紺野あさ美のシンデレラ小説スレ

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347シンデレラに憧れて
>>302->>305の続き

静かな夜。
順調に進めば、夏休み最終日は遊べるかもしれない。
そんな事を考えながら、終わった英語のテキストを無造作に机のすみに置く。
「あー、つまんね〜。」
自分の部屋でのむなしい独り言。
宿題はやらなきゃいけないものだ。受験生だし。
でもアイドルとかはやらずに学校行っても、将来に問題
とかないよなぁ…。
またこれだ!
気がつくと、モーニング娘。の事を考えている。
気がつくと、モーニング娘。の曲が頭に流れてくる。
気がつくと、Do it! Now を歌ってる姿が目に浮かぶ。
気がつくと、潤んだ、奇麗な瞳でこちらを見る紺野の顔が浮かぶ。
(‘ああ一生忘れない’を歌う紺野)
やはり、そうなんだろうか。自分は今、モーニング娘。のファンへの
一歩を踏み出しているのではないのだろうか。
昼の出来事もあり、いい加減自覚を持たない方がおかしい。
可愛い女の子を見るのは、そりゃあ嫌いじゃない。
でも…自分がアイドルを好きになるなんて思わなかった。
それに何よりも、それが突然すぎて驚いていた。
きっと昨日、感傷的だったからだ。眠たかったしな。
…こんなふうに、自分に理由をつける自分がいた。
348シンデレラに憧れて:02/08/31 16:27 ID:deo/aLku
娘。たちの泊まるホテルの一室。
紺野と同じ部屋の高橋は、なかなか寝付けずにいた。
今日見た夢を、また見てしまうのではないかと。
そして気になっていた。同じ風景の夢を見た人は、
自分と同じような夢を見たのかと。
今日のテレビの収録は、矢口たちが大丈夫といってからすぐだった。
その後はあの夢の話はまったく出ず、いたって普通に仕事を終えた。
そんな訳で誰にも聞くタイミングはなかったし、内心、誰にも聞かれずに
いた事をほっとしていたのだった。
「ねぇあさみちゃん。」
「なあに?」
「やっぱまだ起きてたんだ。」
「うん。」
やはり紺野も寝付けずにいることを確認すると、
夢の事をどうしても聞きたくなった。

あさみちゃんを傷つけるかもしれない…。でも…
349シンデレラに憧れて:02/08/31 16:33 ID:deo/aLku

「あさみちゃんさあ…昨日の夢って具体的にどんなのだったの?」
高橋は先ほどまでむこうをむいていたが、急にこちらに向きを変え、
紺野をじっと見つめて言った。
紺野はずっと聞こうと思っていたことを、高橋に先に
聞かれてしまって驚いた。
実は、紺野は今日一日中困惑していたのだ。
今日バスで移動していた時は、高橋も小川もとても明るく、夢の話をしていた。
それには少し疑問だったのだ。
少なくとも自分にとっては、気分の悪い夢だったから。
しかし、テレビ収録の前の楽屋では
雰囲気は一変し、夢を見たと言っていた人たちは、皆信じられないくらい
暗い表情をしていた。ただ…、それにも紺野は違和感を覚えた。
気分は悪かったけど、

私でも、あのくらいじゃそんなに暗くならない。

紺野が考え込んでいると、しびれを切らした高橋が話し始めた。
「そうだよね。あんな夢、言えるわけないよね…。
じゃあ私から言うから、あさみちゃんも教えてね…良い?」
くりっと大きな瞳に吸い込まれそうになった紺野は、
とりあえず話しを聞こうと、ゆっくりうなずいた。