさんですか…」
紺野と辻は同じ歳だが加入時期が先輩の為いまだにさん付けで呼んでいる。
６期の事件や後藤の事件について一番ショックを受けていたのは辻だった。
解散後もちょこちょこＴＶ出演はしていたが、後藤の事件後は完全に休止している。
「前は何度か連絡くれてたんですが、ここ２，３年はもらってないんです。
一時期、病気で入院したらしいって聞いたんですが、今はずっと実家にいるそうです。」
「そうなんだ。」

辻希美の笑顔と八重歯が思い浮かぶ。
卒業後６期メンバーが加入してすぐの頃、「娘。」の楽屋に遊びに行った時のことだった。
変に元気の無いメンバーと雑談した後、新垣の頭を撫でてから楽屋を出ようとすると、珍しく、辻が後をついてきた。
「あのね、圭ちゃん」
「うん？」
「私、新メンの教育係することになったの」
「そりゃおめでとう、がんばってね」
「うん……」
辻は弱々しく笑った。
その笑顔の意味はなんとなく雰囲気で読み取れた。
今まで例のない高いレベルの逸材を投入してきた６期。
メンバーとなかなか上手く溶けこめていないということは、楽屋に入ればすぐにわかった。
でも、「娘。」では何度も乗り越えてきたことだ。
今回はできませんでした、という訳にはいかないことくらい皆わかっている。
辻には相当のプレッシャーになっているようだった。
いつも明るくはしゃいでいたあの笑顔は無かった。
それが、辻希美が自分に向けて発せられた精一杯のＳＯＳであることを、後になって知ることになる。
数ヶ月後に発覚した６期メンバーの事件……
そして「娘。」の解散……
後藤の事件……
辻は解散後のタレント活動も後藤の事件の後、ぷっつりと活動を止めてしまった。
相当ショックを受けてタレント活動ができなくなっているらしいと聞いたことがある。

「加護さんとも最近連絡とって無いみたいなんで、みんな心配してるんです。」
「そうか、次は辻んとこに行ってみるわ。」

「いったい何処ほっつき歩いてたんだ！！」
事務所に帰るなりマネージャーの多賀の怒鳴り声で出迎えられた。
「今日までオフだって言ってたじゃない。」
「それでも帰国の連絡ぐらい入れるのが普通だろうが！」
「まあまあ、多賀君そう熱くならずに・・・・・・」
見かねて社長が割って入る。
「『祈り』のレコーディングの予定を決めなきゃならん。すぐに打ち合わせだ」
元々、ロサンゼルスに次のシングルのレコーディングと、プロモーションビデオ撮影の予定だったが、今回のハルギスタン行きの話で全てキャンセルになっていた。
レコーディング終了後も各テレビ、ラジオ局などに集中的にプロモーション出演する予定をしていたが、それもキャンセル。
全てはこの『祈り』を聞いたときから動き出していた。

「とりあえず、次の仕事だ。」
ひとしきり、レコーディングの打ち合わせした後、多賀が言った。
「何？」
「ＣＣＸ局のファンタジー・キャストのゲスト。」
「ああ、加護の番組。」

解散後、メンバーのほとんどがタレントに転身したが、後は後藤の事件後、活動を休止しているか引退している。
解散後の「娘。」の中で最も活躍しているのが高橋だった。
現在も定期的に新曲をリリース、安定した売上を維持している。ＣＤのヒットのみならず、ＣＭやドラマにも活躍の場を広げている。
石川は解散前頃から女優として映画や舞台を中心に活躍していたが、後藤の事件後活動休止、最近２時間ドラマ等でぼちぼち活動を再開した。
加護はバラエティの司会、アシスタントなどで活躍している。
何本かあるレギュラー番組で特に人気が「ファンタジー・キャスト」
歌ありトークありゲームありコントありのバラエティ番組。
メイン司会のお笑いタレント杉拓ジェイとアシスタントの加護の思いつきで内容が毎回変わるのがウリだった。

「明日、１０時に局入りだから遅れんなよ」
「はいはい……」

加護と会うのも随分久しぶりになる。
「娘。」卒業後はなんだかんだといいながら「娘。」とからむ番組等の出演が多かった。
その頃から加護はぼちぼち単独で番組に出るようになっていた。
辻とのペアの番組や、「ミニモニ。」での出演番組等ソロに近い活動が増え、「娘。」解散後も引き続きバラエティ中心に活動を続けていた。
加護は｢娘。｣メンバーと仕事をするときは、ホントに楽しそうだった。
「圭ちゃんバラエティにおいでよぉ」
彼女の番組に出させてもらう度、加護は口癖のように言った。
事実、歌手としてＣＤリリースが低迷していた頃、バラエティ番組出演が仕事の中心になっていた。
それでも歌手としての自分にこだわってきたのは、自分を育ててくれた老トレーナーのボイスレッスンに応えたいという気持があったからだ。
結果的に随分遅咲きだがヒットを出すことができ、今の自分がある。
仕事も出演番組も変わってしまったため、加護が出る番組とはしばらく疎遠になっていた。

出演者控え室の前に、男が一人立っていた。
男は「ファンタジー・キャスト」の番組ＡＤだった。
番組は事前の打ち合わせや、番組内容の説明、リハーサルが一切行われないことで有名だった。
いっしょに出演するタレントが誰なのかすらも知らされず、収録スタジオで目隠しを外されそこから番組が始まるというスタイルだった。
ＡＤは他の出演者と接触することがないように楽屋前で見張り役らしい。
「おはようございます！控え室はこちらになります。」
丁寧なお辞儀、楽屋には普通名前の書かれた紙が貼ってあるが、それもなかった。
メイクを済ませると、青色のマント状の衣装を着せられる。
目隠しをして収録スタジオへ。

「ファンタジー・キャスト！！」
司会の二人が番組を進行する声が聞こえる。
「さあ、今日のゲストは！世界的な活躍を続ける歌手の保田圭さん！！」
最近やっとここで「元モーニング娘。の」という肩書きがとれた。
目隠しを外される。
何にもない殺風景なスタジオ
青色の壁に青色の床、青色の椅子に青色の衣装。
目の前には司会の杉拓ジェイと加護亜衣が同じような青い衣装で座っている。
自分の横にはもう一人のゲストらしい女性が座っていた。
「もう一人は、新作主演映画が決まったばかり！石川梨華さんです！」
「うわあ、石川ぁ！」
「圭ちゃん！！」
懐かしさと嬉しさで思わず抱きしめ合う。
そういえば石川梨華とも随分会ってない。
「久しぶり！」
たまらず加護も一緒に入ってくる。

番組はブルーバックで撮影され、セットも衣装も後の編集でＣＧ合成される。
一見無機質になりそうな番組作りもこういった出演者の生の反応を最大限に生かすことによって、バランスを保っていた。
そのため、番組はできるだけ「生のハプニング性」を重視する為、打ち合わせ等を行わずに進行するのだ。

続きを書きますた

石川梨華は女優になった。
自分が卒業したすぐ後頃から、ＴＶドラマを中心に活動していた。
「いつまでたっても大根演技」
それが彼女のウリだった。
解散後、大河ドラマの準ヒロインに抜擢。
出演回数こそ少なかったものの、その強烈なシロウト演技が逆にウケた。
それが「いつまでも初々しさを失わない魅力」と世間が評価するようになってから、石川はいろんな有名監督、番組制作者から注目されるようになったのだからわからないものだ。
活躍の場はいつのまにか舞台､映画が中心に移行していった。
だが後藤の事件のショックで舞台を降板。
何年か休業した後、最近ぼちぼち仕事を再開していた。
そして、来年公開の初の主演映画が決まっている。

「私、演技ヘタですから！」
なんでこの娘はこうポジティブに自虐できるのだろう？
それが石川の魅力だった。
「ほら、アゴだって出てるし、結構気にしてるんですよ！」
そう言いながら前に出る。
まるでヨシモトの芸人が自分の身体的特徴をギャグにして笑いを取るようなことをやっている。

番組は「娘。」時代のエピソードやぶっちゃけ話のトーク、コント、ゲームと続いた。
司会のお笑いタレントの杉拓の頭の回転の速さと、本気でゲームやコントに興じる加護の無邪気な姿が両輪となり、そこにゲストがからんで番組は進んでいく。
番組の人気の秘密はそのへんにありそうだ。
３時間余りの収録時間はあっという間に過ぎた。

「今日はありがとうごじゃいました。」
収録が終わった後、加護が楽屋にやってきた。
「いえいえ、私も久しぶりで楽しかったわ」
「もう、世界的なバラード歌手の圭ちゃんが私の番組に出てもらえるなんて夢のようですわ。」
「何言ってんのよ」
と、加護の頭をぐしゃぐしゃとなでる。
昔から変わらない会話
「圭ちゃん！おつかれ様！！」
加護に続いて、石川も楽屋にやってきた。
３人が集まっただけでも、楽屋の雰囲気は「娘。」だった頃に戻る。
「石川とはほんとご無沙汰よねぇ」
「うれしいです、わたしもなかなか他のメンバーと合う機会がないので。」
「梨華ちゃんとはもう住む世界が違うんで、こういうバラエティにはなかなか出てもらえないんだよぉ。」
「そんなことないよ。」と石川は大げさに手を振る。
「でもね、みんな冷たいんだよ、出演依頼してもなかなか出てくれなくってねぇ。」
加護はそう言って口を尖らす。
ああ、別の番組で裕ちゃんにもそう言われたっけ・・・・・・
「ホント言うとさ、実は今日は別のタレントが出る予定だったんだけど、二人のスケジュールの都合がついたから急遽出てもらうことになったんだ。」
そうだったのか・・・・・
「こんなチャンス、めったにない！！って、もう無理言って変更してもらったんだからぁ。」

加護は無邪気に笑った。
一見はしゃいでいるように見えるが、そんな加護の笑顔の下に感じる淋しさ。
そうまでしてみんなと会いたいと思っていたのか・・・・・・

「そうそう、二人に渡したいものがあるんだ。」
「何？」
「これなんだけど・・・・・・」
そういって、ハルギスタンの金貨を取り出す。
「２，３日前までね、私、新曲の打ち合わせでハルギスタンって言う国に行ってたんだけど・・・・・・」

二人にハルギスタンのことを説明した。
歌のこと、ノバクのこと、ハルギスタンの伝説のこと、１７人の勇者の首飾りのこと。

「またみんなで会いたいなって思ってね、その願いが叶うように、この金貨を持っててもらいたいの。」
そう言って、一枚ずつ金貨を手渡した。

「ホントですね、またみんなで会いたいですね。」
石川が言った。
「・・・・・・」
加護は黙ってうつむいている。
「会いたいね……」
小さなつぶやき。
「どうしたの？」
涙がこぼれていた。
一つ、また一つ、うつむいた顔から雫が落ちていた。
泣いている。
「なんで、こんなんになっちゃったんやろうね……
あんなに、あんなにいっつもみんな一緒にいたのに……
解散してもずっと一緒に仕事できるって思ってたのに……
なんで、こんなんになっちゃったんやろうね……」

その理由は言わなくてもわかっていた。
６期メンバーの事件がなかったら、後藤の事件がなかったら。
全てはたらればの話だ。

「加護……」
思わずそっと抱き寄せる。

いつだったか、まだ４期メンが加入してすぐのコンサートだったか、
極度の緊張でガチガチになっていた４人は、コンサート終了後、全員で泣き出した。
特に最年少だった加護はひどく泣き出して、１時間くらいだろうか、まるで幼児のようにひゃくり上げて泣いていたっけ。
同じ歳でも気丈だった明日香を見ていたから、辻、加護の幼さは驚きだったが、考えてみればこれが普通の中学生の姿なのかもしれない。
もう２３歳だというのに、なんだかこういうところは子供のままなんだ……
ちょっと可笑しいのと同時に、人前で思いっきり泣くことのできる加護がうらやましく思えた。
｢淋しかってん、なんかずうぅっと一人ぽっちやったみたいで、淋しかってん……」
普段は標準語の加護だが、感情が高ぶると大阪弁になる。

++++++++++ ++++++++++ ++++++++++ ++++++++++ ++++++++++

｢圭ちゃんごめんね」
30分ほど泣き続けて、やっと気持が落ち着いたのか泣き止んだ。
｢なんか圭ちゃんにこうして、泣き止むまで傍にいてもらうのも久し振りだね。」
何か憑き物がとれたように、すっきりした笑顔で加護は笑った。
「辻とか高橋とかには最近会ってないの？」
「うん、ののちゃんとはもう２、３年会ってないの。
入院したって聞いたから、何度かお見舞いに行ったけど。」
（ああ、紺野も連絡もらってないって言ってたっけ）
加護とも連絡とって無いってのは本当だったのか。
「高橋とも……」
「あいあいは……変わっちゃったから……」
そう言って加護は目を伏せた。
「そうだね、高橋は変わっちゃったね……」

また中途半端な所で切れてしまいますた

つ、辻に何が！高橋に何が！

作者さんうますぎ！次更新も期待してます。

今回の作者さん引きが上手いよね。
ということで期待カキコ

飛騨高山モーニング娘。の
石坂香苗（２３・９期生）・戸田由佳梨（２１・１１期生）・水越智夏（１８・１０期生）がそろそろ辞めるらしいぞ。
まあ、あそこは業績不振だったからな。

>>551　>>471>>475

展開はやくていいね

小説、一気に読ませてもらいました。（・∀・）ﾁｺﾞｸｲｲ！
前ｽﾚでの小説を伏線にして書くのは大変だと思いますが、続き期待してます。

皆様、ご感想ありがとうございます。
皆様の応援が続きを書く原動力になります。

おねがい

設定はできるだけ前作に沿っていくように心がけていますが、
前作と微妙に設定が違ったり、矛盾がある点は目をつむってください。
見落としていたり、ストーリー上意図的に変えていたりしている部分がありますので。
前作の最後の方、矢口と別れたあたりから続編が始まってるとお考えください。
異星人の侵略攻撃があって云々の設定部分は申し訳ありませんが、ストーリー上不必要と判断しましたので、意図的にオミットしてます。
あらかじめご了承ください。
前作の終了後に後藤・保田の卒業が発表されていますので、続編ではそこらへんは適当にごまかしながら修正しようと思っています。
いつも中途半端なところで終わってしまうのは、下書きがある程度たまった時点で書き込みしていたからです。
今回のような昼ドラ（またはガチンコ）のＣＭ前みたいな切り方が評判がいいようなので、これからそうします。
次回を乞うご期待！！

>作者さん
思うままにやってくれ

期待しとるよ

>>555

>異星人の侵略攻撃があって云々の設定部分は申し訳ありませんが

いや、あれは異星人ではないですよ。
名前が「エイリアン」なだけで。
……まあこれが元であのスレが無くなったわけですが……。

>>557
どっちにしても思い出したくないわけで・・・（純風に・・・）

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「そうだね、高橋は変わっちゃったね……」

高橋は、矢口が抜けた後の「ミニモニ。」に新メンバーとして加入している。
リーダーとしてパワフルに「ミニモニ。」を引っ張っていた矢口の抜けた穴は大きかったが、高橋は持ち前の明るさでそれを乗り切った。
「娘。」解散後、何人かがソロ歌手として再デビューをした。
その中で最初にヒットを出したのが高橋だった。
「幼いイメージからの脱却」
最初、高橋は「ミニモニ。」で活躍していた姿からイメージチェンジを図ろうと、徹底したクール＆ビューティ戦略を取った。
もともと端正な顔立ちに、ちょっとキツめのメイクが妙にハマり、いつのまにか若い女性のファッションリーダー的存在にまでなった。
しかし、その地位と引換に高橋から笑顔が消えた。
いつしか高橋は笑わない少女になってしまった。

歌がヒットしてから、高橋と何度か歌番組で一緒になったことがある。
「やっと、高橋と同じ番組に出られるようになったよ。」
そう話しかけたが、軽く会釈を返されただけだった。

