734 :
728:02/12/31 00:49 ID:J93qSmJ0
>>732 ありがとうございます。
>>724の続きでしょうか? そして、タイトルを
「紺野大好き」とします、ということでしょうか。それがハッキリしないと
作品案内を更新できないのですが…。違っていたら訂正願います。
作品案内の更新は1日延ばします。
作品の続きをよろしくお願いいたします。
735 :
紺野大好き:02/12/31 06:17 ID:JwIQpaX5
ごめんなさい。
別に紺野大好きはタイトルではありません。
ごめんなさいm(__)m
736 :
紺野大好き:02/12/31 07:09 ID:xa8rXyOH
まだ山の中にいるんだとばかり思ってた、と私が言うと、その山の中からわざわざかけてやってんじゃないの、と愛ちゃんは言った。
夏休みを利用して、愛ちゃんは民宿だかペンションだかのアルバイトをしている。愛ちゃんがそこでバイトを始めたのは去年の冬休みが最初あで、その時点での目当てはスキーだったわけだけど、この春夏とまた同じところに舞い戻ったのはもちろん別の目的でだった。
<リゾート地のバイトって最高だよ>と、開口一番、妙に明るい調子で愛ちゃんは言っていた。
737 :
紺野大好き:02/12/31 12:26 ID:JwIQpaX5
えー、タイトルを決めました。
『雲』にします。これからは、名前のところに、『雲』と表示します。勝手ですみませんm(__)m
738 :
『雲』:02/12/31 14:00 ID:5bs3zNog
<いろんな人と出会えて、しかも自然と触れあえる。どう、あさ美。あなたもこっち来ない?そっちでのことはしばらく忘れてさあ>
そう言えば、この夏間じゅうずっと山の上にいたはずの愛ちゃんが、どうしてこっちの事情を知ってるんだろう? そう思って問い詰めてみたところ、案の定だった。まこっちゃんから電話が行ったのだ。なんでもまこっちゃんは、愛ちゃんに頼んだそうだ。
<私が言わなきゃいけないんだろうけど……愛ちゃんから謝っといてくれないかな>
739 :
『雲』:02/12/31 14:11 ID:JwIQpaX5
ほんの半年前まで、小川麻琴は私や愛ちゃんと同じグループの仲間だった。ひょんなことから、私は笠松祐介と言うグループ内でも人気のある彼と、つき合うことになった。つき合いはじめてから、結局私たちが恋人同士だったのは一年足らず。
──恋人同士。
少なくとも私のほうはそうだと思っていた。休みのたびに待ち合わせて映画を観たり、学校帰りに互いの買い物につき合ったりして、腕を組んで街を歩き、夜の公園でキスしをし、明日また逢えるというのに長電話する……
740 :
『雲』:02/12/31 14:21 ID:xa8rXyOH
そういう関係を<恋人>と呼んでいいならばの話だが。
でも、その関係ももう終わった。考えられる限り最悪のかたちで終わってしまった。
祐介君は、別の女性を好きになり、私には「友達と旅行にいってくる」と嘘をついてその女性と出かけた。
その嘘を、彼がどんな気持ちで口にしたのかはわからない。わかりたくもない。いずれにしても私は、ひとかけらの疑いもなく祐介君の言葉を信じていた。二人の乗ったバスがスリップ事故を起こしさえしなかったら、今でもまだ信じ続けていただろう。
741 :
『雲』:02/12/31 14:29 ID:DU5UC9V0
幸い、事故自体はそれほどの大事には至らなかった。
単独事故だったし、死人も出なかった。
祐介君のほうは顎の骨折とむち打ちで入院、まこっちゃんは右腕の骨にひびが入ったものの他はかすり傷で済んだ。
<気持ちはわかる……なんて簡単に言われたらよけい腹が立つだろうけど>愛ちゃんの声も、さすがに沈んでいた。
<でもね、あさ美。あなた達三人の中で一番つらいのは、もしかしたら、間にはさまれた麻琴かもしれないよ>
私は黙っていた。
742 :
