最初は、あの人との接点なんて、何もないと思っていました。
金髪の中学生、デビュー。
……知っています。
女の子3人組、日本一の記録樹立。
……知っています。
教育係のその人の卒業時に、大泣きしたしたこと。
……知っています。
ソロデビュー曲が、オリコン1位を飾ったこと。
……知っています。
そして、あの人が。
わたしなんて足元にも及ばないような可愛らしい彼女のことを好きでいることも。
………知って、しまいました。
ねえ、後藤さん。
わたしはずっと、あなたに憧れていました。好きだとか嫌いだとか、そんなんじゃ
なくって。本当に、とても純粋な気持ちで憧れていました。
あんな風に笑えたら。
あんな風に踊れたら。
あんな風に歌えたら。
あんな風に、周りの人達に認められることが出来たなら。
いつからだろう、この気持ちが憧れなんてものじゃなく、
「好き」って気持ちに変わっていたのは。
いくら勉強しても、その感情を上手く説明することは出来ません。
後藤さん。わたしは、あなたのことはきっと、あなたが覚えていないようなことでも
知っています。幾らでも、話すことができます。
だけど、あなたは。
そんなわたしの気持ちも知らないでしょう。
そんなわたしに対する興味なんて、彼女に向ける気持ちの欠片もないでしょう。
それでも、夢見がちなわたしは。
小さな頃からまるで成長していないわたしは。
こんなわたしでも、側にいればいつか。
いつか。
――― わたしにも、目を向けてくれるんじゃないかって。
淡い期待を抱いていたりもするんです ―――