同期の５期のメンバーは勿論、「娘。」メンバーの誰とも一切交流を断っている。
イメージを守る為に随分無理をしている……そんな感じに見えた。

++++++++++ ++++++++++ ++++++++++ ++++++++++ ++++++++++

「あのー、圭ちゃんとあいぼんにお願いがあるんですけど……」
石川はニコニコしながら言った。
「なあに？」
「来月から、私の映画の撮影が始まるんですけど、監督さんが「娘。」のファンでチョイ役でいいから友情出演してもらえないかって頼まれてたんです。
どうでしょう？」
「いいんじゃない、スケジュールさえ都合がついたら出てあげるよ。」
「私も出る！！」
「裕ちゃんとか、よっすぃーとか、新垣とかにも声かけたら？」
「よかった、そうします。」
「あいあいは……断りそうだね。」
加護は淋しそうに言う。
「そうかもね……まあ、それまでに会えるようなら私からも話しとくよ、高橋にもこの金貨渡したいしね。」

「私もＯＫだよ！！」

突然の声に振り返ると、楽屋の入り口に仁王立ちしている一人の女性がいる。
「よっすぃー！！」
３人は同時に叫んだ。
「なになに、みんな冷たいじゃない？
私のいないところで楽しそうな相談しちゃってさ。」
「そんなんじゃないよ。」
「そおだよお。」
「圭ちゃん！私にも金貨頂戴！」
吉澤はずかずかと楽屋に入ってきて手を出した。
「何で知ってんの？」
驚いて思わず、目をひらく。
「昨日コンコンに電話したら、嬉しそうに金貨の話するんだもん！
何よ、私しょっちゅう圭ちゃんに会ってるのに
悔しいから、自分で取りに来たわよ！」
「ごめんごめん、そんなんじゃないよ、たまたま加護の番組に出ることになったからじゃない。
ちゃんとよっすぃーにもあげるわよ。」
そう言って金貨を手渡す。
吉澤は、まるでお駄賃をもらった子供のように嬉しそうにぎゅっと握った。

「またみんな、会えるかな。」
「うん、絶対会えるよ。」
「ごっちん、にも……」
「そうだね。」
加護も石川も黙ってしまった。
後藤の話題は、まだこの二人辛いようだった。

「でも、いつかまたみんなで一緒に会える。
この金貨をもらった時、そんな気がしたの。
思い続けている限り、願いは絶対叶うんだって。
そしたら、長いこと連絡が取れなかった明日香と偶然シンガポールで会えたし。
今日だって、こうして４人が集まれた。」

３人は同時にうなずいた。
願いが叶うような気がする。
石川の映画出演の話もきっとなんか偶然じゃない。

４人は金貨をぎゅっと握った

チャリン
遠くでコインの落ちるような音がした。

++++++++++ ++++++++++ ++++++++++ ++++++++++ ++++++++++

辻希美の住所は都内の実家のままだった。
何年か前にみんなで泊まりに押しかけたことがある。
あの時はＴＶ番組収録の帰りで、夜も遅かったっけ。
辻の母親はそれでも喜んでみんなを迎えてくれた。
地方から出てきて一人暮らししているメンバーは、実家で暮らせる辻を羨ましく思ったものだ。

電話を入れてみる。
「もしもし、私、保田と申しますが。」
「保田さんですか、どうもお久しぶりです。」
電話に出たのは母親だった。
「希美さんいますか？実は近くまで来てるのですが・・・・・・」
しばらく沈黙があった。

「希美は今、病気なんです。」
「病気？数年前に入院したと聞きましたが、何処か悪いんですか？」
「何度も……入退院を繰り返しています。」
知らなかった。
「何の病気なんですか？」
「……」
またしばらくの沈黙。
「見てもられば……わかると思います。」
本当は見て欲しくない、彼女の声は暗にそう言っていた。
「希美さんはどうしてるんですか？」
「希美を……希美を助けてくださいませんか……」
「助ける？」
「希美に会ってもらえますか？」
「ええ、そのつもりで来ましたから。」
随分思いつめている……母親の声にそんな思いが読み取れた。

「希美、保田さんが来て下さったわよ。」
部屋に通される。
何度か来た事のある辻の部屋、その頃と余り変わっていない気がした。
小奇麗に片付けられた部屋の片隅に、辻が座っていた。
「あ、圭ちゃん・・・・・・」
振り向いた辻の顔を見て驚いた
辻に可愛らしかったあの頃の笑顔は無かった。

「辻！！」

そこにはガリガリに痩せこけた女性がいた。

元々小柄な体型が、そのまま消えて無くなってしまいそうなくらいやせ細っている。
頬はこけ目のまわりも落ち窪み、まだ24歳のはずなのに、その姿はまるで老婆のようになっていた。

「久しぶりだね、圭ちゃん。」
笑顔からこぼれる八重歯がやけに尖って見えた。
「どうしたの？そんなに……痩せて……」
「なんだか最近食欲無くって……病気もしたしで、ちょっと痩せちゃったんだ。」
ちょっとなんてもんじゃない、
それは病気で痩せたなんてレベルじゃない。

拒食症……いつも何か食べていた印象の辻から想像できない姿だった。

「だって、こんなに……」
驚きでそれ以上言葉が出なかった。
「だいじょおぶだよお、圭ちゃん。心配しなくても
前はちょっと入院とかしてたけど、これでもののはだいぶん元気になったんだから。」
それが精一杯の強がりだと言うまでもない。
｢辻ぃ、どうしちゃったんだよ。
こんなになるまで、
なにがあったんだよ」
悲しかった、ただただ悲しかった。
あんなにはしゃいで明るかった辻の変わりよう。
「泣かないでヨ、圭ちゃん、私まで悲しくなるよぉ」

辻は優しい子だった
メンバーの中で一番幼い風を装っていたが、実はものすごく気を使っていたのは彼女だった。
13人もメンバーがいると、どうしても近い年齢同士でグループになってしまう。そんな各グループ間の潤滑油になっていたのは辻だった。
加護と一緒に無邪気にはしゃいでながら、なんとなく各グループの間をつないでいた。
現役のときには気付かなかったが卒業してから、辻のそんな優しさを感じるようになった。
卒業した中澤や自分が楽屋に来ても必ず甘えに来た。
いつも一番ほっとする場所だった。
甘えて欲しくて楽屋に遊びに行ってたのかもしれない
甘えたかったのは自分だったのかもしれない
そんな自分を気遣ってくれるかのように、ちゃんと辻は甘えに来てくれた。

「何があったの？話して」
「……」
辻は黙っていた。
「話しなさい！」
強い口調で言う。
「知ってたの。」
「何？」
「私、知ってたの」
「？」
「こうなること、知ってたんだよ……
わかってて、止められなかったんだよ。」
「辻、話して、ちゃんと話して。」

辻は６期メンバー３人が加入後、その教育係になった。
教育係と言っても既に出来上がったメンバーに教えることなんかなかった。
どちらかというとメンバーと６期メンバーとの橋渡し役だった。
なかなか溶け込めない６期メンも辻ならなんとか間に入っていけるのではないか、そういう事務所の判断だった。

｢娘。」メンバーはみんな「歌手になりたい！」という夢を持ってやってきた少女の集まりだった。
「完璧じゃなくてもええ、何か一つピカッと光る魅力があればいいんや。」
「娘。」選考時のつんくの一貫した基準だった。
「どうせ人間は何でも一人で全部やろうとしてもでけへん、そやけど何か一つでもできることがあれば、みんなの力になれる。
そんな一人一人が集まれば、それは大きな力になるんや。」
「娘。」はまさにそんな一人一人の集まりだった。

高いスキルを持って加入した６期はそんなコンセプトをまるっきり無視していた。
たしかに、｢娘。」自体の人気は爆発した。
その年のＣＤセールスで唯一１００万枚を越えたタイトルまで出した。
だが、メンバーとは依然見えない確執があったのは事実だ。

「私、知ってたの、６期の３人が隠れてタバコ吸ってたの
ううん、タバコだけじゃない
お酒を飲んでたことも……
地方のコンサートで泊まったホテルに男の子を連れ込んだりしてたことも……

注意できなかった。

タバコを吸ってるのを見たとき、注意しておけばよかった。
マネージャーさんに相談すればよかった。
でもできなかった。
こうなるのが怖くてできなかった。

私ね、６期の子達が着替えてるときにね、見ちゃったの
太ももの内側に注射の痕があるのを
何箇所もあったの
最初は何でそんなところに注射の痕があるのかわからなかった。

まさか、それが……」
辻は嗚咽した。
「あの時、誰かに相談しておけば、「娘。」は解散しなくて済んだかもしれない
ごっちんもあんな目に会わずに済んだかも……
そう思うと……そう思うと……
ごっちん、ごめんよぉごめんよぉ……」

「何言ってんだよ、辻のせいじゃないよ。」

辻のか細い腕、手首に無数の傷があった。
ためらい傷。
それも、一度や二度の数ではなかった。

あの事件以後、メンバーは誰もが後藤の痕跡を自分の中から消そうとあがいていた。
無理やりに、後藤の記憶を追い出そうと、忘れようとあがいていた。
それは、簡単な事ではなかった。

ずっと、ずっと悩み続けてたんだ。
ずっと、ずっと苦しみ続けていたんだ。
誰よりも｢娘。」を愛するがゆえに。

今わかったよ、あの時の辻の笑顔の意味が。
あの時、私のこのことを伝えたかったんだね。
なんで一人で悩んだりするんだよ。
みんな一緒にいたのに、なんで一人で抱え込んだりするんだよ。

もう、大丈夫だよ、私がいるから。
この前もね、加護が同じ様に泣いてたんだよ。
こうやって、泣き止むまでだっこしてあげてたんだよ。

「辻、ごっちんに会いに行こうよ」
「え？」
「ごっちんに会いに行こうよ
私、この前会いに行ったんだよ
元気だったよ、顔のキズもね、随分良くなってたんだよ、
可愛かったんだよ、相変わらずごっちんは可愛かったんだよ……
もうちょっとなんだよ、もうちょっとであの頃のごっちんに戻るんだよ。
また今度行こう、
一緒に会いに行こうよ。」
（そうしないと何も始まらない。）
それはあまりにも哀しく、あまりにも辛い事だ。
しかしいつまでも、後藤の存在を避けて生きていく訳には行かないのだ。

辻にねこの金貨をあげるよ。
これはね、再会の願いの叶う不思議な金貨なんだよ……
またみんなで会おうよ。

それまでに、元気になるんだよ。
約束だよ。

またあの頃の様に、コロコロして、いつも笑っていた辻に戻るんだよ。
差し入れのお菓子をこっそり一人占めして食べてた、甘えん坊の辻希美に……

++++++++++ ++++++++++ ++++++++++ ++++++++++ ++++++++++

数日後、都内某スタジオ
保田圭の新曲『祈り』の為にスタッフが急遽集められた。
プロデュースは最初から事務所の社長がすることになっていた。
メロディの良さとイメージを生かすため、伴奏はピアノのみというアコースティックな曲で行くことになっている。

保田圭はレコーディング前の集中モードに入っていた。

ここは彼女も何回かレコーディングしたことのあるスタジオ。
スタッフも過去に何度かお世話になったことのある人ばかりだ。
安心して、良いレコーディングができる。

ヘッドフォンに集中してメロディとイメージを頭に叩き込む。

ピリピリした雰囲気。

スタッフの一人が彼女の気をそらさない様、静かにコーヒーの入った紙コップをそっと置いた。
「あ、ありがとう」
コーヒーを受け取り、スタッフに微笑みかける。
しかし、その男の顔を見て、彼女はふと集中が途切れた。
どこか見覚えのある顔だったからだ。

「ああ、あなたは！！」

男は照れくさそうに手を振った。

「つんくさん！！？」

おまたせいたしますた
続きでごじゃいます

(ヽ´�D｀)＜……
ののたん… ･ﾟ･(ﾉД`)･ﾟ･
そしてつんくﾌｶｰﾂ？次回も期待。

＞作者様
今、初めて小説を読ませてもらった。
素晴らしい。話が面白いのは言うまでもなく
それ以上に物語世界に流れる空気が美しい。

何があっても応援し続けるよ。

いい感じだ・・・

作者さんがんばって。
陰ながら応援してます。

つい最近復活したことを耳にし、早速読ませていただきました。
とても優しい雰囲気に包まれた話になっていていいですね。
作者さん頑張って下さい。

最高っす！
作者さん、頑張ってください。

皆様にお褒め頂いて、なんかこそばゆいです。

読み返すと校正ミスや推敲不足が多く、ほんとに勢いだけで書いてますので申し訳ない。

下書きをハリコする時が面倒なので、できるだけ詰めて書いてましたが、
読みにくいなということに気がつきまして、（ホント、シロウトで申し訳ない）
私は今まで矢風の投稿中心で２ちゃんはＲＯＭ専だったもんで、もう少し勉強いたします。

次回からはもうちょっと読みやすくなる様工夫いたします。

でわでわ、次回を乞うご期待！！

>>579
書きたいように書きゃいいんだよ
所詮は２ちゃんなんだから（ｗ

とりあえず物語を無事に完結させてくれ、作者

＞私は今まで矢風の投稿中心で

もしかして作者さんは×××さんですか？って誰だよ。

「つんくさん！！！」

「久し振りやな」

「つんくさん、どうしてここに？」

つんくは「娘。」解散後、所属事務所も辞め、全てを整理すると世間から姿を消した。
それ以来、一切音信不通だった。
髪の毛も黒くなり、眉毛も普通の太さに戻っていたが、その男はたしかにつんくだった。
見かけは変わっても、黒ぶちの眼鏡の奥の、いつも策略を巡らしている目つきは変わっていない。

「今日からレコーディングやって聞いたから、社長に無理言うて同席させてもらうことにしてもらったんや。」

（そういうことか。）

今まで疑問に思っていたことがこれで一気に解決した。
全てはこの男が、裏で糸を引いていたんだ。
ロサンゼルスに次のシングルのレコーディングと、プロモーションビデオ撮影の予定を全てキャンセルしたこと。
昨年のニューヨーク公演がきっかけで、せっかくできた海外レコーディングスタッフとの人脈。
それだけでも大きな損失だ。
狡猾で自己中心的なマネージャーの多賀が、自らハルギスタンにまで出かけて現地交渉をしたのもそうだ。
全てはこの『祈り』を聞いたときから動き出していた。

たしかにこの曲はそれだけの価値のあるいい曲だ。
だからこういう結果になったのだろう、そう思っていた。

「つんくさんが黒幕だったんですね。」

「おいおい、人聞きの悪い言い方やなぁ
俺は何にもしてへんで。
『祈り』の曲を録音して社長に送った、たったそれだけや」

そう言ってつんくはニヤリと笑った。

「それより、社長に聞いたで。ノバクのおっさんに会うてきたらしいな」

「うん」

「強烈なおっさんやったやろ。あ、いい意味でな」

ノバクの体つきに似合わない優しい笑顔を思い出し、笑みがこぼれる。

「あのおっさん、発声とか歌唱法とか技術的なもんムチャムチャやけど、ものすごいええやろ」

「うん、感動したよ」

「俺、しばらく外国を放浪しててな、その時に偶然あのおっさんに会うたんや。
初めて歌を聴いたときは感動したよ。
あんまり、いい歌やから録音して社長に送ったんや。
ぜひ、バラードの女王保田圭にも聴いてもらおう、そう思っただけや」

「どうだか……」

この歌を聴いたら、保田はきっとこう動くだろう、
つんくは自分の思った通りに事が運んでいるのが、さも嬉しそうにニヤニヤしている。
どうしてこの男はこう策士なんだろう？
しかも、この男の策略通りに動かされている自分。

「なんか、私はずっとそうやってつんくさんの掌の上で踊らされてきたって訳ね」

「そんなことあらへんよ。」

そう言いながら、目は笑っている。

「そうよ、あの時からずうーっと踊らされてきた、そんな気がするわ……」

この男が、あの時、あのオーディションで自分を選んだこと、それが全ての始まりだった。
ＴＶを見て出した一枚の履歴書が、自分の人生をここまで連れてきてくれたのだ。

「あの時って、お前達のオーディションの時か？」

つんくはタバコに火をつけた。

「今やから言うけど、お前達３人は『芯の強そうな娘』っていうテーマで選んだんや。

「娘。」初代の５人は高いハードルをクリアしてデビューを決めた、でも俺はこの５人がそのまま小さい５角形で固まってしまうことを心配したんや。
この５角形をブチ壊して、もっと大きい新しい「娘。」の形を作ってもらおう、そう思た。
そやけど、それをやろうと思たら、新旧のメンバー間で絶対軋轢が生じる。
それに耐えられるくらいの『芯の強さ』、それを乗り越えて新しい｢娘。」の形を作ってくれる『強い娘』
そう思て選んだ。
保田も矢口も市井も思った以上の働きをしてくれたよ。
｢娘。｣は更に大きく、更に強くなってくれた。