『雲』:02/12/31 14:37 ID:5bs3zNog
<麻琴だってあさ美のこと、裏切ろうと思って裏切ったわけじゃないずじゃない。祐介君だってそうだと思うよ。
あなた達昔から仲良かったんだし、親友の恋人なんか盗りたいと思って盗るわけないよ。
もう、どうしようもないとこまで来てたんだろうと思う。だからさ、しょうがないよ。人を好きになるってそういうもんだし……>
そういうものだ、ということくらいは私にだってわかってた。それでも、どうしても納得できない。
あんなに私を好きだって言ったのに。
あのときの言葉も、みんな嘘だったのかな。
743 :
『雲』:02/12/31 14:46 ID:xa8rXyOH
いつから二人で私をわらってたんだろ。
そんな卑屈な考えばかりが頭の中でぐるぐる回ってしまうのを、自分でも止められないのだ。
祐介君が旅行だと言った週末、まこっちゃんはまこっちゃんで私に、急におばあちゃん家に行ってくると嘘をついて出かけていた。
そんないくつもの後ろめたい嘘を、まこっちゃんと祐介君が二人で相談して用意しているところを想像すると気が狂いそうになった。
嫉妬と怒りで体がねじ切れるかと思った。
744 :
『雲』:02/12/31 14:54 ID:lugw3cin
<そっちも少しは涼しくなってきたんじゃない>と愛ちゃんが言う。
私は、携帯を耳にあてたまま網戸のそばへ這っていった。夜風が入ってくる。
灯籠の足もとあたりで鳴くコオロギの声に混じって、軒下の風鈴が針の落ちるような音をたてた。
「うん、少し」と私は言った「そっちはどう?」
<朝夕はセーターが欲しいくらいよ。山の空気は澄んでるし湿気も少ないから、昼間の熱を貯めないんだ。だから夜にるとぐっと冷え込むって言ってた>
かなり長い沈黙が続いた後、再び口を開いたのはやなり愛ちゃんだった。
745 :
『雲』:02/12/31 15:05 ID:JwIQpaX5
ふだんとは別人のように低い声で、愛ちゃんは言った。
<あさ美、麻琴が退院してきたらどうする気?>
「どうって……」
<いくらあさ美が鈍感でも、いま顔合わせるのは気まずいでしょ>
<ねえ。あさ美、冗談抜きでこっち来ない?>
「こっちって……どっち」
愛ちゃんが、深々とため息をついた。<分かってるでしょ>
「だって、もうすぐ学校始まるよ?」
<わかってるよ、そんなこと。けど、そんな状態で学校行ったってどうせ何にも頭にはいらないだろうし。
麻琴が退院してきたらどうすんの?>
『シンデレラに憧れて』
あまり、物語を深く読む事は苦手なんですけれども、
小川のエピソードで泣きました
それと少年の心境が自分と似通っていて
色々と考えさせられました
あと、チャコフィルの曲がイイカンジだとか思ってみたり
いち読者より
一応sageときます
747 :
『雲』:02/12/31 15:47 ID:oZbQ+izD
<しばらく休んで、落ち着くまでこっちでバイトしてればいいじゃん。ちょうど来週末に私が抜けるから、かわりの人募集してたんだよ。>
私が黙っているのをためらっていると受け取ったのか、
<ね、あさ美来なよ>愛ちゃんは熱心に言った。<学校なんかちょっとくらいやすんだって大丈夫だって。あさ美なら進級だってちゃんと出来るよ>
しばらく考えて、その思いつきみたいな愛ちゃんの提案を受け入れてしまった。
とにかくココから離れたい。祐介君とまこっちゃんの気配を感じないで済むとこならどこでもいい。
748 :
『雲』:02/12/31 15:59 ID:xa8rXyOH
そういう状態にあった私は、愛ちゃんの誘いがただ一筋の光明のように思えた。暗闇の中で光<非常口>の案内版みたいに。
「……ちゃん」
シャツのそでを引っぱられて我に返った。自分がどこにいるのか思い出すのに、ちょっと時間がかかった。
見れば、椅子の横に立ってしげしげと私を見つめているのは三歳くらいの男の子だった。
小さな左手で私のシャツをつかみ、溶けかけのソフトクリームをしっかり握っている。
