紺野あさ美のシンデレラ小説スレ

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565シンデレラに憧れて


高橋は、ここがどこか思い出そうとしていた。
しかし、さっきまで自分が何をしていたのかさえ思い出せない。
気がついた時には、とても広い草原に、ぽつんと一人立っていたのだ。
「どこかで見たことある気がする…。」
気を抜くと、自分が誰かも忘れてしまいそうだ。
そんな感覚と戦いながら、彼女は今から何をするべきか考えていた。
遠くのほうに、一本の木が小さくみえる。
きっと、草しかないから見えるのだろう。
よく見てみると、すぐそこに草のないところがある。
アスファルトで舗装されてないが、平らで奇麗な道だ。
なんとなく、あの木まで続いてる気がする。
とりあえず、高橋はあそこまで歩こうと決めた。

566シンデレラに憧れて:02/11/24 21:13 ID:qxC9XymK


後藤は、やっとここがどこなのか思い出した。
少し前に見た、夢の世界。それを思い出した瞬間に、今日はコンサートの日だと
いう事や、自分、そしてメンバー達は、事故にあったのだという事を思い出した。
やはり、ここは天国なのだろうか。
色々な事を思い出すに連れて、周りの世界がはっきりと見えてきた。
周りに気を配る余裕が無いという事では無く、まるで視力が落ちたかのような
感覚に襲われていたのだ。
遠くに、一本の木が見える。いや…よく見ると、さらにむこうにもう一本。
自分がもたれている木の他に、まだ木がある。
もしかしたら、みんな木の下にいるのかもしれない。
彼女は目を覚ました時、この大きな木の下にもたれ、座っていた。

(歩いてみようかな…。)

しかし、そこまで考えた時、後藤はさらに新しい事に気がついた。
「体が、動かない!(苦笑)」
さあ、歩こうと思った瞬間、確かに脳から命令が出ていた。
ただ、酷い疲れのようなもので、首から下が動かないので無意味だった。

567シンデレラに憧れて:02/11/24 21:19 ID:qxC9XymK


石川は、自分が誰なのかを忘れる所だった。
まわりはすべて緑色で、誰もいない。
何も考えられない。
心の奥底から出てくる、自分の叫び声が聞こえる。
(助けて!誰か!お父さん!お母さん!)
「助…けて…誰か?誰?お父さん、お母さん…誰?」
わからなくなっていく。何もかも忘れていく気がする。
(助けて!みんな!)
「みんな?…みんなって誰?」
みんなと口にした時だった。彼女の脳裏にある景色が浮かぶ。
(人がいっぱい…私たちを見てる…。光ってる。何か…言ってる?
ガヤガヤ!わー!チャーミー!ワー!石川ー!梨華ちゃんー!わー!
私…梨華?石川…チャーミーみんな…石川梨華…みんな!?)
「みんなー!!!」
石川はそう叫んだと同時に、目を大きく広げた。
そして視界の緑が草である事に気づいた。
世界に焦点が合い、草原にいる事がわかった。
「モーニング娘。のみんな…」
石川は、自分がメンバーに助けを求めていた事に気づき、
そして周りに誰もいない事に気づいた。
「みんな…どこ?」
そして自分が誰なのかを思い出した。