でも俺の思い通りにやらせてもうたんは、思えばお前達2期加入だけやったな。」

「え？」

「その次の後藤のときはな、1999年9月9日に9人のメンバーでスタートするってのが事務所的に決まってた。
やけど、後藤見たらな、もう一人選ぶ気がせんかった。
結局加入は1人、1999年9月9日に8人のメンバーでスタートすることになってしもた。
あん時はもめたよ。
それがきっかけでな、新メンバー加入は何名ってうるさく言われるようになった。
4期の時も2人って決められてた。10人超えたらグループとして存続が難しくなるってさんざん言われた。
でも、直前で2人増やして4人加入にした。
俺的には加入したメンバーは全部成功や思てるけど、事務所的には面白くなかった。
結果オーライで何とか乗り切ってきたけど、摩擦は回を追うごとに大きくなってた。
5期の時も、”１１人超えたら絶対ダメです、加入は2名にして下さい！”って話を無理やり3名加入にするってゴリ押しして、直前で紺野を追加で４名に増やしたった。
無茶をやれたのもそこまでやったなぁ」

「どうして6期みたいなメンバーを選んだの？」

さすがのつんくも６期の話題には顔が曇る。

「言い訳する気はないんやけどな、６期の選考には俺は全然タッチしてないんや。
５期加入であんなムチャしたからな、６期は表向きは選考責任者やったけど実際は単なるプレゼンテイターやった。
俺には全然選ばしてくれへんかったんや。
まあ、最初っからあの３人が選ばれることが決まってたんやけどな。
確かに６期３人の能力はビックリするほど高かった。
それなら「娘。」にせんと、ソロで出したらええやんって俺は反対したけどな。
事務所的にはベストの人選やと思とったみたいや。
でもあんな結果になるとは誰も思わんかったよ。

でも結果はどうあれ、「娘。」の総合プロデューサーである以上”６期は関係ありません”言う訳にいかんしな。

解散後もなんとかみんなタレントになってくれたらよかったのに、まさか後藤まであんな目にあわされるなんて……」

そこまで言ってつんくは言葉を濁した。

「メンバーはみんなどうしてる？」

「元気に……してるよ……」

「まだ、みんな事件のことを引きずってるんやろ？」

図星だった。

｢保田……また俺の掌で踊ってくれるか？」

「え？」

「この歌でみんなの魂を動かしてやってくれ。
お前やったら……できる。
「娘。」の生みの親としての最後のお願いや。」

つんくはつんくなりにバラバラになった｢娘。」達を心配してくれてたんだ。
そう思うと涙が出た。



「じゃあ、スタンバイお願いします！」

ディレクターの呼ぶ声で、レコーディングスタジオに入る。

マイクの前に立ち、背筋を伸ばして息を吸う。

目を閉じる。

　　　　　　＿　　　＿∋oノハo∈　　　　　
　　　＝　/|●＼ニ＼（　｀.∀´）、＜<<保田圭>>が出撃よ！
　　＝　 〔|∈∋、￣●∪￣￣￣￣|l≫
　　　＝　 ∂　　￣￣¬∠ニ＼=〃 (（
　　　　　　　　　　　　　　　 ＜Ъ

ヤス連よりお知らせです。
本日12日は、２ちゃんねるＡＡトーナメントで保田ＡＡが
予選に出場します。
ダーヤスを２ｃｈ他板住民に知らしめるためにも、
もしよろしかったら、ぜひ保田ＡＡに一票お願いします。

投票所はこちら
http://live.2ch.net/vote/

詳しくはヤス連本部へ
http://tv2.2ch.net/test/read.cgi/morningcoffee/1030862482/
　　　　
では、失礼しました。　

初めてのレコーディングの時は、あのスタジオの廊下の隅で裕ちゃんに怒られたっけ。

オリコンで初登場１位を取った時、明日香と抱き合って泣いた。

彩っぺとカオリンと真里っぺの３人が「タンポポ」でデビューが決まったのが羨ましかったな。

紗耶香はプッチモニデビューで張り切りすぎて、直前に熱を出して倒れたっけ。

後藤は楽屋でよく居眠りしてた。

コンサート終わって、眠たいのに遅くまでホテルでよっすぃーと石川とおしゃべりしたな。

楽屋でふざける辻加護を追い掛け回したりした。

高橋はなまりがなかなか抜けなくって、標準語の練習したよな。

小川はコンサート前はいつもガチガチになってた。

ダンスがどうしてもできなくて泣いてた紺野と遅くまで練習したっけ。

楽屋を出るときはいつも最後に新垣の頭をなでてやった。

嬉しい時、悲しい時、辛い時、楽しい時、いつも一緒にいた仲間。

伝えようこの想いを……

「保田さん、いいです、すごくいいですよ！！」

社長は絶賛した。ディレクターも満足気に頷いている。

手ごたえのあるレコーディングができた。

たとえこの曲が売れなくてもいい、この想いが、この祈りがみんなの元に届けばいい。

みんなの魂が少しでも動くのなら、それでいいのだ。

「やったな、保田」

つんくはそうつぶやいて、一人スタジオを後にした。

振り返ると、ビルの間から覗く空は青く澄んでいる。
まぶしい日差しの向こうに、ジェット機雲がひとすじ伸びていた。
つんくは眼鏡をサングラスに替えた。
そして、誰にも聞こえないような小さな声で言った。

「俺もな、この歌に魂を動かされた一人なんや。」

++++++++++ ++++++++++ ++++++++++ ++++++++++ ++++++++++

数日後・北海道・室蘭市

「なつみ、保田さんから手紙がきてるよ。」

安倍なつみ……現在は結婚して曽根崎なつみとなり、夫の幸仁とふたりで室蘭市郊外で『お食事処なっち』を経営していた。

「え？　圭ちゃんから？」

メールやヴィデオレターが発達した最近では手紙が来ることは珍しい。
幸仁から手渡されたのは、手紙というより封筒大の小包だった。

「へー、なんだろう？」

中を開けて読んでみる。

「へー、圭ちゃん新曲が出るんだ。」

そして同封してある、金貨を手に取る。
再会の願いの叶うハルギスタンの金貨。

「また、会えるといいね、圭ちゃん……」

「保田さん何だって？」

「うん、新曲が出るんだって、ＴＶに出るから見てねって……」

「いつ？」

「来月の……あ、なつきのお誕生日の日だ」

「おっ、もう来月か
なつきは何か欲しがってるものあるのか？」

「うん、欲しがってるっていうか、ディズニーランドに行きたいって」

「そう言えば言ってたなぁ」

「ほら、お友達のまーちゃんがお正月に行ってきたって、お土産もらったじゃない。それからずうっと行きたい行きたいって」

「そうか……よし、思い切って店休むか？」

「え、本当？」

「たまにはいいんじゃないか、泊まりは千葉の姉さんところに頼めばいいし」

「なつき、喜ぶよぉ」

「ついでに保田さんか誰かに会いに行ったら？」

「いいの？」

「ああ、東京に行く機会なんてめったにないだろ？」

「ありがとう」

嬉しくて思わず手にした金貨をぎゅっと握る。

チャリン

遠くでコインの落ちるような音がした。

++++++++++ ++++++++++ ++++++++++ ++++++++++ ++++++++++

更に数日後・フランス・パリ郊外

「先生、日本から手紙がきてます。」

「あ、そこに置いといて。」

飯田圭織はデザインワークモニターの未処理のメモリーデーター数を見て、頭をかきむしった。

アシスタントは彼女の気をそらさないように、デザインデスクの端に手紙をそっと置いた。
飯田は一心に、モニターに映し出される、新作プレタポルテのデザインに次々チェックを入れていった。
しかし、メモリー数は一向に減らない。
イライラを抑えるように、コーヒーを一口すする。

飯田は｢娘。」解散後、デザインの勉強をするために単身パリに渡った。

｢娘。」時代から絵画やイラストなどをちょこちょこ描いていた。
本格的な勉強をしようと、フランス語を学びながら、デザイン学校に通った。

「先生、社長からお電話ですが……」

アシスタントが申し訳なさそうに言う。

「え、今忙しいのに……いいわ、つないで頂戴」

「やあ、カオリ。仕事ははかどってるかな？」

「アラン、悪いけど今メモリー数と格闘中なの。つまらない用事なら後にしてくれる？」

アラン・クレモンティーヌ、飯田がデザイン学校で知り合った男だ。

「俺は今に世界的なデザイナーになるんだ！」
それが彼の口癖だったが、その野心の強さに反してデザイン力は今ひとつだった。
｢ここをちょっとこうすれば良くなるんじゃないの？」
気さくで、いつも熱く夢を語るアランに惹かれる内に、何度か彼のデザインにアドバイスするようになった。
襟の形、全体的なライン、ボタンの位置、ちょっとしたポイントで彼のデザインは大きく変わった。
元々飯田にはアランのような出世欲はなかった。
デザイン学校に通うようになったのも、絵の勉強役立つかもしれないと思ったからだ。

アランは学校を卒業後、小さい既製服メーカーのデザイナーに就職した。
しかし、彼はそこでデザイナーとしての実力を発揮することはなかった。
彼の野心はは経営者としてその才能を花開かす。
彼はほどなく、パリ郊外に小さな店を開いた。

「カオリ、僕の仕事を手伝ってくれないかな？」

飯田は突然アランの誘いを受けた。
アランは自分のデザイナーとしての才能の限界に早くも気付いていた。
店を開いたものの、ありきたりなデザインが客に受け入れらるとは思わなかった。
アランの経営手腕に反して、店の売上の伸び悩みは深刻だった。
もっと良いデザインにするためにはどうしたらいいか？
彼の頭に真っ先に浮かんだのは飯田だった。

飯田はアランのアドバイザーとして、彼のデザインした服を見事に変身させた。
彼女がアドバイスするようになってから、店の評判は日に日に良くなっていった。
小さいながら店は繁盛した。
勢いに乗った野心家のアランは”クレモンティーヌ”ブランドで事業を一気に拡大する。
店を始めてからわずか数年で”クレモンティーヌ”はプレタポルテの中堅メーカーとしての地位を確立したのだった。

そして、”クレモンティーヌ”コレクション新作発表会の開催。
こういった大々的な新作発表会は、ブランドの地位と名誉がかかる大事な晴れ舞台だ。
ここでのマスコミや評論家の評価次第で、売上やイメージに大きな影響が出る。
アランはそのメインのモデルに飯田を使った。
元々素晴らしいプロポーションの持ち主だったが、その姿は年齢とともに更に洗練されていた。
鋭角的なシルエットは、同性でも見とれるほどに美しかった。
年齢的には遅咲きのモデルだったが、彼女はその後も有名なデザイナーたちに愛され、活躍するようになっていた。
元、日本のトップアイドルがフランスでトップモデルとして活躍。
話題性はフランス国内に留まらず、日本でも大々的に報じられた。
現在はモデルをしながら、”クレモンティーヌ”チーフアドバイザーとしてデザインのチェックに追われる日々を過ごしている。

「そう怒るなよ、カオリ。今、例の件でスポンサーとの会議の真っ最中なんだよ。
カオリさえＯＫしてくれたら、すぐにでも……」

「今それどころじゃないって言ってるでしょ？
このメモリーの山を片付けるか、消えて無くなるかすれば、その話に付き合ってもいいわよ。
それまで、私の集中力を切らすような真似はやめて頂戴！！」

飯田は強い口調でアランの言葉遮ると、叩きつけるように電話を切った。

「ああ、もう何やってたか忘れちゃったじゃないの！！」

長い髪をかきむしる。
ふと、さっきアシスタントが置いていった手紙が目に入った。
手紙と言うより封筒大の小包。

（誰だろう？）

手にとると、差出人は保田圭からだった。

「圭ちゃん！！」

中を開けて読んでみる。
懐かしい手書きの文字。ひらがなが読みにくいのは相変わらずだ。

「へー、圭ちゃん新曲が出るんだ。」

そして同封してある、金貨を手に取る。

「そうか、長いことみんなに会ってないな……」

ワークデスクの端に置かれた写真立てに目をやる。
「娘。」解散のコンサートの後みんなで写した写真。
そこには既に卒業していた保田の姿は写っていなかったが、保田はずっと自分の側にいてくれた仲間であることには違いなかった。

あの時、保田が卒業を決めたときからなんとなく二人の関係はぎくしゃくしていた。

彼女は「娘。」のリーダーであったが、実際は保田のサポートに頼る部分は大きかった。
そんな保田が「娘。」を去る。
飯田にとってそれは自分の体の一部を失うに等しいほどの衝撃だった。
そんな感情をストレートにぶつけてしまった。

後悔した。

つい、感情的になる自分の性格を、こんなに恨めしく思ったことはなかった。
「これからは圭ちゃんに頼らずに「娘。」を引っ張っていこう。」
飯田はその時強く決心した。
そして、６期の事件が発覚。
「娘。」リーダーとしての責任。決心は強い意志となって、記者会見に臨んだのだった。

手紙には金貨のほかにメモリーユニットが同封されていた。
新曲のプロモーションビデオ。

「この新曲は”ミュージック・キューブ”で発表することになっています。
｢娘。」のときにも出演したことのある、あの番組です。
でもフランスでは”ミュージック・キューブ”見れないと思うので、できたての私のＰＶを送ります。
まだどこのマスコミにも流れてない、激レアものだぞ！！」

（何言ってんのよ……）

笑いながら、メモリーをＰＣに差し込む。
デザインワークモニターの画面が変わった。

どこかの草原。

白いピアノが一台。

風が流れ、草がそよぐ。

ピアノのみの伴奏が流れる。

民族的な不思議なメロディ。

掌に一枚の金貨、彼女に贈られてきた金貨と同じものだ。

ぎゅっと握り締める。

ピアノの前に保田が立っている。

優しい歌声。

何故だろう、

体が震える。

何故だろう、

涙があふれる。

魂がしめつけられる思い。

彼女もいつの間にか、画面の向こうの保田と同様に金貨を強く握り締めていた。

フランスに来て７年。
それまで日本に帰りたいなんて、思ったことなかった。

「みんな……」

写真立ての「娘。｣の写真が涙でにじんで見えなくなっていた。

すぐに飯田はアランに電話をした。

「アラン……」

涙声を悟られないよう、彼女は静かに言った。

「カオリ、さっきはゴメン。忙しいのに手を止めちゃったみたいだね」

「そのことはもういいの、あのねアラン、例の話、進めてくれる？」

「え、どうしたんだい急に？」

「支店を作る話、進めて頂戴って言ってるの。
その代わり、条件があるの。
今の仕事一週間以内に片付けるから、終わったらすぐに出発したいの」

「そりゃあかまわないけど、何の心境の変化だい？
あんなに日本へ行くの嫌がってたのに……」

受話器を持つもう片方の手は、金貨をぎゅっと握りしめたままだった。

チャリン

遠くでコインの落ちるような音がした。

ﾘｱﾙ更新みちゃった

がんがってね

とてもサクサク進んでますね

お待たせでございました

続きを書きますた

>>599
全部読んだ…正直、のの編は泣きそうになりますた。・ﾟ･(ﾉД`)･ﾟ･
楽しみにしております。

全てを泣きながら読んで
今現在も泣いてますけど何か？

hozen

数日後、都内、ＴＶＡＸ局の”ミュージック・キューブ”収録スタジオ。

保田圭は楽屋でリハーサル開始を待っていた。

新曲『祈り』は事前の発表を一切せず、この番組で初公開されることになっていた。
「娘。」時代にも何度か出演したことある、生放送の歌番組だ。
彼女の新曲の内容を知る関係者は少なかったが、前評判は上々だった。
ウワサはウワサを呼んで、この番組出演の注目度は高くなっていた。
でも保田自身そんなことはどうでも良かった。

今日のことは、連絡の取れる限りのメンバーに手紙で知らせてある。

みんなに見て欲しい。

（できれば紗耶香にも……）

相変わらず市井とは連絡が取れないままだった。

リハーサルまでまだ時間がある。

彼女にはしなければならないことがあった。
今日の放送で共演する予定のまだ金貨を渡せていないメンバー。
彼女は楽屋を出て、別の部屋の前に立った。

「高橋　愛　様」

ドアにはそう書かれてあった。

すいませんですた。
一つ話をうｐし忘れておりますた。
次回は高橋編です。

ｈ

保全

ｈ

h

あのー１０年後はいいから
来年、卒業する、保田のその先を、教えて。（なんか、こわい

>>609
スレ違い

>>609

>>471>>475

間違えてあげてしまった。氏のう。

再開おめれとれす。
『祈り』は歌詞がエスペラント語という設定が元々あったみたいなんで、
>>494 の歌詞をエスペラント訳してみたよ。

Ho patro patrino amikoj kaj amatoj,
ke ni revidu, ke ni reunuig^u,
preg^u g^is la tempo, preg^u g^is la tago,
preg^u g^is la tempo, preg^u g^is la tago.