「かーちゃん」と、男の子はくり返した。
749 :
『雲』:02/12/31 16:07 ID:lugw3cin
自慢じゃないけど、三つにもなる子どもに母と呼ばれる覚えはまったくない。迷子かな? とあたりを見回したその隙に、何を思ったか、敵はひざによじのぼってきた。
「あ、ちょ、ちょっと待って」押し止めようとしたものの、どこをどう触っていいものやら見当がつかない。「ねえ、違うって、どこあなたのお母さん」
聞いていない。ひざの上で向きをかえようとした拍子に、彼がにぎっていたソフトクリームがべっちゃりと私のシャツについた。
若い母親らしき人が駆け寄ってきたのはその時だっあ「何やってんの、健太……!」
750 :
『雲』:02/12/31 16:17 ID:hz1hiv4H
白いTシャツに色あせたジーンズ、無造作にはねたロングヘアー。年の頃は21、2といったところだろうか。すっきりとあか抜けた目鼻立ちと背の高さのせいで、周囲からえらく目立っている。
テイクアウト用の紙袋をテーブルに放り出し、母親は私のひざからこどもを抱き上げようとした。
「うわあぁぁぁぁん、かーちゃん!」
「母ちゃんじゃないでしょうが、この人は」
「かぁぁぁぁちゃぁぁぁん!」
しがみつこうとする男の子の手の中でソフトクリームのコーンが握りつぶされ、ドロリとした白い液体が私の、スカートーに落ちた。
751 :
『雲』:02/12/31 16:25 ID:DU5UC9V0
(あ、あ、あああ)
「あ、ばか、何てことを」とうとう本格的に泣き出してしまった子どもを肩の上にゆすりあげた母親が、「すみません。この子ったら、ちょっと目を離した隙に……」
言いながら初めて私を正面から見おろしたとたん、目を見ひらいた。
一瞬の間に、彼女の表情は複雑きわまりない変化を一巡した。驚き。喜び。懐かしさ。あきらめ。哀しみ。非難。自制……。そんなふうなもねがめまぐるしくその目の中を出入りするのがわかった。
最後には値踏みするような目つきに落ち着いて、ひとの顔をまじまじ見ている。
752 :
『雲』:02/12/31 17:40 ID:DU5UC9V0
「あの……何か?」
「ああ、ごめんなさい」彼女は、少し照れくさそうに笑った。「ほんとに似てたものだから」
誰に、とは聞かなくても想像がつく。……あれ? ってことは、この人は母親じゃ、ない……。
「待ってて。いま何か拭くもの借りて来るから」
いいと言うより先に、彼女はカウンターのほうへ行ってしまった。ぐずっている男の子を砂袋か何かのように肩をかついだまま。
とりあえず、手近にあった紙ナプキンで、シャツとスカートについたソフトクリームを拭った。甘ったるいバニラの匂いにつられて奥歯が痛くなる。
753 :
『雲』:02/12/31 17:46 ID:oZbQ+izD
テーブルの上に残された紙袋からはフライドポテトの匂い。庶民のささやかな幸福を象徴するような二つの匂いが、柔らかな窓越しの日差しのなかで入り混じる。
ふいに、鼻の奥がつぅんと痛んだ。このところ、ちょっと油断するとすぐこれだ。
自分では何とかコントロールしているつもりなのに、ほんのささいなきっかけから感情のエアポケットのようなところにはまりこむと、自制心をガクガク揺さぶられ、上も下もわからなくなってしまう。
そのたびに私は、必死でどこかつかまりところを探した。
754 :
『雲』:02/12/31 17:56 ID:DU5UC9V0
でも、つかまれるものなんか何もなかった。
まるで巨大な貯水槽の底に落っこちたみたいな感じだった。
はい上がろうとしても手に触れるものはつるつる滑るばかりで、爪の先すら引っかからない。夜は夜で、いやな夢ばかり見た。叫んでも叫んでも助けが来ない。
水の底から何か邪悪な意志を持った触手が伸びてきて、私の足にからみつき、ゆっくりとなぶるように引きずりこまれ、息が続かなくなり、鼻と口の両方から吸い込んだ水が肺にあふれ、やがて私はすべてをあきらめる……。
