紺野あさ美のシンデレラ小説スレ

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416名無し募集中。。。
>>379の続き。

 登り始めた時は、もう随分明るくなっていた。
 私たちは、経験者の麻琴、里沙、私、愛ちゃんの順にならんでいた。とは
言っても、直ぐにばらけて何となく2人ずつ並んで歩いていた。
「あさ美登山の経験あるんだっけ?」
愛ちゃんが私に追いついてきた。
「うん。ちょっとだけ…北海道で」
「ああ北海道…」
「こないだのロケじゃないよ。デビューする前」
「俺も北海道行きたかったんだよ」
「え?」
「ううん。何でもない。私はさ、学校のキャンプで登ったくらいかな。最後
までがんばれるかちょっと心配」
愛ちゃんはそう言うと、前の2人を見た。
「やっぱりはりきっとるなあ。でも今日は天気もいいし頑張れるやようとは
思うんけど」
「――ねえ愛!?」
「なあにい?」
麻琴に呼ばれて、小走りに掛けておく。
――「明日何時からだっけ?」
――「ん〜と10時かな」
――「じゃあどんな遅くても帰って無くちゃいけない時間は――」
2人の会話を聞きながら、私はそっと目を閉じた。…少し頭が痛いのだ。でも
気にしなければ判らない程度。わざわざ言って心配掛けるわけには行かない。
「――あさ美!多分6時には下山できてればいいから、十分時間はありそうだよ。
どうしたの?まだ眠い?」
「ううん。大丈夫」
私は慌てて頭をふった。
「そ?昨日ちょっと遊びすぎちゃったかな?」