Se vi sole ne povus transiri muron,
ni komune povus transiri la muron.
Tiam la dio donos al ni esperan lumon.
preg^u g^is la tempo, preg^u g^is la tago,
preg^u g^is la tempo, preg^u g^is la tago.

なお、訳しやすいようにちょっと順序を変えた。↑は直訳すると、こうなる。
「父、母、友人たち、愛する者たちよ、
　われわれが再会できるように、われわれが再び一つになれるように、
　祈れその時まで、祈れその日まで、
　祈れその時まで、祈れその日まで。

　君が一人では壁を越えられなくても、
　われわれが一緒にやればその壁を越えられるだろう。
　そのとき、神はわれわれに希望の光を与えるだろう。
　祈れその時まで、祈れその日まで、
　祈れその時まで、祈れその日まで」

エスペラント語には字上符が付いた字があって書きにくいが、
字上符は字の後ろの ^ で表記した。

発音も英語やローマ字とは違うんで、念のためにカナ表記しておく。
基本的に､語の最後から二番目の音節にアクセントがある｡

ホー　パートゥロ　パトゥリーノ　アミーコイ　カイ　アマートイ、
ケ　ニー レヴィードゥ、ケ　ニー　レウヌイージュ、
プレージュ　ジス　ラ　テンポ、プレージュ　ジス　ラ　ターゴ、
プレージュ　ジス　ラ　テンポ、プレージュ　ジス　ラ　ターゴ。

セ　ヴィー　ソーレ　ネ　ポーヴス　トゥランスイーリ　ムーロン、
ニー　コムーネ　ポーヴス　トゥランスイーリ　ラ　ムーロン。
プレージュ　ジス　ラ　テンポ、プレージュ　ジス　ラ　ターゴ、
プレージュ　ジス　ラ　テンポ、プレージュ　ジス　ラ　ターゴ。

>>612
乙です。そして



あげるなよ（怒

おっとっと、第二節の第三行を落としてしまった。修正します。

ホー　パートゥロ　パトゥリーノ　アミーコイ　カイ　アマートイ、
ケ　ニー レヴィードゥ、ケ　ニー　レウヌイージュ、
プレージュ　ジス　ラ　テンポ、プレージュ　ジス　ラ　ターゴ、
プレージュ　ジス　ラ　テンポ、プレージュ　ジス　ラ　ターゴ。

セ　ヴィー　ソーレ　ネ　ポーヴス　トゥランスイーリ　ムーロン、
ニー　コムーネ　ポーヴス　トゥランスイーリ　ラ　ムーロン。
ティーアム　ラ　ディーオ　ドーノス　アル　ニー　エスペーラン　ルーモン。
プレージュ　ジス　ラ　テンポ、プレージュ　ジス　ラ　ターゴ、
プレージュ　ジス　ラ　テンポ、プレージュ　ジス　ラ　ターゴ。

>>615
だからsageてって

またかよ

>617
作者氏も前回のことは心得てるから"また"にはならんよ。

>618
そうだね
この小説を受け継いだ時点で、それなりの覚悟はできてるでしょうに＜作者

待ちましょ。1週間でも、2週間でも。待っていいのが出来るなら。

ほぜーん

Homa Rano さま

訳詞ありがとうございます。

せっかくのご苦労申し訳ないですが、続編の『祈り』は設定上ハルギスタンの伝説を歌った民謡ということになっています。

ですので、『祈り』の原曲は「エスペラント語」ではちょっとおかしくなってしまいます。

できるだけ前作のイメージを壊さない様に、あえて『祈り』の原曲は何語で歌っているかを表現しなかったのですが、作者イメージとしては「ハルギスタン語」という架空の言語で歌われたものということにしています。

で、日本で発売される保田圭の『祈り』はこの曲を日本語訳したものを出す設定のつもりでいました。

レコーディングのシーン、飯田のＰＶを見るシーンではあえてその表現をしませんでした。

というより『祈り』の訳詞を思いつきで書いたため、ちゃんとした日本語版の歌詞を考えていなかったからでした。

まあ、ほぼそのままで行く事にしました。

よろしくお願いいたします。

でわ、お待たせしました、続きでございます。

「高橋　愛　様」

ドアにはそう書かれてあった。

ドアをノックする。

「はい」

中から中年の女性が出てきた。
高橋のマネージャーのようだ。

「あ、おはようございます」

彼女は丁寧に頭を下げた。

「高橋、います？」

「あ、はい、います、どうぞ」

鏡の前に高橋が座っていた。

長い髪の後姿、光の当たり具合で何色に輝いて見えるその特殊な染め方は、すっかり最近の若い女性の流行になった。

「今日はよろしくね、高橋。ちょっと話したいことがあるんだけどいいかな？」

「何しに、来られたんですか。今、メイク中なんで、後にして下さい。」

鏡の向こうで高橋はこちらを振り向かずに言った。
キツくつり上がった眉。目元のアイシャドウも歌舞伎の隈取の様につり上がっている。
昔のマンガに出てきたスケバンみたいなメイクだが、これが変に女の子に受けているらしい。

「石川から聞いてる？明日の話。」

「あ、それなら、スケジュールは大丈夫なんですが、本人が出たくないと申しまして・・・・・・」

マネージャーは申し訳なさそうに言う。

「余計なこと言うんじゃないよ！」

高橋はそんなマネージャーを制した。
石川の映画が先日からクランクインしている。明日は石川にお願いされていた、友情出演の撮影が行われることになっていた。

「裕ちゃんも、よっすぃーも、加護も、新垣も出ることになったんだよ。
高橋もおいでよ」

「明日は久しぶりのオフで、個人的に用事があるんです。
すいませんが、お断りします。
石川さんにもちゃんとそう伝えてあります」

高橋は相変わらず、鏡の向こうにいる。

「どうしちゃったんだよ、高橋」

「どうもしません、保田さん、私達はもう「娘。」ではないんです。
いつまでも「娘。」を引きずるのはやめて下さい」

｢高橋、本気で言ってるの？」

「……」

高橋は黙っている。

｢本気で言ってるの？」

「もう「娘。」は解散したんです。保田さんもとっくに卒業してるじゃないですか。
もう、私にかまわないでください」

そう言って鏡の向こうの高橋は目をそらした。
彼女は高橋の胸ぐらを掴んで殴りたい衝動を抑えるのに必死だった。
（怒っちゃダメだ、落ち着こう）

高橋の出身は福井県。
方言を言わないようになるまで、加入してから１年くらいでかかったが、福井弁のイントネーションはなかなか抜けなかった。
「ミニモニ。」加入後は逆に明るい田舎娘のキャラで、イントネーションは逆に彼女の魅力の一つとなった。
「娘。」時代の高橋は明らかに「陽」のキャラクターだった。

「あの、保田さん、ちょっとよろしいでしょうか、外でお話しが……」

見かねた女性マネージャーが間に入る。
彼女に追立てられる様に、保田は楽屋を出た。

「すいません。彼女は本心で言っている訳じゃないんです。
わかってやってもらえませんか」

マネージャーは頭を下げた。

「でも……」

「高橋は元々、あんな娘じゃないという事は保田さんもご存知だと思います。
あの娘はあの娘なりに苦労して今の人気を確立することに成功しました。
今のイメージで成功する為に無理をしている部分もあります。
それがつい、あんな言動になってしまっているんです。
許してやってください」

マネージャーはまるで高橋の母親のように言った。

「娘。」解散後、何人かがソロ歌手として再デビューをした中で最初にヒットを出したのが高橋だった。
高橋は「ミニモニ。」で活躍していた姿から一転、クール＆ビューティな娘にイメージチェンジしての成功だった。
現在も定期的に新曲をリリース、安定した売上を維持している。
ＣＤのヒットのみならず、ＣＭやドラマにも活躍の場を広げ、今やすっかり若い女性のファッションリーダー的存在にまでなった。
しかし、その地位と引換にいつしか高橋は笑わない少女になってしまった。

「高橋はあんなことを言ってますが、後藤さんのことをすごく意識してるんです。
モーニング娘。のことを忘れている訳ではないんです」

「後藤のことを？」

「ソロデビューが決まった時のことです。
どういうイメージで行こうかという会議の席で、高橋は「後藤さんのようになりたい」と言いました。
後藤さんの「クールでカッコいい」部分に以前から随分憧れがあったみたいで、あんな風になりたいのだと強く主張しました。
多分それは後藤さんの事件がきっかけで、その気持が大きくなっていたみたいです」

「でも、後藤はあんな娘じゃないよ」

「わかっています、彼女の中で後藤さんのイメージが一人歩きしているのかもしれません。
デビュー当時、後藤さんのファンからもたくさん応援をもらいました。
高橋は後藤さんのファンの為に、自分が後藤さんの代わりになろう、そんな気持があったみたいです」

（そうだったのか。）
あの事件以後、メンバーは誰もが後藤の痕跡を自分の中から消そうとあがいていた。
無理やりに、後藤の記憶を追い出そうと、忘れようとあがいていた。
高橋も高橋なりに苦しみ続けていたんだ。
誰よりも｢娘。」を愛するがゆえに。

番組が始まった。
生放送の緊張がスタジオに走る。
番組の出演は高橋がトップで歌った。
相変わらず、クールな高橋。
司会の男女の局アナ二人の質問にも淡々と答える。

次々と人気歌手がステージに上がっていく。

保田の出番は最後だった。

「では、今日最後の曲になりますね。保田圭さんです。」

拍手で迎えられる。
彼女はゆっくりと司会の二人の横に移動した。

「今日は新曲をこの番組で初公開していただくそうですね。」

「ええ、人前で初めて歌うので、ちょっと緊張しています」

「この歌のためにハルギスタンまで行かれたそうですが？」

「ええ、テロ事件の為に1日しか滞在できませんでしたが、貴重な体験をさせてもらいました」

「良く無事で帰って来れましたね」

「ええ、悪運は強い方なので」

にっこり微笑む。

「では、保田圭さんに歌ってもらいましょう。曲は『祈り』です。どうぞ！！」

司会の男性局アナが手で示したのは、特に何も装飾のされていないステージ。
スポットライトに浮かぶピアノが一台。
保田は静々とその前に立った。

ついにこの日が来た。

この歌を皆に聞いてもらえる日が。

いろんなことがあった。

全てはこの日の為に積み重ねた日々。

全てはあの日から……

みんなにこの想いをこの祈りを届ける為に……


中澤が心の何処かで嫉妬心を持っていたのも

卒業を決めてから、飯田とぎくしゃくしたのも

福田が自分の卒業後の「娘。」に気後れしていることも

石黒が卒業後もみんなの相談事を抱えていることも

安倍が後藤の事故に感じた心の闇も

市井が後藤の事件以後姿を隠しているのも

矢口が裏切りに傷ついて現役を退いたのも

石川がみんなの為に映画出演の話を持って来てくれたのも

吉澤がわざわざ金貨を取りに来てくれたのも

加護がずっと淋しさを抱えていたことも

辻がやせ細るまで悩みを抱えていたことも

小川が子供を虐待している心の闇も

紺野がみんなの連絡係を一生懸命勤めているのも

新垣がいまだに歌手である自分にこだわり続けているのも

そして高橋が後藤に憧れるがゆえに、自分を変えてしまったのも

すべては誰よりも「娘。」を愛するがゆえ

そして自分自身も

保田はこっそり右手にハルギスタンの金貨を握りしめていた

（ノバク、力を貸してね）

保田は目を閉じ、大きく息を吸った。

いつもは撮影しているカメラの位置や、どのカメラが今写しているのかとかこっそり気にしながら歌ったりしていた。

今は違う。

この歌で心の中に潜む闇に少しでも光りを与えられたら、みんなの魂が少しでも動いてくれたら、それだけでいい。

父よ、母よ、友よ、愛する者よ

再び巡り会えるように

再びひとつになれるように

一人きりでは越えられない壁でも、

一つになれば越えられるだろう

その時、神はわれわれに希望の光をさしのべるだろう。

祈れその時まで、祈れその日まで

祈れその時まで、祈れその日まで

祈れその時まで、祈れその日まで

祈れその時まで、祈れその日まで


歌い終わった。

力いっぱい歌えた。

彼女が歌い終えたのと同時に、番組はＣＭに入り番組は終了した。

「これで全てが始まる。」

そんな気がした。

++++++++++ ++++++++++ ++++++++++ ++++++++++ ++++++++++

「保田さん、感動しました」

「保田さん、良かったです、最高です。」

「鳥肌立っちゃいましたよ！！」

収録終了の合図とともに他の出演者が集まってきた。
惜しげもない賞賛の声。

「ありがとうございます」

保田は会釈で返す。

その人ごみから一人、背を向ける女性。

「高橋！」

スタジオから立ち去ろうとする高橋を彼女は呼びとめた。

高橋は振り向こうとはしない。
収録中も一度も目を合わそうとはしなかった。

「待って、高橋。」

保田は彼女の手を掴んだ。
そして強引にその手にハルギスタンの金貨を握らせる。

「おねがい、この金貨を受け取って。
さっき、私が歌った歌は、この金貨の伝説を歌ったものなの。
私達が「娘。」だった証に、そしてまたもう一度再会の願いを込めて。
高橋にも持っておいて欲しいの」

高橋は振り向かない。

「明日ね、石川の映画の撮影前にごっちんのお見舞いに行こうと思ってるの。
辻とね待ち合わせしてるんだ。一緒に行こうって。
知ってるよね、『赤牟療養所』
もしよかったら、来て」

高橋は黙ったまま歩き出した。

最後まで振り返ろうとはしなかった。

保田の手を振り解いた瞬間、雫が一つこぼれた様な気がした。

チャリン

遠くでコインの落ちるような音がした。
++++++++++ ++++++++++ ++++++++++ ++++++++++ ++++++++++

同時刻・滋賀県・倭市

小さなログハウスの部屋で彼女は泣いていた。

テーブルの上には、手書きの便箋が一枚。

そして彼女の右手には、ハルギスタンの金貨が握られていた。

「圭ちゃん、ありがとう……」

彼女の前にあるＴＶは丁度保田圭が歌い終えた所を映し出していた。

チャリン

遠くでコインの落ちるような音がした。

++++++++++ ++++++++++ ++++++++++ ++++++++++ ++++++++++

同時刻・千葉県・某所

「いい歌だったね……」

「え、ええ」

夫の幸仁に言われるまで、曽根崎なつみはＴＶの前で呆然としていた。

「ほんと、いい歌でしたね」

と、幸仁の姉が言う。

彼女達家族は、北海道から千葉に住む幸仁の姉の家に来ていた。
今日は丁度、娘のなつきの誕生日、ディズニーランドに行く為だった。
旅の疲れか、当人はなつみの傍でぐっすりと眠っている。

（明日会えるね）
そうつぶやいて、なつみは手にした金貨を握った。

明日は朝からディズニーランドに行った後、夜に映画撮影の終った、中澤、保田、石川、吉澤、加護、新垣の6人と会う約束になっている。
彼女はこんなに一度に7人が揃う偶然に感謝した。
もうみんなとも長い間会っていない。