755 :
『雲』:02/12/31 18:04 ID:WDCkqqNO
夢を見るからにはいくらかは眠っているのだろうが、眠ったという実感はまったくなかった。
きっと、まこっちゃんと祐介君を憎めば少しは楽になれるのだろうが。
でも、もともと私は誰かを憎んだりするのがあまり得意ではないのだ。
努力なんかしなくてもそういった感情を持続できる人間がうらやましいほどだった。
それでもやはり、恨めしい気持ちはあった。あの二人を赦せる日が来るとはとても思えない。
以前のように仲間みんなで笑いながら遊んだりする日がもう一度来るなんて想像もできない。絶対に無理だ。
756 :
名無し:02/12/31 22:35 ID:xa8rXyOH
327>頑張れ
757 :
名無し:02/12/31 23:30 ID:1Ip93msF
新作はじまってる!!!
ってかsageた方が良いのでは?&改行してくれた方が読み安い
◎現 在 編
………作品はこちらから→
>>418………最新は >416
◎現在編(平行世界)
………作品はこちらから→
>>389………最新は >87
◎紺色の獅子
………作品はこちらから→
>>456………最新は >454-455
◎こんこんの夏休み <完結>
………作品はこちらから→
>>506 ◎中学生日記
………作品はこちらから→
>>405………最新は >209,>211-212
◎不器用な恋心
………作品はこちらから→
>>405………最新は >286-289
◎格 闘 技 編
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>>406………最新は >307-312
◎レコーディング編
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>>390………最新は >42
◎昔 話 編
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>>390………最新は >64
◎はじまらない昔話
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>>406………最新は >228-229
760 :
名無しの権兵:03/01/01 05:22 ID:9N5KqOnQ
かまかまかま
761 :
名無しの権兵:03/01/01 05:22 ID:AnUEFmA4
かまかまかま
762 :
名無し:03/01/01 05:29 ID:7wOWZPF9
あかまか
sage
新作来たー
763 :
顔無し:03/01/01 05:38 ID:AnUEFmA4
俺も書いてみようかなぁ……
764 :
顔無し:03/01/01 05:39 ID:upg7ioZi
俺も書いてみようかなぁ……
765 :
隣の席の紺野ちゃん:03/01/01 19:41 ID:KCUvWjyq
ボクの席のとなりに転校生が来た。
芸能人らしい。北海道から来たその女の子は紺野ちゃんという。
彼女はいつもぼんやりと笑っている。彼女を表現する言葉でみんなが思いつくのはぼんやりとか、ふんわりとか、曖昧な感じの表現だろう。
ボクの思いつく表現もそんな程度だ。自分のボキャブラリィのなさに笑ってしまうけど。
今日はちゃんと授業に出てきている。
たまに早退したり、欠席したりする。
芸能界にまったく興味がなくて、どんなことをやっているかは知らないけど、
766 :
隣の席の紺野ちゃん:03/01/01 19:53 ID:AnUEFmA4
紺野ちゃんはとても人気のあるアイドルグループに入っているらしい。ボクの興味のあることといえば、カーレースとパソコンとゲームだけ。
インターネットも少しするけど芸能人関係にはまったく興味ない。
隣の席にいるボクをみんなうらやましがるけど、芸能人と一緒にいるという感覚はボクにはないので、よく理解できない。
今日の紺野ちゃんは、いつもと違って、ぼーっと窓の外の景色を眺めていない。
一生懸命にノートに何か書いている。
珍しいこともあるものだと、ボクはノートを覗いてしまった。
767 :
隣の席の紺野ちゃん:03/01/01 21:15 ID:WYRLVapg
紺野ちゃんは絵を描いていた。
なんか猫の絵みたいだ。
絵の下に「キティちゃん」の文字が無かったら、とてもそれが「ハローキティ」とは気づかなかったと思う。
ボクの視線に気づいた紺野ちゃんが笑った。ボクは恥ずかしくて、慌てて視線をそらした。
その時、先生が紺野ちゃんの名前を呼んだ。
今は数学の授業だ。ヤバイと思った。
紺野ちゃんが、ゆっくりと立ち上がって黒板を見つめている。
ちょっと下を向いた。もうだめだと思い、同じように下を向いたボクの耳に紺野ちゃんの自信なさそうな声が届く。
768 :
隣の席の紺野ちゃん:03/01/01 21:26 ID:WYRLVapg
「解はx=3です」
先生は忌々しそうに唇の端を曲げると語気荒く言った。
「よし、正解!次、吉田、解いてみろ!」
紺野ちゃんは、とても頭のいいコなんだと思った。
ボクは尊敬してしまった。
すぐ後の給食の時間、デザートに出たイチゴのケーキを食べている紺野ちゃんが、とてもかわいく見えて、ボクは意地悪したくなった。
ボクは横から手を伸ばして上に乗っていたイチゴを横取りすると食べた。
紺野ちゃんの顔がびっくり顔になる。でも、予想に反して笑った。
「イチゴ、嫌いなの。食べてくれてありがとう」
769 :
隣の席の紺野ちゃん:03/01/01 21:32 ID:7wOWZPF9
ふんわりと笑う紺野ちゃんの顔を見つめてボクは確信した。
ボクはこのコに恋しているって。
次の日も、その次の日も紺野ちゃんは欠席した。
コンサートツアーで遠いところにいっているらしい。隣の席のぽっかり空いた机の上がやけに広く見える。
午後から授業がホームルームだけの日、紺野ちゃんは午後から登校してきた。
ボクなら一日休んでしまうのにと思った。
紺野ちゃんが、クラスの女の子たちとなにやら騒いでいる。
自分の席で机に肩肘ついてぼんやりしていると、
770 :
隣の席の紺野ちゃん:03/01/01 21:40 ID:upg7ioZi
紺野ちゃんがいきなりボクのほうへ振り向きざまに蹴りをした。短いスカートが勢いよくひるがえる。
友達に空手の型を見せていたようだ。
真っ赤になったボクと紺野ちゃんの目があった。
紺野ちゃんもみるみる真っ赤な顔になると、みんなを置き去りにして教室から駆けだした。もうすぐホームルームが始まるというのに。
ホームルームが終わってボクはすぐに下校の道へと向かった。
後ろから紺野ちゃんに声をかけられた。
「一緒にかえりませんか?」
はにかむの笑顔の紺野ちゃんが立っている。
771 :
隣の席の紺野ちゃん:03/01/01 21:48 ID:p0yl7M9R
「でも、紺野の家って逆方向じゃなかったっけ?」
精一杯に平静を装ったボクは言う。
「ロケバスが迎えに来るんです。ちょっと場所がわからないので一緒にいってくれませんか?」
とても丁寧にお願いする紺野ちゃんにボクはうなずいた。
一言も話をせずにボクは紺野ちゃんと並んで歩いた。
でも、なんかとても楽しい。
このままロケの現場まで送って行きたいと思う。
突然、紺野ちゃんがつまずく。
ボクに寄りかかってきた。しがみつかれてボクは動けなくなった。
恥ずかしそうな、申し訳なさそうな紺野ちゃんが
772 :
隣の席の紺野ちゃん:03/01/01 21:54 ID:upg7ioZi
とてもかわいかった。
自分の気持ちを抑えきれないボクは自分でもびっくりするぐらいに大胆になった。
紺野ちゃんの手を握って、子どもを案内するように歩き始めた。
振りほどこうと思えば軽くほどけるぐらいにしか握らなかった。でも、紺野ちゃんは振りほどかなかった。