その時、なつきが寝返りをうった。
寒いのだろうか、毛布をかけてやる。

「うう……」

眠りが浅くなったのか、寝言なのか、お腹を押さえている。

「なつみさん、お布団ひいたげるからなつきちゃん、ちゃんと寝させてあげたら？」

「あ、お義姉さん、すいませんお願いします。」

その時だった。

「い、いたぁい……」

「どうしたの？なつき」

「いたいの……お腹いたい」

「大丈夫？」

「いたいよー、いたいよー」

急激に痛みが増している様だ、なつきはお腹を押さえてうずくまる。

「お腹が痛いの？」

手を当ててさすってやる。

「ママ、すごくいたいよー」

「どうした？」

夫の幸仁と義姉も心配そうに覗き込む。

「わかんない、急に痛み出したみたい、どうしよう？」

「とりあえず、夜も遅い、救急車を呼ぶしかないだろう？」

「じゃあ、直ぐ電話するわ」

救急車がやって来るまで、5分もかからなかった。

救急隊員が手際良くなつきの小さい体を担架に乗せる。

もう一人の隊員がセンサーのような物を、なつきのお腹に当てる。

「急性の盲腸炎の可能性があります。今までにこんな症状はありましたか？」

「いえ、さっき急に……」

「すぐに病院に運びます。入院の必要があるかも知れません。ご両親も付いてきて下さい」

「はい」

二人は一緒に救急車に乗り込んだ。

「こちら、千葉27号、今から通報のあった患者を搬送します。搬送先の指示お願いします」

「了解」

救急車の運転席横のディスプレイが市内の地図を表示する。
本部のホストコンピューターと連動した救急医療システムは、瞬時に最適な搬送先の指示を出す仕組みになっている。
搬送先が決定され、地図上に表示される。

退院は救急車のギアを入れた。
赤いランプが回り出した。サイレンが鳴り出す。
救急車は曽根崎夫婦となつきを乗せて走り出した。

『赤牟総合病院』

ディスプレイにはそう表示が出ていた。

続きでございます

読みますた
上手いわ本当…そう来ましたか。次回も期待
がんがって下さい

>>636

退院は救急車のギアを入れた。→隊員は救急車の……

校正ミスですた

スマソ

次の更新も楽しみにしています
頑張って下さい

娘。小説最高傑作のヨカーン
絶対最後まで続けてクレー
作者がんがれー

乙。涙。

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ｈ

翌日・早朝・都内某所

幹線道路の路上脇に一台の大型バスが停まっていた。
中澤裕子は眠い目をこすりながら、バスに乗りこんだ。
ロケ地まで直接自家用車で向かっても良かったのだが、ロケバスが出ると聞いてこちらに乗せてもらうことにした。
バスに乗ってワイワイ言いながらロケ地に向かう、その方が良かったからだ。

「おはようございます」

バスに乗ると既にスタッフが数人乗っている。
奥のほうにちょこんと小柄な女性が座っている。
彼女は中澤が来たのに気付くと立ち上がり、頭を下げた。

「おはようございます、中澤さん、この前はありがとうございました。今日はよろしくお願いいたします」

「よお、新垣。こっちこそよろしく」

新垣はニコニコしながら、席をずれた。
中澤はそこにどっかと腰をおろす。

｢何時ごろ来た？」

「えーっと、30分ほど前に」

「そうか、うちが一番早いと思ったのにな」

「こうしたまたみんなとお仕事ができるのが嬉しくって、早く来ちゃいました」

新垣は遠足が待ちきれない子供のようにずっと笑ったままだ。

「お、もう来てんじゃん」

続いて吉澤がやって来た。
加護も一緒だ。

「おお、よっすぃー､加護、久しぶり！」

「裕ちゃん！！」

加護が中澤に抱きつく。

「ニイニイもひさぶり！！」

「ハイ、お久しぶりです」

集合時間に近づくと、他のスタッフや出演者が次々にやって来た。

「みなさん、おはようございます」

主役の登場だ。

「お、石川！」

「梨華ちゃん！」

「石川、あんたがえらそうにに主役を張るなんてバカなことをするから、私達がこうして手伝いをしなきゃならなくなるんやからぁ」

中澤はそう言って石川の頭をこづいた。

「すいません、私のヘタな演技の為に皆さんに来てもらって」

中澤が石川をイジメると、石川はほんとにイキイキした顔になる。
キャラをいじってもらえるのが嬉しいようだ。
そんな二人の関係は今も変わっていない。

「圭ちゃんはまだなん？」

中澤が訊いた。

「圭ちゃんは、午前中用事があるみたいなんで、午後から直接、ロケ現場に来るそうです」

「昨日の圭ちゃん良かったなあ」

中澤がしみじみ言う。

「うん」

4人は同時にうなずいた。

「わたし、泣いちゃったよ」

吉澤は泣きまねをして見せた。

「ほんとに保田さんはすごいです」と、新垣

「あの歌のように、またみんなで集まれたらいいね」

「うん」

加護の言葉にみんなもうなずく。

「この金貨の伝説みたいにな、願いが叶うといいな」

中澤はポケットからハルギスタンの金貨を取り出した。
他の４人も同じように手に握る。

「そやそや、みんな聞いてるか、昨日からなっちがこっちに来てるんやて」

「聞いてるよー！」

「紺野にも連絡しといたよ、仕事が終わったら来るって言ってた」

吉澤が言った。

「なんか、みんな集まるの久しぶりだね」

加護はどうしようもないくらい嬉しそうにはしゃいでいる。

まもなく出発予定時刻。
一番前の席に座っていた男が立ち上がった。
どうやら助監督らしい。

「どうも皆さん、おはようございます。今日はよろしくお願いいたいます。
今日は主人公石川さんの演じる「美奈代」が病気で入院するシーンの撮影をいたします。
えー、友情出演で元モーニング娘。のメンバーの皆さんにも来て頂いています。
皆さんには事前にお知らせしている通り、看護婦と患者の役で出演していただきます。
よろしくお願いいたします。

なお、本日ロケを予定しておりました、「稲川浜病院」が撮影ができないことになりました。
幸い、すぐ近くの病院での撮影許可が下りましたので、急遽ロケ地が変更になっています。
本日のロケ場所は「赤牟総合病院」になります。」

「え！」

吉澤は顔面蒼白になって立ち上がった。

「赤牟総合病院ってごっちんが入院してる病院の隣じゃない！！」

++++++++++ ++++++++++ ++++++++++ ++++++++++ ++++++++++

同時刻・茨木，福島県境付近の町・ＣＡＴＶ局製作部オフィス

デスクワークに励む紺野の携帯端末が鳴った。

「誰だろう」

ディスプレイに名前が表示される。
電話の主は岡山に住む小川真琴からだった。

「もしもし、紺野です」

「あ、おはようコンコン、今いい？」

「うん、いいけど、何？」

「今､新幹線の中なんだ」

恥ずかしそうに言う。

｢今からそっち行ってもいい？」

「ええっ！急にどうしたの？」

「私、家出してきたんだ……」

「ちょっと、マコちゃん、家出って……」

「家飛び出したのはいいんだけど、行く当てがなくて、今日、コンコンのとこ泊めてくんないかな？」

「そりゃ、私はかまわないけど、何があったの？」

「夕べの保田さんの歌聞いた？」

「うん」

「なんだか、じっとしてられなくて……
どうしても、保田さんに会いたくなって、……
ううん、なんだかわかんないけど、もやもやした気持を何とかしたくて飛び出してきちゃった」

「と、とりあえず、今どの辺？」

「今？……さっき名古屋を出たとこ辺り」

「私の会社の場所わかる？駅に着いたらまた連絡して」

「うん、わかった……」

チャリン

遠くでコインの落ちるような音がした。

++++++++++ ++++++++++ ++++++++++ ++++++++++ ++++++++++

同時刻・千葉県赤牟市

保田圭を乗せた電車は終点の赤牟駅に着いた。
通勤時間をちょっと過ぎたくらいだが、相変わらず乗降客は少ない。

ここには日本最大の療養施設『赤牟療養所』がある。

赤牟駅の近代的で新しいビルを抜け、駅前広場に出る。
芝生と花壇が広がっている風景は、まるで欧米のどこかの観光地のようだ。
よく整備された広場は美しいが、閑散としていた。

駅前広場のベンチに女性が一人座っていた。
彼女は保田の姿に気付くと、軽く手を振った。

「おまたせ」

ちょっと大き目のワンピース、つばの広い白い帽子をかぶっている。
帽子の下で、彼女は微笑んだ。可愛らしい八重歯が口元からこぼれる。

「体調はどう？」

「うん、久々の遠出だったからちょっと疲れたけど、大丈夫。」

辻希美はゆっくりと立ち上がった。
背が低いのは相変わらずだが、動きがゆっくりになった分、なんだか大人っぽく感じた。
顔色も良くなっている。
ピンク色になった彼女の頬を見て、保田は安心した。
前に会った時は乾燥してミイラのような肌だったからだ。
細いのは相変わらずだが、以前のような病的さは感じなかった。

「昨日、ＴＶみたよぉ」

甘えるような声で辻は言った。

「どうだった、ちゃんと歌えてた？」

「うん、すごく良かったよぉ。
ほんとはね、昨夜まで今日のこと悩んでたの。
ごっちんのとこに行ってもいいのか、どうしようかって。
でも、圭ちゃんのあの歌を聞いて気持に区切りがつけられた。
がんばろうって、そう思えた。
今日会う決心がついたんだよ」

「ありがとう、そう言ってくれるのが一番嬉しいわ」

辻はにこやかに微笑む。
その笑顔の影にはいくつもいくつも乗り越えた闇があったに違いない。
そう思うと涙が出そうになった。
自分の歌がその闇に小さな光でもさしのべられていたのなら本望だ。
辻だけではない、他のメンバーの心にある闇に少しでも……
その光が闇を追い払う大きな光になれると信じたい。

そのとき、ポケットの携帯が鳴った。
ディスプレイにマネージャーの多賀の名前が表示されている。

「なんだよ､こんな時に」

しぶしぶ通話ボタンを押す。

「おい、すぐに事務所に戻れ、打ち合わせだ」

多賀は自分の名前も名乗らずにいきなり言った。

「なんで！？　私はこの後石川の映画の撮影があるんだよ」

「そんなのキャンセルしろ！　昨日のTV出演の反響で出演依頼が殺到してる。
すごい反応だよ。
ＴＶ、雑誌、Ｗｅｂマガジン、コンサートツアーも決定だ、のんきに映画撮影なんかやってるヒマないぞ！！」

「良かったわね、適当に決めといて。
私は今日の予定を変更する気はないから」

そう言って、彼女は電話を切った。

「ええい、もうかけてくんな！！」

ついでに電源まで切る。

「圭ちゃん、いいの？」

「いいのいいの、どうせ私がいてもいなくても、スケジュールは決められてしまうんだから」
それに、今日の予定は変えたくないしね。辻もどう？石川の映画に出てみる？」

「わたしはいいよぉ、もう芸能人じゃないし」

「そうかぁ、あそうだ、今日の夜なっちと会う約束してるんだ。
辻も来る？
撮影上がりで、裕ちゃんとよっすぃーと石川と加護と新垣も来るんだよ。
紺野も仕事が終わったら来るって言ってたし。
ひさぶりでメンバー集まるんだよ」

「うん、行く行く」

辻は保田の腕に抱きついた。

「圭ちゃんのおかげだね」

「え？］

「またこうしてみんな一緒に集まれるのも。圭ちゃんのおかげだよ」

「ちがうよ、きっとこの金貨がみんなの気持をどこかでつないでくれているんだよ」

そう言って､彼女はポケットからハルギスタンの金貨を取り出した。
辻も同じように掌に乗せる。

「また一緒に歌いたいね」

「そうだね、また一緒にね」

駅から歩いて数分、高い塀に囲まれた施設の門をくぐり、後藤真希のいる病棟に向かう。
敷地面積も建物も大きい病院施設だが、その割には人の気配は少ない。

病棟の中に入るとさすがに辻の表情がこわばる。

まるで子供の頃見た悪夢のように、心にこびりついて離れない記憶。
担架に乗せられた血まみれの後藤の顔。
思い出すたびに体が震える。

病室の前に着く。
｢後藤真希」の名札。
辻は小さく深呼吸した。

「大丈夫？」

「うん」

意を決したように小さくうなずく。
ドアをノックする。

「はい」

ドアを開くとユウキが出た。

「あ、保田さん……」

前に来た時、ユウキは招かれざる客の来訪に表情を曇らせた。
今日はなんだか様子が違う。

「おはよう、ユウキ、ごっちんの様子見に来たよ」

「あ、あの」

ユウキは驚いたように、2人を中に入れた。
後藤のいるベッドの横に女性が一人立っている。
辻と同じくらいの小柄な女性。

「あ、あれ？圭ちゃん？辻？」
「真里っぺ！」
「やぐっさん！」

三人は同時に叫んだ。

続きでございます

物語はいよいよクライマックスへ

>>657
(;´Д`)ﾊｧﾊｧ・・・違う！ｷﾀ━━━━━━(ﾟ∀ﾟ)━━━━━━!!!!

hozen

hozen

作者がんがれ
クライマックスですか。。。期待してるよ

前の作者さんとは違うようですが、続きが読めてうれしいです。
でも、もうすぐ完結してしまうと思うとちょっと寂しかったり。。

後藤卒業と同時に完結？？

保全

h

h

保全

　　　

　　　　

後藤・保田が辞めて4日経つわけだが
(　´ Д ｀)＜んぁ、後藤辞めたんだっけ〜
(　｀.∀´)＜私はまだ辞めてないわよ！

小川麻琴

　　　　

（ ｀.∀´）＜.....

>>671

校正ミスですた、すいませぬ

皆様、保全ありがとうございます。

ご期待に添えるかどうかわかりませんが、続きです。

今回で最終回かなと思ったのですが、以外と長くなってしまいますたので、もう少し先になりそうです。

同時刻・成田空港・国際線ロビー

>>おかけになられました番号は現在電波の届かない場所にあるか、電源が入っていないためかかりません。しばらくたってから､もう一度おかけ直しください。

「圭ちゃん、仕事中かな。かからないや」

彼女は電話を切った。
何年ぶりだろう。
成田空港もあのころから､随分雰囲気が変わっている。
彼女はポケットから金貨を取り出した。

「ありがとう､圭ちゃん、私、日本に帰ってきたよ」

掌に乗せて金貨を見つめる。
浮かぶ保田の笑顔。

「あ、」

人ごみで誰かが肩にぶつかった。
はずみで金貨が床に転がる。

「あ、待って！」

彼女は転がる金貨を追いかけた。
数メートル転がって金貨は女性の足元で止まった。
その女性は金貨を拾い上げる。

「あ、ありがとうございます」

しかし､差し出された女性の掌には金貨が2枚あった。
彼女が持っているものと同じ､ハルギスタンの金貨。

「え？」

思わず顔を見る。
背の高い女性。
スタイルの良さはコート越しにもわかる。
長い髪、心地良い香水の香り。
彼女はゆっくりとサングラスをはずした。

「明日香！？」
「圭織！？」

「どうしてここに！」

二人は同時に叫んだ。

++++++++++ ++++++++++ ++++++++++ ++++++++++ ++++++++++

同時刻・茨木，福島県境付近の町・ＣＡＴＶ局製作部オフィス

仕事中の紺野の携帯がまた鳴った。

「あ、はいはい」

そう言いながら､発信者の名前を見てまた驚いた。

「も、もしもし､紺野です」

「あ、紺野さん。福田です、お久しぶり。この前はありがとうね。
おかげで圭ちゃんと会うことができたわ」

電話の主は福田明日香だった。

「今､成田に着いたとこなの、また圭ちゃんと連絡とりたいんだけど、どこにいるかわかる？」

「に、日本に帰ってらっしゃるんですか？」

「ええそうなの、それとね……」
「おーい、紺野」

急に別の声に変わった。聞き覚えのある声だ。

「え、え？」

「何驚いてるのよ、私よ、ワ・タ・シ」

「リ、リーダー？」

声の主は飯田圭織だった。

「当り、驚いた？」

「お、お二人一緒なんですか？」

「うん、成田でね偶然会ったの。
でね、今から二人で圭ちゃんに会いに行こうと思ったんだけど。
携帯の電源切ってるみたいで連絡とれないのよ。
”そういう時は紺野に聞け”って明日香が言うから、
っていう訳で、何処にいるか知ってる？」

「あ、あのー保田さんは今、後藤さんのお見舞いに『赤牟療養所』にいると思います」

「後藤の……」

電話の向こうで飯田のテンションが下がったのがわかった。

「今からいくわ」

飯田の決心が伝わってくる。

「え？」

「今から明日香と二人でごっちんところに行ってみる。
赤牟だったらここからすぐだし。
一回もお見舞いに行った事なかったから、丁度いいわ。
ありがとうね､紺野」

「あ、あの……」

そう言い残して飯田は電話を切った。
（いつもそうだ）
紺野はつぶやいた。
（リーダーはこうと決めたらすぐ突っ走っちゃうんだから）

「こうしちゃいられないわ」

紺野は携帯の小川の番号のメモリーを呼び出した。

「もしもし、マコちゃん、今どの辺？」

「え、さっき静岡出たとこ」

「東京駅で待ってて！
私、今からそっちに向かうから」

「え、どうして？」

「リーダーが、飯田さんが日本に帰って来てるの。
福田さんと一緒なんだって。
保田さんがね、
後藤さんのね」

「ちょっと、コンコン何言ってるか全然わかんないよ」

「と、ともかく行くから、行ってから説明するから」

そう言って携帯を切った。
すぐに上司のデスクに向かう。

「部長！」

「な、なんだね」

「わたくし、今からどうしても行かなければならない取材先ができました。
今から行ってきます」

「おいおい、取材って？」

「今日はもう帰らないかもしれません。後はよろしくお願いいたします」

ぺこりと頭を下げて、彼女は取るものもとりあえずＣＡＴＶ局を飛び出した。

また携帯が鳴る。

「あれ、誰だろう」

ディスプレイに表示される名前

「えーっ！！」

++++++++++ ++++++++++ ++++++++++ ++++++++++ ++++++++++

同時刻・赤牟総合病院

曽根崎なつみは体の痛みで目を覚ました
明け方近くまで腹痛に苦しんでいた、娘のなつきはやっと薬が効いたのか、すやすやと眠っていた。
夫の幸仁はソファーで眠っている。
彼女はなつきのベッドの横で眠っていたようだ。
立ち上がると体の関節がぼきぼきと鳴った。
へんな寝方をしていたようだ、体中が痛い。
筋肉をほぐす為、伸びをしてみる。
幸仁も彼女もなつきの付き添いで早朝まで起きていた。
やっと効きはじめた薬のおかげで、痛みも治まったなつきはぐっすりと眠っている。
彼女は天使の寝顔にそっと頬ずりした。

「今のうち顔でも洗ってこよう」

廊下に出る
昨夜はばたばたしてたのと夜だったのでわからなかったが、ここは随分大きな病院のようだ。
窓の外に広大な敷地と、いくつもの病棟。

「ここは一体何処なんだろう？」

何気なしに窓の外を眺めていると、眼下に数人の人だかりが見えた。
なにかの撮影か、カメラや照明等のスタッフと出演者、それを取り囲む様に見物人がいる。

（ドラマかな？　映画かな？）

「あれ？」

出演者の中に知ってる顔が見えた。

「なんで、みんなここにいるべさ！！」

++++++++++ ++++++++++ ++++++++++ ++++++++++ ++++++++++

しばらくして、赤牟療養所

保田、矢口、辻の3人は後藤の病室の外に出ていた。

「圭ちゃんの歌のおかげだよ。
ここに来る勇気をくれた。
簡単なことなのにね、
ほんのちょっとのことだったのに、その壁を越える勇気がなかった」

矢口は保田の手を握った。

「ごっちんに会おうって、そうしないと何も始まらないんだって、
バカだね私。
今頃になってやっとそれに気がついたよ。
ありがとう､圭ちゃん。ホントに……ありがとう」

「そう言ってくれると嬉しいよ。
この歌を歌うために苦労した甲斐があるよ
実はねレコーディングでね、つんくさんに会ったんだ。
この歌でみんなの魂を動かしてやってくれって」

「私もねやぐっさんと同じなの。
今日、ごっちんのお見舞いに行くの迷ってた。
でも、圭ちゃんの歌で勇気が出たんだよ」

そう、自分がこの歌に出会い、この歌を歌う為に乗り越えた闇。
でもそれは、仲間がいたから、かけがえのない友がいたから
いつも一緒にいた家族以上の存在。
この歌に出会って感じた小さな光。
その光を追いかけてここまで来た。
自分の歌がその闇に小さな光でもさしのべられていたのなら本望だ。
その小さな光が集まれば、闇を追い払う大きな光になれると信じたい。
そしてその光は今、一つになろうとしていた。

「圭ちゃん！真里っぺ！辻！」

振り向くとそこには、中澤、石川､吉澤、加護、新垣、そして安倍の6人が立っていた。

「どうして、みんな！！」

「今日の映画撮影のロケこの隣の病院になったんですよ」石川が言った。

「私は昨夜なつきが腹痛になってこの病院に運ばれたの」と、安倍

チャリン

「あらあら、どうして？みんなお集まりじゃない？」

そして飯田と福田の二人も！

++++++++++ ++++++++++ ++++++++++ ++++++++++ ++++++++++

紺野と小川は少し遅れて赤牟駅に到着した。

路線の終着駅の為、電車に乗っている乗客は全て降りる。

だが相変わらず乗降客は少ない。

「マコちゃん、急ごう。
飯田さん達もう到着してるヨ、きっと」

「そうだね」

二人は走り出した。

何人か降りた客の中に、ひときわ目立っている流行の髪の色の女性が一人。
二人が追い抜かした時、ふわりと髪が揺れた。
やわらかい、シャンプーの香りがした。

「あれ、愛ちゃんの髪の染め方だね」

「流行ってるね、うちの会社にも何人かいるよ」

紺野はちらりと、その女性の顔を見る。

「あれ！？」

紺野は立ち止まった。

「コンコン？」

その女性は紺野に気がついた。

｢愛ちゃん！！」

どうやら高橋と同じ電車だったようだ。

「コンコンもマコちゃんもどうしてここに！？」

「愛ちゃんこそ！？」

「私は……後藤さんの、お見舞いに来たんよ」

恥ずかしそうに高橋は言った
いつものキツいメイクでなく普通のメイク姿。
イントネーションはすっかり福井弁に戻っている。

「昨日、番組収録の時にね、保田さんに怒られたんよ。
何やってんだって。
何やってたんだろうね、私……
なんか、保田さんに怒られて色々考えさせられたんよ。
ダメだあ、こんな事じゃあって。
それよか、コンコンとマコちゃんは？」

「私も同じよ、愛ちゃん
昨夜の保田さんの歌を聞いて……じっとしてられなくなったの
保田さんに会いたくて、家出してきちゃった」

小川も恥ずかしそうに微笑む。

「飯田さんとね、福田さんが日本に帰ってきてるの。
多分、もう病院に着いてると思う」

｢そうなんだ……
みんな、あの歌に動かされたってこと？」

「うん、それとこれとね」

紺野はハルギスタンの金貨を取り出した。
小川も、高橋も掌に載せる。
ここに新垣はいないが、｢娘。」時代はいつもこのメンバーで一緒にいた。
同期でみんな年齢が近いということもあり、一番仲も良かった。
辛い時、嬉しい時、悲しいとき、楽しい時。
いつも一緒に過ごしてきた仲間。
なんか、何年かぶりにあの頃の気持になれたような気がする。

3人は『赤牟療養所』の門をくぐり、後藤のいる病棟に向かった。

後藤の病室前には、沢山の人が、それもみんな見知った顔ばかり。

「えええええええ！！
なんで、皆さんがここにいるんですか？」

3人は驚いて立ちつくすしかなかった。
次々に何かに導かれるように集まる「娘。」

すごい状態だった、ほとんどのメンバーがそこにいた。
中澤・飯田・安倍・福田・保田・矢口・石川・吉澤・辻・加護・高橋・小川・新垣、紺野

ということは？

「み、みなさん、ものすごいことが、ものすごいことが起きます！」

紺野が叫んだ。

続きでございます

>>作者氏
IDがFAQ。
まあそれはともかく読みますた、いよいよ佳境ですね
あと残るは市井と石黒かな？次回もがんがって下さい

 

h

>>690

o>>691

 

z

（ ｀.∀´）全

期待保全

700保全

皆様、長い間わたくしの駄文にお付き合い頂いてありがとうございます。

え、こんなオチなん？

と思われるかもしれませんが、私はこれをメンバーにやらせたくて書き始めました。

これをやらせるために、メンバーを一箇所に集めました。
それも只々集まるのではなく、なんか運命の糸に操られるように偶然そこに集まってしまったという形にしたかったんです。
そのために、偶然をもっともらしく具現化するアイテム（八犬伝の玉のようなもの）として、ハルギスタンの金貨を考えました。
そして、金貨の効果をもっともらしくする為、ハルギスタンの伝説を考え、更に伝説をもっともらしくする為に、『祈り』の歌詞まで考えました。

各メンバーの設定は前作者の設定があったので、私は未設定のメンバーだけ設定しました。
そしたらあとは、この結末に向かってメンバーが走り出しました。

全てはこの結末の為。

でわ、最終話でございます。

そのものすごいことはすぐに起きた。

そこに現れたのは、石黒彩。

そして背の高い彼女の後に隠れるようにして、一人の女性。

市井紗耶香だった。

「昨夜ね、やっと紗耶香と連絡が取れたのよ、
紺野さんに聞いたら、圭ちゃんも、カオリンも､明日香もここにいるって聞いたから連れてきちゃった」

そう言って、石黒は背中に隠れる市井の腕を引っ張る。
みんなの顔を見て、ちょっと恥ずかしそうに彼女はぺこりと頭を下げた。

「昨夜圭ちゃんの歌を聞いて、なんだかじっとしてられなくて、彩っぺに電話したんだ。
ごめんね、みんな心配かけて。
圭ちゃんの歌のおかげだよ。
ここに来る勇気をくれた」

保田は市井を抱きしめた。

「何やってたんだよー、心配したぞ」

「ごめん」

市井の笑顔と一緒に、涙がこぼれた。
（何も訊かないでおこう）
保田はそう思った。
きっと、市井も一人でずっと心の闇と戦っていたに違いない。
誰にも話せずに一人で抱えていたに違いない。
私達がいるのに。
いつだって、一緒にがんばってきた仲間がいるのに。
保田に抱きしめられて、市井は泣いていた。
めったに涙を見せない娘なのに、卒業を決めたあの日だって涙を見せなかったのに……

「圭ちゃん」

石黒が保田の肩をたたいた。

「圭ちゃん、今、あの金貨持ってる？
持ってたら、紗耶香にも渡してあげて」

「うん」

石黒に促されて、保田はポケットから金貨を出した。

「みんなの手に渡る前に、私の夢叶っちゃったよ」

そう言って、市井の手に金貨を渡す。
願いの叶うハルギスタンの金貨、16枚目はやっと市井の手に渡った。

「ありがとう、圭ちゃん……」

ちょっと照れた様に市井は金貨を受け取り、ぎゅっと握る。

そして17枚目

デリった

保田は後藤の部屋に行った。

「ごっちん、17枚目をごっちんにあげるよ
元気になったら、またみんなで、一緒に歌お」

手を握る。

頬を伝う涙。

「圭ちゃん……」

小さな呟きだった

でも､後藤の心が大きく動いた瞬間だった。

「ごっちん！」

「ありがとう……」

「ごっちん！」

吉澤も後藤に駆け寄った。

「ほら、ごっちん、みんな来てくれたんだよ。
みんな、ごっちんの為に集まってくれたんだよ……」

吉澤は後藤を抱きしめる。
後藤も泣きながら小さくうなずいている。

「う、ううう……」

みんなが後藤の周りに集まる

みんながどこかでつながっている
その気持がこの金貨を通じて具現化した、それだけのこと

「娘。」には様々な苦難があった。
そしていつもそれを乗り越えてきた。
6期の事件、解散、後藤の事件、バラバラになったメンバー
8年もかかってしまった。
みんながこの試練を乗り越えるのに、8年もかかってしまった。
試練が大きかった分、乗り越えた壁が高かった分、またこれでみんな大きくなれる。
また一つになれる。

メンバーみんながそれぞれもがいていた闇、
簡単なことだったんだ
今までこうやって、みんながお互い助け合って乗り越えてきたんだから。
一人一人は小さな力だけど、それぞれがひとつ光る何かを持っていれば、それはみんなの力になる。
そんな小さな力が一つ一つ集まれば、それは大きな力となる。

衝動が心を突き動かす。

この歌はそんな気持を思い出させてくれた。

++++++++++ ++++++++++ ++++++++++ ++++++++++ ++++++++++

「あのな、圭ちゃん、一つお願いがあんねん」

それまで黙っていた中澤が口を開いた。

「何？」

「圭ちゃんにもらったこの金貨な、
伝説では願いが叶ったら、元の首飾りに戻さんとあかんのやろ？
でもな、もう少しこのまま持っといてええやろか？」

「どうして？」

「だって、この金貨を持ってる限りまたみんなこうやって集まれる、そんな気がするん
今度は私たちも、圭ちゃんと同じ思いを叶えたいねん」

その場にいる１７人の「娘。」は一同にうなずいた。
その手には皆、同じようにハルギスタンの金貨が握られている。
この金貨を持ってる限り、みんなの気持をどこかでつないでくれている。

「そうね、また絶対…」

「今度は……」安倍が言った「圭ちゃんひとりの願いじゃないよ、「娘。」全員の願いになったんだよ」

「叶えよう、圭ちゃん、今度はみんな全員でこの願いを！！」

飯田がぽんと肩をたたく。

「うん、ありがとう、みんな……ありがとう」

そう、今度は保田一人ではない。｢娘。」全員の願い。
今日まで苦しい闇の中にいた。
でも、明日からは違う。
闇に差し伸べられた小さな光、その光を信じて歩いていける。
新しく、大きくなった光と共に生きていける。

「よし、じゃあみんな、あれやるよ！」

飯田がさっと手を上げる。

安倍が、矢口が、石川が、吉澤が、辻が、加護が、高橋が、小川が、紺野が、新垣が、そして後藤が
思わず保田も手を上げている。
あの時のように、そしていつものように１３人のメンバーがさっと手を上げる。
いつものように組んだ円陣で、いつものように飯田の言葉から始まる。

「ほら、裕ちゃんも、彩っぺも、明日香も、紗耶香も……」

１３人のメンバーの輪に入っていない４人にも声をかける。

歴史上初めて揃った１７人の「娘。」達。

４人はちょっと恥ずかしそうに、おずおずとその輪に加わる。

気合を入れるコンサート前の儀式。
一瞬にして全員にピリピリした空気が広がる。
飯田は一人一人の顔を順番に見て、そして口を開いた。

「今日はこうして奇跡的に「娘。」が全員集まりました。
今度は、コンサートの舞台の上でまた集まる、その願いをみんなで叶えましょう。
いいわね？」

全員がうなずく。

「明日からみんなまたそれぞれの仕事があると思います。
それぞれの生活、それぞれの人生……

その日まで……」

そして、いつもの掛け声。

「がんばって、いきまっ」

『しょい！！』

++++++++++ ++++++++++ ++++++++++ ++++++++++ ++++++++++

エピローグ


拝啓、保田圭様

お久しぶりです。

早いもので、あれからもう半年になるんですね。

みんな相変わらず元気にしてます。

保田さんから依頼のあった、みなさんの近況を報告いたします。

中澤さんは、「裕子の部屋」は相変わらず好調、最近番組ディレクターとの交際が一部週刊誌に報じられました。
本人は交際は認めたんですが、結婚に関しては否定してます。
中澤さんの独身生活はまだまだ続きそうです。

飯田さんは、クレモンティーヌの日本進出として、東京青山に1号店オープンして、クレモンティーヌ・ジャパンの代表取締役に就任しました。
こちらも社長のアラン・クレモンティーヌとの結婚が間近と噂されてますが、飯田さんは仕事上のパートナーだと強調してます。
トレーニングで通ってるジムが同じなんで、よく会いますが相変わらず、クレモンティーヌブランドのチーフアドバイザーとして多忙な日々を送ってらっしゃいます。

安倍さんは、待望の2人目を妊娠しました。
現在母子共に健康。最近ちょっとまた体重が増えたのを気にしています。
２人目が生まれたら、本格的にダイエットを始めると言ってます。
コンサートまでに間に合えばいいですね。

石黒さんは、長女が来年中学生になるということで、密かに各芸能プロダクションから誘いがあるらしいです。
「2代目モーニング娘。にでもなってもらおうかしらね」
そう言う石黒さんは相変わらず、とてもそんな大きい子供の母親とは思えない美貌を保っています。