紺野ちゃんの様子を伺った。
ボクの顔を見て紺野ちゃんは恥ずかしそうに笑った。
「嫌じゃない?ボクはとてもうれしい。だって、紺野のこと好きだから」
ボクは思いっきって言ってしまった。
773 :
隣の席の紺野ちゃん:03/01/01 21:59 ID:upg7ioZi
後悔した。やめておけばよかったと思った。
「嫌じゃないよ、私も……」
聞き取れなくなるほど小さくなった紺野ちゃんの声だったけど、ボクにはちゃんと聞こえた。
信じられないぐらいうれしい一言が。
ロケバスが止まって待っているのが見え始めたあたりで、ボクは紺野ちゃんの手を離した。
途端に紺野ちゃんが駆けだした。
後ろ姿を見送っていたボクに紺野ちゃんが振り向いて立ち止まった。
774 :
隣の席の紺野ちゃん:03/01/01 22:04 ID:p0yl7M9R
とても大きく三回ほどボクに手を振ると、とてもかわいい笑顔をくれた。
そして、ロケバスに向かって再び駆け出す。
ボクの隣の席に転校生がきた。芸能人らしい。北海道から来たその女の子は紺野ちゃんという。
いつもぼんやりとふんわりと笑っている彼女はボクのガールフレンドだ。
『隣の席の紺野ちゃん』
終
>>774 パァーン!や、やられた!って感じです
くやしいけどかなりツボ入りますた(笑)やっぱ
り純情な感じが似合いますね。
しっかし、主人公がうらやますぃ〜
ね(笑)
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◎現在編(平行世界)
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◎こんこんの夏休み <完結>
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◎格 闘 技 編
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◎レコーディング編
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>>390………最新は >42
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>>406………最新は >228-229
>>778 その小説のところにたどり着けないんですが。
何かおかしなことが起きてしまったと言う事でしょうか?
780 :
778:03/01/02 03:28 ID:cO+m2AIT
781 :
777:03/01/02 15:04 ID:c+Nemsqu
>>780 どうもありがとうございます。
複数作品を同時に進行するのは、どうやら限界に達したかもしれません。
読者は各作品の感想を言いづらく、作者は手ごたえを感じづらい。
やはり1スレ1作品、少なくとも1つの作品が終わるまでは次の作品を
スタートしないのが正解かも知れません。
次スレが立つことがあるならば、そういうルールが必要と思います。
「紺野あさ美のシンデレラ小説スレ2」というタイトルよりも、
「紺野あさ美のシンデレラ小説スレA」「紺野あさ美のシンデレラ小説スレB」
「 〃 〃 C] …… などとして、新作を始めたい場合は次々と新スレを
立てていけばよいと思います。
過去ログには、前スレとしてこのスレを、必要ならば別スレとして
「……A」「……B」…を載せておくと良いのではないでしょうか。
ということで、このスレに書いて下さる作家さんのオリジナル作品ではなく、
出所不明の作品まで登場してしまったからには、もう作品案内は
更新できません。
このスレの中の作品の続きを書かれる場合も、その作品を新スレに
コピペしてから始められると良いと思います。
782 :
名:03/01/02 17:35 ID:B2thWmjs
「シンデレラに憧れて」も、パクリですよぉ
783 :
ななしの:
保全