矢口さんは、今芸能界で活躍している元キッズのメンバーを集めたユニットのプロデューサーとして、活動を開始しました。
元々、矢口さんが作ったユニットでデビューした、あの娘達です。
キッズの娘たちも、矢口さんとまた仕事が出来るということで、随分喜んでいるみたいです。
矢口さんはもしかしたら、プロデューサーにすごく向いてるかもしれません。

市井さんも作詞家として活動再会してます。
矢口さんに引っ張り出されて、キッズの娘たちの曲に詩を書かされてると悲鳴を上げていました。

吉澤さんは、相変わらず子供番組のダンスのコーナー好調です。
秋の改変でレギュラーが増えたと喜んでいましたが、忙しくなったので、最近私と遊んでくれなくなりました。

高橋愛ちゃんは、今度の新曲でガラリとイメージチェンジしてしまいました。
若い女性のファッションリーダー的な存在と言われるのが、最近辛くなったそうです。
「何て言われてもいいから、これからは自分らしくをテーマに生きる」
そう宣言しています。

小川マコちゃんは岡山でダンススクールを始めました。
元モーニング娘。ということもあって、生徒数も結構集まっているみたいです。

加護さんも毎日忙しそうです。
最近、番組共演の杉拓ジェイさんとの熱愛報道で、世間を騒がせています。

世間を騒がせているといえば、新垣ちゃんが再婚します。
あれから、バラエティ番組にも積極的に出演するようになって、そこで知り合った新進若手俳優がお相手です。
娘の沙奈ちゃんが彼にものすごくなついていて、幸せな再婚話みたいです。
結婚が決まったら、芸能界から引退するって言ってます。

で、これは極秘情報です。
驚かないで下さい、後藤さんが結婚します。
お相手は、後藤さんの顔のキズの手術をしたあの先生です。
主治医でもないのに、「術後の経過を見たい」なんて言って何度も病室に来るのでおかしいなぁ……って吉澤さんが言ってったんですけど。
どうやら前々から後藤さんの大ファンだったみたいです。
リハビリも積極的に手伝いしたりしてる内に、プロポーズしたとのことですよ。
後藤さんの方は体調も順調で、最近はお料理の勉強と、ダンスの練習の毎日みたいです。
なんか、長いこと入院していたのがウソみたいに元気なんですよ。

石川さんは前作の映画が大ヒットしたので、次回作の主演が決まりました。
また、ベタベタの恋愛物のヒロイン役だそうです。
あ、保田さん達が友情出演したあの映画ですが、ＳＤＶＵ（スーパー・ディジタル・ヴィディオ・ユニット）で発売が大決定です。
知ってました？あの映画の中に、あの時揃った１７人の「娘。」がこっそり映ってたんですよ。
といっても、病院の外観のカットの中に偶然映ってただけみたいなんですけどね。
「娘。」ファンだった監督さんが気がついて、こっそりシーンに組みこんでたみたいです。
そのおかげで「娘。」再結成の話題が広がって、今度の再結成コンサートの話にまでなったんですけどね。

で、わたくし紺野あさ美ですが、実はこの度長年勤めていたＣＡＴＶ局を退社いたしました。
福田明日香さんに誘われて、福田さんが設立したＴＶ番組用コンテンツ供給会社に移籍することになりました。
福田さんが海外で見つけたＴＶ番組用コンテンツを、私が日本のＣＡＴＶ関係に売るという仕事です。
辻さんが病気療養中なんですが、時々事務所に顔を出して手伝いをしてくれています。
３人だけの小さい会社ですが、なんとかやっていきますので、ご支援よろしくお願いいたします。

ええっと、これで全員の近況終了です。

それと、世界平和音楽祭出演お疲れ様でした。
ノバクさんと２人で『祈り』の英語バージョンを歌ってる姿は、まさに世界の「保田圭」といった迫力でしたよ。
次号のＴＩＭＥ誌絶対買いますよ。
スゴイですね。世界のＴＩＭＥ誌の表紙になるなんて。

保田さんが御主人とヨリを戻されて真くんと３人で、ニューヨークに移り住むって聞いた時はビックリしましたけど、これからは世界を舞台にがんばってください。

でも、「娘。」の再結成コンサートには絶対来てくださいね。

では、2012年、秋の横浜アリーナでお待ちしています。

草々

紺野あさ美


そして……

≪終わり≫

製作・著作　LOVESEED

この物語はフィクションです

I thank Loveseed for he finished this story.

感激すました

乙、感(ry

久しぶりに更新が待ち遠しい小説でした。
作者さんお疲れ様でした。

ありがとう、こんな感動作を。
この未完の大作を、見事あなたが再生させてくれました。
作者さん、お疲れ様でした。

お疲れ様、そしてありがとう

お疲れ様でした。
何度も泣いて、ｷｰﾎﾞｰﾄﾞを濡らしてしまいました(だめじゃん)
本当に。お疲れ様でした…

乙です
とりあえずすっきりした保田系2011の呪縛があったから

結構さくさく進まれてましたね
面白かったです

お疲れ様でした。いいお話で、いつも楽しみにしてました。
よかったよかった…

(; ´Д⊂

脱稿お疲れ様でした。
コインの音か鳴る度、涙腺か緩んで…
全スレでのモヤモヤのある読者をあのコインの音が救ってくれた気がします…
素晴らしい小説をありがとうございました！

お疲れ様でした。
スレタイがスレタイだけに、くだらね〜ネタスレだろうと思いこのスレを開けた
んですが、まさかこのような感動巨編があろうとは。
更新のたび、泣かせていただきました。ネタスレが名スレになりました。　

脱稿お疲れ様でした。
他人の作った物語の続きを、自分の書きたい事を織り混ぜながら書くのは難しい事だったと思います。
更新が楽しみな小説の一つでした。
やっと呪縛から解き放たれた気がします。
ありがとうございました。

お疲れ様。よかったよ。ありがとう。
作者のあなたにも希望あふれる未来がありますように。

一言、ありがとう

前半（保田2011）からどう繋げるのか
ハラハラ
作者氏の物語に
ドキドキ
非常に楽しませてもらいました。お疲れ様です

ええ話やった．
作者氏おつかれ．

後２年以内に実家の居酒屋で働いてる姿が目に浮かぶ

完結乙。
ほんとにここまでやるとは思ってませんでした、すいません。

正直なところ荒らしが来ないかが心配だった
無事終わってよかった

作者さん、お疲れさまでした。
ただ、安易な全員ハッピーエンドに繋げてしまったのが残念。
最後の「いきまっしょい」も、本来なら飯田ではなく中澤が行うのが筋のはず。
正直、私にはストーリー甘過ぎでした。

良かったです
｡･ﾟ･（ﾉД`）･ﾟ･｡

色々有りましたが、楽しませてもらいました
次回作を期待します

保田圭に幸あれ

↑の意見もありかな・・・

でもとにかくすっきりしたよ
つっかえがとれた

ありがとう

皆様、ご意見ご感想ありがとうございます。
正直もっとブーブーなご意見ばかりかとビクビクしておりましたが、好意的な感想が多くて安心しています。
私の駄文をたくさんの方に読んで頂き、前作者の作品の残したムーブメントの大きさを改めて痛感いたしました。
ありがとうございます。

安易なハッピーエンドです。
すいません。
でも「娘。」ファンの一人として、「娘。」の未来が暗い闇のまま未完に終わっているのが、辛かったんです。
安易でもいいから、ハッピーエンドで終わらせたい。
そういう気持で書き始めました。

>>733　「いきまっしょい」は自分は飯田が中心でやってるイメージが強いので飯田にやらせました。
ってゆうか、なんでも中澤にやらせると便利に使ってしまう傾向があるので、できるだけ彼女にはポイントで登場してもらうことにしました。
厳しいご意見大変参考になります。ありがとうございます。

心残りは前作者がこういう結末を望んでいたかどうか。
私の勝手な想像で前作に泥を塗ってしまったような結果だと、前作者に申し訳ないです。
他人のフンドシで相撲をとらせて頂きましたが、大変勉強になりました。
自分の中では、たとえ小説の中ででも悲惨な運命をたどる「娘。」の設定なんて思いつきません。
これだけの衝撃的な設定を考えた前作者氏に改めて敬意を表します。

それでは、またどこかでお会いしましょう。

Loveseed

お圭さんｽﾚから誘導されてきますた
いっきに読んでしまった
作者さん乙です

＞たとえ小説の中ででも悲惨な運命をたどる「娘。」の設定なんて思いつきません。
禿同です。
ですが悲惨な運命をたどる「娘。」の設定にも惹かれたりもします（ｗ
作者様の次回作心よりお待ちしております。

前の作者さんの意向は・・・と心残りがあるとのことですが
自分は注目していたが中途で終わってしまったこの物語に
ピリオドをうってくれたことに感謝しています。
多くの読者がそうじゃないでしょうか。

作者さんも前作の読者でありこの小説を書き始めたのですよね？
結末については、たらればの話は不毛ですし（前作者だったらなど）
私はまずは完結したということにカタルシスがありました。

新作も期待してますのでできましたら告知してください。待ってます。

そういや幻の娘。メンバーの平家はその頃何をしてるのだろうとヤボな事を考えてしもた・・・
そんな事考えてるのは俺だけだろうが・・・

>>740
（　｀◇´）、川‘ ▽‘ﾉ|| 、ミカ、松浦、藤本、石井ちゃん、ｷｯｽﾞ（ｗ
あたりですかね。ﾒﾛｿ忘れてた・・・あとカントリー・・・

作者さん、まずはご苦労さまでした。
なかなかの秀作だったと思います。

ただ、ハッキリ言わせてもらいますが･･･
前作者の力量のほうが上であったため、
試みとしては失敗だったと思います。
どうしても、前作者と比較しますから。

今後はオリジナルを書かれてはいかが？
なにも、損な役割を引き受ける必要はないですよ。

>>742
失敗とは随分だなぁ。漏れは、完結させた器量を買うが。

俺も前作と比べて失敗とは思えないよ

だって前作は完結してないんだもの

数ある娘。小説の中で途中まですごく面白いけど未完だったりラストで
名作→秀作→凡作と変化することもあるのでまずは終わらせることが
評価する重要なファクターだと思うので。

庵的には、前作者が悲惨にするだけして放り出した娘。を
作者氏が懸命に救ってまわった感じで、そこにも感動だな。
「いきまっしょい」の件は、中澤が「娘。のリーダーは圭織やで」と
譲ったことに脳内補完したから無問題。
（前作にあった「記者会見」を見ていたとすれば、いくら
中澤でも…とさらに補完）

とにかく乙＞作者氏

前作からずーっとひきづっていたモヤモヤが晴れました。
作者さん、お疲れ様。

秀作と言ったが。

失敗と言ったのは、”試み”
言い回し、空気等の整合性だよ。
比較すると結構な違和感がある。
力量に違いもあるし。

>>747
当たり前じゃん。同じ作者じゃないんだから

漏れは前作者の衝撃に続作者の感動がプラスされた、娘小説屈指の名作だと思う。
賛否両論あろうかとおもうが、こういう評価が出せるのも、続作者がちゃんと完結させてくれたおかげ。
完結しなければ評価も出来ない。
そういう点でも、続作者の功績は大きい。
これも、たらればだが、前作者にここまで感動的な完結ができるとは限らない訳だし。
とりあえず、続作者乙

一言だけ書かせて下さい。
作者さんスンゲエ！！！（感動

そろそろ、本来のネタスレに戻さない？

感動すた。

偶然このスレを発見して完読いたしました。
すばらしい小説ですね。
飯田さんの記者会見シーン、後藤さんの事件、小川さんのＤＶ、
前作者の後を引き継いだ新作者の見事なハッピーエンド。
まさしく娘。小説史上最高作でしょう。
それゆえに前作者を悩ませた、荒らし、クレーマーには憤慨しました。
前作者が望んでいたラストは何だったのか…。
本当にお疲れさまでした。次回作に期待いたします。

6期加入はどうなんだろうって、騒いでいたあの頃が懐かしいよね

作者、Ｚ。

ここの6期みたいな連中は来て欲しくないなあ・・・
でもつんく♂の逝っていることは激しくこの世界の6期だよな

今、一番最初のスレから最後まで読みました。
いいなあ〜。
メンバー全員のファンになっちゃうじゃんか、こんなお話つくられたら。
作者様、お疲れさまでした。

すべて読んできました。
１年がかり、ですか。
すばらしいですね。
作者さんお疲れ様でした。

そして、この小説の少なくとも８０％以上がフィクションであるように
願いたいと思います。

「現実は小説より奇なり」
これからの娘。の歴史はどうなるんだろう、、

元シャ乱Ｑのまことが小川とユニット組んで「マコちゃんず」作ったのには笑ったな。

…

>>760
デビューシングルが「GUWASHI!!!」だからな。

いきなり戻ってるな。
ま、本来のスレの趣旨なんだが。

>>762ﾜﾛﾀ。

まさか保田以降ひとりも脱退しないとは思わなかったな

６期は１曲出して解散じゃ割りにあわんだろうに

>>765

でも、７期全員死んじゃったってのもどうかと思うぞ？

>>767
まさかアルカイダが合宿地を爆破するとはな・・・

>>768
でも、誰もが考えもしなかった場所を攻撃するのが
テロの恐怖だからな。

声を殺して泣いている辻の姿を見て、ホントに心が痛んだ。

しかしその7期生の犠牲で憲法改正になるとは・・・
モー娘。の影響力って大きかったんだなあ・・・

>>770
まあそれがきっかけで、中澤が知事選に出馬することになった訳だしね

メモはやぶって捨てていいよ

でも最後まで読んでよね

石黒が６人目出産は笑った

そう言えば、8年くらい前にあったUFAの山崎会長刺殺事件の犯人って矢口だったんだって？

オッサンってやだよなー

すぐ「昔はよかった・・」って
何でも前のほうがいいみたいに言いやがって
カゴとかナッチとか言って遠い目しやがんの。
しらねえって!!

過激！！
http://www.pink1.com/
http://www.pink1.com/

>>775
もしホントならまだ時効になってねえじゃん！
完全犯罪じゃん！別の意味で尊敬できるぜ！

あ、そういや６年前には瀬戸がファンにリンチ殺人されたよな。

松浦は王様のブランチで２代目姫さまやってるらしいな。

>>779
はしのえみの次にな！

h

agerudake

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気が早いスレだな
後藤がごまっとう辞めてまだ9年なのに

……ホッタって誰

Ｈ

Ｏ

Ｔ

誰か「保田圭2012」とか書いてくれないかな？

つんく♂の「末期生、募集します。」にはﾜﾗﾀ

>>789
それを5年も続けているのが詐欺だよなあ
解散記念ツアーもう30回目なんだけど
商店街の閉店セールじゃあるまいし・・・

しかしあの石川さんが日本アカデミー主演女優ですか。。。。



うちらも年取ったな。。。

>>790
でもさあ、毎年再結成コンサートをするのもどうかと思うよ

中澤姉さん４０近いのに、まだ恋レボ踊ってるし

平家、近所のジャスコ（今はイオンって言うんだっけ？）でパートから採用されて
女性でも数少ない30代の管理職に抜擢だってさ。みっちゃんはやっぱいい子だねえ〜

え、元芸能人でソレはちょっとマズいかな・・・？

小説が終わって何事もなかったように元のネタスレに戻っているのが笑えるな

h

( ｀.∀´)

ほぜｎ

ホゼム

おい、モーニング娘。一日だけの再結成ってもう何回目だ？
もう飽きた。

山崎氏ね

８００

中澤はやくｹｺｰﾝ汁！！

超亀レスでスマソ
偶然ここの小説の事を知りまして、一気に読みました
めちゃめちゃ泣いてしまいました
こんなところにこんな大感動作があったなんて
それなのに、当たり前の様にネタレスに戻ってるのもおかしくて
私は全然知らなかったのですが「保田圭2011」は２ちゃん小説では有名な小説なんでしょうか？
ご存知の方、教えてくださいませ

>>802
まあ、有名な方だと思うよ。

>>799
それも何で松浦や柴田まで入ってるんだ？

山崎氏ね

>>804
確か９期だか１０期だかで入れたんじゃない？

>>802
いろんな意味で有名だね

>>804
山崎なら８年前にヲタに刺殺されましたが何か？

>>807
ところで糸井重里ってまだ「山�ｱ脱税埋蔵金」探してるの？

>>807
「山崎氏ね」とか「つんく市ね」とかはもう決まり文句になってるな。

モ板も今は過去を振り返るだけのマターリ板になったな。

>>810
昔からそんな香具師多かったろ？ヒサブリ（死語）に議論してみる？

解散の戦犯はやはり７期か。。。。

>>812
>>767-771

そういや１〜１３期メンバーでやる予定の
ミュージカル「忠臣蔵」の話はどうなった？
中澤裕子が大石内蔵助で平家みちよが浅野内匠頭ということで
結構楽しみだったんだがなあ・・・

>>814
何人か連絡のとれないメンバーがいるらしい。

>>814
吉良上野介は誰よ？

>>816
最初は８期メンバーの小湊の予定だったけど、メンバーのたっての希望で
つんく♂がやることになったんだよ。
美談って感じで報道されてたけど、本当のところはどうだろうね。
いろいろと･･････あったみたいだから。

>>817
そういえばつんく♂のケガで撮影がストップしてるっていう話だけど、
それって某メンバーが殺陣で誤って真剣を使ったからだとか言われてたね。

>818
つんく♂に殺意を持っている奴が密かにすり替えた、っていう話を聞いたよ。
まあ、某メンバーが最初から殺意をもってわざと…という噂もあるし、真相は
闇の中だね。

まあつんく♂もなんとなく気がついていて影武者クローンを使ったらしいがね

そして伝説へ・・・

■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
　　　　　　　　　　　　　告　　知
　　　　【あの名場面が今年のイブも降臨する】
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
吉野家。「大盛りねぎだくギョク」。２００１年のイブの
晩に全国の 『吉野家』で繰り広げられたあの奇跡が
今年もその規模をはるかに拡大して全国に降臨する。
【ルール】
(1)馴れ合い禁止。
(2)「大盛りねぎだくギョク」を頼むこと。
(3)各会場ごとに指定時間厳守で現地集合。
(4)食ったら即帰る。
【日時】
２００２年１２月２４日
【会場】全国の吉野家

本スレ＠ラウンジ　　　　　　 http://ex.2ch.net/test/read.cgi/entrance/1038742920/
前スレPART1　　　　　　　　 http://ex.2ch.net/test/read.cgi/entrance/1033985507/
　　　　（かちゅﾛｸﾞ）　　　　　 http://php.adam.ne.jp/thread_1.html
　　　　PART2　　　　　　　　 http://ex.2ch.net/test/read.cgi/entrance/1036822060/
参加店舗＆時間.　　　　　　 http://koisuri.hp.infoseek.co.jp/off.html
　. 　 　 　 　 　　 　 　　　　　 http://yorinuki.tripod.co.jp/
.過去のレポート　　　　　　　 http://www2.mnx.jp/carvancle/yoshigyu/

やっと新垣が復帰したらしいな

>>続保田圭２０１１様
お疲れ様でした．そして，ありがとうございました．
前作者様の作品を引き継ぐ形でのご執筆，ご苦労された面も多かったとお察し致します．
あの様な素晴らしき結末を描き得た事に対し，敬服の念を禁じえません．
ごっちんヲタとして，何より娘。ヲタとして，本当に救われた思いが致します．
遅まきながら感謝申し上げます．全ての娘。メンバーに幸あれ．

先日のハロモニで保田と紺野が同じﾗﾒｰｿをすすっている
姿を見て何故かここを思い出しますた

(　｀.∀´)

hzn

　　　　　 　　　　　　　　　　　○
　　　　　 　　　　　　　　　　　|├────――――─┐
　　　　　 　　　　　　　　　　　|│　　　2002年度.　　　　│
　　　　　 　　　　　　　　　　　|│ AA 決勝 トーナメント｜
　　　　　 　　　　　　　　　　　|│ <<保田>> VS ニダー│
　　　　　 　　　　　　　　　　　|├───――──――┘
　　　　　　　　　　　ノハハヽ(⌒)
　　　　　　　　　　　川｀.∀´） ,/
　　　　　　　　　　　（つ　　　/
　　　　　　　　　　　ノ　 ,-、　）
　 　　　　　　　　　（_＿）（_＿）

ヤス連選対　http://ex2.2ch.net/test/read.cgi/morningcoffee/1038508056/l50
テンプレート倉庫　http://kemepyon.s11.xrea.com/template/　
おみやげFlashゲー「ヤスヤスPanic」http://www.geocities.co.jp/Stylish-Modern/2907/yasuyasupanic.swf
保田とニダーのコラボネタテンプレ
http://jbbs.shitaraba.com/computer/bbs/read.cgi?BBS=2529&KEY=1035303459&START=250&END=251

決勝トーナメント第一戦12月10日（火）は<<保田>>VSニダー戦が行われます。
ニダーはポテンシャルが凄まじくかなりの強敵ですが、
こちらも今までのネタを全て放出する勢いで頑張っていきますので、
宜しければ応援と清き一票をお願い致します。

スレ汚し失礼しました

保全

http://ime.nu/ip0.tosp.co.jp/Kj/Tospi200.asp?I=ys50151&P=0&Kubun=K3

続保田圭２０１１さんの書いたやつ、全部読んだらすごい泣きました。いい話でした。
娘。みんなのことが、さらに好きになりました。
ドラマ化してほしいけど、リアルな内容だけに、本人たちの知るところになってしまってはまずいですよね。

（　｀.∀´）

保全

続保田圭2011、感動でした。
すごーく設定がリアルで、気がつけばのめりこんでました。
これから娘。を見るたびにこの話を思い出すのでしょう。。。
作者様、お疲れ様でした。

ここに続編があったなんて知りませんでした。
ずっと気になっていたんですっきりしました。
両作者さま、お疲れ様でした。

そっか〜。
もうそんなにたつか〜。
あっと言うまだな。

遂に最年長メンバーと最年少メンバーの歳の差が５０歳近くも・・・。

>>837
今から１０年後だと中澤でも３９歳だからそれは無理

>>838
６０代の新メン入れればいいんじゃないの？ｗ

ファン層広げるために、ニューハーフと少年解禁したわけだが。
どちらもダーヤスの加入時よりも可愛いのには笑ったな。

今日の正月特番見た？
「現役・OGモー娘。＆ハロプロ１５１人」だって。
しかもプロデューサー２代目リーダーの飯田だってよ！！

ho

?

このスレの「保田圭2011」に出てくる6期＝藤本な気がしてならない。
あぁ不安だ。

このスレに出てくる6期＝藤本age

正確には「このスレ」じゃないけどね。

これを予言していたのか・・・そして辻があんなになっちゃうんか・・・

2002年度、｢事実は小説より奇なり｣第二弾…
なんか胃が痛い。

ののたんもそうだけど、ごっちんに実際にあんな事件が起こったら・・・

笑　え　な　い　よ

さすがに教育係にはならないだろう（ｗ

>>847
力なく微笑む辻


萌える

（＾＾）

（＾＾）

なんとなく、後日談とか続編の設定とか考えてたりしてたんだけど

ここにきて６期加入で藤本美貴。

もう設定が修正できんくらい未来が変わってしますた

おぉ、作者さん
番外編みたいな感じで現状を元にしたものとかどうでしょう?

新作に期待してます！

俺は6期加入でみだれた娘。の設定が現実に近づいたと思ってしまったさ

さすがに保田圭2011の6期のような6期候補ではなさそうだ（ｗ

でも結構あの候補者たちは娘。を崩壊に導きそうな感じだったぞ。

ありうるとしたら

○本・・・２０１１の6期のように酒、タバコ、男、薬物のフルコース（ｗ
オーディション組・・・○本との扱いの差にサボタージュ。仕事に平気で穴を開けるようになる

このスレまだいきてたんか。
狼とは大違いだな。

セブンにある保田小説（と言うか日記）が結構おもろい。

セブンてどこ？

（　｀○∀´）

>>863
私のニュース速報板。
「ほぼ毎日、娘たちが・・・」っていう名物スレの外伝のやつ。
ちなみに、セブンではなっちスレが増殖中・・・。

ほんとに小説の通りになりそうだな。。。

>>866
(((( ；ﾟДﾟ)))ｶﾞｸｶﾞｸﾌﾞﾙﾌﾞﾙ

クスリ発覚で娘を崩壊させる六期メンは藤本？田中？








それとも両方？

ごっちんヲタなんでそれだけは阻止したい！

なんか美貴帝が、小説のごっちんになりそう…
で、道重が雑誌(ブブカ)に載せる役

お局様でいいじゃんその役は

950になったら誰か新しいスレ立ててくれるんだろうか？

>>854
気長に待ってますよ！

もしかして、山崎は「保田圭２０１１」を読んで、後藤の卒業と、その穴埋めの藤本
加入を決めたのかな。それ以外は、小説通りに進行してますし。(ｵｲｵｲ)

>>874
今からでも遅くはないから書き直すか（ｗ

ついに加護と辻に初潮が来た

>>874
　あ、ほんま、藤本を後藤の穴埋めと考えれば、保田と入れ替え
に六期の中学生３人が入ることになるし、小説と全く同じやね。
　まあ、スーパー中学生というには、少し大げさな気もするが、
亀井は美少女の評判が高いし、歌、ダンスもまあまあだし、田中
もルックスが好きな人には好かれてるし、歌は最近の追加メンバー
の中では飛び抜けて上手いと評判（田中の「赤いフリージア」は
柴田より良かったという意見も散見）だし、一部では後藤の再来
と期待されている。
　道重も、一部では凄い美少女と言われ（私はあまりそうは思わん
が）て、音痴だったものの、かなり上達してた。
　うん、多少御世辞まじりならば、「スーパー中学生３人後藤が
３人入ったようなもの」と言えないことはない。そもそも後藤も
絶世の美人てわけでもないし、歌も超上手いわけではない（少な
くとも平家よりは下手）
　似てる、似てる。

　　　 　∧＿∧
ﾋﾟｭ.ｰ　(　　＾＾ ） ＜これからも僕を応援して下さいね（＾＾）。
　　＝〔~∪￣￣〕
　　＝ ◎――◎ 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　山崎渉　

age

age

後藤も平成の美空ひばりと呼ばれるまでになったわけだが

美空ひばりは平成に入ってから鬼籍の人になってる罠

徹子の部屋に裕ちゃん出演！
司会交代の布石だったりして・・・・

>>883
俺もそう思ってたとこｗ

中澤かわいかったなあ・・・ちょっと惚れたかも。

保田圭２０１１さんすごい。
なんだ、この惹きこめられるストーリと文書は。

>>885
このスレのは続の方で、作者も別人だけどね。
続編も面白かったし、未完の大作が完成して、
なんか気持ちいいけど、個人的には恐怖新聞
みたいに救いのないドラマが連続していくオ
リジナルの方が興奮したな。

>>886
妙にリアルなんだよね、実際の未来なんて
たぶんそんなもんだろうって思うし
けれど続の方は救いがあるっていうより、そんな
未来でも自分の手で変えられるみたいなメッセージが
込められている気がするね。
あれだけ読み手に影響を与えた作品に、こういう結末でも
いいかなって俺は思うけどね。

814 ：名無し募集中。。。 ：02/11/24 00:48 ID:Vi6tID25
そういや１〜１３期メンバーでやる予定の
ミュージカル「忠臣蔵」の話はどうなった？
中澤裕子が大石内蔵助で平家みちよが浅野内匠頭ということで
結構楽しみだったんだがなあ・・・

このへんも当たるか？

804 ：名無し募集中。。。 ：02/11/19 02:44 ID:WSPOO/G7
>>799
それも何で松浦や柴田まで入ってるんだ？
山崎氏ね
805 ：名無し募集中。。。 ：02/11/19 08:03 ID:rskYnvc+
>>804
確か９期だか１０期だかで入れたんじゃない？

未来もの小説としてはこれも一読の価値ありか？
　　↓
ラストステージ
http://mseek.obi.ne.jp/kako/purple/991367352.html

>>890
見れませんが・・・

>>891
見れますが･･･

>>892
Service Temporarily Unavailable
The server is temporarily unable to service your request due to maintenance downtime or capacity problems. Please try again later.
--------------------------------------------------------------------------------

Apache/1.3.26 Server at mseek.obi.ne.jp Port 80

とでてしまう・・・

>>893
時々、エラーが出るみたいだね。
↓見られない人は、ここで読めます。
http://www.google.co.jp/search?q=cache:W6Vd_Wh8hOkC:mseek.obi.ne.jp/kako/purple/991367352.html+991367352.html+&hl=ja&lr=lang_ja&ie=UTF-8

ＴＥＮ　って何？

>>895
ほらよ↓
ttp://tv2.2ch.net/test/read.cgi/ainotane/1041961939/l50

>>896

三楠

nanntonakuhozenn

ほぜん

（〜＾◇＾）＜900　ぽちっとな！

ごと

hozen

（　‘.∀‘）

　♪
　　 ⊂ノノハハ()) ♪ ＜　チェケラッチョー！
♪ 　（〜＾◇＾〜）
＿＿○＿＿＿ξつヾ＿
|　　　ＤＪマリー　　　　|

カオリン最近フランス語勉強してるらしい

To Everyone Who Never Give Up Their dreams
〜夢をあきらめないすべての人達へ〜

夢のお城の遠く遠く
小さな街のそのまたはしっこに住む少女達の物語

いつかはみんなでたどりつこう！
いつかはみんなで一緒に！

おそろいのジャンパーとおそろいの夢を持った少女達がいました
みんなでいれば最高！だったはずなのに
こんなんじゃいけない！

私達が集まったあの頃の夢をもう一度みんなに話さなきゃ

ひとりひとりに声をかける少女がいます
みんなは本当に忘れちゃったの？あの気持ち・・・

いつもみんなで集まったあの場所で
あのジャンパーを着て待ってるよ！

夕暮れの街はずれ　約束の時間　約束の場所へ

この小説はフィクションです。
この小説は、前作者による『2001年に想定された「10年後の未来」の設定』を元にしています。
先日、本当に６期メンバーが加入しましたが、もう修正がきかないくらい未来が変わってしまいました。
一つの可能性の未来小説ということで、ご理解下さい。
前作の後日談という形でスタートいたしますが、よろしければまた私の駄文にお付き合い下さいまし。

プロローグ

燃え盛る炎を前にして、彼女はがっくりと膝を落とした。

そばに中澤裕子がいなかったら、彼女はそのままその炎の中に飛び込んでいただろう。

「真伸さん！　真！！」

彼女の悲痛の叫び声は、消火活動のざわめきの中にかき消される。
ニューヨーク郊外、一戸建て住宅が数十軒集まる小さな町。
狭い市道に大型の消防車が３台、十数名の消防隊員が必死の消化活動を続けている。
日頃閑静な住宅街に起きた突然の出来事に、近隣の住民たちも集まってきていた。

それまで、彼女と夫と息子が暮らしていた小さな一軒家は、燃え盛る炎といろんなものが焼けた匂いの混ざる黒い煙の向こうにあった。
二人がまだ中に残ってるかもしれない
信じたくない事実だった。

｢圭ちゃん……」

中澤裕子も言葉なく、ただ彼女の肩を抱きしめるだけだった。

「なんで、いったいなんでこんな事に……」

続く……

!!!
およそ３ヶ月ぶりにアクセスしたその日、その時に続編が始まるとは…
期待sage

>>907-908
ｷﾀ━━━━━(ﾟ∀ﾟ)━━━━━!!!!!!
保全しようと来てみたら作者さんが光臨してたとは！！
ぜひ続きお願いします！！

新スレが必要でしょうな。誰か立ててくださいまし。

>よろしければまた私の駄文

禿同

せっかくの「保田圭2011」を台無しにした上に、また続きを書く気か？














氏ね

>>912
だったら見るなよ（ｗ

（・∀・）ｶｴﾚ！

期待保全

プロローグより続きは新スレの方で書きこみいたします

現在鋭意執筆中！

頃合を見計らって新スレを立てようと思います

乞うご期待

　

>>915
期待してます
がんがって下さい！

918

919

sage

921

922

♪もうすぐ〜 10年になるわ〜 保田が辞めて〜

>>915
執筆がんがってください
ただ今の羊はやめておいた方がいいかも・・・＞スレ立て